「1976.11.12日第078回国会 法務委員会、ロッキード問題に関する調査特別委員会連合審査会 第1号」

 (最新見直し2009.1.29日)

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 2009.1.29日 れんだいこ拝


【第078回国会 法務委員会、ロッキード問題に関する調査特別委員会連合審査会 第1号】

第078回国会 法務委員会、ロッキード問題に関する調査特別委員会連合審査会 第1号
昭和五十一年十一月十二日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
   法務委員
    委員長         田代富士男君
    理 事         大島 友治君
    理 事         平井 卓志君
    理 事         佐々木静子君
    理 事         原田  立君
                岩本 政一君
                梶木 又三君
                斎藤 十朗君
                塩見 俊二君
                町村 金五君
                丸茂 重貞君
                八木 一郎君
                安井  謙君
                栗原 俊夫君
                小柳  勇君
                小山 一平君
                瀬谷 英行君
                橋本  敦君
                下村  泰君
                河野 謙三君
ロッキード問題に関する調査特別委員
    委員長         大谷藤之助君
    理 事         佐藤 信二君
    理 事         平井 卓志君
    理 事         矢田部 理君
    理 事         黒柳  明君
    理 事         橋本  敦君
    理 事         三治 重信君
                石破 二朗君
                岡田  広君
                岡本  悟君
                亀井 久興君
               久次米健太郎君
                戸塚 進也君
                秦野  章君
                林田悠紀夫君
                宮崎 正雄君
                最上  進君
                栗原 俊夫君
                小柳  勇君
                小山 一平君
                瀬谷 英行君
                野田  哲君
                桑名 義治君
                峯山 昭範君
                神谷信之助君
  出席者は左のとおり。
    ―――――――――――――
   法務委員会
    委員長         田代富士男君
    理 事
                大島 友治君
                平井 卓志君
                佐々木静子君
                原田  立君
    委 員
                斎藤 十朗君
                梶木 又三君
                町村 金五君
                安井  謙君
                栗原 俊夫君
                小柳  勇君
                小山 一平君
                瀬谷 英行君
                橋本  敦君
                下村  泰君
ロッキード問題に関する調査特別委員会
    委員長         大谷藤之助君
    理 事
                佐藤 信二君
                平井 卓志君
                矢田部 理君
                黒柳  明君
                橋本  敦君
                三治 重信君
    委 員
                岡田  広君
                岡本  悟君
                亀井 久興君
               久次米健太郎君
                秦野  章君
                宮崎 正雄君
                最上  進君
                栗原 俊夫君
                小柳  勇君
                小山 一平君
                瀬谷 英行君
                野田  哲君
                桑名 義治君
                神谷信之助君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        二見 次夫君
   証人
                鬼頭 史郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○三木内閣総理大臣に対する偽電話事件に関する
 件
    ―――――――――――――
  〔ロッキード問題に関する調査特別委員長大谷藤之助君委員長席に着く〕
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから法務委員会、ロッキード問題に関する調査特別委員会連合審査会を開会いたします。
 田代法務委員長と協議いたしました結果、まず、私、大谷が連合審査会の会議を主宰いたします。
 三木内閣総理大臣に対するにせ電話事件に関する件を議題とし、証人の証言を求めることといたします。
 本日出頭された証人は、鬼頭史郎君でございます。
 まず最初に、委員長から確認をさせていただきます。
 鬼頭史郎君、あなたは御本人ですね。
○証人(鬼頭史郎君) はい。
○委員長(大谷藤之助君) 本日は、証人として御出頭いただきまして、ありがとうございました。
 証言を求めるに先立ち、証人に御注意申し上げます。
 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただきます。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、次の場合に限られております。
 証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族、または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、並びに医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または濤祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実で黙秘すべきものについて尋問されたとき。
 以上の場合以外は、証人は宣誓または証言を拒むことができません。
 正当の理由がなくて証人が宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられます。
 また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
 それでは、これより証人の宣誓を行います。
 証人は証言席で宣誓書を朗読してください。
 全員御起立願います。
○証人(鬼頭史郎君) その前に、一言。
 私、先般、事務局を通じまして河野参議院議長名義の証人出頭要求書をいただいたわけでございますが、この作成と内容につきまして、一応、改めて御確認を求めたいと思います。――これは本当の参議院のものであり、かつ、記載どおりであるかということです。
○委員長(大谷藤之助君) 本院の出したものに間違いございません。
○証人(鬼頭史郎君) ただいまの御確認をいただきましたので、宣誓について証人としての御意見を申し上げます。
 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第四条の規定により証人として当委員会で宣誓をすることについて、これを拒絶いたします。
○委員長(大谷藤之助君) 証人に、拒絶の理由を求めます。
○証人(鬼頭史郎君) はい。多少の経緯もございますので、あらかじめ用意しましたものに従いまして、理由を述べたいと思います。よろしゅうございますか。メモ程度のものでございます。
○委員長(大谷藤之助君) どうぞ。
○証人(鬼頭史郎君) 本院法務委員会及びロッキード問題に関する調査特別委員会が、国政調査活動ないしその委員会の審議を通じまして、いわゆるロッキード事件の解明に多大の努力を払われ、かつ、これまで貴重な成果を上げられたことにつきましては、証人は心から敬意を表する次第であります。
 そして、本日、私に証人として出頭を求められ、証言を求められておりますいわゆるにせ電話事件がロッキード事件の捜査過程中において生じたということも、証人としては、新聞、テレビ、雑誌等のマスコミ報道等により概略は承知いたしていることは……(発言する者あり)
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと証人に。
 拒否の理由を端的、明快に、率直にお願いいたします。
○証人(鬼頭史郎君) しかしながら、これらのマスコミ報道のうちには、確実な根拠、取材に基づかないものが……(発言する者あり)
○委員長(大谷藤之助君) 宣誓拒否の理由だけを、簡明にお願いします。
○証人(鬼頭史郎君) これらのですね、報道等、伝えられるところによりますと、証人はまさに疑惑の渦中にある人物として名指しをされておりますが、かような……(発言する者あり)
○委員長(大谷藤之助君) 証人に委員長から要望します。
 それは証言において十分に意を尽くされることと思いますので、宣誓をひとつ、されるかされないか、お願いします。端的に願います。
○証人(鬼頭史郎君) それで、いま理由は述べなくてよろしければ、これ以上述べなくてよろしければ省略させていただきますが、一応議院――先ほど引用いたしました法律の規定に従いますと、理由を述べる義務があるというふうに承知しておりますので、述べておるわけでございます。
○委員長(大谷藤之助君) すべて発言は起立でお願いします。
○証人(鬼頭史郎君) はい。どうも失礼。
○委員長(大谷藤之助君) じゃ、宣誓に移られますか。宣誓に移られますか。
○証人(鬼頭史郎君) いや、したがいまして、いまこれは文書で理由を提出してもよろしゅうございますが、さような理由によりですね、私は誤って刑事訴追を受けるおそれがある、そのような危険があるということを理由に、それが第四条にいわゆる宣誓拒否の正当事由に当たるものとして、宣誓をお断り申し上げたいと、かような趣旨でございます。(発言する者多し)
○委員長(大谷藤之助君) ただいまの証人の言葉を受けました委員長としては、証人の刑事上の訴追または処罰を招くおそれがあるとは認めません。
○証人(鬼頭史郎君) よろしゅうございますか。――その点につきましては、証人としては、理由の開示を(発言する者あり)理由の開示を途中で中断するのやむなきに至りましたが、疏明資料等を民事訴訟法所定の規定に従って用意いたしております。
○委員長(大谷藤之助君) 証人に申し上げます。
 これからの証言を通して、先ほど述べられたような事実は明らかになると存じます。まず、宣誓を求めます。
○証人(鬼頭史郎君) いや、その点につきましては、理由の――証人は理由を述べる義務があり、かつ権利があり、また、その理由に沿う事実を疏明する義務があるわけでございます。かような手続を経ないで、いま御指摘のような委員会審議をいたされるということについては、証人としては法律上の疑義を表明せざるを得ません。ここに持参しておりますのは疏明資料であり、先ほど私が開陳いたす途中で中断したものは、いまの刑事訴追を受けるおそれがある理由の一部でございます。
○委員長(大谷藤之助君) ただいま申し述べられた事柄は、宣誓を拒否する理由にはならぬと委員長は判断をいたします。これから述べられる証言において、さような点を明らかにしていただきたいと存じます。
 重ねて宣誓を求めます。
○証人(鬼頭史郎君) さような見解で理由――宣誓を拒否する理由を聞く必要もない、その理由に沿う事実がある点を疏明する手続きもしないということで、あえて宣誓を求められるということは、はなはだ当院の議事運営として、この委員会の議事運営として遺憾であり、証人としては、その点について、証人の見解が正しいか、あるいは当委員会の委員長のとられた措置が法律上適法かどうかについて、裁判所の手続においてこれを明らかにしたいと、かように考えます。そして、いま述べました理由により、宣誓はお断り申し上げます。(発言する者多し)
○委員長(大谷藤之助君) 証人に申し上げます。
 先ほど委員長が申し上げました宣誓拒否に対する処罰は御承知の上で宣誓をあくまで拒否されるおつもりでございますか。
○証人(鬼頭史郎君) 法定の宣誓義務除外理由があるので、さような次第にはならないというふうに考えております。
○委員長(大谷藤之助君) 鬼頭証人に申します。
 先ほどお読みいただいた疏明の資料、メモがお手元にあるようですが、それを委員長にひとつお出しを願いたいと存じます。
○証人(鬼頭史郎君) はい。(証人、資料を提出)
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから連合理事会において協議をいたしますので、十分間休憩いたします。
   午前十時十九分休憩
     ―――――・―――――
   午前十一時二十七分開会
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから法務委員会、ロッキード問題に関する調査特別委員会連合審査会を再開いたします。
 証人に申し上げます。
 理事会において証人から提出された宣誓拒絶の理由書並びに添付書類――添付書類はここにごさいます週刊誌と新聞のようでございますが、これを慎重に検討いたしましたが、証人が宣誓を拒否するに足る理由ありとは認められません。重ねて申しますが、証人は宣誓を願います。
○証人(鬼頭史郎君) よろしゅうございますか、御意見を――よろしゅうごさいますか。その点につきましては不幸にして当委員会の結論と私の法律的な見解とが一致するに至りませんでしたが、疏明資料で足りない分があればなお追加いたしますが、これ以上疏明資料をお調べになる必要がないということでございましょうか、ちょっとお尋ねをいたします。
○委員長(大谷藤之助君) 先ほど理由書として理由書をお出しいただきました。重ねてまた添付書類も拝見いたしました。これ以上別に理由書、添付書類はないものと私どもは認めております。
○証人(鬼頭史郎君) さような前提で私の態度を申し上げますと、さような見解は私のとらざるところであり、私には議院証言法にいわゆる宣誓を拒み得る――刑事訴追を受けるおそれがある――客観的な事実は最終的に明らかになるにしても、現状においてはさようなおそれは十分ある、かつ、その事実は疏明されたものと確信いたしておりますので、疏明された資料及び公知の事実として報道されたところによれば疏明は十分尽くされたものと思いますので、私といたしましては、せっかくの御申し出でございますが、宣誓をお断り申し上げる、このような態度について変更をいたさないということでございます。(発言する者あり)この点につきましては、当委員会に――よろしゅうございますか、若干の発言を、補足を。――当委員会の委員長その他に事前に申し上げるのが、あるいは国会運営上はかなった措置かとも考えましたが、特定の党派に属しておられますことでありますので、事前にさようなことを非公式に申し入れるのはかえって問題の誤解を招くというふうに考えましたので、慎重に考えた上、本日、冒頭に私の考えを申し上げた次第であります。したがいまして、この問題につきまして、私は一個の法律問題として冷静に対処をするつもりでございまして、政治的に、皆様方の御考えに対していたずらに挑戦をするとか、それを無視するという立場ではございませんことを改めて強調いたしておきたいと思います。
 法律的に冷静に、法律に従って冷徹に対処する結論がかような結論であると、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
○委員長(大谷藤之助君) 鬼頭証人に申します。
 宣誓拒否の当否は国会において決する問題でございます。先ほど見解の相違と話が出ました。委員長としてはまことに遺憾に存じます。重ねて宣誓をお願いいたします。
○証人(鬼頭史郎君) 宣誓の――よろしゅうごさいますか。――宣誓の点につきましては、ただいま申し上げたとおりでございまして、私としては、宣誓の上、当委員会において証人として証言をいたすわけには現状においてはまいらない、その理由は、先ほど来るる申し述べ、疏明をしたとおりであるというふうに申し上げたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(大谷藤之助君) 鬼頭証人に申します。
 正当な理由なくして宣誓を拒絶すると、先ほども申し上げましたとおり、罰則があることは御承知ですね。
○証人(鬼頭史郎君) さような規定があるということは承知しております。私の場合がそれに当たるというふうには考えておりません。
○委員長(大谷藤之助君) 鬼頭証人。
○証人(鬼頭史郎君) はい。
○委員長(大谷藤之助君) 宣誓は拒否されるのですな。
○証人(鬼頭史郎君) さようでございます。
○委員長(大谷藤之助君) 証人は宣誓を拒絶することが確認されました。
 連合審査会は暫時休憩いたします。
   午前十一時三十三分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕





(私論.私見)