「この理解困難な個性ユースタス・マリンズ」

 (最新見直し2012.04.06日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 「この理解困難な個性ユースタス・マリンズ」を転載しておく。

 2012.04.06日 れんだいこ拝


 Beatrice Mott(ベアトリス・モット)が3月20付で発表した論文を3月23日付のブログにヘンリー・メイコウ氏が一部引用している。メイコウ氏はそのタイトルを、「Patriot Historian Raises Questions About Eustace Mullins :愛国者である歴史家はユースタス・マリンズに疑問を呈する」とつけた。(http://www.henrymakow.com/ezra_pound.html) しかし彼女の付けたタイトルは、「This Difficult Individual Eustace Mullins — and the Remarkable Ezra Pound:この理解困難な個性、ユースタス・マリンズ — そして、注目すべきエズラ・パウンド」である。ベアトリス・モットがどのような愛国者であり歴史家なのか知らないが、メイコウ氏が引用しなかった彼女の論文の部分は、フィリップ・ワイス(訳註:NYオブザーバー紙の記者)の論文(『シオニズムに対する親ユダヤ主義の脅威』)から引用する。彼女モットさんの研究課題である作業仮説として、ユダヤ人問題がある。

 Philosemitism’s threat to Zionism by Philip Weiss (英文)

 「イスラエルは、本当にユダヤ部族の砦です。ワイスは、シオニズムの動機がヨーロッパにおける反ユダヤ主義であったと主張します。しかし、実際、もっとも大きな動機は、特に人種的なシオン主義者であり、人種的な純度を保持することで、彼らは成功しました」[初出引用]、「にもかかわらず、ワイスと同様の信条の多くをもつ自由主義ユダヤ人は、アメリカ内の左翼の主流に陣取って、白人による人種中心主義の感覚をまんまと病理化させました。そう、白人だけ。私が確信的ワイスの弁護団と同じように白人種中心主義を否定されることを拒否するのを、許容して下さい。我々が他の傲慢な民族中心主義者によって支配されるままである世界で生き残ることになっているならば、我々が白人種中心主義の健全さが必要でしょう」[初出引用]。

 ワイス記者の論文に触れた個所が半分くらい書かれてやっとマリンズ氏の内容となる。メイコウ氏はここから自分のブログに引用した。しかし、彼女がマリンズ氏を友人と言いながらも初めて会ったのは、2006年と書いてある。彼女がタイトルに引用したのは、マリンズ氏の1961年の著作をもじったものだ。1961年は、マリンズ氏38才くらい。マリンズ氏は1946年から1959年にかけて、聖エリザベス精神病院(ワシントンD.C.)に監禁されていたエズラ・パウンドを訪ねている。原題は「This Difficult Individual Ezra Pound」というマリンズ氏がおよそ50年も前に書いたものである。

 Ezra Poundのところをマリンズの名にかえた。当然、マリンズ氏の晩年にやっとめぐり合えたモットさんは、エズラ・パウンドには会ったことはないだろう。それなのに、エズラ・パウンドを非の打ちどころないくらいほめて、マリンズ氏のことは、「マリンズ氏の仕事が国家主義のコミュニティで最も有名なものであるかたわら、最悪の研究がいくつかある。彼は、彼の著書のなかで参照として発見した資料は、しばしば失敗した。マリンズ氏が歴史の傾向として非常に明敏であったと同時に、彼の洞察は時々片寄った声明によっておおわれていた」[初出引用] と言い放つ。米国議会図書館にあるはずの資料が見つからなかった、という理由をあげるが、マリンズ氏の時代と彼女の時代と50年もの差がある。現代と当時が同様の管理社会であるはずもない。

 管理社会といえば、オーウェルの「1984」にそのやり方が書いてある。そのひとつ、間違いを見つけ次第、オールドスピーチをニュースピーチに変えるとあるじゃないか。「彼自身の著作の参照に無気力にならざるを得ないのは、マリンズ氏は他人が書くことにとても明敏で批判的でありました。かつて、ジョージ・オーウェルが果敢に1984を書くことに対しどれくらいの敬意をもつか、話しました — 彼は、画然と返答しました。『それは、政府支持派による宣伝のすばらしい作品だ — 連中は、最終的に勝つ』、マリンズ氏は、もちろん正しいです。オーウェルの独裁者(ビックブラザー)は、常に1歩リードしていて、全知者です。 — 故に、無敵でしょう」[初出引用]。

 彼女がオーウェルに敬意を持っているのかどうかしらないが、今まで、オーウェルの現わした近未来管理社会は、現在進行中、または完成に近づいていて無敵のように思われてきた。マリンズ氏の時代まではそうだったかもしれない。

 「ユースタス・マリンズは、非常に作家以上のことをしました。彼は政治活動家になって、アメリカ国家主義運動の中で多くの著名な人々の友となりました。しかし、マリンズ氏には、アメリカ国家主義の中でそれほど信頼がなかったのは、その活動のせいです。政府は決してどこへでもいかせてはくれないだろう、と私に話しました」[引用]。

 彼女の論文はここで終っている。そして、彼女が何を言いたいのかよく解らないのは、このような活動をする人はたいがい孤独になる。そのために、本当の愛国者で以て、国のために尽そうとする人は同じ活動をしているつもりでも意見の相違、理解の程度の差で苦しむ。エズラ・パウンドの研究である連邦準備銀行の悪行を追求し、次の時代につなげたのはマリンズ氏のおかげである。後世の研究者は、さらなる、時代の変化と状況に対処すべき方向に目を向けるべきだ。デーヴィッド・アイクも妨害を受けるその一人で、先日も新刊発表に合わせ、いちゃもんがついた。しかし、最新のニューズレターでこのようなことを言っている。「我々は新しい時代の最先端の真只中だ。人類が体得しうる新しい時代と古いものの断末魔の苦しみを現在目撃している。見たところ大部分の研究者は、これらの断末魔の苦しみが止められないオーウェル的支配であると間違えていた。しかし、表面下の隠れた領域では、まったく異なった『ゲーム』で実は疲れ果てている」(2010年3月28日付、THE TRUTH VIBRATIONS .)。

 少なくとも、デーヴィッド・アイクのような考えを持つ人間が現れたということは、時代の変化を意識すべき時に来た。そうそう、メイコウ氏が、なぜ彼女の論文を引用したのか結局わからなかった。しかも、4月2日現在、彼女の論文は題名どおりのものに整理されている。
初出記事全文(3月24日時点):http://michaelsantomauro.blogspot.com/2010/03/this-difficult-individual-eustace.html

 [参照]
 「衝撃のユダヤ5000年の秘密―ユダヤはなぜ文明に寄生し破壊させたか?」
 ユースタス・マリンズ著、太田龍解説、日本文芸社、1995年

※日本で最初に出版されたマリンズ氏の翻訳本。解説でマリンズ氏の紹介とエズラ・パウンドについての記述がある。

 [追記]

 先日、紹介したアイクの「フリーメーソンの証拠写真」はあっけなく終了したことが続報で報告されている。
 「デーヴィッド・アイクがフリーメーソンだと言う写真はどのように偽造されたか

 (ニセ)アイクの後ろにいる巨人はゴジラと言われたが、そんなこといったらゴジラに悪いぞ。ゴジラの方がずっとカワイイ。

 【翻訳:タドン】

 Eustace Mullins Passes On
 ユースタス・マリンズさん逝去

 2-2-10

 伝説的な著述家、主流メディアの戦略のうそを覆(くつがえ)す多くの著書と小冊子を出した、歴史家ユースタス・マリンズさんは、テキサスの小さな町の彼の管理人(甥)の自宅で、2月2日火曜日に亡くなりました。「彼の研究、執筆、ことばの描写は、きっぱりとして目覚ましかった。我々の国にこれまでに生みだした学者に匹敵する正直な男性だった。これまでのすべてのインタビューで、私にはユースタスと仕事をしたという大きな名誉がある。そして、彼は私を驚かせ続けた…それは、我々の世界とあまりに長く昔から支配している凶悪で悪魔のグループについて我々全員に批判的に重要で当り前のことを教えていた。彼のコントローラズ(世界権力)についての知識と知恵だけでも驚くものだった」と、ジェフ・レンズの弁。

 マリンズさんは、この3月で87歳になるところでした。コロンブス(オハイオ州)で、3週前、脳卒中を患いました。彼は昨年、多くの愛読者のために長期のツアーをしており、直接、著者から本を買う機会に飛びついた何千人もの彼のファンと会い話をしました。扇動的な著書「Secrets of the Federal Reserve(邦訳:『民間が所有する中央銀行』)」、「Murder by Injection(邦訳:『医療殺戮』)」、「The Curse of Canaan(邦訳:『カナンの呪い』)」によって、マリンズさんはほぼ半世紀の間FBIによって悩み苦しめられ、1950年、ドイツで焚書されました。

 収監された愛国的な詩人エズラ・パウンドの弟子であるマリンズさんは、古代以来、歴史の背後から世界を本質的に支配している殺人銀行業者の遺伝的グループの時をかけて受け継がれた綿密な経過をよく研究し、多くの作品を編集しました。「ユースタス・マリンズは20世紀で最も偉大な政治歴史家だった。彼は権力機構に恩義を受けていないので、それらの重要なイベントを率直なレポートで阻止した。それだけでなく、平和を訴えたために閉じ込められた20世紀の最も偉大な詩人によって導かれて、彼の非常に注意深い研究が結局この400年における実質的なあらゆる重要で政治的な秘密をあばいたのだ」。


 マリンズさんが多くの人たちに語ったことについて、信じることを恐れられたのは残念なことです。それは、我々の学校でメディアで、これまで目にしたことより一層真実でありました。葬式の段取りと追悼日の情報は、まだ公表されておりません。

 http://en.wikipedia.org/wiki/Eustace_Mullins

 【翻訳:タドン】



◇ユースタス・マリンズ、1923年生れ。故太田龍の尽力により、日本で二回講演を行った。

◇邦訳一覧:

 「衝撃のユダヤ5000年の秘密―ユダヤはなぜ文明に寄生し破壊させたか?」
 ユースタス・マリンズ著、日本文芸社、1995年

 「民間が所有する中央銀行―主権を奪われた国家アメリカの悲劇」
 ユースタス・マリンズ著、面影橋出版、第一刷1995年、復刊2008年

 「世界権力構造の秘密―闇の犯罪結社の恐るべき野望」
 ユースタス・マリンズ著、天童三郎訳、日本文芸社、1995年

 復刊「世界権力構造の秘密」上下
 ユースタス・マリンズ著、天童竺丸訳、太田龍解説、成甲書房、2007年

 「医療殺戮―現代医学の巨悪の全貌」
 ユースタス・マリンズ著、面影橋出版、1997年

 「カナンの呪い―寄生虫ユダヤ3000年の悪魔学」
 ユースタス・マリンズ著、太田龍監訳、成甲書房、2004年
 (akazukin)





(私論.私見)