ロッキード事件の見方その5ー朝日新聞スクープの衝撃

 (最新見直し2012.10.08日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「ロッキード事件の見方その5ー朝日新聞スクープの衝撃」を確認する。

 2012.10.08日 れんだいこ拝


【ロッキード事件の見方その5ー朝日新聞スクープの衝撃】
 松本哲・氏の「憲法と教育基本法を守り続けよう。」の「朝日新聞スクープ『中曽根幹事長のフォード大統領宛秘密文書』公開される」を転載する。
 【朝日新聞スクープ「中曽根幹事長のフォード大統領宛秘密文書」公開される】

 【朝日新聞スクープ「中曽根幹事長のフォード大統領宛秘密文書」公開される】

 朝日が久しぶりにメガトン級のスクープをものにした。当の記者は恐らく意図的故意に控えめに記事にしているので、そこを忖度して、何が明らかになったのか「我々の言葉」で推理せねばならない。れんだいこは、かく読み解く。

 2010.2.12日、朝日新聞(奥山俊宏、村山治)が、「ロッキード事件『中曽根氏がもみ消し要請』米に公文書」記事を配信している。これは、米ミシガン州のフォード大統領図書館蔵の米政府公文書として秘密指定されていた「中曽根幹事長の米国国務省宛秘密文書」が2008.8月に解除され、その内容を朝日新聞がスクープしたものである。文書は、「ジェームズ・ホジソン駐日米大使(当時)から国務省に届いた公電の写し」として保存されている。全文は公開されていない。

 この文書が差し入れされた当時の状況は、2.4日のロッキード事件発覚により特捜体制で事件解明が始まった時期にして与野党挙げて政府に真相解明の要求が為され、これを受けて2.18日、三木首相が、「政府高官名を含むあらゆる資料の提供」を米政府に要請すると表明した喧騒下にあった。

 三木首相表明直後の3.18日晩、中曽根幹事長は、米国大使館の関係者に接触し、次のようなメッセージを米政府に伝えるよう依頼している。文書によると、中曽根氏は、三木首相の方針を「苦しい政策」と評し、「もし高官名リストが現時点で公表されると自民党が選挙で完敗し、日米安全保障の枠組みが壊される恐れがある。日本の政治は大変な混乱に投げ込まれる」、「できるだけ公表を遅らせるのが最良」、「この問題をもみ消すことを希望する」と述べている。文書には、中曽根氏の言葉としてローマ字で「MOMIKESU」と書いてあり、中曽根幹事長の幕引き工作の動きを露骨に記している。

 翌19日の朝、中曽根氏は再度会談し、その際「田中と現職閣僚の2人が事件に関与しているとの情報を得た」と明かしている。その上で、「場合によっては日米安保の枠組みの破壊につながる恐れがある」と念押ししている。2.20日、当時の駐日米大使・ジェームズ・ホジソンが、中曽根幹事長の意向を国務省宛てに秘密公電として送り、これが長らく保存されていた。秘密指定解除により、こたびのスクープとなった。

 「文書中、依然として秘密扱いの部分が2カ所あり、大使館関係者の名前は不明だ」と報ぜられている。「結果的に、事件の資料は、原則として公表しないことを条件に日本の検察に提供された」ともコメントされている。

 さて、これをどう窺うべきか。れんだいこは、ロッキード事件の根幹に結びつくメガトン級の貴重記事だとみなしたい。朝日新聞記事は、中曽根幹事長が「高官名リスト公表の揉み消し」を図ったことを伝えているが、それは表向きの話であろう。れんだいこの解するところ、この秘密公電の真意は、「中曽根へ嫌疑が向かわないよう、角栄に嫌疑を向かわせるよう」懇請したところにあると思われる。そのやり取りの一端が垣間見える貴重文書とみなしたい。即ち、時の中曽根幹事長が、ロッキード事件捜査の根幹に関わる秘密協定を米国国務省と取り交わしていた動かぬ秘密文書と位置付けたい。しかも、その内容たるや、中曽根自身の嫌疑を角栄になすくろうとしていることが判明する。そういう内容を持つ「当時の中曽根自民党幹事長発言の米国国務省宛て秘密文書」が明るみになった意義は大きい。

 これが中曽根の正体であることが分かればよい。愛国者気取りで今日までつつがなく過ごしているが、中曽根こそが真正の売国奴であり、愛国気取りは正体を隠す覆面に他ならない。これを思えば、愛国者然とせぬままお国に奉公し、ロッキード事件ではがい締めされそのまま閉居させられた真の愛国愛民族者・角栄が気の毒でならない。

 この中曽根式指揮権発動のシナリオに基づき角栄包囲網が発動され、政財官学報司の六者機関が応答したのが、「その後のロッキード事件の動き」となった。となると、いかにも正義ヅラしてヘラルド的に立ち働いた立花、日共とは何者ぞ、ということになる。目白御殿を御用提灯持って包囲した社共、労組の角栄訴追運動の胡散臭さが問われねばならない。角栄糾弾に口角泡を飛ばしたエセ正義者の見識を問わねばならない。

 こたびの小沢キード事件が全く同じ構図で作動していることも考えると、「中曽根、立花、日共の正体見たり枯尾花」でとどまる訳にはいかない。ロッキード事件そのものの再精査が必要となったと云うべきではなかろうか。併せて、現下の小沢キード事件を未だにネチネチと追求せんとしている手合いを、その眼で見ることが必要なのではなかろうか。このシオニスタン連合を一網打尽にせねばならぬのではなかろうか。

 こうなったら国会の証人喚問大いに結構。石川は堂々と所信を表明し、何のどこが問題なのか、責める側の腐敗をも突きながら切り返せばよい。ジャーナリスト松田光世氏が明らかにした政治資金規正法の意味と意義に基づき、虚偽だとする側の知の虚偽を衝き返せばよい。

 松田氏は次のように説いている。

 「入出金は、政治団体の帳簿に記載することが義務付けられているが、収支報告書には、寄付のみを抜き出して記載する。そこには違いがあるのは当然で、そこまで公表すると政治活動の自由が損なわれるという与野党の暗黙の了解の下で、政治資金規正法は運用されてきた。検察は今回、その一線を越えた。入出金をすべて収支報告書に記載しないと現職国会議員でも逮捕、起訴するという検察の方針は、明らかに政治資金規正法の立法の趣旨を逸脱したものだ。検察の言うとおりなら、政治団体の会計帳簿自体の公開を義務付ければいいのであって、わざわざ収支報告書を作って公開する意味はない」。

 凄い指摘だと思う。東京地検よ、答えて見よ。立花―日共流のネチネチウソ詭弁術に比して、一刀で袈裟斬りする鋭さがある。

 2010.2.12日 れんだいこ








(私論.私見)