八三年一〇月一二日、東京地裁において、ロッキード裁判丸紅ルートの元首相田中角栄被告にたいして、「懲役四年、追徴金五億円」の実刑判決が言い渡された。この有罪判決を機に、反金権・政治倫理確立と田中即時辞職要求の運動は大きく盛りあがった。
一〇月一二日午前一〇時から、衆院第二議員会館内において「田中角栄議員即時辞職要求各界代表者会議」が開かれ、総評・中立労連・新産別・社会党などの各界代表が参加した。会議は、田中議員辞職・中曽根内閣糾弾・政治倫理確立を要求する決議を採択し、福田衆院議長に申し入れた。
田中元首相への有罪判決が出された一二日の夕方、総評・中立労連・新産別・社会党・原水禁・護憲連合が主催する「反金権、政治倫理確立、田中角栄即時辞職要求、中曽根内閣糾弾10・12中央集会」が明治公園で開かれ、二万三〇〇〇人が参加した。集会は、石橋社会党委員長の主催団体あいさつ、黒川総評議長・竪山中立労連議長・小方新産別委員長・勝間田護憲連合議長・中林生協連会長の決意表明の後、集会決議を採択して都心をデモ行進した。
またこの日、田中元首相の地元、新潟市体育館で、県評・社会党・共産党など二二団体の主催による「田中角栄を政界から追放する県民集会」が開かれ、約五〇〇〇人が参加した。新潟県内全域でも約七〇台の宣伝カーが終日宣伝活動に取り組み、同日夕には長岡、柏崎、上越の三市でも集会、デモがくりひろげられた。
このほか、一〇・一二は「政治倫理確立・田中角栄即時辞職要求全国デー」として各県で取り組まれ、三〇九ヵ所で集会がもたれ、八五万七八〇〇人が行動に参加した。
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