三笠記2(「神載山書記」)

 (最新見直し2010.03.07日)

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 たかまなるあや タカマ成る文
 やまくいの たかまおこえは くさなきて ヤマクイの タカマを請えば 草薙ぎて 
 こほしおまつる ゆきのみや 九星を祀る ユキの宮
 あめとこたちと すきとのに アメトコタチと スキ殿に 
 うましあしかい ひこちかみ ウマシアシカイ ヒコチ神 
 あわせまつれは なもたかま  合わせ祀れば 名もタカマ
 もろあつまりて ゆえこえは 諸集まりて 故請えば  
 きみさほひこに みことのり 君サホヒコに 詔
 これたまきねに われきくは   これタマキネに 我聞くは
 あめつちいまた ならさるに 天地未だ 成らざるに
 あめのみをやの なすいきは 天の御祖の なす息は
 きわなくうこく あもとかみ 際なく動く 天元神 
 みつにあふらの うかむさま 水に油の 浮かむ様
 めくるうつほの そのなかに 廻る空洞の その中に 
 あめつちととく みはしらお 天地届く 御柱を
 めくりわかるる あわうひの 廻り分かるる 泡泥(あわうひ)の 
 あわはきよくて むねをかみ  泡は清くて むね陽(を)神
 うひはにこりて みなめかみ 泥は濁りて みな陰(め)神 
 をはかろきよく あめとなり 陽は軽ろ清く 天となり 
 めはおもりこる くにのたま 陰は重り凝る 地の球 
 うをせのむねは ひのわなる うを背のむねは 日輪なる
 うめのみなもと つきとなる うめの源 月となる
 あもとあらわれ うみてのる 天元顕れ 生みて乗る
 うつろしなとに はおめくり ウツロ・シナトに 地を巡り  
 ありさまなせは つきのみつ あり様成せば 月の水 
 うみとたたえて ひにうめる 海と湛えて 日に生める
 うつほうこきて かせとなる 空動きて 風となる
 かせほとなれは つちもまた 風火となれば 土もまた
 みつはにとなる 水埴となる
 このゐつつ ましわりなれる かんひとは  この五つ 交わり成れる 神人は 
 あうわあらわる みなかぬし  ア・ウ・ワ顕わる 御中主
 くにたまやもに よろこうみ 地球八方に 万子生み  
 はつにをうみの ゑとのこの 果つにヲウミの 兄弟の子の 
 ゑみこあにつき をうみたす 兄御子上に継ぎ ヲウミ治す  
 おとみこのすむ としたくに  弟御子の統む トシタ国 
 これいまはらの みやのなも これ今ハラの 宮の名も 
 としたといいて よよのなの トシタと言いて 代々の名の
 ももはかりのち とのみこと ゑにうけをさむ 百諮り後 弟の命 兄に受け治む  
 それよりそ かわるかわりに よおつきて  それよりぞ 代る代りに 世を継ぎて
 あめにかえれは みなかぬし 天に還れば 御中主
 およひゑひため とほかみも およびヱ・ヒ・タ・メ ト・ホ・カ・ミも
 あめにくはりて ほしとなす 天に配りて 星となす 
 あめとこたちの かみはこれ   アメトコタチの 神はこれ
 のちそひのきみ きつをさね 後十一の君 キ・ツ・ヲ・サ・ネ  
 あみやしなうも あにかえり ア・ミ・ヤ・シ・ナ・ウも 天に還り 
 さこくしろにて  みことのり サコクシロにて 詔 
 みなほしとなす このかみは 皆な星となす この神は 
 はらわたいのち みけおもる 腹腑(はらわた)命 食(みけ)を守る
 うましあしかい ひこちかみ ウマシアシカイ ヒコチ神  
 かれあめみこと わのみこと 故天命 地の命
 くにとこたちの なよのかみ クニトコタチの 七代の神 
 みなさこくしろ よりのほし   皆なサコクシロ よりの星
 あにあらわるる ひのわたり 天に現るる 日の径り  
 ももゐそとめち つきのほと 百五十トメチ 月の程
 なそとめちうち ひのめくり  七十トメチ内 日の廻り 
 なかふしのとの あかきみち 中節の外の 赤き道  
 やよろとめちの つきおさる  八万トメチの 月を退る 
 つきのしらみち よよちうち 月の白道 四万チ内 
 くにたまわたり もそよちの 地球径り 百十四チの 
 めくりみもむそ ゐとめちの 周り三百六十 五トメチの 
 つきよりちかき ひはとおく 月寄り近き 日は遠く
 つきはなかはに ちかきゆえ ならへみるなり  月は半ばに 近き故 並べ見るなり
 もろほしは あめにかかりて またらなす 諸星は 天に篝りて 斑(まだら)なす
 つつゐはもとの いろつかさ 連井は本の 色司
 ふそみかほしは よしあしお はらのにしめす 二十甕星は 吉凶を ハラ野に示す  
 あまめくり ひはををきくて ひとおくれ 天廻り 日は大きくて 一送れ
 みもむそゐたひ ひととしの  三百六十五度 一年の  
 はるたつひには もとにきて  春立つ日には 元に来て 
 ひとたひもとの ほしにあい 一度元の 星に合い
 つきはおもくて そみのりお 月は重くて 十三延を
 おくれひにあふ ついたちそ  遅れ日に合ふ 朔(ついたち)ぞ
 ほしにそみあふ あめはゑな 星に染み合ふ 天は胞衣  
 ひつきひとみな あめのえな   日・月・人皆な 陽陰の枝
 そとはたかまの はらまわり 外はタカマの ハラ周り
 ももよろとめち ほしまては 百万トメチ 星までは
 そゐやちとめち そのそとは 十五八千トメチ その外は  
 なもとこしなえ やすみきは  名もトコシナエ 八隅際 
 やいろのにきて みなみあお 八色の和幣 南青
 にしはくれない きたはきに 西は紅 北は黄に
 ひかしはしろく あいもいろ 東は白く 間(あい)も色
 みをやのそはに やもとかみ 御祖の傍に 八元神  
 まもるとほかみ ゑひための 守るトホカミ ヱヒタメの 
 ゑとのことふき あなれかみ 兄弟の寿 天なれ神 
 ねこえさつけて みそふかみ 根こえ授けて 三十二神 
 みめかたちなす したつもの 見め形成す 親つモノ 
 そむよろやちと  もりおゑて 十六万八千と 守を得て
 ひとうまるとき かみともの 人生まる時 神とモノ  
 たましいむすひ たまのをと 魂魄結び 魂の緒と
 ゐくらむわたも そのかみの 五臓六腑も その神の
 そよたてそなえ ひととなす   十四経備え 人となす
 あめのみをやの ををんたけ 天の御祖の  大御丈 
 やもよろとめち みのひかり 八百万トメチ 身の光 
 もともとあけの あまめくみ 元々明の 天恵み 
 ととくはしらは すきとほる 届く柱は 透き通る
 なかのくたより はこふいき  中の管より 運ぶ息   
 くるまのうてき ここのわの 車の腕木 九の輪の
 ひひきてめくる いきのかす 響きて巡る 息の数
 よろみちむやそ ひとのいき ささなみもこれ  万三千六八十 人の息 細波もこれ
  
 とめちとは めのみそむふむ トメチとは 女の三十六踏む
 せはといき ももいきはまち 畝は十イキ 百イキは町
 みそむさと さとみそやなり  三十六里 里三十八なり
 みをやかみ みてくらそむる  ミヲヤ神 幣(みてくら)添むる
 はるあきの いきはくたより さきりなす 春秋の 息は管より 精霧なす
 ゑにゆつるきり ひおまねき ふゆひをかえす ヱに譲る霧 日を招き 冬日陽反す
 とはなつに つきのめかえす トは夏に  月の陰 反す
 はるあきそ あめゆつるひは あのさきり 春秋ぞ 天譲る日は 天のさ霧
 くにゆつるつき はのさきり  地譲る月 地のさ霧
 てれはたたゆる みなかぬし てれば称ゆる 御中主
 あきりにのりて やもにゆき 天霧に乗りて 八方に行き   
 ひつきのみちお  ゆつりはに 日月の道を 譲り地に  
 あかたのかみの いろくにと なつけあのみち  県の神の 色国と 名付け天の道
 はのみちも あしのことくに たつゆえに  地の道も 葦の如くに 立つ故に 
 よそこのかみは あにかえり 四十九の神は 天に還り 
 もとのたかまの はらにあり 元のタカマの ハラにあり
 くにたまくわし さこくしろ 地球細し サコクシロ 
 かれかみまつる はもたかま  故神祀る 地もタカマ 
 すかのところは これにくらへん    清の所は これに比べん
 をおんかみ おりのみゆきに ききませは 大御神 折の御幸に 聞きませば
 こきみもみこと みちひこも 九君百尊 三千彦も
 みなつつしみて うやまいにけり 皆謹みて 敬いにけり

 なめことのあや  嘗事の文
 つきすみの しかのみことか ツキスミの シガの命が
 ゑとのかみ とよりののとの ゆえおとふ  兄弟の神  弟よりの宣の 故を問ふ
 かれにとよけの なめことそ    故にトヨケの 嘗事ぞ
 ゑのなめはねに  しものなか ヱの嘗は北に 十一月の中 
 ひうおまねけは かつめかみ 一陽を招けば かつめ神 
 かちおねにひき ひおむかふ 舵を北に率き 日を迎ふ 
 このういなめは いまののと この初嘗は 今の宣 
 こほしまつりて をめくりに 九星祀りて 陽回りに
 くろまめゐひの  ちからそふ 黒豆飯の 力添ふ
 しわすはにみつ きはねさす 十二月地に満つ 木は根差す
 なおそらさむく つきすえは なお空寒く 月末は  
 かゐみなきそひ ややひらく  殻漲ぎ聳ひ 弥々開く
 またそらさむく うるおえす  まだ空寒く 潤を得ず
 ややなめつくる はにみつの 弥々嘗尽くる 埴・水の
 ゑにはしらたつ  かみかたち  上に柱立つ 神形
 としわけのよは  まめおいり 年分けの夜は 豆を煎り
 みなおにやらふ かおひらき 穢・鬼遣らふ 門を開き 
 しめひきふさき はゑゆつは 〆引き塞ぎ ハヱ・ユヅ葉
 むきにとしこへ ひのなめは 麦に年越え ヒの嘗は  
 つさにいなさの はつひより 西南にイナサの 初日より 
 ふうおやわせて おけらたき 二陽を和せて 朮(おけら)焚き  
 わかめみつくみ しときもち 若女水汲み 粢(しとぎ)餅  
 まかりかやくり うなところ まかり榧栗 海菜トコロ
 かくいもかしら しむのより 橘芋頭 シムの寄り 
 ゆみつきのよは ゐのみつに 弓月の夜は 亥の三つに 
 ぬえあしもちか かたをゑお ヌエアシモチが 朽穢を 
 こけふはこへな  いたひらな ゴゲフ・ハコベ菜 イタヒラ菜
 すすなすすしろ すせりなす  スズナ・スズシロ スセリ・ナズ
 なみそにのそく  めをおえは 七ミソに除く 陰陽合えば
 もちのあしたは ひもろけの 十五日の朝は 霊守食の 
 あつきのかゆに ゑやみよけ 小豆の粥に 穢病除け
 ささおけとんと  もちやきて 笹・オケ・ドンド 餅焼きて  
 かゆはしらなす かみありの 粥柱なす 神現りの 
 かゆふとまにや きさらきは  粥フトマニや 二月は 
 めをほほやわし きさしおふ 陰陽ほぼ和し 萌し生ふ
 たねかしまつる いなるかみ 種浸し祭る 稲荷神
 のりゆみひらき もちまてに 乗弓開き 餅左右に
 そこにふきたつ はつひかせ 底に吹き立つ 初日風
 これかみかたち  これ神形
 たのなめは みうのあおうけ タの嘗は 三陽の天を受け
 きさらきの なかよりみうお めにやわせ 二月の 中より三陽を 陰に和せ
 ひとくさそたつ いというそ 人草育つ イトユウぞ
 やよいのはしめ ももやなき 弥生の初め 桃柳
 みきひなまつり ゑもきもち 酒雛祭 蓬(ゑもき)餅 
 たみなわしろに たねおまく 民苗代に 種を蒔く 
 やよいなかより かけろひて 弥生中より 影ろひて 
 なえおいそたつ わのなかに 苗生い育つ 輪の中に 
 みひかりのあし なかにみつ 三光の足 中に見つ
 これかみかたち これ神形
 めのなめは うめのいもみつ メの嘗は 大陰の妹水
 うつきより うをおまねきて なつおつく 四月より 大陽を招きて 夏を継ぐ
 みはわたぬきて つきなかは さひらきまつる 衣綿抜きて 月半ば 早開き祭る  
 ゐなるかみ すえはあおひの  めをまつり 稲荷神 末は葵の 夫婦祭り  
 さつきにもろは なるつゆお 五月に両葉 乗る露を 
 なめんとゑもき あやめふく 舐めんと蓬 菖蒲(あやめ)吹く
 さつさはゐわた のりはゐゐ みなそこにふす  サツサは五腑 乗りは五五 水埴底に伏す
 めのなさけ これかみかたち   陰の情け  これ神形
 とのなめは はにみつうるふ   トの嘗は  埴・水潤ふ
 さつきなか ひかりとほれは かつめかみ 五月中 光徹れば かつめ神  
 みちおかえして ひおこえは  道を返して 冷を乞えば 
 みひきおまねき しらみちの 陰引を招き 白道の  
 ひめおくたして はにふせは 一陰を降して 地に伏せば
 きそひのほりて さみたるる 競ひ昇りて 五月雨るる 
 あおはしけれは なからえの さのかおりうく  青葉茂れば 長らえの 南の香り受く 
 みなつきは ややはにみちて  たたかえは 六月は 弥々地に満ちて 闘えば 
 かみなりあつく すえはなお 上鳴り暑く 末は尚  
 あつくかわけは ももまつり  暑く乾けば 桃祭り 
 きそひやむれは ひめひらく 競ひ止むれば 一陰開く
 ほそちちのわに  ぬけつくる みなのはらひそ 熟瓜茅の輪に 抜け尽くる 皆なの祓ぞ
 かたちけた あのまてのいの なかにたつ 形方  天の左右の射の 中に立つ 
 くにたしなるる  かみかたち    地治し平るる 神形
 ほのかみきねに なめうけて  ホの神東北に 嘗受けて
 はのふめもりて あふみまつ 地の二陰 盛りて 七月先ず  
 めにやわして かせとなす 二陰に和して 風となす 
 ゆみはりにうむ いうとあさ 七日に績む 木綿と麻 
 をとたなはたの ほしまつり  をと棚機の 星祭り  
 もちはみをやと いきたまに 十五日は御祖と 生き魂に   
 ゑなのはすけの めをあえは 胞衣のはすけの  陰・陽合えば
 あおきおとりて いおうくる 仰ぎ踊りて 気を受くる  
 ほつみはつひは うけまつり  八月初日は ウケ祭  
 ふめたつかせに かやおふす  二陰立つ風に 萱を臥す 
 ふしあれのわき そろをゑは 悉し粗れ萎わき ソロ衰えば 
 しなとまつりに のわきうつ ほをのはらゐぞ  シナト祭に ノワキ討つ  ほをの祓ぞ
 かたちはに ふはしらたちて むつましく  形埴  二柱立ちて 睦まじく
 これかみかたち   これ神形
 かのなめは あのあかりもる   カの嘗は 天の明り守る
 ほつきなか みめにとくつき   八月中  三陰に磨ぐ月
 いものこの さわおいわいて 芋の子の 多を祝いて
 なかつきは おおとしつける  九月は 大年告げる
 ここのみは かさねここくり 菊の御衣 襲菊・栗
 ひとよみき こもちつきには まめおそふ 一夜御酒 小望月には 豆を供ふ 
 もちよりさむる をかまつり  十五日より騒むる 生姜祭 
 まとかのなかの みはしらは かのかみかたち 円の中の 御柱は カ の神形
 みのなめは そのめたえにて  ミの嘗は その陰妙にて
 かみなつき うめしりそけて しくれなす 十月 大陰退けて 時雨なす  
 ややそこにみち をおつくす  弥々底に満ち 陽を尽くす 
 かれををなむち  かなつきに  故ヲヲナムチ 十月に
 ぬるてたきて  もろかみ もちゐほとこし  ヌルテを焚きて 諸守に 餅飯施し
 しもつきは ややめかのほる しもはしら  十一月は 弥々陰が昇る 霜柱 
 ひらきはつくさ つほみさす 柊初草 蕾(つぼみ)差す 
 はによりかせの ひとゐたつ これかみかたち   埴より風の 一射立つ これ神形
 ひとせこれ ゑとにはんへる みそのかみ 一年これ  ヱトに侍る 三十の神    
 ひひにかわりて むそかもる 日々に替わりて 六十日守る  
 むわのなめこと うつろゐの 六還の嘗事 ウツロヰの 
 としこえせまえ おおみそか  年越瀬前 大晦日 
 はつむかそよか さのみそか  初六日・十四日 五月の三十日
 すへひとせもる なめことそこれ  総べ一年 守る 嘗事ぞこれ
 かくゑとの とさきのゆえは かく兄・弟の 弟先の故は
 あめみをや のりしてゑかみ ふゆおもり  天の御祖 宣してヱ神  冬を守り
 とかみはなつの そろおもる ト神は夏の 繁を守る 
 なかくひとくさ うるほせは 長く人草 潤せば 
 かみになそらえ とのたまに  神に擬え トの魂に  
 なつくやまとの のとなれは 名付くヤマトの 宣なれば  
 いまさらかみの みことのり 今新守の 御言宣
 うけてさたむる みちとけは 受けて定むる 道説けば
 しかおちこちの ももつかさ  シガ遠近の 百司  
皆な文染めて 帰るこれかな

 はにまつりのあや  埴政りの文
 やつくりの のりはあまてる 屋造りの 法はアマテル
 かみのよに あめのみまこの みことのり 神の代に  天の御孫の 御言宣  
 をこぬのかみの うなつきて  ヲコヌの守の 頷きて
 にはりのみやの みやつくり ニハリの宮の '宮造り 
 のりおさたむる  そのかみは 法 を定むる その神は
 くにとこたちの かみのよに  クニトコタチの 神の代に   
 むのたみめより むろやなる ムのタミメより ムロ屋成る  
 まつはおならし すきはしら 先ず地を平らし 直き柱  
 むねおかつらに ゆひあわせ 棟を上面に 結ひ合わせ 
 かやふきすみて  このみはむ 萱葺き住みて 木の実食む
 をしゑおたみに ならはせて 教えを民に 習わせて  
 くにとこたちの かみとなる  地床立の 神となる
 これよりさきは あめつちの これより先は 天地の
 なりてあれます みなかぬし  成りて現れます 御中主
 ふそよにうめる たみくさの 二十世に生める 民草の
 あなにすまえは ひとならす 穴に住まえば 人ならず
 くにとこたちの むろやより クニトコタチの ムロ屋より 
 みやとのつくる はさらたみ 宮殿造る ハサラ民  
 ゐためたたるの おりあれは 傷め祟るの 折あれば  
 これのそかんと おほすなり これ除かんと 思すなり
 まさにしれ まつひきのりは はおならし  正に知れ 先ずひき法は 地を平らし 
 かしきのゆうお なかにたて 赤白黄の木綿を 中に立て 
 ましろのゆうお きねにたて 真白の木綿を 東北に立て 
 かしろのゆうお つさにたて 赤白の木綿を 西南に立て 
 あしろのゆうお きさにたて 青白の木綿を 東南に立て 
 きしろのゆうお つねにたて 黄白の木綿を  西北に立て
 としのりたまめ やまさかみ トシノリタマメ ヤマサ守  
 をころのかみも はにまつり  オコロの守も 地に祀り
 としつきひひの もりはこれ   年月日々の 守はこれ
 もしやよこまの さはいせは もしや汚曲の 障いせば 
 あらかねのはお うつろゐの 粗金の埴を ウツロヰの 
 うをまさかみの まさかりや 大将守の マサカリや
 このはかまろは はひきなす この真黄磨は 地掃なす   
 なまろくろまろ あすはなす 鉛磨・黒磨 あす地なす 
 あかまろゐくゐ しろまろは よものつなかゐ   赤磨打杭 白磨は 四方のつなかゐ
 きかまろは たるはおふきて ゐかすれは  黄赤磨は 惰る地を奮きて 活かすれば
 すへてふくゐの かなまろの 総てふくゐの 金磨の   
 ななのきたひの いくしまや  七の鍛の イクシマや  
 たるしまかみと ふきなする タルシマ守と ふき撫ずる
 かとはくしとよ いわまとの  門はクシ・トヨ イワマトの
 かみのゆきすき すきとほる  守の 活き繁き 優き徹る
 をこぬのかみの ほつまのり  ヲコヌの神の ホツマ法 
 しきますきみお いかすれは 敷きます君を 活かすれば 
 たとひきねまに さはなすも たとい東北魔に 障なすも  
 へらよりきたふ かたたかひ  穢方よりきた傾ふ 方違ひ  
 あらかねのはお とくねれは  粗金の埴を とく錬れば  
 かみのめくみに かなふなる  神の恵みに 適ふなる
 このやつくりの ほつまのり この屋造りの ホツマ法 
 ゐくゐつなかゐ はひきして 打杭つなかゐ 地掃して  
 あすはふくゐの はしらたて 映地ふくゐの 柱立て
 むろやみやとの たみのやも ムロ屋・宮殿 民の屋も   
 むねはたかまの はらまても 棟はタカマの ハラまでも
 ちきたかしりて さわりなし  千木高知りて 障り無し    
 しもはちひろの いしすえの 下は千尋の 礎の 
 はしらはちたひ ねつくまて 柱は千度 根接ぐまで
 しきますきみの なからえお 敷きます君の 長らえを
 まもるはさらの かみしつめ  守るハサラの 神統め
 これすみよしの ゐかすりお これ住吉の 活かすりを 
 をこぬのかみの とくのりと  ヲコヌの神の 説く法と 
 まつりのふみに もうしてもうす   祀りの文に 申して申す

 としうちになすことのあや 年内に為す事の文
 あるひこふ ゑおこのかみと をもひかね  ある日請ふ ヱオコの神と ヲモヒカネ 
 いちゐたたせは たまきねの いちゐ質せば タマキネの
 このなすことお のたまわく   九の為す事を 宣給わく
 ゑはねのみつの ひとをかみ ヱは陰の三つの 一陽神    
 ひのみちささけ ねにかえす  日の道繁々げ 北に返す 
 ひとをふせても あめわゆき  一陽伏せても 天地幸 
 とのかみおして うゐなめゑ トの神をして 初嘗会 
 しわすれはやや つちにみち  しわすれば弥々 土に満ち
 よろきねうるひ うゑさむく 万木根潤ひ 上寒く   
 すゑにひたけて そらさむく  末に開けて 空寒く  
 かたちはゑみつ をのはしら  形埴・合・水 陽の柱
 ゑもとのかみの わかるよは ヱ元の神の 別る夜は    
 ゐりまめうちて おにやらゐ 煎り豆打ちて 鬼遣らい
 ひらきゐわしは もののかき  柊鰯は モノの垣  
 ほなかゆつりは しめかさり  穂長譲葉 注連(しめ)飾り
 ひはつさかせの  ふつをかめ  ヒは西南風の 二陽神 
 きたれはひらく はつひくさ 来たれば開く 初日草   
 はつひまつりは  ふとまかり 初日祭は ふと環り 
 やまのかやくり うみのめも 山の榧・栗 海の布も 
 ところたちはな ゐもかしら  トコロ・橘 芋頭 
 しむのふしゑは たるむつみ シムの節会は 足る睦み
 ゆみはりまつる みそのなは  弓張り(7日)祭る ミソの菜は
 ぬゑあしもちか かさくさお  ヌヱアシ餅が かさくさを  
 こけふはこへら ゐたひらこ  ゴゲフ・ハコベラ イタヒラコ
 すすなすすしろ すせりなつ  スズナ・スズシロ スセリ・ナヅ 
 このななくさに のそくなり この七種に 除くなり 
 もちのあさほき あつきかゆ 十五日の朝祝ぎ 小豆粥
 さむさにやふる わたゑやみ 寒さに破る 腑穢病
 さやけをけらに とんともち  清掛朮に どんど餅 
 ゑさるかみあり きさらきや 穢去る神あり 二月や 
 こりゑこころみ むままつり  こりゑ試み  馬祭り  
 よろきひいつる かみかたち 万木秀づる 神形
 たはきそらてる みつをかみ タは東空照る 三陽神  
 きさらきなかに みつをきて 二月中に 三陽来て  
 あおひとくさお うるおせは 青人草を 潤せば
 いとゆふのとか やよゐきて  いとゆふ長閑 弥生来て
 ももさきめをの ひなまつり 桃咲き女男の 雛祭り 
 くさもちさけに  ひくゑもせ  草餅酒に 祝く妹背 
 やよゑなかすえ かけらうや 三月中・末 陽炎や 
 めつたりおさむ たもとかめ  三つ垂り収む タ元神
 めはつねにすむ みつのかみ メは西北に住む 水の神   
 うつきはうめの をおまねく 四月は大陰の 陽を招く
 さなゑあおみて なつおつく 稲苗青みて 夏を告ぐ 
 なかわたぬきて つきすえは 中綿抜きて 月末は 
 あおひかつらの めをまつり  葵・桂の 夫婦祭り 
 ふたはにのほる さつゆつき かつみのつゆや  双葉に上る 栄露月 かつみの露や
 のりくらへ ゐゐのつつたち めをのほき 乗り競べ 五五のツツタチ 女男の祝ぎ 
 ゐわたちまきや めもとかみ   五腑茅巻や メ元神
 とはさにゐます めやわかみ トは南に坐す 陰和神  
 みつのひかりの はにとほり 三つの光の 地に通り 
 ひのめちかきる さつきなか 冷の充ち限る 五月中
 ひとめふしおき さみたるる 一陰伏し置き 五月雨るる  
 よろのあおはの かせかほる 万の青葉の 風薫る
 みやにうくれは なからゑり 身・家に受くれば 長らえり     
 めははにみてと うゑあつく 陰は地に満てど 上 熱く
 みなつきすえは いよかわき  六月末は いよ乾き 
 ももにちまつる ちのわぬけ  桃に繁まつる 茅の輪抜け
 ゐそらおはらふ みなつきや ヰソラを祓ふ 六月や  
 かたちはくにの なかはしら 形は地の 中柱  
 まてにととなふ ともとかみ  左右に調ふ ト元神
 ほはきねにすむ ふためかみ ホは東北に住む 二陰神 
 あふつきふめお あにやわし 七月二陰を 天に和し
 あきかせつけて まをまゆみ 秋風告げて 真麻・真弓  
 ゐとおつむきて たくはたや 糸を紡ぎて たぐ機や 
 あわのほきうた かちにおし 陽陰の祝ぎ歌 かちに押し  
 しむのもちほき ゐきめたま  シムの十五日祝ぎ 生霊魂   
 おくるはすゐゐ ゑなかのり 上くる蓮飯 胞衣が法     
 あをきおとれは あゐうくる 仰ぎ踊れば 天気受くる
 はつきはしめは ふためさく 八月初めは 二陰栄く  
 あらしくさふす うかほきの 嵐草臥す ウカ祝の 
 ほつみならふる ほもとかみ  果実並ぶる ホ元神
 かはにしそらの をあけかみ カは西空の 陽別神  
 はつきなかより みめのとく 八月中より 三陰の磨ぐ 
 にたこもちつき ゐもはつき 熟小望月 芋果月  
 なつきみつきの ここなさき  九月満きの 菊(ここな)咲き 
 をほとしきくの ちりわたこ 大年菊の 散り綿子
 ささけてまつる くりみさけ ささげて祭る 栗見酒    
 もちまえまつる ほからつき  十五日前祭る 朗ら月   
 まめやかうたゑ かみおとり 豆夜明宴 香味踊り
 かたちあかるき かもとかみ   形分るき カ元神
 みはきさにすむ そのめふり  ミは東南に住む その陰ふり   
 をかみしりそく はつしくれ 陽神退く 初時雨   
 ややめもみちて なかころは 弥々陰も満ちて 中頃は 
 をのかみつきて かみなつき  陽の神尽きて 神無月  
 ねのつきつゆも しもはしら 十一月露も 霜柱 
 こからしふけは きはみおち  木枯し吹けば 木葉実落ち 
 ひらきはつくさ めはるなり 柊初草 芽張るなり 
 かたちかせもつ みもとかみ  形風没つ ミ元神
 かくめをおもる そのなかに かく陽陰を守る その中に 
 とはみなみむく ひとくさの トは南向く 人草の  
 ことほきのふる このゆゑに 寿伸ぶる この故に 
 とはのとうたの はしめそと トは宣歌の 初めぞと 
 つねなすことに あめおしるなり 常為す事に 陽陰を知るなり

 つきしほうみて みかつきの のちのひまちや 月潮終みて 三日月の 後の日待ちや
 いさきよく たかゐにえませ たまいつつ 潔く 互いに笑ませ 給いつつ 
 わかひにむかゐ おわします 若日に向い 御座します
 あめのはつひの みかけさす  天の初日の 御影 射す
 ふたかみおもゐ はからつも 二神 思い 計らずも
 ひかりおゐたく ここちして 光を抱く 心地して
 みたけうるおゐ はらみます      満たけ潤い 孕みます
 つきみつころも あれまさす   月満つ頃も 生れまさず
 こころつくしも やとせふり   心尽しも 八年経り
 はれわたる わかひとともに あれまして  晴れ渡る 若日と共に 生れまして
 おほよすからの ことほきも おほよすがらの 言祝ぎも 
 みたひにおよふ こゑよろし    三度に及ぶ 声喜し
 かねてたまもの いちゐのえ  予て賜物 一位の枝
 ここりひめ みゆとりあけて ココリ姫 御湯取り上げて 
 あまねきかみの あれのとき  遍き神の  生れの時
 あめにたなひく しらくもの 天に棚引く 白雲の  
 かかるやみねの しらたまの 架かる八峰の 白玉の  
 あられふれとも あめはるる 霰降れども 天晴るる
 みつのしるしお しらぬのに 瑞の徴を 白布に
 やとよのはたの よよにたつ  八豊の幡の 代々に立つ 
 すへらのみこの はしめなりけり     皇の御子の 初めなりけり 
 あなかしこあな あなかしこあな
 ほつまきみ かつらきやまの やちくらの ホツマ君 葛城山の 八千座の 
 みそきもみちて かつらきの 禊も満ちて 桂木の   
 てくるまなして むかえんと 出車成して 迎えんと 
 はらみやまとに つたゑよる    ハラミヤマトに 伝え寄る
 たらちねのゆめ さめまして タラチネの夢 覚めまして 
 まみえあかつき ををきみの 見みえ暁 太君の  
 みまこおいたき たてまつり 御孫を抱き 奉り  
 てくるまにゑて みゆきなる 出車に合て 御幸成る   
 ひおへてくにに いたります 日を経て国に 到ります  
 みこのよそゐの ひたかみや 御子の他所居の 日高見や
 ひかりかかやく わかひとの 光 り輝く ワカヒトの   
 をしてわみこの ゐむなのり ヲシテは御子の 斎名・乗り 
 たらちねかみわ おそれまし タラチネ神は 畏れまし  
 あわのみやにわ そたてしと 「アワの宮には 育てじ」と 
 あめにおくりて かえります   天に送りて 帰ります
 あめつちさるも とおからつ 天地離るも 遠からず 
 ひことにのほる とゆけかみ  日毎に上る トユケ神  
 あめのみちもて さつけます 陽陰の道以て 授けます
 わかひとふかく みおつくし ワカヒト深く 身を尽し 
 みこころととく ひさかたや 御心届く  久方や  
 むそよつむちの おをひるめ  六十万つ六千の 大日霊
 ふつくにうれは すへらきの 悉くに得れば 皇の 
 よよのまつりお しろしめす  万々の政りを 知ろし召す  
 くしたえとおる ひのくらい  貴妙徹る 日の位    
 ひるめとともに あまてらす  日霊と共に 天照らす
 うみはかりなき ひとくさの 生み計りなき 人草の  
 ふつくにそたつ くしたまの のりもてうつす 悉くに育つ 奇魂の 法もて写す
 くにうとの あまてるかみと よろこひの 地人の 天照神と 喜びの  
 まゆもひらくる ゐひならし 眉も開くる 言ひ慣らし
 たらちねかみわ たたひとり タラチネ神は ただ一人
 ゐもをせかみの ひおうみて  妹背神の 霊を生みて
 ねのくにの ゑひめさすらや 根の国の 姉姫流離や  
 おとさすら   妹(おと)流離
 たかまのはらの ををみやめ タカマの原の ヲヲミヤ姫 
 とよはたすけや ここたえの さくらたに  トヨハタスケや ココタエの サクラタニ 
 たきつせのめわ せおりつめ  滾つ背の女は セオリツ姫 
 おとわかさくら    弟ワカサクラ
 つきわうなはら やおあいの 次は海原 八百会の 
 はやあきつめや ここたえの ハヤアキツ姫や ココタエの
 ををなむち すくなひこなも ともともに ヲヲナムチ スクナヒコナも 共々に   
 くにくにめくる おりしもに 国々廻る 折しもに 
 かてつくたみに うしのしし 糧尽く民に 牛の肉  
 ゆるすそのたに ゐなむしの 許す稲の田に 厭虫の  
 おゑるなけきの ををなむち 穢える嘆きの ヲヲナムチ 
 あめやすかわの わかひるめ  天ヤスカワの ワカヒルメ 
 とえはこたえの をしゑくさ  問えば答えの 教え草  
 をしてあふけは たちまちに ヲシテ仰げば 忽ちに   
 はふむしいにて いなくさわ  蝕虫去(い)にて 稲草は 
 やはりみのりて わかかえる やはり実りて 若返る  
 かみわたかてる したてるの 神はタカテル シタテルの   
 としのめくみの おおんかみ  歳の恵みの 大御神  
 ひたるのときに たまふなわ ひたるの時に 賜ふ名は
 あゆみてるめに したてると アユミテル姫に シタテルと 
 さたのたかめは たかてると サタのタカ姫は タカテルと 
 さつくるわかの たまつみや  授くるワカの タマツ宮 
 をしてのこして かくれます  ヲシテ残して 隠れます
 さたわいやます みこみまこ サタは弥増す 子孫  
 ももやそとめる ををなむちかな  百八十富める ヲヲナムチかな
 かわりなけれは としよりて 変わりなければ 年寄りて   
 そのたのしあり ここなしの その楽しあり 菊(ここなし)の  
 かるることくに かんはしく  枯るる如くに 芳しく 
 よろとしふれは まかるみの 万歳経れば 罷る身の  
 ここなのことく かほるなり  菊の如く 香るなり
 ひめなんち せなのみのたけ いくはくそ 姫、汝 背なの身の丈 幾ばくぞ
 ひめのこたゑは かねてしる 姫の答えは 予て知る 
 そふたゆひは あまてらす 十二尺五指は 天照らす  
 かみのみたけと わかせこと 神の身丈と 我が背子と 
 いとかけまくも おなしたけ いとかけまくも 同じ丈   
 おほふうれしさ またあらし 覚う嬉しさ またあらじ
 たかえあわせし ゑみすかほ 違え合せし 笑みす顔 
 そのときあるし みあゑして その時主 御饗して  
 こもりもてなす ものかたり コモリ持て成す 物語り 
 わかみのたけは そむたあり  我が身の丈は 十六尺あり
 いかつちか ととろきとほる いさおしお 雷が 轟き徹る 功を   
 よよのかなめの いしつつに  揺の要の 石槌に  
 かふつつつるぎ たもふなり    枯断剣 賜ふなり
 みかつちの なりわたるなの ゆみとりの   ミカツチの 鳴り渡る名の 弓取りの 
 もののへかみの かなめいし 物部守の 要石    
 ときわにまもる あまかみの 常磐に守る 天神の 
 よよのみそきの さきかけは 世々の禊の 先駆けは
 ふつぬしかみも ならふなりけり   フツヌシ神も 倣ふなりけり

 かしまたち ひなふりのあや カシマ立ち ヒナフリの文
 きつくここのえ たまかきの  築く九重 玉垣の   
 うちつのみやに くらへこし  内つの宮に 比べ越し    
 あめのうたえわ かふのとの 天の治えは 代の殿  
 たたすわみこの おもゐかね 直すは御子の オモヰカネ 
 かみはかりして ゑりたたす   神議りして 襟正す
 そのときに にしにさむらふ ひるこみや    その時に 西に侍らふ ヒルコ宮   
 ぬはたまの あかおはなるる みしおあひ   ぬばたまの 垢を離るる 潮浴び
 みことゑひすの たたしみて   御子とヱビスの 直し見て
タマキの作る 教え種
 あまかみまねく みはしらき 天神 招く 御柱木
 にこころうつす うつわもの  中心写す 器物  
 そのみかたちに すすめこふ その神形に 進め乞ふ      
 ふかきむねある そめふたお 深き旨ある 染札を 
 まかせたまわる にふのかみ    委せ賜る 熟の守
 ここにひるこは ゐものしに  ここにヒルコは 鋳物仕に  
 かなあやゐさせ あまねくに 金紋鋳させ 遍くに
 おしゆるみなも わかひるめ 教ゆる御名も ワカヒルメ
 にふのゐさおし ををいなるかな 熟の功(ゐさおし) 大いなるかな

 よつきふみ いきすのあや  世嗣文 息為の文
 つついすす ももゑふそやほ ほつまくに 二十五鈴 百枝二十八穂 ホツマ国 
 かしまのみやの みよつきに 鹿島の宮の 御世嗣に 
 つはやむすひの みまこなる  ツハヤムスビの 御孫なる  
 こことむすひの わかみこの  ココトムスビの 若御子の   
 あまのこやねの ひととなり アマノコヤネの 人となり 
 あめのみちゑて みやはせの 陽陰の道得て 宮は背の 
 つきこほしさに かしまたち 嗣子欲しさに 鹿島発ち   
 かとりにいたる ものかたり  香取に到る 物語り  
 こたうふつぬし さほしかに 応うフツヌシ 直御使に  
 むかふおりふし はかりしる 迎ふ折節 計り知る  
 かよふなさけの おもひあり 通ふ情けの 思ひあり   
 いまよりむちの ことなさは 今より貴の 子となさば
 われももふけの このことし  我も儲けの 子の如し
 ともにのほりて なかうとと 共に上りて 仲人と<ならん>
 あめのなかくに みかさやま  天の中国 三笠山  
 ととにかたれは ととのひて 父に語れば 調ひて
 あめにうかかふ このよしも '天に伺ふ この由も'  
 おかみよろこふ みことのり  祝かみ喜ぶ 詔
 ましはりかえる ちなみあひ  交わり帰る 因み合ひ 
 ことほきおはり むつましく 言祝終わり 睦まじく 
 こやねはあめに つかえます             コヤネは天に 仕えます




(私論.私見)