思いがけぬところから情報が入った。宇治芳雄氏の「水本事件 現代の謀略を追う」の185Pを転載しておく。
さらに忘れてならないのは、キャノン機関は昭和22年に旧岩崎邸に設置されたが、以後、この機関には日高機関、矢板機関、柿の木機関、阪田機関、児玉機関が吸収され、中国、ソ連、北朝鮮への謀略工作と国内の労働運動や左翼に対する謀略が行われてきた。
今回のロッキード事件で児玉誉士夫、福田太郎、鬼俊良らがCIAの機関員であったことが暴露されたが、(GHQの)GⅡ部長ウィロビーと福田太郎は昭和28年4月に東西南北社という出版社から『赤色スパイ団の全貌 ゾルゲ事件』を出している。著者がウィロビーで、訳者が福田太郎である。
この福田太郎は、臨床尋問でロッキード事件の核心を喋り始めて間もなく肝硬変で急死し、前後して児玉邸にはアメリカ帰りのポルノ映画俳優、前野光保が、突っ込んでいる。諜報機関の根源は人的繫がりである。時の経過で、その関係はより発展しても、理由なくして断ち切ることは許されないものだろう。むしろ、利用価値がなくなったり諜報機関から離れることは、秘密保持のために生命の危機すらある、といっても過言ではあるまい。
例えばかってCIAの機関員であった松本政喜氏は、CIAから足を洗おうとして、脅迫、嫌がらせ、さらには息子が変死体になるなど悲惨な目にあっている。(以下略)」。 |
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