「ホロコースト論争4(三鷹板吉氏のホロコースト論2)」考 |
(最新見直し2008.4.7日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
「『ガス室』論争」(三鷹板吉(2003/11/10))を取り込み、後日の証としておく。 |
#1264/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/11/14 5:39 ( 53) はあ? 今度は「掛けた」ですか>間宮さん 三鷹板吉 ★内容 これについても何をどう掛けて出した数字なのか、具体的にお聞きしたいですね。また、犠牲者600万人という数字が概数である以上、多少の誤差があるのは当然だと思いますが、その誤差を「±200万」と推定する根拠はどこにあるんですか? また、三鷹は不勉強にして、戦前戦後の人口差が100万か200万しかないという、「世界のユダヤ人名簿」なる資料を見たことがないのですが、それはどこへ行けば確認できるんですか? その名簿を引用した著作なり論文なりがあるなら、ご教授願いたいのですが。 「滝川義人訳」の「ホロコースト百科事典」というものが存在するというのも初耳です。何をおいても是非読んでみたいものですね。いったい、どこの出版社からいつ出たのか、ぜひとも教えていただきたい。 >決定的なのが一つも無いんですよ。だから論争が何年も続いているわけです。 とホロコースト否定者が喧伝しているのは知っていますが、どこで「何年も続いている」「論争」なんですか? その場となっている学術誌なり研究機関なりがあるというのなら、これもまた教えていただきたいものです。 三鷹の知る限り、そんな「論争」など、IHR(歴史見直し研究所)という名前の、一見マットウな研究機関を思わせる名称の団体の、「歴史見直しジャーナル」という、一見マットウな名前の機関誌以外の、アカデミズムのどこでも行われていません。間宮さんはそれを読んだんですか? アカデミズムは、IHRの主張を学問上の論争に値するものではなく、単なる政治的プロパガンダであり、「嘘」だと見切っているのです。「アカデミズムこそ不当である」と性急に言挙げる前に、「実態」を見極めることをお薦めします。そもそもIHRがいかなる団体であるかくらいは、ニツコーのQ&Aを読んだだけでも十分分かるでしょう。 単に「論争が続いている」というだけならば、進化論と創造説の間でも百年以上に渡って「論争が続いている」ワケです。最近ようやっと終りそうな気配が見えてきましたが(笑) >証言を覆したら死刑になるんでしょう(笑)時効も無い言論の自由も無いドイツでは。 「戦犯裁判に関する証言を覆したら死刑になる(あるいは罰せられる)」というのも初耳ですね。間宮さんがそう考える根拠となる法律または判例を紹介していただけませんか? 総じて、間宮さんのMSGを読むに、間宮さん自身の思い込みによる決めつけに過ぎないものを、その場その場の想像で適当にふくらませているに過ぎないように、三鷹には見えます。 ユダヤ陰謀論でも何でも三鷹は一概に否定はしません。「論争」の素材としても別にかまわないんですが、間宮さん自身の思い込みを開陳しているだけならば、読者に対しての説得力がちょと乏し過ぎます。三鷹の反論意欲を喚起すべく、もちょっとがんばってほしい、とエールを送る次第であります。 |
#1265/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/11/14 12:49 ( 66) 衰弱者の選別とガス殺 三鷹板吉 ★内容 アウシュビッツの生存者・V.E.フランクルの「夜と霧」を見てみましょう。まず、収容所到着直後の、「労働可能者」と「労働不能者・衰弱者」の選別です。フランクルは「可能者」に分類され、彼の友人達をも含む全体の約90%もの人々は「不能者」とされました。 私はすでに長く収容所にいた仲間の囚人に、私の同僚や友人のPはどこへ行っただろうかと聞いた。「そいつは別の側に行ったのかね」と彼は聞いた。「ええ」と私は言った。「そんならそいつはあそこに見えるじゃないか」と私は言われた。どこに? 彼の片手は二、三百米離れた一本の煙突を示していた。そこからは数メートルの高さの焔が無気味に広い灰色のポーランドの空にチョ ロチョロと燃え上がり、真黒な煙となって立ち上っていた。あそこは何だろう? 「あそこでお前の友達は天に昇っていってらあ」と粗野に答が与えられた。(p.89) 選別によるガス室送りは、その後、何度も繰り返されます。 たとえば、収容所の囚人の一定の数を、他の収容所に送る囚人輸送があるということを、われわれが聞いたとする。すると当然のことながら「ガスの中にいれられる」ということを推測するのである。すなわちその輸送とは病人や弱り果てた人々から、いわゆる「淘汰」が、つまり労働が不能になった囚人の選抜、が行なわれて、ガスかまど及び火葬場のある中央のアウシュヴィッツ大収容所で殲滅されると考えるのである。(p.76-77) 「……生命が救かろうと思うならば、たった一つだけ方法がある。それは労働が可能であるという印象を惹き起こすことだ。君達が一寸したつまらない傷や靴ずれで跛をひくだけで、もうおしまいだぞ。誰か親衛隊員がそれを見つけ、其奴に傍にくるように合図し、そして翌日はガス行きは受け合いだ。俺達の間で回教徒と呼ばれている者を知っているか。病人らしく見える、くたびれて痩せた、もう働くのがむずかしいような哀れな姿さ。早かれ遅かれ、しかも大概はすぐ、回教徒はガスの中に入っていくのだ……」(p.98) 続いて、アウシュビッツ所長だったルドルフ・ヘスの証言です。F.K.カウル「アウシュヴィッツの医師たち」(三省堂)から引用しましょう。 普通の日常的な医師の任務と並んで、アウシュヴィッツの親衛隊員医師はさらに次のような諸活動を行った。 一.ユダヤ人が輸送されてくると、親衛隊員医師は親衛隊元帥から与えられた基準に従って、労働可能な男女のユダヤ人を選別した。(中略) 四.アウシュヴィッツやビルケナウなどの労働収容所では親衛隊医師は労働不能になり四週間以内には復帰不可能とみなされるユダヤ人を選び出し、抹殺過程に送り出す義務を負った。病人も抹殺されるべきであった。寝たきりの者は注射で殺された。その他の者は焼却場つまりブンカーでガス殺された。私の知るところでは、注射に使われたのはフェノール、エヴィパン、青酸であった。(p.183-184) ビルケナウの囚人医師だったエレナ・リンゲンスの証言。 病舎に連行された病気のユダヤ人女性は病舎の中か、病舎と病舎の間の空き地で淘汰されました。一つの病舎の全員が輸送されることもしばしばありました。淘汰される女性は予め囚人番号を記録されていて、殺される日が近づくと呼び出されて第五病舎に行かされ、そこからガス室に輸送されました。彼女たちを漏れなく確実に第五病舎へ行かせるために、それ以外の女性囚人は鎖に数珠つなぎにされました。脱走を防ぐためにこうしたのです。(p.187) 親衛隊医師クレマー博士の日記。 一九四二年九月五日 本日昼、回教徒の特別選抜に立ち合う。この上なく恐ろしいことだ。親衛隊大尉で小隊付き医師のティロ博士が、今日は食後にまたここで会うことになるだろうと私に言ったのは当たっていた。夕方八時に又もや特別選抜が行われた。(p.192-193) ここで引用した以外にも、「衰弱者の選別とガス殺」についての証言はいくらでもあります。興味がある方は「アウシュヴィッツの医師たち」をごらんください。 |
#1267/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/11/15 13:31 ( 64) はあ、そうですか>間宮さん 三鷹板吉 ★内容 >第2次大戦で誰が死んだのか、戦後の西側で名簿から1人1人集計できたのは100万程度です。あとは600万から引いて東欧各国に割り振ったんです。 間宮さんがそう考える理由は結局のところ、元データの精度が揃っていないから、ということに尽きるようですね。そっから先は「±200万」も含めて、単なる間宮さんの想像の産物である、と。想像に根拠を求めてもしょうがないですね。了解いたしました(笑) >「フリーメーソンとは何か」(確か大手町出版)に載っています。柘植氏のヒトラー伝記にも書いてあったと思います。文庫本で出ています。 その「確か大手町出版」の本は、誰が書いたのですか? 赤間剛ですか、太田龍ですか、宇野正美ですか。「柘植氏」というのは歴史学者ですか? 自称「元傭兵」にそんな名前の人物がいたように記憶しますが(笑) どうも三鷹の質問が不味かったようです。以下のように問い直しましょう。マットウな歴史学者の著作や論文で、「世界のユダヤ人名簿」なる資料をとりあげているケースがあるのですか? >近所の図書館にあるんですが。比較的新しい本です。あなたの見た「ホロコースト百科事典」は滝川ではないのですか? 三鷹の知る限りでは「ホロコースト百科事典」の邦訳は出ていないようなのですが、出ているとするならぜひ読んでみたい、と申し上げているのです。間宮さんの「近所の図書館」てのはどこですか? 教えてくだされば三鷹が自分で確認してもかまいませんよ。 >IHRがいかなる団体であるかは全然わかりません。常識的な人たちだと思うだけです。 その「常識」を今一度チェックなさることをお薦めします。 >ドイツの刑法では殺人の時効が撤廃されています。「戦争中、あそこでは一人しか殺していない」なんて言っただけで死刑です。何も言えません。直接の当事者である証人を黙らせて死ぬのを待っているです。 嘘です。 >「青酸」の液体を注射しても動物は簡単には死にません。経口摂取して胃酸と反応したときだけです。青酸ガスが気体として遊離しないと効果がありません。 間宮さんは「青酸の液体」というのを、青酸カリや青酸ナトリウムなど、シアン化塩類の水溶液か何かと勘違いしてるんじゃないですか? 青酸(HCN)が人間を含む動物を殺すのは、体内のフェリチトクロームオキシターゼの活性を抑えて体内呼吸を阻害するからです。ガスとして肺から血液中に取り込まれようが、水やアルコールなどの液体に溶かして直接血管内に注射されようが、効果は変わりません。 >私はここであなたと水掛論をやりたいわけではないです。 水掛け論にすらなっていません。単なる思いこみや、根拠のない主張、嘘でまかせを何十行、何百行ならべたてても「反論」とは言えません。書いてる人間のレベルが知れるだけです。 |
#1269/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/11/17 0: 5 ( 73) 問題になりませんねえ>間宮さん 三鷹板吉 ★内容 >違いますね。もっと別の人です。別にその人は「アウシュビッツはなかった」と言っているわけではなく、欧米のユダヤ出版社が世論操作のために平気で嘘を言う例として挙げているだけです。 誰が書いたか分からない、タイトルさえ不明確な本を言挙げてどうしようというのですか? ちゃんと調べた上でお書きになることをお薦めします。 >「ホロコースト歴史事典」原書房 滝川義人訳です。これは別の本の翻訳なんでしょうか? 間宮さんは「ホロコースト百科事典」と「ホロコースト歴史地図」と混同しているのです。原書房から出ているのは後者で、前者は未翻訳です。「近所の図書館」で調べれば簡単に分かる間違いを、なぜこう何度も繰り返すのでしょうか。三鷹には不思議でなりません。 >なのに「アウシュビッツのガス室で600万殺された」とかデタラメを書く人間がいるので困ったものです。 そんな人間は、少なくともマットウな歴史学者には一人もおりません。永岑三千輝さんも絶対にそんなことは言っていません。600万人という概数は、ナチスによって殺されたユダヤ人の総数を示すものです。アウシュビッツ・ビルケナウ収容所の犠牲者数は研究者によって異なりますが、控え目に見積もった「定説」的記述としては、約100万人から150万人というところです。 間宮さんが「ポーランド政府が最近150万以上減らしました」と言っているのは、アウシュビッツ博物館が明らかに政治的理由により「犠牲者400万人」という主張を比較的最近まで墨守していた、という事実を指すものと思われます。それとは別に、歴史学者による研究成果が示す数字は、そのずっと前から以上のような範囲に落ち着いていました。「ホロコースト歴史地図」も、その研究に基づいた著作です。 間宮さんは、その「ホロコースト歴史地図」p.244に出ているポーランド国内のユダヤ人犠牲者数300万人という数字を、アウシュビッツ・ビルケナウの犠牲者数と勘違いして、歴史地図の著者はポーランド政府の主張を鵜のみにしている、と思いこんでいるのかもしれません。 >>>ドイツの刑法では殺人の時効が撤廃されています。 >>>「戦争中、あそこでは一人しか殺していない」なんて言っただけで死刑です。 >>>何も言えません。直接の当事者である証人を黙らせて死ぬのを待っているです。 >> >> 嘘です。 > >本当ですよ。どこが嘘なんですか?? 「戦犯裁判での証言を後に取り消すことが罪に問われるか?」というのがそもそもの設問です。「問われない」が三鷹の主張。それを間宮さんは、ドイツでの謀殺罪の時効廃止、いわゆる「ホロコーストの嘘」法などとごっちゃにして論点をずらしています。間宮さん自身、よく分かってないからでしょうが、結果として全体的な主張が嘘となっています。 より分かりやすい端的な嘘は「死刑です」との断言。ドイツでは死刑は廃止されています。 >「ガス室があった」なんていう話は物証もないし証人もいないんですから、「大東亜戦争は植民地解放戦争であったか否か」と同じ、個人的信念の問題でしかないのではないですか? 証拠と証言の評価についてはすでに書きました。歴史学者の大多数が認める「歴史的事実」を闇雲に否定しようとするのは、説得力ゼロの「個人的信念」にすぎない、という意味ならば、異論はありませんよ。その背景にあるのが、学問的態度とはほど遠い政治的主張である、ということも含めて。 繰り返しになりますが、間宮さんの主張は「反論」のていをなしていません。根拠レスな思い込みや、その場その場の適当な思いつき、誰の目にも明白な嘘いつわりを何遍並べ立てても、何の意味も無いことをご理解ください。 |
#1272/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/11/19 1:18 ( 7) どうやら間宮さんはネタ切れのようです。 三鷹板吉 ★内容 ついでに息切れもいちじるしいようで(笑) これ以上「議論」が先に進まないようなら、お相手を控えさせていただきます。三鷹は間宮さんに恥をかかせるのが目的でレスをつけてるワケじゃありませんし。もちょっとマシな材料を探し出していらっしゃい。 |
#1277/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/11/20 13:27 ( 30) 「想像」とじゃ議論になりませんねえ>間宮さん 三鷹板吉 ★内容 間宮さんは「犠牲者600万人」という概数について、歴史学者の主張を知らずに、あれこれ勝手に想像した上で難癖をつけていたワケですよね。 戦犯証言の撤回についても、選別による衰弱者のガス殺証言の有無についても、はたまた青酸の毒性についても同様です。すべて、間宮さん一人の想像によるもので、しかもその想像は事実誤認に基づいていたということは、間宮さんご自身もご理解できたでしょう? ニツコーがシオニストだというのも、焼却炉の処理能力についても、アウシュビッツでの強制労働の性質についても、すべて間宮さんの想像でしかありません。これまでの想像同様、事実誤認がいくつも見られます。一つ一つ丁寧に説明していってもキリが無いようなので、以後は間宮さんのMSG一つにつき一つだけ事実誤認もしくは嘘を指摘さしあげることとしましょう。 今回はこれです。 >しかし「ガス室で殺してから何日もほっておいた」話は全く出てきませんね。これだけでも「ガス室はなかった」と言えます。 アウシュビッツ所長ルドルフ・ヘスは「告白遺録」p.144で以下のように書いています。 (ゾンターコマンド=ユダヤ人特殊部隊は)すでに長時間、大きな穴に転がされて腐臭を発する死体を焼くという、陰惨な作業の時にさえ、食べるのをやめないのだ。 「ガス室で殺してから何日もほっておいた」から「腐臭を発する」までになってしまったんじゃないですか? |
#1281/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/11/21 13:20 ( 55) 間宮さんの「想像」分析(1) 三鷹板吉 ★内容 まずは「600万人」についてです。間宮さんは、どうやら、この数字を「歴史学者の一部が主張するところのアウシュビッツの犠牲者数」だと勝手に思い込んでいるようです。具体的には永岑三千輝(立正大学経済学部教授)の主張だ、と。 >マットウな歴史学者の著作や論文で「600万」なんて数をとりあげているケースがありますか?「れきしがくしゃ永峯」だけでしょう?「600万」なんて歴史学的には全く検証できない数です。信頼できる資料が無いんですから。アウシュビッツに入った人と出た人の差から「アウシュビッツで死んだ人150万」というのが一応の定説です。そのうち大部分は餓死であり病死です。なのに「アウシュビッツのガス室で600万殺された」とかデタラメを書く人間がいるので困ったものです。 (#1268・間宮さん) > そんな人間は、少なくともマットウな歴史学者には一人もおりません。永岑三千輝さんも絶対にそんなことは言っていません。600万人という概数は、ナチスによって殺されたユダヤ人の総数を示すものです。アウシュビッツ・ビルケナウ収容所の犠牲者数は研究者によって異なりますが、控え目に見積もった「定説」的記述としては、約100万人から150万人というところです。(#1269・三鷹) >まともな歴史学者で「犠牲者600万人」と書いてる人間はいないでしょう?「アウシュビッツで150万以下」が定説だと三鷹さんも認めた通りです。 (#1280・間宮さん) 間宮さんには、自分が何を言ったのか都合よく忘れていくという不思議な習性があるようです。「アウシュビッツのガス室で600万人が殺されたと『れきしがくしゃ永峰』が言っている」というのが、そもそもの間宮さんの主張です。三鷹はそれをハッキリと否定しました。永岑三千輝(立正大学経済学部教授)は、絶対にそんなことは言っていません。間宮さんがそう勝手に想像して、でたらめを言っているのだ、という指摘です。 ここで間宮さんに求められているのは、「いや、現にこの論文で言っている」と事実を提示しての反論か、「自分の事実誤認でした」との訂正です。なのに間宮さんは「まともな歴史学者で『犠牲者600万人』と書いてる人間はいないでしょう?」など間の抜けたことをおっしゃっている。 忘れていたのなら思い出させてあげましょう。間宮さん、永岑教授は「アウシュビッツのガス室で600万人が殺された」と言っているのですか? いないのですか? 論文名を示せとまでは言いません。どうせ一つも読んでいないのでしょうから。どちらにせよ、間宮さんがそう考える根拠も示してください。 これを便宜的に三鷹から間宮さんへの「質問1番」としましょう。 ちなみに、2番以降は、 >・ 戦犯証言を撤回したら、また新たに罪に問われるし、 >・ 選別による衰弱者のガス殺証言の有無についても、噂にすぎないし、 >・ 青酸の毒性についても、HCNの水溶液を注射器に入れるのは非常に危険だ >し、 を予定しております。三鷹がどういう質問をするか簡単に想像がつくでしょうから、準備をなさっておくことをお薦めします。そうだなあ、質問2番でいうのなら「新たに罪に問われる」というのなら、それは具体的にどういう「罪」なのか、ドイツの刑法を調べとく必要があるでしょうね。 |
#1283/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/ 1 21:35 ( 22) 生存証明 三鷹板吉 ★内容 毎日せっせと書いていたのに突然書かなくなると「何があったんだ?」と不審に 思われる可能性があるので簡便に。 「お休み」の原因は不慮の事故でした。具体的には、おろしたての出刃包丁でさ かなを捌いていて手が滑り、指をザックリと…。台所は血まみれになるわ、女房は パニくるわの大騒ぎ。ケガの程度は4針縫うくらいでしたが、1週間入浴と飲酒を 禁じられたのが辛かった。もちろん、キーボードも叩けません。ようやっと従来の 3倍ぐらいの時間で打てるようになったので、こうやって書いているというわけで。 そういや、間宮さんも御無沙汰のようですね。三鷹同様「事故」でしょうか(笑) 三鷹の方は、間宮さん向けに特別に作成した「質問」も4番まで揃えた上で、間 宮さんが典拠としてた「フリーメーソンとは何か」ちう本も見つけて読んで、いろ いろ書きたいことが溜まってたんですがねえ。 まあ、西岡さん相手のやりとり同様、相方にトンズラこかれたならばそれはそれ、 「答え」は期待せぬまま、マイペースで勝手にやらせていただくこととしましょう か。 「ニツコー」も明日あたりから再開します。 |
#1290/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/ 4 2: 0 (100) 間宮さんの「想像」分析(2) 三鷹板吉 ★内容 *戦犯証言の撤回について まず問題の背景を説明しましょう。ナチスがガス室でユダヤ人を大量虐殺したと いう証言は多数あります。その中には「加害者側」のドイツ人による証言も多数含 まれています。 ガス室の存在を否定するホロコースト否定者は、ガス室に関するドイツ人の自白 や証言は拷問など強制によりでっちあげられたものだ、と主張しています。拷問の 結果、ありもしないガス室があるかのごとく証言させられたのだ、と。ちょっと考 えれば、この主張がおかしいことが分かります。 もしも、ある戦犯裁判が拷問によるでっちあげだったとしたら、罪を自白し証言 した被告が全員死刑に処せられていない限り、刑が確定し、被告が服役し、やがて 釈放され自由を取り戻した後にでも、冤罪を着せられた「元ナチ」たちが名誉回復 を求めて裁判のやり直しを求めるということがあっても不思議じゃありません。裁 判に訴えないまでも、戦記や回顧録やエッセイや、はたまた死ぬ間際の遺言ででも、 自分の自白や証言は「拷問による偽証」だったと訴え、「ガス室はでっちあげだ」 と主張して当然でしょう。 ところが、ことナチスのガス室に関して、そういう例はない。三鷹の知る限り、 と申しておきましょう。逆に、戦後何十年も経って、罪のつぐないがとうの昔に済 んだ後もなお、元ナチがガス室の存在を証言し続けている。そういう例はいくつも あるのです。 普通に考えれば、ガス室はでっちあげなどではなく確かに存在したということを 指し示す事実です。ところが間宮さんは、この事実を以下のように「説明」しまし た。 >証言を覆したら死刑になるんでしょう(笑)時効も無い言論の自由も無いドイツ >では。 (#1263・間宮さん) 拷問など強制によってなされた証言、覆されて当然の証言であっても、それを撤 回したら、なんと死刑になるという・・・これは珍説です。ホロコースト否定の総 本山IHRもここまでは言っていない(笑) なるほど、間宮説が事実ならば「ガ ス室証言の撤回」がなされない理由も見事に説明できるでしょう。誰だって死刑に なるのは嫌でしょうから。 でも、三鷹の知る限り、そのような例はドイツには存在しません。死刑どころか、 懲役刑、罰金刑に処せられた例すら聞いたことがありません。 >ドイツの刑法では殺人の時効が撤廃されています。 >「戦争中、あそこでは一人しか殺していない」なんて言っただけで死刑です。 >何も言えません。直接の当事者である証人を黙らせて死ぬのを待っているです。 > >「ガス室はなかった」と証言すると罪になるぐらいですから、ドイツ人は「証言」 >する資格もありません。 (#1266・間宮さん) と、間宮さんは繰り返し断言しますが、これは全体として嘘でたらめです。 ドイツで殺人の時効(正確には「謀殺」の時効)が廃止されている、という一点 のみが本当です。ゆえに告発を逃れていた元ナチが「自白」によって、罪に問われ ることはありえます。でもそれは、元々の設問である「ガス室証言の撤回」による 断罪とは関係ありません。 「ガス室否定証言が罪になる」というのは、ホロコースト否定のデマゴギーを処 罰する「アウシュビッツの嘘」法のことを指していると思われます。この法律は上 記のごとき「ガス室証言の撤回」を禁止するものではありません。 また、この法律が公布されたのは1985年6月13日です。百歩譲って「ガス室証言 の撤回」が「アウシュビッツの嘘」法に抵触するとしても、法律公布以前、すなわ ち間宮さんの理屈に従えば「ガス室否定証言がまだ罪にならなかった」時代におい て「ガス室証言の撤回」がなされなかった理由が説明できません。 加えて、ごく端的なことですが、ドイツでは死刑が廃止されています。このこと だけは一回で間宮さんに通じたようです(笑) >へいへい、そうですか。「終身刑」ですね。 > >1人でも殺していれば終身刑でしょう。薮蛇になるだけです。 > >だからユダヤがどんなに誇大な宣伝をしてもドイツ人は黙らざるを得ないのです。 (#1271・間宮さん) 「へいへい」とふざけてみせていますが、間宮さんは内心相当にショックだった のではないかと、これは三鷹の想像です(笑) 「一人でも殺していれば終身刑」というのは問題とは関係ない上、これもまた間 宮さんの想像の産物で、嘘です。「アウシュビッツの医師たち」によれば、ナチス による百人から千人規模の虐殺に対して、1949年から1958年まで西ドイツで行なわ れた訴訟100件のうち、終身刑は32件のみ、54件が6年以内の自由刑だったそうで す。百人殺して6年ですよ。時代が下れば下るだけ刑は軽くなる傾向があります。 SS中尉フランツ・ルカス博士は、アウシュビッツで千人以上の虐殺に関係したと 立証された医師ですが、1965年の裁判での判決は懲役3年3ヶ月でした。「一人で も殺していれば終身刑」てのは、どこか別の国の別の時代の話でしょう。 要するに、 >・ 戦犯証言を撤回したら、また新たに罪に問われるし、 (#1281・間宮さん) というのは事実と異なる上、ドイツの法律とも司法制度ともナチス戦犯の実態と もまったく無関係な、間宮さん一人の根拠レスな「想像」にすぎないのです。 違うというのなら「戦犯証言(あるいはガス室証言)の撤回」を罪に問うドイツ 刑法の条文、もしくは罪に問うた判例を提示してください。これは、三鷹から間宮 さんへの「質問2番」です。 |
#1293/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/ 5 5: 0 ( 28) 間宮さんの「想像」分析(3) 三鷹板吉 ★内容 >・ 選別による衰弱者のガス殺証言の有無についても、噂にすぎないし、 (#1280・間宮さん) 間宮さん、三鷹のMSGをちゃんと読んでないでしょう? エレナ・リンゲンス 証言は、選別によるガス殺に直接関係させられた人間の証言ですよ。どこが「噂に すぎない」んですか! ガス殺の具体的手順まで語られていないからですか? だったら、クレマー証言 (SS中尉ヨハン・パウル・クレマー博士)をもっと詳しく紹介してあげましょう。 1958年7月17日の訊問調書での証言です。 ガス室に送られるはずのユダヤ人は、囚人舎で裸になってから、この目的の ために作られた小さな建物(いわゆるガス室)に入れられました。窓は閉めら れていて、建物には扉が一つだけ付いていました。ユダヤ人たちは年齢も性別 も関係なく、無差別に建物に入れられましたが、その時に彼らにはしらみの駆 除をするのだと説明されました。50人から60人がびっしりと詰め込まれた 建物には天窓が付いていて、そこからガス殺人を実行する親衛隊員がチクロン Bの粉末を室内に投入しました。チクロンBは強力な呼吸抑制ガスで、赤い血 色のまま人間を殺しました。 (「アウシュビッツの医師たち」 p.279) 大量虐殺に直接かかわった当事者の証言です。「噂」じゃありません。 間宮さんが何を「噂(伝聞証拠)にすぎない」と考え、何を真正の「証言」だと 考えるのか、その判断基準について伺いたい。これは三鷹から間宮さんへの「質問 3番」です。 |
#1296/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/ 6 3:43 ( 62) 間宮さんの「想像」分析(4) 三鷹板吉 ★内容 *青酸の毒性について 結論を先に述べれば、間宮さんの主張は、根拠レスな思いつきと憶測の羅列に過 ぎません。「(青酸塩は)経口摂取して胃酸と反応しないと殺せない」という間宮 さんの指摘に、歴史学方面はともかく、化学方面には多少の知識のある人かと思い、 三鷹も「フェリチトクロームオキシターゼ」なんて舌を噛みそうな用語まで持ち出 して比較的丁寧に応対したつもりだったのですが、どうやら買いかぶりだったよう です。 >ヘスは「HCNの水溶液を注射した」と言ってるんですか? > >注射される方より注射する人間の方が危ないと思いますね。 (#1271・間宮さん) と、書いているのを見て、がっかりしました。青酸の毒性について、間宮さんは 何も知らず何も調べようともせず、ただ単に三鷹の言ったことを逆手にとったつも りで、適当な想像を並べてたてているだけじゃないですか。 想像に反論しても意味がない、と無視していたら、 >・ 青酸の毒性についても、HCNの水溶液を注射器に入れるのは非常に危険だ >し、 (#1280・間宮さん) と、いつの間にか「危ないと思います」という想像表現から「非常に危険だし」 という事実表現に昇格しています。まず自分の適当な思いつきをボードに書いてみ て、誰も何も言わないと「事実」に格上げするという、これも間宮さんの習性のよ うですね(笑) 間宮さんも「近所の図書館」かどっかで化学事典か何かを調べれば簡単に分かる と思うのですが、シアン化水素(HCN)の水溶液は「シアン化水素酸(青酸)」 というもので、比較的ありふれた薬剤なんです。用途は、青酸カリなどと同様メッ キ用です。この項を書くためにあらためて調べてみたら「アルデヒドやニトリルな どの有機合成、果樹の害虫駆除剤、金、銀などの電気精錬、めっき工業などに広く 利用されている」(「万有百科事典」)とのこと。 もちろん猛毒です。飲んでも注射してもイチコロでしょう。でも「注射器に入れ るのも非常に危険」なほど危険なものであるならば、そのように「広く利用される」 など有りえません。 シアン化水素酸は「果樹の害虫駆除」にも使われているというのですよ。果樹に 直接噴霧するのか、ハウス栽培の果樹をハウスごと燻蒸したりするのか、詳しい手 順までは分かりませんが、原発炉内の作業ならばともかく、噴霧器や燻蒸器に薬剤 をセットするのにロボットや遠隔操作のアームを使うとは思えません。人間の手作 業でやるのでしょう。そうやって使用する薬剤が「注射される方より注射する人間 の方が危ない」「駆除される害虫より駆除する人間の方が危ない」ような代物だっ たなら、怖くて作業できませんよ(笑) ともあれ、実際にアウシュビッツで行なわれた死の注射の大半はフェノールでし た。医学博士ツェスラウス・グロヴァキィの証言によれば、10CCの注射器を使って フェノール溶液を犠牲者の心臓に注射すると数分で死んだ、とあります。(「アウ シュビッツの医師たち」 p.199-200) フェノールが主として使用された理由を説明するものとして、シアン化水素酸と 比べて扱いが易しいから、との主張ならば、成立し得るでしょう。 「いや、そうじゃない、シアン化水素酸は注射される方よりする方が危ないのだ。 それを注射に使ったなどという証言は嘘なのだ」とあくまで言い張るつもりなら、 傍証の一つなりとも示してください。これが三鷹から間宮さんへの「質問4番」で す。 |
#1298/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/ 9 10:48 ( 49) 間宮さんの「想像」分析(5) 三鷹板吉 ★内容 *「世界のユダヤ人名簿」について >正確な数字は覚えていませんが、アメリカのユダヤ人団体に登録されている >「世界のユダヤ人名簿」で見ると、2000万人ぐらいのユダヤ人人口が戦前と >戦後で100万か200万ぐらいしか減っていないそうですよ。 >自然死まで入れても「600万死んだ」のが嘘だとはっきりとわかります。 (#1263・間宮さん) と、間宮さんは「世界のユダヤ人名簿」なる資料の存在を示唆し、ホロコースト 否定の証拠であると主張しました。「ユダヤ人団体に登録されている」資料にその ような記述があるとすれば、なるほど、ホロコースト否定の有力な根拠となり得る でしょう。三鷹は不勉強にして、そのような資料があるなど知りませんでしたので、 どこで見たのか教授を問うたところ、 >複数の本で読んでいます。というより「600万」を肯定する本は見たことがあ >りません。ユダヤ出版社の本以外では。 >「フリーメーソンとは何か」(確か大手町出版)に載っています。 >柘植氏のヒトラー伝記にも書いてあったと思います。文庫本で出ています。 (#1266・間宮さん) と。著者名が不明だったので、タイトルから想像して、赤間剛、太田龍など何人か 名前を挙げてみたのですが、 >違いますね。もっと別の人です。別にその人は「アウシュビッツはなかった」と >言っているわけではなく、欧米のユダヤ出版社が世論操作のために平気で嘘を >言う例として挙げているだけです。 (#1268・間宮さん) >「フリーメーソンとは何か」は10年前ハードカバーで1500円ぐらいでした。 >私は買って熟読したので、よく覚えていますよ。大きな図書館ならあるはずです。 >著者の人は2冊目を書いてボツってしまったので名前は覚えていません。 (#1271・間宮さん) とのこと。これ以上問い質してもラチがあかないようなので、その「大きな図書館」 に三鷹が出向いて捜し出してきました。この本です。 「フリーメーソンとは何か」 久保田正男 大手町ブックス 日本工業新聞社 1981年10月1日発行 1600円 「熟読」とまではいかないものの、最初から最後までキチンと読みました。とこ ろが、「世界のユダヤ人名簿」なる資料はどこにも登場しませんし「ユダヤ人人口 が戦前と戦後で100万か200万ぐらいしか減っていない」と解釈される記述も ありません。 どうやら、これも間宮さんの「想像」の産物だったようです。三鷹はこのことを ハッキリ指摘した上で、間宮さんが「世界のユダヤ人名簿」なる資料をどこで見た のか、あらためて質問いたします。これが三鷹から間宮さんへの「質問5番」です。 |
#1299/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/ 9 10:50 ( 74) 「フリーメーソンとは何か」とは何か? 三鷹板吉 ★内容 さて、間宮さんがわざわざ「買って熟読した」という、その「フリーメーソンと は何か」(久保田政男 日本工業新聞社 1981年)という本は、いかなる代物なの でしょうか? これを読めば間宮さんの「思想的ルーツ」の一端なりにふれること ができるやもしれません(笑) 久保田の主張を一口に言えば、「フリーメーソン=ユダヤ民族」が世界史を動か してきた隠されたパワーだった、というもの。要するに古くさい「ユダヤ陰謀論」 です。単なる「ユダヤ陰謀論」なら、ユダヤ人のみしか非難できませんが、フリー メーソンを持ち出してイコールで結ぶことにより、非ユダヤ人でも自在に「陰謀」 のメンバーだと決めつけることが可能になります。これもまた、もう何度と無く使 い古されたバージョンなのですが。 この手の本の中身を判断する、一番分かりやすい指標をお教えしましょう。「シ オン賢者の議定書(プロトコル)」という古典的な偽書に対する評価です。帝制ロ シアの秘密警察が捏造したものであり、偽書であることが50年以上前に証明されて いる代物です。歴史学者が百人いれば百人とも論外とし否定する嘘本なのですが、 世間一般の人々の無知につけこんで、いまだにこれを担ぎ出して「国際ユダヤ陰謀 の証拠」と騒ぎ立てる人間がいるのです。どうやら久保田もその一人であるようで す。 十八世紀のフランス革命以来、欧州において徐々に力を蓄えてきたフリーメ ーソンは、十九世紀にマルクス主義という変革のための虚構論理を完成させ、 小規模な革命も経験し、十九世紀末には、フリーメーソンの総合的バイブルと もいうべき、「シオンの長老の議定書」を完成し、いよいよ二十世紀は遠大な 目的、ユダヤ民族とアーリア族の立場を逆転を成就させようとしていたのであ る。 (p.38) このように、思想を「民族」に還元し、近代主義、共産主義と「ユダヤ」を同一 視して非難するヤリクチは、ヒトラーが大の得意とするものでした。「シオン賢者 の議定書」は、ナチスのバイブルでもあったのです。 こんな本を細かく分析して批判してもしょうがないので、比較的分かりやすい矛 盾を一つだけ指摘するにとどめておきましょう。 久保田の主張によれば、アメリカ史はフリーメーソン=ユダヤとWASP=アー リアの闘争の歴史だったのだそうです。ルーズベルトはフリーメーソンであったが ゆえに日本の真珠湾攻撃を「願望」し、戦後のマッカーシズムは赤狩りならぬWA SPによるフリーメーソン狩りだった、と。で、この本が出た当時の大統領だった レーガンは、これが何とフリーメーソンなのだ、と。 デタラメにもほどがあります。レーガンが俳優時代、マッカーシズムの先頭に立 ってハリウッドの「赤」を摘発した過去を知らないのでしょうか? あきれつつ読 み進んだら、本の最後の方にこんな風に書いてありました。 レーガンは、人種的にはケネディ、ニクソンと同じくアイルランド系である。 従って宗教はカトリックである。しかし、それは問題ではないのである。レー ガンはレッキとしたフリーメーソン結社員なのだ。では、いつレーガンがフリ ーメーソンに組み入れられたのか、ということである。 (中略) マッカーシズムが吹き荒れたとき、ハリウッドは確かに共産主義者の巣であ ったのだ。それはハリウッドが、ユダヤ資本に全部牛耳られていることであっ た。ウォルト・ディズニー・プロダクションを除いて−−。ユダヤ資本に握ら れているということは、フリーメーソンの影響力が徹底していたわけである。 ところがレーガンは、これに反旗を翻したのである。そしてこの時点でレーガ ンはフリーメーソンに組み込まれたのである。 フリーメーソンとしては、これ以上やられては困るというわけである。ひと 昔前なら消すという方法もあったが、しかし、マッカーシズムで手が出せない。 できることは、そのような者を傘下に組み入れることが唯一の防禦手段となる わけである。 (pp.386-388) これを読んで「ああなるほど」と納得するレベルの人間が、すなわちこの本の読 者だったのでしょう(笑) 久保田の論法でいけば、どんな「反フリーメーソン」の人間をも「フリーメーソ ン」だとこじつけることが可能でしょう。それ以前に「非ユダヤ人」でも「フリー メーソン」だと決めつければ「ユダヤ陰謀」のメンバーだとこじつけることができ るのですから、論法上、歴史上のどんな人物でも「ユダヤ陰謀」のメンバーだった とこじつけることが可能になります。ヒトラーその人だって。 間宮さん程度で驚いていては身が保たない、ちうことでしょうかねえ。 |
#1300/**** 研究室「パンドラの箱」
*** コメント *** ★タイトル (QYA33902) 96/12/ 9 10:53 ( 30) 西岡さんのことが心配なら>MASAさん 三鷹板吉 ★内容 直接連絡してみたらどうですか? あの人は住所も電話番号もボード上で公開し ているのだから簡単でしょう。そんな簡単なことさえしないで、三鷹を言論封殺の ナチス呼ばわりですか。MASAさんの正義感(だか何だか)も相当レベルの代物 ですね。 心配することはありませんよ。MASAさんは知らないかもしれませんが、西岡 さんの「同志」であるジャーナリストの木村愛二さんという人が、週刊金曜日とい う雑誌でホロコースト否定の「論争」をしつこく継続中です。西岡さんが暴力や脅 迫などの「言論封殺」にあったならば、木村さんが言い立てないはずがありません。 西岡さんがここから消えたのは「言論封殺」などではなく、これ以上三鷹の相手 をしても、ガス室否定説を広宣流布するのに役立つどころか逆効果だと分かったか らでしょう。またどこか、ホロコーストに関する知識が乏しい人たちが集まってい る「場」で始めるつもりなんじゃないか、と三鷹は想像しています。まあ、その折 には三鷹もその場に赴き「西岡さんの主張を聞くのもいいけど、その前にこの本を お読みなさい、ニツコーのQ&Aをチェックしときなさい」と、おせっかいさし上 げるつもりですけど(笑) さて、「アンネの日記」「写真」「燃料」についてのMASAさんのご意見を拝 読しましたが、率直に言って、MASAさんがいかなる知識を根拠に何を主張した いのか、三鷹にはよく分かりません。 前に「ヘス告白遺録」に関連して指摘したかもしれませんが、ホロコーストに関 するMASAさんの知識は、もともと乏しいところに西岡さんの「嘘」を吹き込ま れたせいか、かなりいびつなものになっています。MASAさんは、前にどこかで 「思想傾向は与えられた情報の量によって決定される」てなことを書いていません でしたっけ。三鷹はなるほど慧眼なりと感心したものでした。そのMASAさん自 身が、歪んだ情報によっておかしな思い込みに陥っているようですね。 |
#1304/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/12 18:14 ( 59) 焼却炉の性能について>MASAさん 三鷹板吉 ★内容 三鷹も折を見て、ニツコーが紹介しているグットマンの著作を捜してみましょう。 ニツコーのQ&A42番〜45番にあるように、アウシュビッツの焼却炉の性能につ いては詳しい考察がなされており、現にそれを納入したメーカーのマニュアルもそ れだけの高性能を保証しているとのこと。専門技術者ではないMASAさんがニボ シの焼却実験から推定して「不自然」と主張されたとしても説得力に欠けます。三 鷹としては、メーカーの主張を疑う理由がありません。 なぜアウシュビッツにそのような高性能の焼却炉が建設されたか? 最大キャパ 20万人程度の収容所に、年に100万体以上の死体を焼却可能な焼却炉です。病死や 過労死だけではとうてい説明不可能な、大量の死体が発生することが予想されてい た、としか考えられません。歴史学者たちはそれを「ガス室を使用した大量虐殺」 だったと指摘しています。MASAさんには別の答えがあるのでしょうか? MASAさんは丸太の例を出し「木材は直径20センチ程度までは自力で燃えま すが、それ以上では(『自己消火性』により)燃えなくなります」とおっしゃって います。確かに一本の丸太ならそうかもしれません。でも、十本、二十本、百本、 二百本の丸太ならどうでしょうか? 直径20センチ以上の樹木で構成された森に おいては、「自己消火性」が機能するから山火事など発生しえないのでしょうか? 林野庁や消防庁に確認してみないと何とも言えませんが、「発生しえない」とは ちょっと考えられませんよね。ならば、現に山火事のさなかで燃えている、直径2 0センチ以上の個々の樹木は、「自力で燃えている」のでしょうか、「燃やされて いる」のでしょうか? どちらともいえない、もしくは両方とも言えるのではない でしょうか。 人間の死体単体が「自己消火性」を有するとしても、そのことと、現に燃えてい る(燃やされている)死体それ自体を燃料として死体を焼却できる、ということと は必ずしも矛盾しないように、三鷹には思えます。 さて、MASAさんに指摘しておきたいことが一点。「不可能」と「不自然」と は違う、ということです。死体の焼却が可能か不可能かという、いわば法医学的、 技術論的問題と、MASAさんが(あるいは三鷹が)考えて、自然か不自然かとい う問題とはキチンと分けて考える必要があります。 「不可能」と「不自然」を意図的に混同するのは、ホロコースト否定者の詭弁の 一つです。一つだけ例を挙げておきましょう。 トレブリンカ絶滅収容所では、80万人以上の人間が殺されました。その傍証の一 つは、当時のドイツ国鉄の運行記録です。何十万人ものユダヤ人がヨーロッパ各地 からトレブリンカに移送され、それっきり消息を断っているのです。 トレブリンカへ何十万人もが移送されたことは、否定者の一人マーク・ウェーバ ーも基本的に認めています。その上でウェーバーは、運行記録の一部に「客用列車」 という記載があることから、トレブリンカへの移送が絶滅を目的としていたという のは嘘だ、と主張しています。家畜のように貨物列車に詰め込んで送り込むならと もかく、ガス室で殺すために、わざわざ寝台車や食堂車のついた列車で連れていっ たなどというのは不自然だ、という主張です。 事情を知らない人間にとっては、なるほどもっともな主張に聞えるでしょう。と ころが、ちょっと調べてみれば、客用列車の到着を目撃した付近の住民、ユダヤ人 移送に従事していた鉄道関係者の証言があることが分かります。乗客はいかにも金 持ち風で太って健康そうでした。トレブリンカの農民は乗客に向かって、首を掻き 切る仕草をしてみせ、彼らを待ち受けている運命を教えたのだそうです。 農民は乗客を、自らの運命を知らぬままに楽しげに死地に連れていかれる家畜に なぞらえていたのです。現実に存在した「不自然」であり「不条理」とも言える光 景を描写するに、ふさわしい表現だったとも言えましょう。 |
#1305/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/12 18:15 ( 6) 西岡さんの近況 三鷹板吉 ★内容 今出ている「噂の真相」1月号の投書欄に西岡さんの投書が掲載されています。 河岸を変えはしたものの、活発に言論活動を行なっているようですよ。言論風殺 を危惧していたMASAさんも、これで安心ですね(笑) |
#1307/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/14 3:47 ( 50) じゃあ腰を入れて議論しましょうか>MASAさん 三鷹板吉 ★内容 その前に、「電子レンジの猫(もしくは小犬)」というのは事実無根の、いわゆ る都市伝説というヤツです。MASAさんが、そのような現代のフォークロアに興 味がおありなら、おもしろい本が何冊か出ています。紹介しましょうか? 山火事に関するMASAさんの主張は、どうも納得いきませんね。たとえ全樹木 が直径20センチ以上の、枝も葉も無い電信柱が並んでいるような人工林に火災が 発生したとしても(密度次第で十分発生し得るでしょう)、現に周囲の森が燃え上 がり、十分な熱が供給されているなら、各樹木の「自己消火性」も相当レベルにま で低下している、と考えた方が「自然」なのでは? おっと、これは三鷹も思わず 「禁句」を使ってしまいましたか(笑) 三鷹が言わんとしているのは、「自己消 火性」なんてものは、状況次第でいくらでも変わるだろう、というごくごくアタリ マエのことでしかありません。マッチの火を近づけた程度じゃ燃え上がらない「自 己消火性」十分の人間の死体でも、適当な条件下では理想的な燃料にも成りえる、 ちうことですよ。 三鷹はMASAさんのニボシ焼却実験に関するMSGを読んで「死体を追加燃料 無しで連続焼却可能な高温焼却炉は、追加燃料無しではそのような高温が達成でき ないから実現不可能」という主張だと理解し、レスしたのですが、三鷹の誤読でし たか。これは失礼しました。「追加燃料無しでも連続焼却可能な高温は達成できる が、その高温により、炉が損傷するから実現不可能」という主張だったのですね。 焼却炉に死体を入れ過ぎると、おそらくは温度が上がり過ぎることによる、重大 な故障が炉に発生した、という記述が、MASAさんもお読みの「ヘス告白遺録」 にもあります。三鷹がみるに、MASAさんの危惧されるところは、収容所運営者 が現に経験していたことと合致しているワケです。 三鷹がMASAさんとの論争で、とりあえずケリをつけておきたいのは、アウシ ュビッツでの焼却炉を使用した死体焼却における、一体当たりの焼却時間と、追加 燃料の必要性の有無です。ホロコースト否定者は、民間火葬の例を援用して、相当 量の燃料と時間が必要だった、と主張しています。MASAさんはどうお考えなの でしょうか? MASAさんは「追加燃料無しで死体の連続焼却が可能な焼却炉」がアウシュビ ッツにあった、という事実は認めるのですか? 投入する死体の量をほんのちょっ とでも間違えると故障が発生する、きわめて扱いの難しい焼却炉だったとしても。 ならば、その焼却炉が故障しない程度の安全運転をする限りにおいて、どれだけ の死体焼却が可能だったとお考えですか? 野焼きは別とします。一日何体、一年 で何体と、お手持ちの資料から算出される最大数を提示していただけませんか? それとも、「追加燃料無しの連続運転」に要求されるほどの高温に炉は堪えられ ないから、そのような連続運転は絶対に行われなかった、と主張されるのですか? ならば、MASAさんがそう考える根拠となる資料をご提示願いたい。 この件をクリアにしてから、野焼きの可能性について論じ合いませんか? 三鷹 は野焼きについても十分可能だった、と繰り返し主張してきたのですが、その主張 をいったんチャラにして、ゼロからあらためて「実現可能性」を論じ合う用意があ ります。 |
#1319/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/17 15:28 ( 58) アウシュビッツの焼却炉の性能 三鷹板吉 ★内容 最初に数字の話をかたづけましょう。アウシュビッツ・ビルケナウの焼却炉には、 はたしてどれだけの死体処理能力があったのか? 計算の根拠の一つである証拠文書の実物(写真コピー)もニツコーは提示してい ます。1943年6月28日付けのベルリンのSS大将カムレルに宛てられたメモです。 ドイツ語で、ところどころかすれているので全翻訳は三鷹の手に余りますが、一日 24時間運転した場合の焼却可能死体数を示した部分は、なんとか読み取れます。 1)クレマトリウム1(3*2焼却室)−−−-340体 2)クレマトリウム2(5*3焼却室)−−−1440体 3)クレマトリウム3(5*3焼却室)−−−1440体 4)クレマトリウム4(8焼却室)−−−−−-768体 5)クレマトリウム5(8焼却室)−−−−−-768体 総計で一日4756体になります。 実際に死体焼却が行なわれた期間は、クレマによってまちまちです。例えばクレ マ2と3に限れば、1943年4月から44年11月の約20か月間です。ここでは計算を簡 単にするため、短めに見積もって、5つのクレマ全体で1年半、18か月間運転され たとしましょう。理論的に焼却可能な死体数は、260万体にもなります。 一日運転させたら一日メンテナンスのため休ませるというように、稼働率が50% だったとしても130万体。アウシュビッツ・ビルケナウの犠牲者数とされる100万人 〜150万人と符合します。 また、現に死体焼却が行なわれている最中の1943年6月の時点で、24時間運転の 数字が提示されているということに注目してください。1日数時間しか運転できな い焼却炉の、24時間あたりの数字を出しても意味はありません。焼却炉は24時間運 転を想定して設計建造されており、現にそうやって運転されていた、もしくは運転 されようとしていたということの、何よりの証明でしょう。 次に、連続焼却による炉の損耗について考えてみましょう。現代日本の場合も含 めて、ゴミ焼却など通常の用途のために建造される焼却炉の、耐用年数はどのくら いを想定しているのでしょうか? 東京などの大都会では、毎日大量のゴミが出ま す。清掃工場のゴミ焼却炉も休む間もなく運転されています。三鷹が住んでいる板 橋区に問い合せてみたところ、昭和40年代に建造されたゴミ焼却炉が現在も使用さ れているそうです。毎日使って25年から30年で、いまだに現役です。最低でも10年 は保つように設計建造され、運転されるのではないでしょうか。 MASAさんがおっしゃる「現代の焼却炉における高温焼却の困難さ」は、その ような条件を考え合わせて初めて有効な主張なのであり、2、3年で炉が壊れても かまわないと考えるならば、ずっと乱暴な使用が可能なのではないか、と、これは 三鷹の想像ですが。 アウシュビッツ・ビルケナウのクレマ2と3は、2年足らず、20か月しか運転さ れませんでした。その間に何度も故障して、最後には使用不能となってしまった、 とヘスは書いています。24時間運転を想定して設計建造された新品の焼却炉を、20 か月で使用不能にまで損耗させるには、いったい何体の死体を燃やさねばならなか ったのでしょう。三鷹はその数字をこそ、MASAさんにお尋ねしたかったのです。 もう一度お尋ねしましょうか。MASAさんは何体ぐらいだったとお考えですか? また、MASAさんは三鷹が何を信じ何を疑っているかお気になさっているよう ですが、三鷹は自分自身、西岡さんの十倍疑り深い人間だと思っております。その 疑り深い三鷹が、しかし、西岡さんの主張には見事にだまされて(笑)、「定説」 を疑いたっぷりの目で調べてみたところ、逆に西岡説の大嘘に気がついた、という のがおおまかな「流れ」です。 |
#1320/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/18 11:38 ( 63) 火葬炉>「ヘス告白遺録」の記述 三鷹板吉 ★内容 以下、アウシュビッツ収容所の所長だったルドルフ・ヘスの「告白遺録」の記述 を紹介しましょう。彼が具体的に数字を挙げて説明しているのは、アウシュビッツ 第2収容所=ビルケナウ収容所に建設された、クレマトリウム2から4についてで す。もう一つのクレマ1は、アウシュビッツ第1=基幹収容所の方にありました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 第1(クレマ2)と第2(クレマ3)の火葬場二つは、1942年から43年にかけて の冬期に建てられ、1943年春、稼働を開始した。 それには、各3室にわかれた焼却炉5基があり、24時間以内に各2000人を焼却で きる。焼却容量を高めることは、燃焼技術の点からいって不可能だった。それをや るとひどい故障がおこり、そのため何度となく運転を休止しなければならなくなっ た。 第1・第2火葬場には、地下に、脱衣場と換気自在のガス室があった。屍体は、 一台の昇降機で、上にある焼却炉に送りこまれた。ガス室は各3000人の収容力があ ったが、その数に達したことは一度もない。一回の移送者数がそれほどにならなか ったのである。 第3(クレマ4)と第4(クレマ5)のより小規模の火葬場は、当初、建設担当 会社エルフントのトップ商会の計算によれば、24時間に各1500を焼却できるはずだ った。戦時下の資材不足のため、第3と第4は、資材をけずって建てざるをえなく なり、そのため、脱衣場とガス室は地上に建てられ、焼却炉にも軽い建設方式がと られた。 しかし、ほどなく、この軽い建設方式の焼却炉(4基にわかれたもの各2基)は、 要求に適していないことが明らかになった。第3火葬場は、短期間のうちに完全に 脱落し、やがて全然役に立たなくなってしまった。第4は、ひんぱんに休止させら れた。わずか4〜6週間も焼却を続けると、炉も煉瓦も焼け崩れてしまったからで ある。そのため、ガス死者の大方は、第4火葬場裏手の壕内で焼却された。 (邦訳書p.192) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 24時間連続運転が行なわれたこと、死体を入れすぎると(おそらくは炉内の温度 が上がりすぎて)故障したことなどが分かります。 読み直してみて気がついたのですが、三鷹が前のMSGで「クレマ2と3は、2 年足らず、20か月しか運転されませんでした。その間に何度も故障して、最後には 使用不能となってしまった、とヘスは書いています」としたのには、クレマ4、5 に関する記述と混同している部分がありました。訂正いたします。 MASAさんは以下のように書いています。 >ヘスの告白遺禄には「焼却炉が壊れてしまった、すぐに炉の内壁が剥げ落ちて使 >用不能になってしまった。」というような記述があったように記憶しています。 >これは炉を高温状態で使用したことを意味しますので、このように使用すれば追 >加燃料無しの連続焼却も可能だったでしょう。しかし連続使用は難しかったでし >ょう。すぐに壊れますから。 その「高温状態での連続焼却」の結果、「短期間のうちに完全に脱落し」たクレ マ4があった一方で、4〜6週間の連続運転ごとに「ひんぱんに休止させられた」 クレマ5があり、「何度となく運転を休止」しつつも20か月間運転し続けたクレマ 2とクレマ3があった、とヘスは書いているのです。 確かにMASAさんの言うように「連続使用は難しかった」ことでしょう。でも、 難しいから連続使用はされず、焼却された死体数も比較的少数だっただろうという MASAさんの推測は的外れです。逆に、その難しい連続使用をあえて行なうこと により、相当数の死体が現実に焼却された、と考える方が「自然」でしょう。 43年6月のメモが見積もっているクレマ5の24時間の死体処理数は768体です。 ヘスが記述する、メーカーによる当初の見積もり1500体の約半分です。そのクレマ 5を4週間=28日間連続運転するだけでも、21504体が焼却できた計算になります。 それだけで2万体ですよ。 以上の記述について、MASAさんの見解をあらためてお尋ねしたく思います。 |
#1321/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/18 11:40 ( 46) ガス室を疑い、陰謀論を疑わない人もいる 三鷹板吉 ★内容 「何を信じ何を疑うか」という基本的な方法論について、ちょと書いておきまし ょうか。 何事に対しても懐疑を抱くのは悪いことではありません。「ガス室など無かった のではないか?」と疑うのもけっこう。議論も自由にやればいい。でも、中途半端 はいけません。疑うのならば、徹底的に疑わなければいけない。 「ガス室など無かったのではないか?」という疑問を抱くのであれば、じゃあ、 なぜその「無かった」ガス室が、歴史的事実として「あった」ことにされているの か、という当然の疑問も抱かなければなりません。どうしてアカデミズムの歴史学 者は全員(と言っても間違いないはずです)、ガス室の存在を認めているのでしょ うか? どうして大戦と終戦後の冷戦期を通じて、鉄のカーテンのあっちとこっち でホロコーストが確固たる歴史的事実とされ続けてきたのでしょうか? なぜみんな嘘をつき、嘘を信じ続けているのか? この疑問に答えられなければ 疑いは晴れません。 「シオニストの陰謀だ」という声が聞えます。間宮さんかな? 西岡さんかな? ならばその「陰謀勢力」は、全世界のアカデミズムを完全に支配し、国連安保理の 常任理事国すべてを意のままに操り、ついでにマルコポーロを廃刊に追い込んだ、 ちうことになるでしょう。そのうち証明されているのは、せいぜい「アメリカのユ ダヤ人団体SWCが広告ボイコットの圧力を文藝春秋にかけてマルコを廃刊させた」 てな事実ぐらいで、「シオニストによるアカデミズム支配」も「国連傀儡説」も何 一つ証明されていません。 「証明したくとも陰謀勢力に邪魔されてできないのだ」という声も聞えます。つ まり、証明されないという現状こそが、「陰謀勢力」の凄じいパワーを逆説的に証 明する、てな理屈でしょうか。こうなるともはや「Xファイル」の世界です(笑) じゃあ、そう言っている当人は、いかにして「陰謀」の存在を知ったのでしょう か? 国連の秘密ファイルを見たのか、「陰謀勢力」の中枢メンバーに個人的なコ ネクションでもあるのかと、わくわくしてみれば、全然期待外れです。我々同様の、 ごく普通の一般ピープルの一人でしかありません。その一般ピープルが本屋さんで 久保田某の本を買って熟読したり、アメリカで売られているIHRのパンフレット を読んだりして「陰謀」の存在を知るに至ったのです。 「陰謀」というのは、辞書によれば「人に知られないようにこっそり企てた、よ くない計画」とあります。一般人が誰でも本屋さんで買える本や雑誌に書かれてい る「陰謀」の、どこが「知られない計画」なんですか? 誰もがみんな知っている 「陰謀」ならぬ「陽謀」なのか、もしくは「陰謀」など妄想の産物にほかならない、 ちうことでしょうが。 疑うならまず「陰謀論」を疑うべきです。ガス室の存在を疑うのは、それからで も遅くはありません。 |
#1324/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/19 13: 1 ( 74) MASAさんの想像力には感嘆します。 三鷹板吉 ★内容 ガス室ならぬ、火葬炉からの熱を利用した「死体乾燥室」ですか。想像にしても、 そこまでリアルに語られると「そんなこともあったかもしれないな」という気持ち にさせられてしまいますね。 アウシュビッツ・ビルケナウ収容所で唯一破壊を免れた「ガス室」として、現在、 アウシュビッツ博物館に公開展示されているクレマ1の構造が、ガス殺→死体焼却 の作業を効率的に行うようには出来ていない、というMASAさんのご指摘は、当 たっているかもしれません。 歴史学者の述べるところによれば、クレマ1は収容所内の病院のそばにあった死 体焼却施設を改造したものであり、元々ガス殺用に設計された施設ではありません でした。三鷹が思うに、病院で発生する病死体を消毒を兼ねて焼却するために、そ のような施設を併設していたのでしょう。その焼却施設内の死体置き場が、後にガ ス室に改造されました。死体置き場には換気装置が備えられていたこと、焼却炉が すぐそばにあったことが、そのような目的にふさわしい場所として選ばれた理由で しょうね。 (その後、終戦間際には、この元死体置き場のガス室はさらに改造され、防空壕と して使用されたと聞いています。ナチスドイツの徹底した合理精神をかいま見る思 いです。かの国においては、幽霊屋敷もお岩さんも消毒され消滅させられたことで しょう。戦後、アウシュビッツを博物館にする際に、その防空壕をもういっぺんガ ス室に復元したとのこと) 設計思想を云々するのなら、クレマ1より、ガス殺→死体焼却作業を設計段階か ら想定して建てられた、クレマ2から5について考察すべきでしょう。 三鷹の手元にある設計図や写真は、さほど多くはないので、MASAさんのご期 待に沿えるかどうか心配なのですが、参考になりそうなものを一つ紹介しましょう か。98外字で描いているので、他機種をお使いで読めなかったらそう言ってくださ い。 焼却炉(地上) ↓ 脱衣所(地下) ・・・・ ↓ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・ ・ * * * * * ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ ・ ・ ・←ガス室(地下) ・ ・ ・・・・・ これは、三鷹がニツコーで入手したクレマ3の航空写真(1944年8月25日撮影) で、真上から見た図です。ガス室の屋根には、チクロンBを投入したとされる穴が ハッキリと写っています。 クレマ3と同型だったクレマ2の焼却炉内部の写真もあります。クレマが破壊さ れる以前に撮影されたものでしょう。3連の焼却室が5つ並んでいます。 航空写真でいうならば、凸型の焼却炉全体の、横長の部分に「*」で示すように 焼却室が並んでいたようです。 焼却炉とされる部分が、ガス室に隣接してはいないということがお分かりでしょ うか? この構造のクレマにおいては、MASAさんが想像されるような「焼却炉 の熱による死体乾燥」は、ちょと難しかったのではないか、と推察します。逆に言 えば、死体乾燥を目的の部屋だったなら、こんな風には作らずに、凸型の底辺に長 辺を沿わせるような形に作ったでしょう。 三鷹はむやみに結論を急ぐワケではありませんが、「自然・不自然」で言うなら ば、MASAさんの想像する「死体乾燥室」は、現実には存在しなかった、と考え るのが、どちらかと言えば「自然」なのではないでしょうか? また、MASAさんは、信じる信じないの「信仰」や「価値」の問題と、ある無 いの「事実」の問題を意図的に混同なさっているようです。ガス室は、神さまやイ デアなどとは違い「信じればある、信じなければ無い」という宗教的哲学的存在で はありません。歴史学者が満場一致で「ある」としている歴史的事実です。それを 認めるか認めないかが、西岡さんに、三鷹に、MASAさんに問われているのです。 形而上学的な物言いは無意味です。 想像をあれこれ並べる前にメモや写真の「現物」を確認してみたらどうですか? ニツコーで見ていただいてもいい。MASAさんがファクスをお持ちならば、番号 を教えてくだされば、三鷹が送って差し上げてもいいですよ。 |
#1326/**** 研究室「パンドラの箱」 ★タイトル (QYA33902) 96/12/20 13:12 ( 41) 「アウシュビッツ犠牲者400万」はプロパガンダです 三鷹板吉 ★内容 これはハッキリ言っておいた方がいいでしょう。中国の南京にある「侵華日軍南 京大屠殺死遭同胞紀念館」にでかでかと掲げられているという「遭難者三十万」と いう看板と一緒で、歴史学者の実証研究とは無縁の、政治的プロパガンダです。多 きをもって善しとする、てのが、この手のプロパガンダの常道です。 ちょと前に間宮さん宛のMSGでも触れましたが、以前ポーラ塔h政府が「アウ シュビッツの犠牲者400万人」てな政治的プロパガンダを唱え、アウシュビッツ博 物館もその数字を堂々と提示していた、というのは事実です。その内訳は「ユダヤ 人250万人、その他150万人」です。プロパガンダの力点は、「その他150万人」に あります。その大半が「カトリック系ポーランド人」とされます。また「ユダヤ人 250万人」のうちの多くが「ユダヤ系ポーランド人」だったということも強調され ます。 つまり「犠牲者400万」という数字は、「ナチスドイツの(最大の)犠牲者は(ユ ダヤ人ではなく)ポーランド人なのだ」という、ポーランド政府の政治的主張を示 すものだったのです。カッコ内の強調され具合は、国外向け、国内向けによって違 います。三鷹はまだ確認していないのですが、ポーランドの小中学校の教科書では 「犠牲者の大半はポーランド人」とされていたそうです。これは明らかに誤った主 張です。ワレサがそんなことを言って物議をかもしたこともありました。 歴史学者の見解はそれとは異なり、定説的記述としては、100万人から150万人で す。比較的多めに見積もっている学者でも200万というところです。そのうち90% 以上がユダヤ人だった、とされています。この数字は、昨日今日のものではありま せん。例えばラウル・ヒルバーグの「ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅」という、ホロ コースト研究の定番的著作が近々邦訳されますが、この本の初版は1961年です。 もちろん、歴史学者の主張する数字は「少なくとも」という但し書き付きのもの であり、それ以上の数の人間が殺された「可能性」を否定するものではありません。 でも、そのこととプロパガンダによる400万という数字とをゴッチャにすると、見 えるはずのものも見えなくなります。 ポーランド共産主義政権の崩壊後の最近、アウシュビッツ博物館に提示されてい た犠牲者数が400万から150万に変更されたそうです。政治的プロパガンダを捨て、 歴史学の研究成果を採用した、ということでしょう。ごく当たり前のことをようや く・・・ちうことですね。 アウシュビッツ・ビルケナウのガス室には偽装用のシャワーヘッドが取り付けられていました。このことに関する証言も、証拠書類もあります。でも、アウシュビ ッツに現在展示されている「元ガス室」にはシャワーヘッドはありません。MASAさんがTVで観たという「シャワーつきのガス室」は、戦中の映像か、別の収容 所のものか、あるいは「再現映像」の類か、どれかでしょう。 |
(私論.私見)