○ベンジャミン・フルフォード、適菜収共著 「ユダヤ・キリスト教『世界支配』のカラクリ」(徳間書店) これは、奇妙な本である。ベンジャミン・フルフォードと、適菜収。この二人の話はまるで噛み合わない。
○「適菜収」 この人物は、「ニーチェ主義的哲学者」であると言う。それではこのひとはニーチェをどのように解するか。このひとによれば、ニーチェは、反ユダヤ主義を否定した、と言う。そのことが、繰り返し強調されて居る。しかし、それではこのひとは「ユダヤ主義」をどのように考えるか。それが、実に信じられないくらい、浅薄である。
このひとは、ユダヤ教に「タルムード」が存在することを、全く知らないのであろうか。「タルムード」を知らずして「ユダヤ」を云々するとは、およそあり得ない話しであるが、ひょっとしたら、本当に知らないのかも知れない。「タルムード」は、ユダヤ教の「ラビ」と結び付いて居る。するとこのひとは、「ラビ」とは、正確に何者なのか、そのことすら、何も知らないのかも知れない。
○つまり、このひとは、ユダヤの歴史を知らない可能性がある。ユダヤの歴史を知らずしてユダヤについて、ご大層なことを言う。このひとは、自分の「無学」と「無知」が恥かしくないのであろうか。このひとは、「シオン長老の議定書」を読んだことがあるのだろうか。そこには、ゴイムをだますために我々が、ダーウィン、ニーチェ、マルクスを育成した、と言う趣旨のことが記されてある。この「シオン長老の議定書」の本当の著者は、ライオネル・ロスチャイルドである、とヘンリー・メイコウは推定した。しかし、多分このひとは「ロスチャイルド」についても、完全に無知なのであろう。
○よくもこんな程度の未熟者が、一人前の顔をして世間に対して大きな口をたたけるものか。フルフォードと言うひとは、全く別である。本書については、なお、後日、検証する。 (了)
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