「タルムードの中身その1、処世訓」

 更新日/2017(平成29).9.29日

 (れんだいこのショートメッセージ)

 昔からイスラエルにある諺に 「申し立ての根拠が弱いときには、大声を出すに限る」というのがある。タルムードの処世訓はその類の智恵の辞典である。学ぶべきものもあれば、聞き流すだけでよいものもある。

 「ユダヤの世界観 タルムード的人間」は、タルムードを次のように礼賛している。

 「ユダヤ人は、世界は未完成であり、つねに進歩・発展するものだと考えている。言い換えれば人間は失敗するものだ、との前提に立っている。ここが“失敗を恐れる民族”と異なるところだ。だからこそ、紀元前から数知れない迫害にもめげずに、多くの成功者を生み出してきた資質がここにある。

 失敗を恐れ、成功することだけを考える人間は、消しゴムのついていない鉛筆で設計図を描くようなものだと、トケイヤーはいう。消しゴムのついた鉛筆で描くほうが、よりきれいな設計図が描けるはず。つまり失敗を最初から勘定に入れておくのだ。それでも鉛筆より先に消しゴムが無くなるようじゃ困る。また消しゴムがたくさん欲しいというようでもだめ。ようは鉛筆を使うときに消すことを前提とすることが大切なのだ。ユダヤ人は失敗を恐れない 」。
 「ユダヤ人はジョークが好き。キリスト教徒や日本人などに多い生真面目さは嫌いだ。生真面目な人間の頭は硬直しているし、想像力を欠いている。ヘブライ語でジョークのことを「ホフマ」という。ホフマは、ほかに知恵や英知のことも意味することからみても、笑いやジョークをいかに大切にしているかがわかっていただけようか」。
 「ユダヤ人にとって安息日は欠かせない。ユダヤ人は、休む民族であり、働くことより休むことのほうが地位が高い。日本人から見ると怠け者にしか見えないだろう。しかし、その休みたるや日本人の観念とはまったく違っている。サバスといわれる安息日は、一週間に一日あり、これは完全に休まねばならない。休日holidayは、聖なる日holly day。この日は、一日自分の時間を持たねばならない。仕事は、何もしてはいけない。とにかく自分自身を見つめ、自分と対話する。これが「私」を確立する秘密。休日の休み方が、日本人とはまるで違っている。その昔、日本では仕事一途のモーレツ社員がもてはやされたが、いまは少し変わってきた。仕事以外にも能力を持つ幅広い人材が求められている。つまりタルムードの教えによれば、「自分だけの時間を持つ」個性と、独創性をそなえた「開発型人間」を育てることが出きる」。
 「ユダヤ人のセックス観は、他の世界とはまた違っている。ユダヤ人は“性”を必要悪とはみない。タルムードには、性衝動は自然なもので、無理にねじ曲げてはならないと書いてある。タルムードの性に関する戒めの細かいことは省くが、ずいぶんと詳細かつ具体的な内容だ。たぶん、全体として自然な内容だから日本人にも共感して貰えると思う」。


【タルムード珠玉の処世訓】
 ラビー・トケイヤーの自賛するタルムードは全部で19巻(2700ページを超えるユダヤ教の聖典)あるらしいが一般に公刊されていない。その「タルムードの中の珠玉の処世訓」を列挙しておく。「ユダヤの世界観 タルムード的人間」「タルムード名言集」「ユダヤの教え(タルムード学)」、2015年12月25日「ユダヤ人が世界一優秀な理由wwwww」等々で知ることができるが、処世訓、家族訓、ビジネス訓、富豪訓、世間観、社会観、政治観等々諸々の分野における「ユダヤの知恵」を開陳している。
 「“よく学べ” ただし受け身であってはいけない。
 「“よく質問せよ” 他人に対してだけでなく自分自身にも」。
 「“権威を認めるな” 進歩は既成の権威を否定するところから始まる」。
 「“自己を世界の中心に置け” 他人を軽んずることではない」。
 「“幅広い知識を持て”」。
 「“失敗を恐れるな” 失敗は挫折ではない、その裏側に成功がある、それだけ成功に近づいたと思え」。
 「“現実的であれ” 自然に生きろ、可能性と限界を知り無理をしてはならない」。
 「“楽観的であれ” 明日は進歩を書き込む白紙、ゆとりを持って白い紙に書き込もう」。 
 「“豊かなユーモアを持て” 笑いは意外性によってもたらされる」。
 「“対立を恐れるな” 進歩は対立から生まれる」。
 「“創造的な休日を送れ” 人間の真価は休日の送り方で決まる」。
 「“家族を大切にせよ” 家は自分を育てる城である、自分の家を大切にせよ」。
 「一人の古い親友は、新しく出来た10人の友人よりも良い」。
 「豚は食べ過ぎる。苦しんでいる人間は話し過ぎる」。
 「ロバは長い耳によって見分けられ、愚か者は長い舌によって見分けられる」。
 「貧しい者は僅かな敵しかいないが、金持ちは僅かな友しかいない」。
 「人から秘密を聞き出す事は易しいが、その秘密を守る事は難しい」。
 「三つのものは隠す事が出来ない。恋い、咳、貧しさ」。
 「侮辱から逃げろ。しかし名誉を追うな」。
 「」。
 ユダヤ人の子供は、幼い頃から次のような格言を繰り返し聞かされる。

・もし、本と服を汚したら、まず本から拭きなさい

・学んだことを復習するのは、覚えるためではない。何回も復習するうちに、新しい発見があるからだ。

・100回復習するのと、101回復習するのとでは、その間に大きな違いがある。

・恥ずかしがる人は、よい生徒にはなれない。人はどん欲に学ばなければならない。

・もし、目の前に突然、天使が現れて「トラ(教典)」のすべての教えを瞬時に身につけさせようと言っても、私は断ろう。人にとって学ぶ過程こそ、結果よりも重要だからだ。人は努力を通じてのみ、報いられる。
 勉強について

・1日勉強しなければ、それを取り戻すのに2日かかる。

・恥ずかしがる人は、よい生徒にはなれない。人はどん欲に学ばなければならない。

・学んだことを復習するのは、覚えるためではない。何回も復習するうちに、新しい発見があるからだ。

・1つの庭を手入れするほうが、多くの庭を持ってほったらかしにするよりはよい。1つの庭を持つ人は鳥を食べることができるが、多くの庭を持つ人は鳥に食べられてしまう。

・最も大切な事は、学習ではなく、実行である。

・出逢った人すべてから、何かを学べる人が最も賢い。

・偉人を過大に評価してはならない。同じように、小人を過小に評価してはならない。

・私たちは権威ある先人たちの教えから多くのことを学ぶべきだが、といって背に大量の本を積んだロバになってはならない。

・自分の肩書きを人に教えようとする人間は、すでに自分の人格を傷つけている。

・人間は、20年かかって覚えたことを、2年で忘れることができる。
 ユダヤの格言より

 賢人になる七つの条件

 自分より賢い人がいるときは沈黙。人の話の腰を折らない。答えるときにあわてない。常に的を射た質問をし、筋道だった答えをする。まずしなければならないことから手を付け、後回しにできるものは最後にする。自分が知らないときはそれを認める。真実を認める。

 知識について

 知識は水に似ている。高いところから低いところへ流れる。人が生きている限り、奪うことが出来ないものがある。それは知識である。耳と耳の間に、最大の資産がある。あなたが知識を増やさないということは、実は知識を減らしていることになる。知識は浅いとすぐ失われる。
 教育について

 子供は幼いときは厳しくしかり、大きくなったらしかるな。幼い子供は厳しくしつけるべきだが、子供が怯えるようなことがあってはならない。
 書籍について

 本のない家は,魂を欠いた体のようなものだ。もし、本と服を汚したら、まず本から拭きなさい。もし生活が貧しくて物を売らなければならないとしたらまず金、宝石、家、土地を売りなさい。最後まで売ってはいけないのは本である。旅の途中で故郷の町の人々が知らないような本に出会ったら、必ずその本を買い求め、故郷に持ち帰りなさい。
 金について

 金は道具である、道具に支配される者などいない。 だから、道具はできるだけ多く持っている方がいい。富は要塞であり、貧苦は廃虚である。金は、本質以外のモノなら何でも買える。すべて金で買うことができるが、知性だけは買うことができない。

 金をなくしても、何も失わない。誇りをなくせば、多くを失う。 勇気をなくせば、すべてを失う。金のために結婚する女には不良の子が育つ。
 その他

 貧乏人と病人の忠告にはいつも真意がある。小さな穴は、大きな船を沈めてしまう。利害関係ができたときにはじめて、友人かどうかが分かる。人は仕事がないと政治に関わり始める。




(私論.私見)