2008.08

 (最新見直し2011.02.26日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、太田龍・氏の時事寸評2008年版を確認しておく。れんだいこ文法、作法に基づき編集替えしております。

 2011.02.17日 れんだいこ拝


【「反ロスチャイルド同盟」考】

 2501回、2008(平成20)年08月01日

 月刊「デーヴィッド・アイク ニューズレター日本語版」第五号(二〇〇八年八月号)が、八月一日に発行された。四十四頁。定価 五百円、送料メール便八十円。申し込みは日本義塾出版部へ。この号は、七月十日投票日の英国下院補欠選挙にアイクが立候補した。その経過、その意味、その後の展望についてアイクの見解を展開して居る。この補欠選挙が行なわれた選挙区はイングランド北端に位置して居る。アイクが住んでいるブリテン島最南端の、その先のワイト島とは、はるかに離れて居り、これまで、アイクは、何の特別な関係もない土地である。しかし、六月末、インターネットでのアイクの呼びかけに答えて、この選挙区内外のボランティアが集まり、七月六日(日曜)のアイク選挙演説大集会その他を立派に成功させた。アイクのウェブサイト上に、ボランティアでアイクの選挙運動を担ったチームの写真が公開されて居り、その写真は、このアイクニューズレター日本語版(二〇〇八年八月号)の十六頁に掲載されて居る。アイクをまん中に十七名の人々が写って居る。これらの十七名の人々の顔と姿を見ることは、とてもおもしろい。小学生に見える小さな女の子が二人。中学生に見える女の子が三人。あとは、おとなの女性が七人。男が、五人。つまり、女性が優勢であり、みんな、労働者階級か、インテリくさくはない知識層。そして、「感じの良い人々」である。「へんな人々」ではない。自分の考えもしっかり持っているように見える。

 このような人々によって、七月二日のアイクの記者会見と、そしてそのビデオ。七月六日の大集会とそのビデオ、こうしたものが準備される、そしてすみやかにビデオが製作が完成されて、グーグルビデオコーナーに公開される。なお、この七月六日のアイクの三時間半の選挙演説ビデオは公開直後から現在まで、英国での視聴率は一位であり、全世界でもヒトケタ台を維持して居ると言う。アイクのこの7/6演説の日本語字幕は、十八章に分けたものの、一部二部は既にユーチューブに公開されて居り、順次完成次第公開される予定である。(了)


【「反ロスチャイルド同盟」考】

 2502回、2008(平成20)年08月02日

 正確には、記憶していないが、一、二年前、インターネット上に、「反ロスチャイルド同盟」設立の呼びかけのようなものが公開された。筆者は、それについて、「週刊日本新聞」及び、「時事寸評」に於て、好意的肯定的に評価する文章を公表したが、今、その出典と日付けを調べて明示する余裕がない。(『時事寸評』平成十九年四月五日付等)。しかし、それ以後、そしてとりわけ最近のこの「反ロスチャイルド同盟」 の状況を見て行くと、この組織に対する筆者(太田)の最初の見方を撤回して、改めて、現時点に於ける批判的評価を下して置くことが必要と考えられる。以下に、筆者の批判的評価の要点を列記する。

 (1)最近の「反ロスチャイルド同盟」の見解によると、「反ロスチャイルド同盟」と言う看板を下して、国際金融問題についての「シンクタンク」のようなものに移行したい、とある。
 (2)何故そんなことが必要なのか。それが本音であるとしたら、最初からそのような看板をかければよい。
 (3)しかし、多分、そんな看板では集まる人はあまりいない、又は、全く居ないのではなかろうか。
 (4)最初に「反ロスチャイルド同盟」と言う看板をかけたので、多くの人々が何かを期待して、多くの人々がそれに注目したのであろう。
 (5)何を期待したかと言うと。〈イ〉ロスチャイルドに対する痛烈な告発と批判。〈ロ〉ロスチャイルドを中核とするイルミナティサタニスト世界権力との戦いへと前進する。と言ったところではなかろうか。
 (6)しかし「反ロスチャイルド同盟」を始めた人は、ロスチャイルド=イルミナティとの対決、などする気が始めからなかった、と言うことか。
 (7)この人の本心は、簡単に言えば、一切の「革命」に、断乎として反対するところの「改良主義」である、と推定出来るであろう。
 (8)これでは、筆者(太田)の著述、翻訳などによって日本の思想界に形成されようとした、ロスチャイルド=イルミナティに対する批判と対決の気運を、この種の人々は、改良主義的イデオロギーの強化のために利用した、と成ってしまうであろう。

 と言うわけで、筆者は今、「反ロスチャイルド同盟」の設立当初に与えた肯定的評価を撤回することを、公式に表明せざるを得ない。しかし、こんな手口は、普通は「ペテン!!」と呼ばれるのではなかろうか。この件については、必要であれば、なお引きつづき検証を加える。(了)


【「ボリビアの総選挙で、大統領に社会主義運動党(MAS)のインディオ出身モラレス選出」考】
 2503回、2008(平成20)年08月03日

 二〇〇五年十二月、ボリビアの総選挙で、社会主義運動党(MAS)が議会の多数を得て、大統領に、同党のインディオ出身、モラレスが選出された。二〇〇六年一月、ボリビア史上初めて、インディオ出身者を大統領とする政府が、合法的に、選挙を通じて成立した。つまり、ボリビアは二年半以上に亘って、インディオをリーダーとする政権の統治下にあるわけである。このモラレス政権の与党、社会主義運動党(MAS)は、インディオの農民組合を母体とする政党である。

 筆者は、一九八二年以来、ボリビアインディオのもっとも急進的な独立革命思想家、ラミロ・レイナガ・ワンカールと親交を結んで居る。ラミロ・レイナガは、ボリビアのインディオが、スペイン植民地主義占領者の国家権力によって強制された、スペイン風の名前である。ラミロは、この名前ではなくて、インディオの言葉で、戦いの太鼓を意味する「ワンカール」の方を使用することを好む。筆者は、一九八〇年代の半ば、長野県白馬村のホテルで、エコロジストと世界原住民の国際会議を主催した。この国際会議の主役は、ラミロであった。この会議が採択した声明文の基調はラミロによって起草されて居る。

 一九八二年、我々が初めてラミロを日本に招待したとき、彼は、「インカのスペインに対する五百年の戦争」(スペイン語版)の日本語版の出版を筆者に依頼した。筆者は友人を通じてアジア経済研究所の中南米問題研究家の吉田秀穂氏に邦訳をお願いした。吉田秀穂氏は全くのボランティアで、つまり全くの無償、十年以上かかってそれをほぼ全訳した。それは、一九九三年に新泉社から、一千部限定(定価五千円)で出版されたが、版元は、これは出版奨励金をもらいたいくらいのもので、翻訳料はもちろん、著者ラミロへの印税も、一銭も支払わない、と言う。筆者は、筆者のポケットマネーから、印税相当分千五百ドルをラミロに送金したのである。

 ラミロの評価によれば、モラレスと、その与党の社会主義運動党(MAS)は、二つの顔を持って居る。インディオ原住民の顔と、ヨーロッパ階級闘争イデオロギーの顔と。従って、ラミロは、当然の如く、インディオ独立革命の思想の立場からモラレスとその政権に対して、きびしい批判的見方をして来た。最近のラミロからの連絡によれば、ボリビアの状況は次の如くである。
(1)モラレス政権のインディオ的性格の政策が、少しづつ現実化するにつれて、
(2)ボリビアのスペイン植民地主義占領者の権力は、全国的に、全戦に亘って反撃に出て居る。
(3)それにともなって、ボリビア人口の多数を占めるインディオもまた、改良主義的モラレス政権の水準を越えてすすむ傾向が生まれて来る。
(4)ラミロは、今、二〇〇五年秋に発生した刑事事件によって、裁判にかけられて居る。この事件の概略は、ずっと以前から、ラミロの著書「インカのスペインに対する五百年の戦争」(スペイン語)の海賊版が広く出回って居り、首都ラパスの街頭へも公然とこのラミロの本の海賊版を売る泥棒がのさばって居た。二〇〇五年秋、ラミロがその一団を見付けて抗議すると、彼らは集団でラミロを襲った。ラミロは生命の危険を感じて、正当防衛のために発砲した。この事件について、スペイン植民地占領者権力は、ラミロを逮捕して、これを奇荷として、ラミロを永久に牢獄の中に閉じ込めようとして居る、と言うのである。
(5)しかし、ごく最近ボリビアのインディオ社会の中に、ラミロを再評価する動きが出て来て居ると、しかし、この問題は後にまた述べることにする。

 今、ボリビアの治安は険悪化して居ると言う。これは、一方では、インディオが改良主義モラレス政権の水準を乗り越え、他方では、スペイン占領者権力はインディオの運動を粉砕すべく進出する、この公然たる衝突の前兆である。ラミロは内戦が地平線上に見えて居る、という。ラミロが「インカのスペインに対する五百年の戦争」で、記述した如く、スペイン侵略者に対し、インディオは五百年の間、大中小、無数の民族自衛の戦争を遂行した。改めて、筆者は、日本民族有志が、ラミロのこの古典的名著を発見されるよう要請する。(了)

 《注》ラミロ・レイナガ(ワンカール)著、吉田秀穂訳「インカのスペインに対する五百年の戦争」日本語訳は新泉社、定価五千円(絶版)(インカの抵抗五百年史)これは、ラミロの了解の元にコピー本を日本義塾出版部で販布中 一冊四千円 プラス送料 なお、この本のスペイン語版原著は、現在増補版が出て居り、出来るだけ早い機会に増補版による日本語を刊行したいと希望して居るが、今のところ、スペイン語翻訳者が見付からず実現のメドはたって居ない。


【「現フランス大統領サルコジ」考】
 2504回、2008(平成20)年08月04日

 デーヴィッド・アイク週刊ニューズレター(英文)二〇〇八年八月三日号、SPIDER PEOPER……(AND MOST DONT EVEN KNOW) 蜘蛛の巣で結び付いて居る人々…………(そしてこれらの人々の結び付きは、殆んど知られてさえ居ない)。この号は、七月十日の英国下院補欠選挙の、体制内マスコミ上では主役として登場した、反ビッグブラザー陣営のヒーローと称される、デーヴィッド・デイヴィス。この人物についての調査の継続であり、その深化である。

 アイクは、今週、フランスの調査記者メイサンのきわめて興味深い記事を読んだと言う。この記事によれば、現フランス大統領サルコジはモサド(イスラエルの諜報機関)のアセットである、と。アセット(直訳すれば、資産)とは、諜報機関の常用する専門用語では、一般には全く正体を知られて居ない、秘密の工作員の意味である。フランスの有力日刊新聞「フィガロ」は、昨年、「サルコジ―もとモサドの秘密工作員」と題する記事を掲載したと。ジョン・コールマン博士は、サルコジは、三百人委員会のインサイダーであり、三百人委員会の有能な工作員であると言う。アイクは、サルコジの背後に居て彼を操作して居る権力は、ロスチャイルド王朝であると言う。モサドは、イスラエルの工作機関ではない。モサドはロスチャイルド家の工作機関である。そしてそれは、何世紀も以前に遡る、悪名高きロスチャイルド家の諜報機関のネットワークから生まれたものである、と、アイクは言う。

 英国保守党内反ビッグブラザーキャンペーンのヒーローとして持てはやされつつある、デーヴィッド・デイヴィス、及び、彼のパートナーとして出現した、チャクラバティ。この二人の背後を、ほんの少し調べて行くと、彼らがロスチャイルド家を中核とするイルミナティのネットワークのまぎれもない、仲間であることが、忽ちのうちに明るみに出されてくることをアイクは発見する。しかし、イルミナティの支配する英国のマスコミは、この明々白々な事実を、英国民衆に全く知らせない。従って、この見え見えのペテンが通用するわけである。アイクのこの英文ニューズレターの日本語版は間もなくアイク日本版 davidicke.jpに公開されるであろう。(了)


【「ラミロ(ワンカール)のeメールの大意」紹介】
 2505回、2008(平成20)年08月05日

 八月四日付け、ラミロ(ワンカール)のeメールの大意を、以下に紹介する。
(1)八月四日の午後、(ラミロを被告とする刑事事件、一審の)判決が出された。これは或る種の驚きであった。ラパス中央刑務所に、七年間投獄する、と。
(2)私の弁護士、その他みんなが判決の極度の苛酷さと、極度の不正義に驚いて居る。
(3)法廷は、五人の判事団によって構成された。職業的裁判官二人、(白人)。市民の裁判官(三人)。
(4)まず、検察官が発言した。次に、海賊版の発行販売者を弁護する弁護士。次に、私の弁護士。そして最後に私。
(5)私の発言が終ると、多くの人々が、私に拍手した。私は或る種の自信を抱き、楽観的と成った。
(6)判事団は、合議した。そして、裁判長は、二十分以内に判決文が作成される、と述べた。
(7)我々は、二時間以上待たされた。私はこれは悪い兆しと見た。
(8)三人の市民裁判官は、百パーセント私の側にあり、彼らは私が無罪であると確信していた。
(9)二人の白人職業的裁判官は、百パーセント私に敵対的であり、私の父親や私自身の解放の思想を敵視して居た。彼らは身分の低い市民裁判官を脅迫して、彼らの意思を強制した。 
(10)八月八日、判決文を読み上げる儀式がなされる。
(11)私の弁護士によれば、我々は、高等裁判所に訴えることが出来る。
(12)チリ人の女性、ペルー人の友人、ボリビアの裁判官に気を付けろ、と言うことわざがある。
(13)チョンチョコロ(Chonchocoro)の刑務所に送られるという最悪のケースはまぬがれた。この刑務所は荒涼とした無人の土地にあり、最大限の厳重な警備体制下、そして、毎週のやうに、囚人たちは他の囚人によって殺されて居る。
(14)もし、ボリビアの植民地国家権力が私を投獄に持って行くことが出来るとしたら、それは、今年の末までに実行されるであろう。
(15)どう成るか成り行きを見やう。
(16)あなたの援助によって、私は、自分の自由を守るために戦うであろう。以上の通りである。

 ここのところずっと、筆者の心は、ラミロの事で一杯であり、あふれそうだ。ラミロは、一九三九年生まれ。父も母も、ボリビアインディオの独立革命運動のきわめて有名な指導者であった。ラパスの中学に入り、中学生の頃、ボリビア共産党の青年組織に入った。ラパスの大学に入る頃には、ボリビア共産党の極度の腐敗と反インディオ的本質を見抜いて、この党を脱退し、ボリビアの山中でゲリラ戦争を開始したチェ・ゲバラの武装勢力に参加した。ゲバラは戦死し、ラミロはボリビアの軍隊の捕虜と成り、懲役三十年の刑で投獄された。しかし、内外のラミロ釈放運動が起きて、ボリビア政府は、ラミロをメキシコに追放した。一九七〇年代、ラミロは、メキシコのインディオの村の小さな部屋に住み、二冊の本をスペイン語で書いた。一冊は、西洋全体との決裂はもちろんのこと、ゲバラを含む西洋の左翼との決裂の宣言の書である。二冊目が、「インカのスペインに対する五百年の戦争」である。このスペイン語の著作は、最初は、メキシコで出版され、次にボリビアで出版され、スペインでも出版された。

 その後の彼の経歴はここでは省略する。一九八二年、東京でラミロと出会ったとき、筆者は、ラミロの魂と筆者の魂がぴったりと符合して居ることを直観した。それ以降、今日に至るまで、筆者の魂の一番深いところに、彼ラミロは棲み続けている。彼は今、「スピリットと宗教」と言う大著を書いて居る。なんとしても彼が、この大著を完成出来るように。そしてこの大著を、すぐにスペイン語で出版し、次にそれを、英語で、そして日本語で出版できるように。この仕事が、今、筆者にとって優先事項の第一位である。この仕事への善意の協力者を歓迎する。(了)
 


【ワンカール著「先住民族インカの抵抗五百年史―タワンティンスーユの闘い」考】
 2506回、2008(平成20)年08月06日

 この本は、ラミロ(ワンカール)の主著であり、「タワンティンスーユ」とは、 日本人がインカ帝国と呼んでいる国のことである。しかし、「インカ帝国」と言う呼び方は、誤りである。タワンティン・スーユとはケチュア、アイマラ語で、四つの地方を意味する。その領土は、現在は、エクアドル、ペルー、ボリビア。そして、チリ、アルゼンチンの北部。と成って居る。今のボリビアは、このタワンティン・スーユの中の「コジャスーユ」のこと。本書の日本語版への著者の序文には、一九九一年十一月二十九日、コジャスーユ、キチュアウ・マルカにてと、記されてある。

 「ケチュアウ・マルカ」とは、今のラパスのこと。本書の日本語は、全訳に近い抄訳であるが、巻末訳者解説、参考文献を含めて四百二十頁。邦訳は、「先住民族インカの抵抗五百年史」吉田秀穂訳、新泉社、一九九三年四月刊初版一千部、定価五千二百円プラス税。日本人は、今に至るまでボリビアを含む中南米のインディオ原住民は、西洋の侵略によって、とっくの昔に滅亡寸前のあわれな敗者と、思い込んで居るであろう。だから、一九九三年に、この邦訳本が出たけれどもまともに読んだ人はゼロ。ではなかったか。しかし、五千二百円プラス税と言う高価なこの本は、一千部印刷されて、何年かすると、全部売れ切れた。一体、誰が買って読んでのであろうか。

 それは、中南米の専門家、更に、文化人類学者、更に、考古学者、歴史研究家など最後に若干の図書館、大学の研究者、と言ったところか。つまり、この邦訳本の存在もこの本の著者についても一般人はなんにも知らないのである。今の日本人は、ボリビアのインディオのことなど、文化人類学者、考古学者にまかせておけば……と思っているであろう。ワンカール(ラミロ)は、本書を三部に分けて、第一部 昨日、第二部 今日、第三部 明日。筆者は、本書をまともに真剣に読んだ日本人が一人でも存在するとは信じない。訳者と、そして私(太田)を例外として、筆者は、今、日本民族有志に対して、この本を、そして著者ワンカール(ラミロ)を発見することを、改めて要請する。(了)

 【註】ワンカール著、吉田秀穂訳、新泉社刊(絶版) 「先住民族インカの抵抗五百年史―タワンティンスーユの闘い」一九九三年刊、定価五千二百円プラス税。この本は、絶版で古本も全く出ていないので、研究者のためにコピー本を日本義塾出版部で取り扱っている、一部四千円プラス送料。タワンティンスーユ(いわゆるインカ帝国)は、ケチュワ(ケスワ)人とアイマラ人との複合民族国家である。ラミロは、「ケスワイマラ人」と言う。


【「日本の神々は二度殺された」、「日本の神々は、今三度殺されつつあるのか?」ウイリングの「マネー―第十二番目の究極の宗教」考】
 2508回、2008(平成20)年08月08日

 日本の神々は、二度殺された。そして、今、日本の神々は、三度殺されつつある。と言う問題について、日本義塾(八月二十二日)で講義する。日本の神々、そして言うまでもなく、全地球の、ひいては全宇宙で、神々を殺しつつある者、それは誰なのか。それが、問題である。そして、それが問題であることをまず、明確に、認識しなければならない。

 Mysterious MONUMENTS: Encyclopedia of Secret Illuminati Designs, Masonic Architecture, and Occult Places By Texe Marrs 二〇〇八年、大判六百十八頁、未邦訳。この大著には、主として、欧米各地に建てられて居る、イルミナティの何百と言うモニュメントの写真と、その解説が収められている。その二十一頁に、米国ジョージア州、エバートンの「ジョージア・ガイドストーン」の写真がある。この「ジョージア・ガイドストーン」については、アンドリュー・ヒッチコック著「サタンのシナゴーグ」(百九十二頁)にも記述されて居り、当「時事寸評」に、紹介した。

 そこには、人類の人口を五億人とすべきこと、とある。つまり、現在の地球人口の六十五億人のうち、六十億人を「殺処分」すべし、とするわけである。この「ガイド・ストーン」には英語、中国語、バビロニアのくさび型文字を含む、八つの言葉で、「十戒」が記されて居ると言う。こんなことが、面白半分でなされるわけがない。このような動きの背後にあって、その秘密のアジェンダを推進しつつあるのは何者か。日本人は、国家として、民族として、未だかつて、西洋の背後にひそみ、地球を支配して居る秘密結社の存在を、認識したことがない。日本の神々、そして全世界の神々を殺しつつあるもの、それは、西洋を支配する秘密の宗教カルトである。そのことは、これまで、とりわけ、フランス大革命後、幾多の有志によって、解明され、曝露されて来たが。

 R・D・ウイリングの「マネー―第十二番目の究極の宗教」(二〇〇八年一月、五月)こそは、おそらくは過去六千年の西洋思想の総決算、その決定版とも言うべき、必読文献であるだろう。ウイリングは、究極の神は、「モロク神」だという。この「モロク神」を描いた絵の如きものが、ウイリングのこの本の表紙にも、本文にも公開されてある。この絵の出所、その初出が示されて居ない。ウイリングの説明によれば、「モロクの神=マネーの神」の本質的特徴は、ホロコーストを是とし、ホロコーストを好み、ホロコーストを良しとし、ホロコーストを煽動する、そのような神である。

 ジョージア・ガイドストーンは、地球の人口を五億人とせよ、と言う。つまり、六十億人をホロコーストするわけである。六十億人の死体を、どうやって処理するつもりなのであろう。日本人は、西洋が、どのようにして、かくの如き神(この『神』の正体、その本当の名前はサタンであり、ルシファーであり、デビルである)を生み出したか。それこそが、日本民族、そして日本人のみならず、全人類の蘇生と目覚めの起点なのである。(了)

 【日本義塾 平成二十年八月公開講義案内】

 日 時 平成二十年八月二十二日(金)午後六時半〜九時(六時開場)
 会 場 文京シビックセンター 四階シルバーホール(四階B会議室のトナリの部屋)
 講 師 太田 龍
 演 題 「日本の神々は二度殺された」、「日本の神々は、今三度殺されつつあるのか?」ウイリングの「マネー―第十二番目の究極の宗教」についても解説し、批評する。
 資料代 千円
 予約申し込み、問い合わせは、eメール、電話、はがきで、日本義塾出版部へ

 【参考文献】
(1)太田龍著「日本の神々は二度殺された」(学習参考資料、コピー本、上巻)
(2)ラミロ・レイナガ(ワンカール)著「インカのスペインに対する五百年の戦争」邦訳「インカの抵抗五〇〇年史」吉田秀穂訳、新泉社、絶版コピー本、四千円。
(3)大紀元「九評共産党」
(4)R・D・willing "Money; the 12th and the final Religion" 未邦訳


【「ロンドン(三百人委員会)/ブレジンスキー/オバマ陣営」考】
 2509回、2008(平成20)年08月09日

 八月九日、日本の新聞朝夕刊(朝日、毎日、讀賣、東京、産経)は、八月八日、グルジア軍がグルジアの一部である南オセチア自治州を攻撃したこと、ロシア軍がグルジアを攻撃したこと、ロシアとグルジアの全面戦争の危機が発展しつつあること、などを報道した。この情勢の意味を深く理解するためには、W・G・タープレイ著「オバマ―ポストモダン・クーデター」(二〇〇八年六月刊、未邦訳)。この本が必読である。

 二〇〇三年三月、ブッシュ米政権がイラク侵略戦争を開始する前後、あるいは、ブッシュ政権の登場(二〇〇一年)の当初から、ロスチャイルド陣営(三百人委員会)は、この方針に反対して居る、との情報に接したことがあり、そのことについて、筆者は、時事寸評、週刊日本新聞で論評した。今、その出典を示すことが出来ないので、記憶によって、右のロスチャイルド筋(三百人委員会)の見方なるものを再構成する。

 (1)第三次世界大戦の開始は、二〇一二年とする。
 (2)ブッシュが、ゴア(二〇〇〇年)、ケリー(二〇〇四年)を破って、大統領に当選したことは、ロスチャイルドを大いに失望させた。
 (3)対イラク戦争は、すべきでない。
 (4)二〇一二年、ロシアとの第三次世界大戦。
 (5)このアジェンダのために、ロシアをグルジア、ウクライナ、白ロシア、中央アジア、その他いたるところで攻撃して、不安定化させ、動揺させるべきである。
 (6)ロシアを十分に、弱体化させて、二〇一二年に設定される第三次世界大戦に入るべきである、と。

 ロスチャイルド(三百人委員会)のこの見方をブレジンスキーは「セカンド・チャンス」(二〇〇七年)によって、代弁した。ブレジンスキーは、二〇〇八年十一月の米国大統領選挙を通じて、ロスチャイルド/ブレジンスキーの政治路線を実行させることの出来る政権を米国に作りたい。ヒラリー・クリントンには、その適格性がない、と判定された。そこで、オバマを民主党の候補者とする、と。これは彼らの作戦通りである。

 そこで、六月上旬までには、ロンドン(三百人委員会)/ブレジンスキー/オバマ陣営が、十一月初旬の選挙結果を待つことなしに、ブッシュ/チェイニーを排除した、「プリンシパル コミッティー」によって米国国家権力中枢を掌握させた、と、タープレイは言う。つまり、中東作戦をトーン・ダウンさせ、主要戦略方向をロシアへの攻撃に向ける、と。八月八日に発生した、グルジア軍の南オセチア自治州に対する本格的攻撃。これは、まさしく、絵に描いたような、ブレジンスキー戦略の発動である。もちろん、ロシアは、その意味を十分に承知している。十一月に、誰が米国大統領に当選しようと、次期米政権は、三百人委員会/ブレジンスキーの政治路線を実行することを、イルミナティの奥の院は予定して居るであろう。オバマがブレジンスキーの人脈の中に位置付けられるのみでない、マケイン陣営の外交軍事スタッフにも、ブレジンスキー人脈が配置されて居る、とタープレイは言う。(了)


【ワンカール著「タワンティンスーユ - ケスワイマラ人のスペインに対する五百年の戦争」考】
 2510回、2008(平成20)年08月10日

 ワンカール著「タワンティンスーユ - ケスワイマラ人のスペインに対する五百年の戦争」から引用する。邦訳「先住民族インカの抵抗五百年史 - タワンティンスーユの闘い」(吉田秀穂訳、新泉社 絶版)宇宙的共同体タワンティンスーユ

 インカ人の生活は幾つかの共同体的な村々の中央集権化された組織であった。それらは、タワンティンスーユと呼ばれた(タワ=4、スーユ=地域)。このアイユの中のアイユは四つの地方から構成されていた。コジャスーユ、チンチャスーユ、アンティスーユ、クンティスーユである。南北は現在のコロンビアのカリからチリ南部のバルディビアまで、東西は太平洋からアマゾンの密林まで広がっていた。一万年以上の間、アンデスの人びとは成長した。野生の果物を採取する集団から農耕、牧畜集団へ、そして宇宙の法則によって科学的に組織されると共同体へと成長した。
......
 業共同体はこの宇宙の生き生きとした調和を把握したとき宇宙的共同体へと成長した。それはすべての天体の収縮と拡張、すべての動植物の呼吸、すべての心臓の収縮と拡張、そして........それらの二つの契機がその振動において我われが知っている生命を維持する。......
......
 タワンティンスーユは、集団的に感じていた。宇宙のすべての生物は同じ要素を持ち、相互に依存しているだけでなく、永久の螺旋的サイクル的進化過程にあることで同じなのである。存在しているもののすべては進化の違った時期にいる人種なのである。......
......
 我われは死に対する盲目的な恐怖とか、我われの交響曲全体の相互に交換できる一音符に過ぎないことを知って心臓が破裂するような緊張とかは知らなかった。我われは交響曲の中で各人がすべて無限の形態のひとつとして生きるであろう。タワンティンスーユでは誰も自分が創造主であるとか、植物、動物、土地、人間主人であるとか、感じたことはなかった。......
......
 我われの父「インディ」は「太陽」である。我われの母「パチャママ」は「大地」である。我われは我われのことを太陽の種族であると考えている。............
(吉田秀穂訳『先住民族インカの抵抗五百年史』十六頁〜十八頁)

 ここでは、タワンティンスーユのもっとも基本的なことば、概念が説明されている。◯タワンティンスーユ◯コジャスーユ、チンチャスーユ、アンティスーユ、クンティスーユ◯インティ◯バチャママ◯「アイユ」これはきわめて重要なことばである。この「アイユ」を理解することが、「タワンティンスーユ」を理解するための入門である。しかし、ここでは省略する。(了)

 《注》ワンカール(ラミロ)著 吉田秀穂訳「インカの抵抗五百年史」新泉社、一九九三年刊(1000部) 絶版四百十二頁、定価 五千二百円 プラス税 スペイン語原著は、一九七九年、一九八一年三百七十五頁 スペイン語原著増補版は、二〇〇五年発行。絶版中の吉田秀穂訳は、日本義塾出版部でコピー本販布中 一冊四千円 プラス送料


【テックス・マーズの「パワー・オブ・プロフェシー」考】

 2511回、2008(平成20)年08月11日

 テックス・マーズの「パワー・オブ・プロフェシー」二〇〇八年八月号。この記事は、WHO KILLED OBAMA? (誰がオバマを殺したか?)と題されて居る。この、ギョッ! とするようなことばは、アメリカのいはゆる白人至上主義者のグループのせりふではない。それは、ニューヨーク在住のイスラエル人ファッション・デザイナー、ドロン・ブラウンシュタイン Doron Braunshtein が製作販売中のTシャツに大きな字で印刷されて居る英語である。ドロン・ブラウンシュタインは、二種類のシャツを売り出して居り、もう一枚は、「ユダヤ人はオバマに反対して居る」だと言う。 「ユダヤ人は、オバマに反対して居る」、「誰がオバマを殺したか?」と、二つのスローガンが並べられるとすると、これは、アメリカのユダヤ人の明確なメッセージ、の役割を果すであろう。

 アメリカ在住のユダヤ人の大多数は、来るべき大統領選挙に於て、マケインに投票する、との調査があると言う。これは何を意味するのか? ユダヤ人は、オバマが、ひょっとしたら「イスラエル第一主義」の路線を逸脱するのではないか、と疑っていると。マケインが、「イスラエル第一主義」であることは、保証ズミである、とされる。と言うわけで、テックスマーズは、オバマが、米国大統領に選出された場合、J・F・ケネディのように暗殺されるのではないか、と警告するわけである。テックス・マーズのこの記事には、根拠があるのだろうか?

 テックス・マーズのこの見方は、大いに見当が狂っている。しかし、ここには明確な実体が存在する。W・G・タープレイの「オバマ―ポストモダン・クーデター」(二〇〇八年六月刊)と、そのあとに発表されたタープレイの論説によると、オバマは、ブレジンスキーの傀儡である。ブレジンスキーは、ブッシュ・ネオコン政権によるイスラエル第一主義的路線から、ロシアの解体と弱体化に主要戦略方向を移行させようとする、ロンドン筋の意向を代表する、と。ブレジンスキーはユダヤ人であるが、イスラエル第一主義ではない、と。彼は、イスラエルではなくて、イスラエルをもコマの一つとして利用するイルミナティ(三百人委員会)の奥の院に直結する戦略家である。

 イスラエル第一主義者は、イラク戦争の泥沼にアメリカを引きずり込んだのみでない。彼らは、アメリカをイランに対する戦争に駆り立てようとして居る。ロンドンの意向を代弁するブレジンスキーは、この方向に反対である、と。在米ユダヤ人の大多数が、オバマに反対する方向に組織されて居るのみならず、米国内で、オバマの「暗殺」を是認する空気が、今、公然と、ユダヤ人社会に出現したことの意味を、このように解すべきであろう。(了)

 【参照】WHO KILLED OBAMA?


【「鈴木啓功」考】
 2531回、2008(平成20)年08月12日

 この著者の著作は、二、三年前(と記憶している)一冊贈呈されて、当「時事寸評」で論評したことがある。今、その記事の出典を示すことが出来ないが、今回の「十年後の世界」を贈呈されて、通読する。これで見る限り、この著者は、未だ、多くの限界と不十分さ、色々な誤りは見受けられるとしても、或る程度、顕著な進歩をして居ると評価出来るであろう。このひとは、一九五六年(昭和三十一年)生まれ、と言うから、今、五十二才である。今回の本の中で著者は、多かれ少なかれ、いわゆるユダヤイルミナティフリーメーソン……の陰謀に反対し、それと戦う、と言う立場に立とうとしている。

 日本に於けるこの陣営の歴史は、大ざっぱに言へば、以下の如く、要約出来る。
(1)一九一七年十月ロシア共産革命政権出現後、ロシアに在住して居た若干の日本人、そして、四王天延孝中将などの陸軍諜報機関将校、その他の先覚者の時代。
(2)この動きは、国際政経学会(昭和十一年〜二十年)へと集大成された。
(3)前記、(1)(2)の流れは、根本的には、天皇教狂信イデオロギーの枠内にあり、天皇教狂信イデオロギーそのものの批判は、この陣営内でも絶対的タブーであった。
(4)この流れは、昭和二十年八月敗戦後、社会の表面から姿を消したが、長い間、天皇教狂信イデオロギーに呪縛されて、思想的に身動き出来ないまま。
(5)大正時代から酒井勝軍などキリスト教原理主義者たちが、ユダヤフリーメーソンの陰謀を批判した。
(6)しかし、あっと言う間にこの種の人々は、「日本ユダヤ同祖論」へと転落し、
(7)もっとも危険なユダヤの手先と化した。
(8)敗戦後もこの系統は生き延びた。
(9)一九七〇年代に、この系統から、「宇野正美」氏が出て来た。
(10)そして、このひとも、例の如く「日本ユダヤ同祖論」に転落し、現代日本に於ては、もっとも有効なユダヤの手先の役割を果しつつある。
(11)平成三年(一九九一年)一月末、筆者(太田)は、「国際政経学会」の学統を継承すると共にその系統の宿痾としての「天皇教狂信イデオロギー」のタブーを粉砕しつつ、
(12)更に進んで、孝明天皇父子弑逆事件、大室寅之祐明治天皇スリカエ陰謀の曝露(鹿島f)。
(13)かくして、一九九二年以降、筆者は、ジョン・コールマン博士、ユースタス・マリンズ、フリッツ・スプリングマイヤー、デーヴィッド・アイク、アントニー・サットン、M・C・パイパー
などの現在欧米の反ユダヤ反イルミナティ反フリーメーソン陣営の主要な思想家理論家を、日本民族有志に紹介する精力的な活動を展開する。

 そこで、次に出現したのが、剽窃を事とする「パクリ屋的売文業者とその予備軍」の一大軍団である。この「剽窃を事とするパクリ屋的売文業者とその予備軍」の一大軍団については、ここでは省略する。

 「鈴木啓功」と言うひとを、今回の著作「十年後の世界」によって判断すると、このひとは、前記の如き、パクリ屋的売文業者、ではない。このひとは、一人に成っても戦うことの出きる者」(二百七十五頁)、について云々して居る。まさしく、その通りである。「パクリ屋的売文業者」は、こんな本当のことは書けない。

 進藤義晴先生曰く、「私は甘いことは言はない」(講演録)と。かつて、四十年前の全共闘時代に「連帯を求めて孤立を恐れず」又は、「孤立を求めて連帯を恐れず」といったようなスローガンが掲げられた。しかし、この問題も、ここでは省略する。「十年後の世界」。ここには、不十分な記述が、多々存在するが、機会があれば、それらについては論評することとしたい。(了)

◎鈴木啓功さん、贈呈をありがとう。


【「日本の神々は二度殺された」、「日本の神々は、三度殺されるのか」考】
 2513回、2008(平成20)年08月13日

 八月二十二日の日本義塾公開講義の演題は、「日本の神々は二度殺された」、「日本の神々は、三度殺されるのか」である。ジョン・コールマン博士は、「300人委員会」の中で、三百人委員会の目標は、魂なき奴隷を作ることである、と述べて居る。三百人委員会の目標は、世界人間牧場を構築することである。既に、四十年も前、一九六〇年代に、高知県の先覚者、黒岩先生は、ユダヤは、資本主義と共産主義の双頭作戦によって、二十一世紀、人類を世界人間牧場に導く、と述べておられた。この先覚性はスゴい。つまり、奴隷から家畜人(ヒューマン・キャトル)へ。奴隷はまだ人間である。奴隷には未だ、魂がある。奴隷から魂をいかにして奪うか。イルミナティ世界権力は、この数千年、この目標を追及して来た。

 魂なき人間とは、神なき人間、神を殺された人間、のことである。個人ではない。ひとつの民族全体の魂を殺さなければならない。個々の民族ではない、全人類の神を殺さなければならない。「神を殺す」とはどう言うことか。神を殺されるとは何を意味するのか。神を殺すものは誰か。彼等は、いかなる方法によって神を殺すのか。この問題を解くことは簡単ではなく、容易でもない。この六月以来、カナダの学者、R・D・ウイリングの著作「マネー―第十二番目の究極の宗教」(未邦訳)を入念に読み込み、思索していくことを通じて、ようやく、筆者にも事態の機微が見えて来た。八月二十二日の講義のテーマの水準は、きわめて高度で、また深い。しかし、それを、水準を低俗化することなく、出席者に概ね了解される如く、又、あまり良くはわからない場合でも理解の糸口はつかまえられる如くに、詳しく説明したい。(了)

 【日本義塾 平成二十年八月公開講義案内】
 日 時 平成二十年八月二十二日(金)午後六時半〜九時(六時開場)
 会 場 文京シビックセンター 四階シルバーホール(四階B会議室のトナリの部屋)
 講 師 太田 龍
 演 題 「日本の神々は二度殺された」、「日本の神々は、今三度殺されつつあるのか?」、ウイリングの「マネー―第十二番目の究極の宗教」についても解説し、批評する。
 資料代 千円
 予約申し込み、問い合わせは、eメール、電話、はがきで、日本義塾出版部へ

 【参考文献】
 (1)太田龍著「日本の神々は二度殺された」(学習参考資料、コピー本、上巻)
 (2)ラミロ・レイナガ(ワンカール)著「インカのスペインに対する五百年の戦争」邦訳「インカの抵抗五〇〇年史」吉田秀穂訳、新泉社、絶版コピー本、四千円。
 (3)大紀元「九評共産党」
 (4)R・D・willing "Money; the 12th and the final Religion" 未邦訳


【鈴木啓功著「十年後の世界」考】
 2514回、2008(平成20)年08月14日

 鈴木啓功著「十年後の世界」(明窓出版、平成二十年八月刊)。この本には、ジョン・コールマン著「300人委員会」が引用されて居らず、コールマンの名前が一度も出て来ない。この本の著者が、コールマンとその著作「300人委員会」を全く知らないのか。そもそも知って居て、なんらかの意図を持って伏せているのか、それは分からない。しかし、いずれにせよ、本の「構造」は、コールマン著「300人委員会」の構造と良く似て居る。

 コールマン著「新版300人委員会」(上下二巻、成甲書房、平成二十年七月)は、概ね、次のように述べて居る。
(1)300人委員会は、ロンドンを本拠とする世界権力である。
(2)300人委員会は、二〇五〇年頃までに、地球上の人口を十億人にまで、減らす計画である。(現在の人口は、六十五億人であるから、八割以上、五十五億人はなんらかのかたちで殺処分しなければならない。)
(3)かくして、NWO世界人間牧場が完成したとき、その構造は、支配階級と奴隷階級のみ。
(4)その奴隷は魂なき奴隷、家畜人(ヒューマン・キャトル)と化する。

 鈴木啓功著は、次のように述べて居る。
(1)二十一世紀半頃までに即ちあと四十年くらいのちに、世界の二極化が完成する。
(2)現在の構造は、国際金融資本 → 米国など → 日本の役人国家 → 日本国民
(3)十年、二十年、三十年、四十年と時代が移行するうちに世界は、一パ−セントの超大富豪 三パーセントの富豪 九十六パーセントの食うや食わずの奴隷、と言う風になる。九十六パーセントの奴隷の収入は、平準化するが、とりあえず、第三世界の奴隷は、一日二〜三ドル。日本のような先進工業国は、一日十ドル、(今の日本で一日十ドルと言うことは、永久に家庭を持つことも出来ず、従って、民族の再生産は、断絶する) しかし、時間をかけて、全世界は同水準へ収款する。二ドルか、三ドルか、五ドルか......。
(4)このまま坐視して居ると、こう成ってしまう。
(5)反乱、革命を起して、このアジェンダを阻止しなければならない。
(6)その方法論は、〈1〉日本国民が革命を起して、〈2〉日本の役人国家を打倒する。〈3〉そして次に、米国(その他)を打倒する。〈4〉そして最後に、国際金融資本を打倒する、と。

 つまり、国際金融資本世界権力に対して、革命を起そう、と言うのである。今の日本で、ここまで、明解にそして公然と言い切れる人は、きはめて少ない。または殆んど居ない。ごく最近までは、筆者一人のみ、であった。西洋などを別とすれば。鈴木啓功氏は、日本国民が、このように本物の行動を開始すれば、次は、日本の内乱と成る、と述べる。必然的に、日本の支配体制(国際金融資本-米国〈その他〉-日本の役人国家)は、その予防措置として、「思想警察」による支配を強化する、と。これはその通り。

 「思想警察」は、英語では「thought police」である。そして米国では(英国でも)、この「ソート ポリス」のことばは、実に頻繁に使われる。敗戦前の日本には、きわめて強烈な思想警察力、その体制が存在した。しかし、これから浮上する日本の支配体制の「思想警察」体制は、全く異なるかたちであろう。(了)


【「イルミナティ世界権力が、ブレジンスキー/オバマ一味に与える任務」考】

 2515回、2008(平成20)年08月15日

 日本義塾九月二十六日(金)公開講義のテーマは、「イルミナティ世界権力が、ブレジンスキー/オバマ一味に与える任務」について説明する。W・G・タープレイ著「オバマ-ポストモダンクーデター」(二〇〇八年六月刊)への増補論文の一つとして、「ネオコンの衰退と倒壊」。これは重要である。二年間のネオコン包囲作戦の結果、ネオコンの陣地は遂に陥落した、と言う。二年間とは、二〇〇六年から二〇〇八年にかけて。ネオコン包囲作戦に於て、とくに威力を発揮した三つの著作が挙げられる。一つは、カーター元米大統領の著作「パレスチナ-平和かそれともアパルトヘイトか」もう一つは、「イラク研究グループ(ISG)」の報告書(二〇〇六年十二月)であり、三つ目は、ブレジンスキーの、二〇〇七年二月一日、米国議会に対する警告である、と。

 イルミナティ世界権力の奥の院は、二〇〇八年一月から六月、或る種のクーデターによって、民主党の大統領予備選挙で圧倒的優勢にあったヒラリー・クリントンを追い落とし、オバマに票の過半数を与える如くに取り運んだ。しかし、米国でも、多くの人々は、果たして、オバマは、共和党のマケインに勝つことが出来のか、と疑っている。日本でも消息通、情報通を自稱する人々の多くは、マケイン大統領当選に傾いている。

 しかし、イルミナティの奥の院は、オバマがホワイトハウスに入ることを阻止する唯一つの妨害要因としてのマケイン米上院議員を標的とするスキャンダル作戦を予定して居ると言う。八月八日北京オリンピック開会式と同時に表面化した米国(イルミナティ)の傀儡としてのグルジア政権による南オセチア侵攻作戦は、世界情勢の表面的空気を一変させた。かくして、自動的に米国の軍事外交上の主導権は、ブッシュ/チェイニー/ネオコン/イスラエル第一主義の一味からロンドン/三極委員会/ブレジンスキー/オバマ陣営へと移行したことが、全世界的に、認識されるに至ったのである。

 ブレジンスキーは、ドイツの新聞(ウェルト電子版)のインタビューに答えて、「ロシアに対する、経済的金融的制裁の必要」なるものを公言した(東京新聞平成二十年八月十二日夕刊)。このブレジンスキー発言は、間もなく、米国政府(国務省、国防総省、米国諜報機関......)によって追認されることと成ろう。ブッシュ大統領の任期がまだ、五ヶ月も残って居ると言うのに、ブッシュにはもう何の実権もないのである。あっと言う間に、グルジアには、ロシア軍と米軍(人道支援の名目の下での)と、この二つのスーパーパワーの軍隊がにらみ合う、となってしまった。世界情勢の焦点は、イラク、イラン、シリア、レバノン・・・・・・からグルジア、そしてコーカサス地方、そしてそれと連動するロシア一帯へ移行した。九月の日本義塾公開講義では、この問題を掘り下げて説明する。(了)


【鈴木啓功著「十年後の世界」考】

 2516回、2008(平成20)年08月16日

 鈴木啓功著「十年後の世界」。ここで、ジョージ・オーウェルの「一九八四年」がかなり本格的に論評されて居る。これは、日本では、珍しいことである。日本では、「一九八四年」も、オルダス・ハクスレイの「すばらしき新世界」も、未だかつて、体制内的インテリによって、まともに論じられたことはない。彼等は、この二冊を、SF的娯楽読みもの風の「作り話」と見なして居る。しかし、オルダス・ハクスレイは、ジョン・コールマン博士によれば、れっきとした秘密の世界権力「三百人委員会」の正式会員である。ジョージ・オーウェルの正体も、英国MI6の工作員である。

  「プロレタリアートは絶対に反逆的企てたりやしない、一千年たっても百万年たっても、彼らにそんな真似は出来っこない」と言う文章を前出鈴木啓功著は引用する(百三十四頁)。ここには、西洋史「六千年」(と取りあえず言って置く)の根本問題が存在する。「プロレタリアート」とは、古代ローマのことばである。プロレタリアートは、「奴隷」のひとつの歴史的形態である。奴隷は、支配体制に反逆してそれを引っくり返すこと、つまり革命を起こすことは出来ないと。このテーゼは正しいか。正しいかどうか、と言う前に、そのテーゼは、歴史的に実証されているか?つまり、奴隷が革命を起こし、その革命を成功させた歴史的実例は存在したか?と言うことがまず、問題である。

 世界史には、失敗した奴隷の反乱、敗北した奴隷の革命の実例は多い。小さな奴隷の反乱まで数えると無数に存在するであろう。胡蘭成先生は、西洋は、古代から奴隷制度によって汚された、そしてその結果西洋の文明は滅亡した、と言はれる。文明と、奴隷制度と、この両者は、決して両立しない、と。奴隷の存在と、その奴隷が制度として、民族、国家の中に確立することと、この二つは、全く別であると。奴隷が「奴隷制度」として、社会の中に根を張ってしまうと、これは救いようがないひどいことに成る。西洋は、そのような救いようのない存在ですると。◯きわめてまれに、このことに、気付く、西洋人が出現する。近代西洋では、シオランである。更に、シモーヌ・ヴェイユも。シモーヌ・ヴェイユは、西洋は奴隷制度が確立した社会であり、そして、一たん人間が奴隷化すると、根こぎにされてしまう。奴隷とは、根こぎにされた人間である。根こぎにされた人間は、即ち、奴隷は、根こぎにされて居ない人間を見ると、その存在を許して置けない。彼らは、根こぎと言う病気をそこら中に伝染しないで居られない。と言った風に述べた。従って、奴隷が革命を起こすとか、奴隷が奴隷制に反逆して、それをひっくり返すなどは、あり得ない、それは妄想である、と。

 シモーヌ・ヴェイユは、唯一の救いの道は、イエス・キリストである。などと言う。これも妄言であり、妄想である。この問題についての解決の糸口は、幾つか存在する。その一つは、ワンカール(ラミロ・レイナガ)著、吉田秀穂訳「インカの抵抗五百年史-タワンティンスーユの闘い」(新泉社、一九九三年刊、絶版)の中にある。この本のスペイン語原著は、「タワンティンスーユ-ケスワイマラ人のスペインに対する五百年の戦争」(一九七九年、一九八一年 ボリビア版、メキシコ版、ペルー版、スペイン版)、であるが、二〇〇五年十二月に、増補版(ボリビア版)が出て居る。(了)


【「デーヴィット・アイク週刊ニューズレター」考】

 2517回、2008(平成20)年08月17日

 デーヴィット・アイク週刊ニューズレター。二〇〇八年八月十七日号。この号は八月七日、八日、表面化した、グルジアとロシアの軍事衝突を論評して居る。 the ground chessboard............-georgia is just another move

 グランド・チェスボード(ユーラシア大陸のコントロールをめぐるゲーム)....グルジアは、この大ゲームの中の一部であるに過ぎない........ と。「グランド・チェスボード」。これは、ブレジンスキーの、同名の著作のこと。アイクは、八月七日に火を吹いたグルジアとロシアの武力衝突について、イルミナティの体制内欧米マスコミが小さな地図、小さな枠組についての記事をもっぱら読者に注入すると批判する。日本の体制内マスコミも事態は同じである。この号の日本語版は、アイク日本版 davidicke.jpにいつもより少し遅れて公開されるが、ここでは、とりあえずその内容を、簡単に要約する。

(1)二〇〇三年いわゆる「ばら革命」によって、現在のグルジア大統領を政権に就けたのは、ユダヤ人イルミナティ金融家ジョージ・ソロスである。
(2)グルジアの二〇〇三年のばら革命なるものは、アメリカ、イスラエルのイルミナティネットワークによる、グルジアに対するクーデターであった。
(3)南オセチアを武力攻撃したグルジアの軍隊は、イスラエルによって軍事訓練を受けた。
(4)そしてそのことを、ばら革命によってでっち上げられたグルジア政権の閣僚ユダヤ人ヤコバシリは、公然とその事実を明らかにして自慢した。
(5)これは、第三次世界大戦に向かってのもう一つの前進である。
(6)そしてこの第三次世界大戦は、超大国アメリカを破壊して、世界独裁国家体制へと導かれる。
(7)これは、第三次世界大戦への完璧な引き金と成るであろう。
(8)もし、十一月のアメリカの選挙でオバマが米国大統領に選出されるならば、ブレジンスキー(ユダヤ人)とソロス(ユダヤ人)がホワイトハウス米国大統領官邸を支配することに成る。
(9)これは、世界的大激動を意味する、と。

 第三次世界大戦がこれから始まる??もちろん、白痴化してしまった日本の権力エリートには、そんな話は全く通じない。従って、家畜人ヤプーの群れと化した一億三千万人の「日本人」大衆も、そんなお話は関係ないし、見えもしない。「第三次世界大戦」と言うときの核心は、核兵器が使用される、ことである。現にロシア軍首脳は、米国の対ミサイル、ミサイル兵器の基地を設置しようとするポーランド政権に対して、有事の場合、ロシア軍は、ポーランドのその基地に対して核ミサイルを発射する。と、公然警告して居るではないか。今、ドイツはデリケートな立場に置かれて居るが、これは、すべてのヨーロッパ人にとって自明である。つまり、有事に於いてドイツの主要都市、ドイツの工業は、ロシアの核ミサイルによって壊滅するのである。第三次世界大戦の「本番」は、米国とロシアが互いに、戦略核ミサイルを発射すること。このことについては、ジョン・コールマン著「第三次世界大戦」(成甲書房)を参照のこと。(了)


【「ラミロ・レイナガ(ワンカール)の、タワンティンスーユ復活再建の戦いを支持し、連帯する会(仮称)」設立考】
 25189回、2008(平成20)年08月18日

 二〇〇八年(平成二十年)八月十六日。日本に於て、「ラミロ・レイナガ(ワンカール)の、タワンティンスーユ復活再建の戦いを支持し、連帯する会(仮称)」が設立された。

設立代表 太田 龍
事務所  〒112−0001
東京都文京区白山5−35−12 太田龍方
電 話  03(3813)7825

 ラミロ・レイナガ(ワンカール)の経歴については、ここでは、省略するが、参考文献としては、以下の三点を掲示する。

(1)ワンカール(ラミロ・レイナガ)著、吉田秀穂訳「インカの抵抗五百年史-タワンティンスーユの闘い」(一九九三年、新泉社、絶版)(スペイン語原著は、一九七九年、一九八一年)巻頭、著者ワンカール(ラミロ・レイナガ)の「日本語版への序文」(一九九一年十月)巻末、訳者(吉田秀穂)あとがき
(2)「話の特集」(一九八三年八月号)ラミロ・レイナガ、太田龍の対談「ラミロ・レイナガさんを日本にむかえて」
(3)「同時代批評」(一九八三年)太田龍「第三世界の革命-南米インディオ解放運動の立場から」

 ちなみに、この本の訳者、吉田秀穂氏は、この本を翻訳されたとき、アジア経済研究所の中南米問題の専門研究者であった。同氏は、この本の価値を認めて、ボランティアで十年かけて一人で翻訳を完成された。

 筆者は、ラミロ・レイナガ(ワンカール)を一九八二年、一九八三年、一九八五年、と、三回、日本に招待して居る。ワンカール(ラミロ)は、本書の「まえがき」の中で、次のように記して居る。「本書は、その血の中に永遠のアンデスをアイディンティティーとする者たちに待ち望まれた本である。もしも本書が彼らの思想の糧になるなら、本書は、民族の歴史を二つの時期に分けることができるに違いない。本書の出現以前と以後とにである」(吉田訳、七頁)。本書のスペイン語が、ボリビアで出版されて、間もなく三十年に成る。しかし、未だ、ラミロ(ワンカール)の高度できわめて深遠な思想は、アンデスのタワンティンスーユの子孫たちによって、十分に消化されるに至って居ないようだ。

 二〇〇五年末、本書(スペイン語版)の海賊版の発行販売者たちが、ラパスの街頭で日中公然とその海賊版を販売していた。ラミロ(ワンカール)が、それに抗議すると、その海賊版販売者たちの集団は、ラミロ(ワンカール)に襲いかかって来た。ラミロの生命は、危険な状況となり、正当防衛のためにピストルを発射して危うくその危機を逃れた。すると、ボリビアの警察は、逆にラミロ(ワンカール)を逮捕投獄し、裁判にかけた。二〇〇八年八月六日ラパスの裁判所は、ラミロ(ワンカール)を、七年間、ラパス中央裁判所に投獄するとの判決を下した。ラミロは、一九三九年七月二十五日生まれ、現在、六十九才である。ボリビアのスペイン植民地占領権力は、ラミロ(ワンカール)を、一生、牢獄に幽閉して、永久に彼の発言を封殺するつもりであろう。

 一九八二年以来、今日に至るまで、筆者の魂のもっとも深いところに、棲みつづけている盟友、ワンカール(ラミロ・レイナガ)を支援するために、ここに、彼の闘いに連帯する会の設立を宣言すると共に、日本民族有志の支持協力を訴える。平成二十年八月十八日 (了)

 【註】彼ワンカール(ラミロ)は、彼の最後の著作となるかもしれない大著「スピリットと宗教」を完成させるために全力を尽している。彼が、今住んでいるラパスの部屋には屋根がない?!つまり、吹きさらしである。八月のラパスは、真冬である。海抜三千メートルクラスのラパスの冬は、非常に寒い、彼の頭は熱い、しかしペンを持つ彼の手は凍えている、彼は手をしょっちゅう頭にあてて、あたため......などと書いて来た。◎南米のインディオのくらしは、みんな多かれ少なかれこんな具合であろう。


【マーク・グレン「ロシアとグルジアの衝突は、イスラエルによって、造出された」考】

 2519回、2008(平成20)年08月19日

 「アメリカン・フリープレス」二〇〇八年八月二十五日号。十頁。マーク・グレン「ロシアとグルジアの衝突は、イスラエルによって、造出された」と。これは重要な記事である、全文翻訳して、週刊日本新聞に公表する。以下に、その要点を列記する。

 二〇〇八年三月、ロシアの選挙の少し前の集会で、プーチン大統領は、次のように語った。ロシアはイラクではない。我々は、米国がロシアをどうするつもりか、彼らの計画を知って居る。我々の国家を破壊し、我々の主権と富を掠奪する、と。しかし、我々は彼らに、そうはさせない。我々は、官僚や外交官の無意味な抵抗に我々の行動を限定するような過ちを犯さない、と。プーチンは、既に、五ヶ月前にもう一度、ロシア指導部の認識と意図を公言して居る。 

 「アメリカン・フリープレス」紙は、ジョン・コールマン博士に発言の機会を与えていないが、コールマン博士は、十数年以上前からここで「アメリカン・フリープレス」紙が述べて居ることを明確に、詳細に、論述して来た。ロシア軍首脳は、ロシアの民族と国家が、米国とNATOによって危機にさらされるとき、彼らが一線を越えるとき、ロシアは、彼らと戦争をする。そしてロシアはこの戦争に於て、必要とあれば、戦術的、戦略的核兵器を敵に対して使用する、と。このことは、くり返し、コールマン博士によって警告されて居る。筆者(太田)は、コールマン博士の日本語版を、合計十四点、日本の読書界に送り出した。しかし、家畜人ヤプーと化した日本人は、このコールマン博士の警告をせせら笑って居る。又は無視する。

 敵とは、米国を中枢とするNATOであり、米国の同盟国イスラエルであり、米国の同盟国日本であり、米国の同盟国オーストラリアであり......である。「中共」はどうか。この問題については、ここで省略する。我々は、日本民族有志に対して、即刻、コールマン博士の全著作(日本語版)の黙殺と嘲笑を止めるよう、厳重に警告する!!(了)


【「インカ帝国論」考】
 2520回、2008(平成20)年08月20日

 現代の普通の日本人が、「ボリビア」について、どんな知識又は、印象、イメージ、固定観念、常識、ドグマを持って居るか。と言うことを知るために、「地球の歩き方、08〜09、ペルー、ボリビア、エクアドル、コロンビア」(2008年1月刊。ダイヤモンド社)を眺める。日本人の絶対的大多数は、ボリビアについて、殆んど全く無縁であり、無知である。ごく少数の日本人は、なんらかの程度でこの「地球の歩き方」と言う代表的な旅行案内に書かれている程度のことの一部が、意識にあるだろう。ここには、「インカ帝国」と言う用語が、やたらと出て来る。従って、現代日本人は、百パーセント!!「インカ帝国」と言う「ドグマ」を刷り込まれている。

 しかし、そもそも、この用語が、西洋イルミナティサタニスト世界権力の謀略的デマ宣伝であり、そしてこの謀略デマ宣伝の主力軍の一部が「文化人類学者」「文化人類学界」「中南米、ラテンアメリカ史学界」などの「学者」「学界」である。これらの「学界」は、全員一人のこらず、イルミナティサタニスト世界権力の走狗である。このようなイルミナティの走狗の言をただの一語も信じてはならず、断乎として彼らを告発し弾劾しなければならない。

 ラミロ(ワンカール)のスペイン語の著作「タワンティンスーユ-ケスワイマラ人のスペインに対する五百年戦争」(一九七九年、一九八一年)の日本語の出版社(新泉社)は、「先住民族インカの抵抗五百年史-タワンティンスーユの闘い」、と表題を付けた。この表題そのものが、問題だ。「先住民族」とは何のことか!!「インカの抵抗」とは何のことか。ラミロ(ワンカール)は、タワンティンスーユの歴史の根本的な特質を二つ挙げている。即ち、(1)農業共同体から宇宙的な共同体に成長したこと。(2)その組織は、下から上へ、積み上げられたこと。その基本は、「アイユ」である。一〇家族、一〇〇家族、一〇〇〇家族ごとにその代表を段階的に選出し、最後には、「男女の老人たちの評議会」を形成した。この評議会が、体力、知力、勇気、善意、などの一連の試練に勝った者をインカとして承認していた。世襲制も長子制もなかった。インカは政府を象徴した。(『インカの抵抗五百年史』三十一頁) と、ラミロ(ワンカール)は書いて居る。しかし、イルミナティサタニスト世界権力と、そしてその走狗としての、学者、ジャーナリスト、マスコミ、すべてのインテリ......にとって、そんなものはあってはならないのだ!! インカは「皇帝」!! であり、「帝国」でなければならない!! のである。(了)


【「四王天延孝(のちの陸軍中将)」考】
 2521回、2008(平成20)年08月21日

 「EIR」誌二〇〇八年八月十五日号、七十二頁「論説」「ジョージ・ソロスとロンドンの第三次世界大戦」。この重要な論説は、ブリテンの工作員(エージェント)、ジョージ・ソロスが、ロンドンの手先と成ってコーカサスで第三次世界大戦の引きがねを引こうとして居る。と、警告する。一九一四年=大正三年。第壱次世界大戦が始まりつつあったとき、日本人の中で、ユダヤによって世界大戦が準備されて居る、と言うことに気付いたものは、上から下まで、右から左まで、唯の一人もいない。辛うじて、のちの四王天延孝中将が、少佐の時代、第一次世界大戦期、フランス軍の観戦武官として、ドイツ軍との戦争に従軍して居たとき、同僚のフランス軍士官たちから、これはユダヤが背後で動かして居る戦争である」、「ユダヤは、この世界大戦を通じて、ユダヤの世界支配を推進しつつある」と聞かされた。との趣旨のことを、「四王天延孝回顧録」(みすず書房)の中で書いて居る。つまり、日本で、最初にこの第一次大戦の真相に気付いた人物は、四王天延孝(のちの陸軍中将)である。

 四王天少将は、大正末〜昭和初年には、既に、国際ユダヤによって、次の世界大戦は準備されつつある、と、公然、警告し始めていた。しかし、この四王天少将(のちに中将)は、陸軍上層部によって、追放された。四王天延孝を追放したこの「陸軍上層部」とは、「四王天回顧録」によれば、上原勇作陸軍元帥である。上原勇作元帥は、若い頃、フランス留学中、フリーメーソンに加盟している、と言はれている。落合莞爾氏が「月刊ニューリーダー」に連載中の論文によれば、明治初年以後、左英ワンワールド秘密結社は、極秘のうちに、薩摩武士のトップクラスを直系のエージェントとして取り込み、日本の国家中枢と国策を動かした、と言ふ。そして、この系列は、大正、昭和初期に於ては、上原勇作(陸軍大臣、陸軍参謀総長など歴任、陸軍元帥)引き継がれた、と。上原勇作元帥は、満州事変前後には、死去した。そのあとは、不明である。

 第二次世界大戦は一九三九年に開始された。この時期には、第一次大戦前とは異なり、少数とは言え、断乎として、反ユダヤ反フリーメーソンと戦う思想戦線が確立され、死力を尽して日本国民に、ユダヤが、第二次世界大戦を演出しつつある!!と、警告した。今、まぎれもなく、イルミナティ世界権力によって、第三次世界大戦が演出されようとしているとき、状況はどうなのか!!我々は、死力を尽して日本国民に対して、イルミナティ世界権力が全人類を第三次世界大戦に狩り立てつつある!!と警告しなければならない。(了)
 


【「ワンカール(ラミロ)のインカ文明論」考】

 2522回、2008(平成20)年08月22日

 ワンカール(ラミロ)は、次のように書いて居る。サー・トーマス・モアはアメリコ・ベスプッチやペドロ・マルティネス・ダンジェラのような航海者の記録を読んだ。そして『ユートピア』を書いた。彼の国イギリスでは、この本は発禁となり、ラテン語版の出版から三十五年たった一五五一年になってやっと英語で出版することができた。『ユートピア』の住民はアモロナウタスと呼ばれているが、これはアマウタスから取ったもので、農業共同体の中で金も戦争もなく暮していた。彼は、当時許された最高の正確さで、インカの生活を描いたのである。これにより彼はヨーロッパの暴力とエゴイズムに抗議したのであった。イギリスの貴族でありながら、諸国を逃げまわり、匿名を使って本名を隠した。最後には、逮捕され処刑された。(『インカの抵抗五百年史』、三百二十六頁)

 十六世紀末の『太陽の国』では、住民は、タワンティンスーユと同じように個人的所有を持たず、権力的血筋では継承されず知恵ある者が選ばれ、警察は存在しなかった。著者のトマス・カンパネラはその著作とナポリを解放しようとしたかどによりスペイン国家により二七年間投獄された。異端審問にもかかわらず、これらユートピアンの時代には、ヨーロッパはインディアスの諸共同体について今日よりも多くを知っていた。(前出、三百二十六、七頁)

 日本でも、大正期、昭和初期、ワンカール(ラミロ)がここで取り上げている、トーマス・モア、カンパネラのような人々の「ユートピア文学」を翻訳した。しかし、その当時も現在も、日本人は、それらをまともに読んだとは思えない。それらの「ユートピア文学」と殆んど同時に、いや、ひょっとするとそれに先行して、エンゲルスの「空想から科学への社会主義の発展」、の方が有名に成ったのではなかろうか。空想的「ユートピア的社会主義」など、古い古い!!と言うわけである。十六世紀ヨーロッパの良心的誠実な知識人にとって、それは「空想」でもなく、幻想でもなかった。それは南米アンデスに実在する共同体であった。「ヨーロッパは数万年前に、侵略的となった」(前出、三百二十二頁)「狂乱的な狩猟で彼らが野蛮とよぶ動物を絶滅した」(同上)................................................

 西洋、西洋人については、我々は既に、多くの先人の正確な説を知って居る。ここに三人だけ、挙げて置く。(1)胡蘭成(コランセイ) (2)シオラン(西洋人を人類一般と取り違える) (3)ヴィリリオ( 同じ )ここで我々は、ワンカール(ラミロ)の、「(スペイン人に対する、ケスワイマラ人の)防衛戦争のバランス・シート」(前出、二百七十三頁〜二百七十六頁)を、必ず、熟読しなければならない。(了)


【ワンカール(ラミロ)著「インカの抵抗五百年史」、トマス・モア著「ユートピア」、カンパネッラ著「太陽の都」】

 2523回、2008(平成20)年08月23日

 ワンカール(ラミロ)著、吉田秀穂訳「インカの抵抗五百年史」の「第一部 昨日」。「第一章 宇宙的共同体」。この叙述を、トマス・モア著、平井正穂訳「ユートピア」(岩波文庫 一九五七年十月第一刷、二〇〇三年九月第六十九刷)及び、カンパネッラ著、近藤恒一訳「太陽の都」(岩波文庫 一九九二年四月第一刷。一九九九年七月第三刷)、この二冊の古典と、比較することが必要である。モア(一四七八年〜一五三五年)の「ユートピア」は、ラテン語で書かれ、一五一六年にルーヴァンで出版され、ヨーロッパ大陸で流通した。英国でラテン原文版が流通するのは、はるか後のことである(岩波文庫版、はしがき)と言うが、それは、モアの生存中のことが、死後なのかは分からない。一五五一年にロビソンの英訳本が出た、とある。カンパネッラ(一五六八年〜一六三九年)は、一五九二年(二十四歳)のとき、最初のカトリック教会の権力による弾圧を受けてから、一六三九年、七十一歳で死去するまで、一生涯を、カトリック教会の監視と弾圧、投獄の中で過ごした。「獄窓の哲人」の名にふさわしい。そのカンパネッラが一六〇二年に、イタリア語で書いた本が「太陽の都」である。しかし、イタリアでは、イタリア語版の「太陽の都」を出版することが出来ず、ラテン語訳本が一六二三年、ドイツ、フランクフルトで出版されたと言う。

 この二冊の古典の岩波文庫版邦訳著の解説を読むと、そこには、ワンカール(ラミロ)が述べているような、タワンティンスーユ、アンデスの共同体との関係は、殆んど全く、言及されていない。モアの「ユートピア」の解説には、ほんの三行ほど、漠然とした表現の記述がある。しかし、カンパネッラの「太陽の都」訳著解説には、なんにもない。これは何を意味するのか? 我々は、これから、この問題を検証して行く必要があるだろう。

 但し、ワンカール(ラミロ)は、トマス・モアについて、「イギリスの貴族でありながら、(この本[ユートピア]を書いたために)諸国を逃げまわり、匿名を使って本名を隠した。最後には、逮捕され処刑された」と書いて居るが、通常の公式のトマス・モアの伝記では、それは違う。トマス・モアは、英国の「大法官」の位にありながら、ヘンリー八世の意思、根本政策を合法化することを拒否したために、ロンドン塔に幽閉されたのちヘンリー八世の命令によって死刑にされた、と言う。この公式説を取るとすれば、、ワンカール(ラミロ)の記述は誤まりである。アンデスのタワンティンスーユの人々の間では、このような説が、一部に行なわれているのかも知れない。(了)


【英語圏と日本語圏のネット空間雰囲気の差異考】
 2524回、2008(平成20)年08月24日

◯梅田望夫、と言うひとが、平成二十年八月二十三日付け産經新聞一頁コラムで。英語圏と日本語圏とではネット空間の雰囲気がまったく違う。知的に幼い日本語圏ネット空間と比べ、英語圏ネット空間では知の圧倒的充実が進む、と言った趣旨のことを書いて居る。筆者は、コンピュータを使わないし、従って「ネット空間」にも、直接、参入することはないが。しかし、にも拘わらず筆者も、前記、梅田望夫の評価と、同じ印象をもって居る。日本人の日本語によるネット空間は幼い。まり、幼稚であると。幼稚園、と言うように、幼稚とは、小学校以前、学令以前である。今日の日本人の全体が幼稚化して居るので、ネット空間も、幼稚化するのであり、しかも、日本人は、自分たちのこの幼稚さを自覚できない。これでは、永久に救いがないであろう。

 二〇〇八年一月創刊の「日本主義」と言う季刊誌の編集部のお方が、八月二十二日の日本義塾にお見えに成り、その方たちから、一、二、三号を頂いた。それを通読すると、一篇、注目にすべき文章を見た。(第三号、学生ボランティアが見た拉致問題)。それは、北朝鮮によって拉致された日本人を救出する運動のボランティアを、一年くらい続けて居る、一人の女子大学生の手記である。このひとの論旨を要約すると、
(1)一年間ボランティア活動をして得た結論は、日本と言う国はとてもおかしい国だ、と。
(2)普通の国なら、家族の一人が行方不明に成れば、残された家族は、警察に届けるであろう。
(3)そして警察はすぐに捜査活動を始めるだろう。
(4)短い期間に、何百人(もっと多いかも)と言う日本人が行方不明に成り、警察がそれを捜査すれば、
(5)必然的にそれは日本政府と日本国にとっての一大政治問題に成るであろう。
(6)ところがなんとまあ警察は一切捜査しない!!のである。
(7)その状況が、三十年もつづいて居ると。
(8)しかも、この件には、北朝鮮がからんで居ると。

 それでどうなるのか、またはどうすべきか。家族を北朝鮮に拉致された人々は、日本政府を糾弾すべきである。ところが、家族を拉致された人々の運動は絶対に日本政府を糾弾する方向にいかないと。本当にへんな国、おかしい国だ、と。この女子学生は、まったく、あたり前のことを言って居る。ところが、奇妙奇天烈なことに、今の日本ではこのあたり前の意見が通らないのである。この状況は、幼稚化、ですらない。これは、幼稚化、と言うよりも「白痴化」と言うべきであろう。もちろん、前出の女子学生は、「王様は裸だ!!」と大きな声で、見たままを叫ぶ子供、のレベルである。大人は一体、なぜこんなべら棒なことが起きたのか、その理由、原因、その構造を研究しなければならないだろう。この女子学生が、今後その方向に成長するのかどうかそんなことは分からない。(了)


【ブリテン帝国考】
 2525回、2008(平成20)年08月25日

 「EIR」 二〇〇八年八月二十二日号。九頁以下。ミッシェル・スタインバーグこの論説は、ハーバードで教育されたサーカシュヴィリ(現在、グルジア『大統領』)は、ブリテン帝国の、第三次世界大戦挑発計画のための道具としての、彼の現在の役割を果すべく、入念に訓練された工作員である。と、述べて居る。リンドン・ラルーシュ派には、「ラルーシュ派青年運動」(LYM)、と言う組織があるが、このLYMのメンバーたちが、八月十四日、ハーバード大学近辺で、ハーバード大学の学生たちに前出の如き内容でキャンペーンをして居る写真も、ここに掲載されている。「EIR」誌のこの主張は、まさしく、その通り。今、東京大学のキャンパスで、こんな風なキャンペーンをする、日本人のグループは、もちろん存在しない。

 「EIR」誌の前出、2008・8・22号の十三頁に、アントン・チェイトキンの、「ソロスの一味は、ブリテンのオバマへの conduit である」
との記事がある。conduit は、「導管」「水路」「電線管」「通信」「パイプ役」の意味。ここでは、ブリテンは、オバマを第三次世界大戦開始のための道具として利用しつつある。そしてブリテンは、ソロスとその一味を通じて、オバマをこのような目的のための手段として、利用する、と言うのである。これも、一応、その通り。、しかし、今の日本には、「EIR」誌のこのような分析を理解出来る人間は、「週刊日本新聞」の熱心な、まじめな読者以外に唯の一人も居ない。但し、「週刊日本新聞」の読者のすべて、とは、保証しない。

 「ブリテン」と言う。これが大問題である。これは、ジョン・コールマン博士が、「三百人委員会」と呼ぶ実体と、大部分重なって居り、デーヴィッド・アイクの「イルミナティのセンター」「イルミナティの本拠」とも、ある程度重なる。「ブリテン」は、そして「三百人委員会」は、または「イルミナティ」は、そのアジェンダを、無数のフロント・ダミー、エージェント、同盟国.........などを通じて推進する。現在のロシアの権力中枢は、多年に亘る、悲劇的失敗の教訓を学び、前述のことをよく承知している。このことを「EIR]の読者は、知っているであろう。しかし、日本人は.........(了)


【改良主義的なレベルの無効性考】
 2526回、2008(平成20)年08月26日

 日本民族は、過去、数千年以上に亘って、「世界情勢=国際情勢」を的確に判断し得たことはない。日本人の世界情勢音痴は、現代に近付くにつれて、ますます、悪化して行く。敗戦後、しばらくの間、米占領軍は、小学校、中学、高校で、日本の子供たちに、歴史を教えることを禁止した、と言う。米占領軍=イルミナティ世界勢力の演出による歴史教育が開始されたあとも、中学、高校では、明治以降の現代史は、大学入学試験問題には出ないので、事実上、時間切れと成って、歴史教師は生徒に教えない。と言うわけで、六十年もの間、自国の近現代史について、全く学校で教えられないまま卒業することに成る。つまり、七十才以下の現代日本人は、日本の近現代史を、まともに教えられていないのである。かくして、日本人の民族的国際情勢音痴は、究極のところまで行き着いてしまった、と言って良いであろう。これは、民族の精神的自殺行為である。

 この状況は、ドラスティックな、つまり、思想上の革命的な、根源的な大激変によってのみ、打開することが出来るであろう。微温的な、改良主義的なレベルのお話は、すべて無効である。八月二十二日の日本義塾公開講義のあと、筆者はいくつかの質問に答えた。その中の一つは、中央銀行問題は、民主的に解決すべきだ、と言う趣旨の質問である。これこそ、日本人丸ごと家畜人ヤプー化している現代日本の思想状況での、典型的な痴呆症的反応、である。いはゆる「中央銀行問題」については、世界的古典の筆頭に位置する、ユースタス・マリンズ著「FRBの秘密」の日本語版が「民間が所有する中央銀行」(面影橋出版、平成七年、初版第一刷、平成二十年七月第二刷)として出版されて居る。イルミナティは、今、ワンワールド、つまり、世界人間牧場の完成を、アジェンダに上げて居る。ここでの「アジェンダに上げる」とは行動日程に上げることを意味する。世界国家=世界人間牧場の完成、とは。通貨、おかね、もまた「世界通貨」とすることを意味する。◯そのためには、米ドル、日本円、中国の元を含む、全世界のすべての国の通貨を廃貨とすることに成る。その世界通貨は、コールマン博士の「凶事の予兆」に示されて居るように、現金なし(キャッシュレス)通貨である。それは全世界共通の、世界権力が発行する電子通貨カードである。このシステムによって、イルミナティ、三百人委員会世界権力は、世界中のすべての個人に対する生殺与奪の絶対者として出現する。生殺与奪の権力、とは、生かすも殺すも自由自在の絶対権力、である。「民主的解決」だと。こういう言い方は、まさしく、家畜人ヤプーの言い草以外の何物でもないこと、そのことに気付くべきである。(了)

【参考文献】

(1)マリンズ著、林伍平訳「民間が所有する中央銀行」(面影橋出版)
(2)ジョン・コールマン博士、太田龍監訳「凶事の予兆」(成甲書房)
(3)アンドリュー・ヒッチコック著、太田龍監訳「ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表(英文原題;サタンのシナゴーグ-ユダヤ支配の秘密の歴史)」(成甲書房、九月六日刊行予定、三百九十六頁、定価千九百円プラス税)日本義塾出版部でも取り扱い中。


【フリッツ・スプリングマイヤーさんの手紙紹介】
 2527回、2008(平成20)年08月27日

 本日(2008年8月27日)、以下のような、2008年8月21日付け、米国、オレゴン州シェリダンの連邦刑務所に収監されて居る、フリッツ・スプリングマイヤーさんの手紙を受け取ったので、最初に、その英語原文、その次に筆者による日本語訳を掲載する。

 【英文】
 august 21, 2008

dear ohta-san
i am happy to inform you that the money you generously sent to the
court finally was applied to my fine. my account balance is entirely
paid. thank you very much. i don't know how to thank you enough.

the japanese people are a beautiful people, i miss all my japanese
friends. it will take some hard work, but someway, somehow i will
get permission to leave the u.s.a. and move to japan.

i will keep this letter short. if there is anything i can do for you,
let me know. hopefully you are doing fine, and are in good health...
let me know how you are doing? thank you again.

with best wishes, fritz(サイン)

japanese proverbs:
feiendship is the marriage of the soul.
kindness is not just for the sake of others.
life in this world consists in mutual helpfulness.

【日本語訳】

 親愛なる太田サン
(オレゴン地区)裁判所は、あなたが私の罰金として厚意を以て送ってくれたおかねを最終的に、私の罰金の支払に充当した、との情報をお知らせ出来ることを、私はとっても嬉しく感じています。私の罰金の支払いは、完全に終りました。私は、ことばでは言い尽くせないほどのあなたへの感謝の意をここに表現いたします。

日本人の人々は、ビューテフルな(心の美しい)人々です。アイ・ミス・オール・ジャパニーズ・フレンド(この意味が、よく取れない)。前途にはかなりの困難があるでしょう。しかし、どんなことをしても、私は米国を出国して、日本に移住する許可を得なければと、と思っています。

私は、この手紙は短いものとします。あなたのために私がなし得ることがあれば、それを私に知らせて下さい。あなたがお元気で居られることを願います。そして健康におくらしであること。あなたは今何をしていますか?それも、教えて下さい。もう一度、ありがとう。

ウィズ・ベスト・ウイッシュズ フリッツ

日本のことわざ:
◎友情は魂の結婚である。情けは人(他人)のためならず。相身互い。   

二〇〇八年八月二十一日

◯このスプリングマイヤーさんの手紙について、若干の説明をして置く。二〇〇七年、秋から、スプリングマイヤーさん、及び、彼と筆者の関係について或る種のトラブルが發生した。しかしこのトラブルは、二〇〇八年五月までに、ほぼ解消した、と言って良いであろう。五月末から六月末にかけて、スプリングマイヤーさんから、筆者は、次のような伝言を受けた。即ち、
(1)二〇〇三年、スプリングマイヤーさんは、「懲役九年半」、「罰金一万七千ドル」の判決(これは完全なデッチ上げである)を受けた。
(2)「罰金一万七千ドル」については、彼には、全くおかねがなく収入もないので、支払うことが出来ない、ごく少々の刑務所での労役報酬を、その支払いにあてて、四千ドルを支払った。しかし、未だ一万三千ドル残って居る。
(3)あなた(太田)がこの一万ドル、できれば一万三千ドルを私(スプリングマイヤー)のために、裁判所に支払ってほしい。と。

 六月下旬、筆者はこの伝言を受けると、すぐに、承知した旨の手紙をスプリングマイヤーさんに手紙を送ると同時に、週刊日本新聞紙上で、このおかねの寄付を呼びかけた。すると、すぐに熱心な二人の読者から一万四千ドル相当の日本円の寄付があり、そして、そのことをスプリングマイヤーさんに手紙でお知らせした。そのあと、六月二十八日付けのスプリングマイヤーさんの筆者当ての手紙が、七月五日、届いた。この手紙の日本語の大意は、「週刊日本新聞」五四五号(20.7.15)に掲載されて居る。

 ここで、スプリングマイヤーさんは、まず、一万ドルの小切手を、オレゴン地区裁判所あて、スプリングマイヤーさんの名前、そして事件番号を記入して、郵送すること。それから、正確な不足分を知らせるので、二回目にその不足分を小切手でオレゴン地区裁判所に郵送するように。とのことであった。そこで、筆者らは、彼の指定通り、七月十九日に一万ドルの銀行小切手をオレゴン地区裁判所に、七月二十九日に、残額二千七百九十二ドルの銀行小切手を同所に、スプリングマイヤーさんの名前で郵送した。そして、今、八月二十一日付けのスプリングマイヤーさんの前出の手紙が、筆者のところに到着したのである。ここでは、とりあえず、以上の経過を有志の皆さんにご報告する。(了)

 【註】この件については、「週刊日本新聞」のいくつかの記事など参照のこと。今後、当「時事寸評」で、必要に応じて続報する。

 【iguchiさんから投稿: 文の意味】

 いつも興味深く拝見しています。スプリングマイヤーさんの手紙の中のi miss all japanese friends. という文の意味は、口語で使う i miss you.(私はあなたに会えないでいる=私はあなたに会いたくても会えないで寂しい)と同じような意味です。すなわち、 「私は日本人の友たちみんなと会えないで寂しいです。」 という意味です。 では、さらなる御活躍心より願って止みません。 敬具。


【W・G・タープレイの「オバマ-ポストモダンクーデター」考】
 2528回、2008(平成20)年08月28日

 今日、八月二十八日の当地の夕刊各紙によれば、米国民主党の全国大会は、全会一致でオバマを民主党次期大統領候補として、指名した、と言う。八月八日、北京オリンピックの開会式と時を同じくして、グルジア軍が南オセチア自治州に侵攻し、ロシア軍がグルジアに反撃した。そのあと、僅か二十日間のうちに、世界の空気は、完全に一変した。ロシア首脳は、冷戦を恐れない、と公言した。この状況は、W・G・タープレイが、「オバマ-ポストモダンクーデター」(二〇〇八年六月一日刊)、及びそのあとの何篇かの論説の中で分析した見通しのほぼその通りの方向である。

 十一月初めの米大統領選挙、そしてそれから二〇〇九年一月下旬の次期米大統領の就任と、新政権時代の開幕など、待って居るひまがない、と言った早いペースで、ブレジンスキー戦略が発動してしまって居る。ブレジンスキー戦略とは、主要打撃目標は、ロシアである、と言う。イラン攻撃など阿呆らしい!!逆にイランを西側に取り込み、イランも、対ロシア包囲網に参加させる、と。つまり、三百人委員会は、ブレジンスキーを使って、比較的短期間にロシアを地上から抹殺せよ!! と言う。三百人委員会のこの戦略は、一つの前提の上に立てられて居る。NATOがドンドン、ロシアを攻めても、ロシアは、NATOに本格的に反撃し得ない。と言うのである。「本格的」に反撃し得ない、とは、NATOの核戦力によってロシアが消滅させられることを恐れて、ロシア軍が、核ミサイルをNATO諸国に発射できないことを意味する。それは本当か。結局のところ、ここに、問題の核心がある。(了)


【「サヴィトリ・デヴィ」考】
 2529回、2008(平成20)年08月29日

 サヴィトリ・デヴィ(savitri devi 一九〇五年〜一九八二年)。この思想家については、週刊日本新聞 五五一号(20.9.1)に、筆者としての最初の論評を公開した。サヴィトリ・デヴィ女史(一九〇五年〜一九八二年)著「『人類を弾劾する(インピーチメント オブ マン)』(一九五五年、一九九一年)を読み始める。そして同時に、未知のこの重要な女性思想家の検証を開始すべきこと」筆者の知る限り、今まで、日本でこの女性について、なんらかの紹介、批判、記事......などが公表されたことはない。R・G・フォーラー(r・g・fowler)というひとが、woman against time: remembering savitri devi's 100th birthday(『時代(時流、時勢)に抗して生きる女性-サヴィトリ・デヴィ生誕百年を記念して』)と言う、八頁の文章をウエブサイト上に発表して居る。生誕百年とは、二〇〇五年九月。R・G・フォーラーは、サヴィトリ・デヴィ晩年、一九七八年になされた十時間のインタヴューをペーパーバックの単行本として発行した、と。

 「サヴィトリ・デヴィ(一九〇五〜一九八二)は、国民社会主義(ナチス)、ヒンドゥ神話、インドヨーロッパ的循環歴史観を、一九五八年に出版された彼女の著作『the lightning and the san(稲妻と太陽)』に於て、独特なかたちで結合した"エソテリック(秘教的、として置く)≠ネヒットラー主義の高級プリーステス(巫女と、一応訳して置く)として知られて居る」と、R・G・フォーラーは述べて居る。更に彼女は、熱烈なベジタリアンであり、更に一層熱烈な動物愛護家、動物虐待弾劾者であり、人間中心主義イデオロギーに対する痛烈な告発者であり、更にまた、ディープエコロジストでもあった、と。

 以上のような彼女の思想的特徴は、日本人にとって、すべて極めつきのタブーである。従って、これまで日本人が、一切、彼女を黙殺して来たのも、当然、と見えて来る。彼女は、英国人を母親として、ギリシャ人を父親として生まれ、フランスで教育を受けた。英語、フランス語、ギリシャ語、ヒンドゥ語などに熟達して居た、と。主著の「ザ・ライトニング・アンド・ザ・サン」(一九五八年)は、彼女によるヒットラーの評価である。

 彼女は、人間を(1)マン・イン・タイム (時流に乗る人間) (2)マン・アバブ・タイム(時代を超越する人間) (3)マン・アゲインスト・タイム(時代に抗して生きる人間)と、三つのタイプに分ける。(1)の典型は、ジンギス汗 (2)の典型は、エジプトのアケナトン (3)の典型は、ヒットラー、と。彼女は、第二次世界大戦後の国民社会主義運動(ナチス)の代表的指導的思想家哲学者であった、と。とりあえず、サヴィトリ・デヴィ女史を紹介した。今後、続けて、研究し、考察し論評して行く。(了)

 【註】 www.savitridevi.org これは、前出、R・G・フォーラーのウエブサイトである。


【サヴィトリ・デヴィ生誕百年記念のR・G・フォーラー論文「時代に抗して生きる女性」考】
 2530回、2008(平成20)年08月30日

 サヴィトリ・デヴィ生誕百年記念の、R・G・フォーラーの論文(時代に抗して生きる女性)は、一九〇五年生まれの三人の現代西洋思想家を比較して居る。即ち、(1)ジャン・ポール・サルトル (2)アイン・ランド (3)サヴィトリ・デヴィ「サルトル」は、説明の必要もないほど、一応、日本でも有名であろう。今は、どうか分からないが、少なくとも、戦後、一九七〇年代くらいまでは、現代西洋の代表的指導者、知識人、とされて居た。アイン・ランドは、米国では、今に至るまで超有名哲学者であるが、日本ではあまり知られて居ない。「結局のところ、サルトルもランドも二人とも《一人は共産主義者であり、もう一人はリバータリアン的個人主義であるが》ユダヤ超至上主義を例外として、すべての人種的民族主義に反対する点では一致する。(ランドはユダヤ人として生まれた。サルトルはユダヤ人として生まれたかったと願望した)要するに、サルトルもランドも全く時流に乗った人間≠ナあった。彼らの哲学は、まさしく没落しつつある勢力に挑戦することなく、逆にそれを防衛し、推進するものであった。それ故にこそ、彼らの哲学は、時代の寵兒(ちょうじ)となったのである。サヴィトリ・デヴィは、前出の二人とは、反対に、時流に抗して生きた女性であった。彼女は、暗黒時代には、脚光を浴びることなく、有名とはならず、無名のままであった。しかし、彼女は、来るべき次の黄金時代に、さう成るであろう」と。R・G・フォーラーは、こんな風に、一九〇五年生まれの三人の現代西洋の代表的思想家を評して居る。

 ここで、暗黒時代(ダークエージ)と、黄金時代(ゴールデンエージ)と、この二つの時代が出て来る。これは、サヴィトリ・デヴィが信奉するインドアーリア思想の用語だと言う。それによると、歴史は四つの時代を循環すると。ピークは、黄金時代である。黄金時代は二段階を経て転落し、没落して行く。そのドン詰まりは、ダークエージ(暗黒時代)である、と。サヴィトリ・デヴィは、現代をダークエージと見る。いや、正確に言えば、ダークエージのそのダーク(暗黒)が、ますます、まっくらヤミに転落して行く、時代であると。この時代が、「マン(又はウーマン)・イン・タイム」であると言うことは、何を意味するか。サヴィトリ・デヴィは、「ユダヤは、ダーク・エージ(暗黒時代)の道具である」、と言う。サヴィトリ・デヴィは、ヒットラーは、暗黒時代のその暗黒が、まっくろなくらやみへと煮詰って行くこの時代に生まれて、その時代に抗して生きた人間であるとする。(了)

 【註】サヴィトリ・デヴィは、一九三二年、ヨーロッパからインドに移住し、インド人と結婚した。そして、インド風の名前(サヴィトリ・デヴィ)に変えた。彼女の主要な著作は、すべて、この名前で書かれて居る。サヴィトリ・デヴィは、インド・アーリア的循環歴史観によれば、暗黒時代は暗黒化が究極まで進行すると、新しい黄金時代に転化する、と。


【アンドリュー・ヒッチコック著「「ユダヤ・ロスチャイルド冷酷支配年表」】
 2531回、2008(平成20)年08月31日

 アンドリュー・ヒッチコック著 太田龍監訳、成甲書房刊「ユダヤ・ロスチャイルド冷酷支配年表」(英文原題『サタンのシナゴーク』)九月五日刊行予定。三百八十一頁、定価千九百円 プラス税 日本義塾出版部でも予約受付中筆者アンドリュー・ヒッチコックは、三十六歳の英国人(ブリテン)作家である。ブリテンは、十六世紀(ヘンリー八世)以来、イルミナティが世界権力の中核、総司令部たるべく入念に育成して来た国である。しかし、だからこそ、ブリテンからは、イルミナティに反逆する特A級の、本物の思想家が生まれて来る必然性がある。以下にその実例を挙げる。

(1)トーマス・モア(『ユートピア』の著者、ヘンリー八世の英国大法官、ヘンリー八世の命により死刑)
(2)クリストファー・マーロウ
(3)スイフト(『ガリバー旅行記』)
(4)ウイリアム・ジョイス(ホーホー卿、『英国の黄昏』の著者)
(5)サヴィトリ・デヴィ
(6)ジョン・コールマン博士
(7)デーヴィット・アイク
(8)アンドリュー・ヒッチコック

 アンドリュー・ヒッチコックは、ウイリアム・ジョイス(一九四六年一月三日、ナチス・ドイツに協力した、国家反逆罪によって、ロンドンで、英国政府によって死刑にされる)の系譜を引く。サヴィトリ・デヴィは、「英国人」と言うには、随分複雑な女性であるが、英国国籍を保持して居る。死ぬ前にインドから英国に帰国し、英国で死去して居る。彼女は、インドに移住して、インド人と結婚したが、彼女の夫は、筋金入りのナチス支持者であり、第二次世界大戦中は、日独伊三国枢軸派であり、大東亜戦争中は、サヴィトリ・デヴィとその夫の夫妻は、日本のスパイとして働いた、とある。つまり、サヴィトリ・デヴィは、ウイリアム・ジョイスと同志であり、同じ陣営に居たわけである。なお、サヴィトリ・デヴィは、第二次世界大戦で、ナチス・ドイツが敗北すると、絶望のあまり、自殺しようとした。海辺から、ドンドン、海水中に入って行く。しかし、海水が肩のあたりまで来たとき、彼女の心を、生きて戦いを続けよう、とのインスピレーションが、ひたした。そして、陸に引き返した、と。彼女は、一九四五年インドからヨーロッパに帰り、ドイツその他のヨーロッパ諸国でナチス再興の宣伝活動をした。彼女は、米英占領軍によって逮捕され、投獄されて居る。アンドリュー・ヒッチコックの本書(サタンのシナゴーク)は、まさしく本物である。日本民族有志にとって、本書日本語版は必読である。一八七一年の項(九十二頁以下)、ここに、アルバート・パイク、一八七一年八月十五日付け、マッチーニあて書簡が詳しく紹介されて居る。ジョン・コールマン、太田龍共著「ロスチャイルドの密謀」(成甲書房)と、そして今、発行される本書と。この二冊の本を座右の書として定め、熟読、再読、三読、更に繰り返し、研究し考察されるべきこと。(了)






(私論.私見)