2003.05 |
(最新見直し2011.02.17日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
ここで、太田龍・氏の時事寸評の2003.5月分を確認しておく。れんだいこ文法、作法に基づき編集替えしております。「白金掲示板ワード検索」その他を参照する。 2012.02.17日 れんだいこ拝 |
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564回 2003(平成15)年5月1日 朝日新聞、平成十五年五月一日号、六頁。ここに、米国ネオコン特集記事あり。色々と取材して書かれて居るが、にも拘わらず、(1)レオ・シュトラウスとの関係については、一言も言及されて居ない。(2)「ウィークリー・スタンダード」誌は、米国ネオコンの有力な出版物であり、アービング・クリストルの息子、ウィリアム・クリストルを編集長とする、と言うのだが、この 「ウィークリー・スタンダード」誌の資金的主柱はマードックであること、そして、更にその背後には、ロックフェラーなど、国際石油資本がひそんで居ること、このことが述べられて居ない。(3)ここには、ネオコンの外交政策のことしか書かれて居ない。アシュクロフト司法長官も、ネオコン人脈の一人であり、そして、アシュクロフトの指揮下で、米国は、急速に、警察国家、収容所国家、監獄国家へと移行しつつあること、そして、そのことも、いわゆるネオコンの主要政策の一つであること、そのことも、書かれて居ない。レオ・シュトラウスが米国ネオコン人脈の源泉であることを知らなければ、ネオコンは、突如として米国政界に乱入して来た右翼過激派カルトまがいのしろものにしか見えないであろう。恐らく、朝日新聞社は、そのように、状況を眺めて居るのかも知れないが。 更に、もう少し立ち入って調べたつもりの専門家は、米国ネオコンの起点を、米国トロツキスト運動からの、米国保守陣営への数人の転向者、に求めたい。いずれもユダヤ人である、と言う。しかし、こんなことを「発見」して、鬼の首でも取ったように自慢するのは、見苦しい。そもそも、十九世紀末、二十世紀初頭依頼米国の労働運動、社会主義運動、共産主義運動、アナーキズム運動、フェミニズム運動、これらは、圧倒的にユダヤ人が主導して居り、そしてそれらのユダヤ人は、シオニスト的ユダヤにつながり、結局は、イルミナティ三〇〇人委員会の工作隊としての役割を果たしてきた。ネオコンについては、しかしながら、こうした米国の左翼の潮流が直接、生み出したものではない。 ネオコンは、レオ・シュトラウスが、シカゴ大学の政治学、政治哲学の教授として、多数の学者、門下生、弟子を養成した、その、シュトラウス学派を基盤として形成されたものである。つまり、シュトラウス学派が全米アカデミズムの政治学、政治哲学の分野を制圧して行った、一九五〇年代、六〇年代をこそ、問題としなければならない。こうしたシュトラウス学派の中に、その一人として、米国トロツキスト運動からの転向者も、たまたま、存在した、と言うだけのことに過ぎない。それでは、シュトラウスの政治学、政治哲学とはいかなるものなのか、そして、そのシュトラウス政治学は、現代の米国ネオコンの政策に、どのように表現されて居るのか、それこそ、問題の本筋、であろう。(了) |
【朝日新聞、米国「ネオコン」特集記事(2)(15.5.2)を読む。こんな低レベルの貧寒としたお粗末記事では、お話にならない】 |
565回 2003(平成15)年5月2日 (1)アービング・クリストル、若い頃はトロツキスト、冷戦を機に反共スポークスマン。ネオコンのゴッドファーザーと呼ばれる。 しかし、こんなとりとめのない浅薄な説明では、どうにもならないのではないか。ここでも、レオ・シュトラウスは出て来ない。「ウォルフォビッツの実例が明確に示して居るように、シュトラウスの一味徒党は、過去三十年間、人脈をもって行動して来た」(EIR、二〇〇三年四月十八日号、五十頁)、とある。つまり、これは、或る種の秘密結社、なのである。けれども、この「秘密結社」には、高度な限定、条件が付けられて居る。即ち、 (1)主としてユダヤ系。ユダヤ人でなくとも、ユダヤと親和性のある人工的ユダヤ的人間。 概ね、主要な性格を、以上の六項目として置く。 「ウォルフォビッツは、シュトラウス − ブルーム学派の門下生たちの中で、(首都)ワシントン(米政府関係の機関)に入り込んだ、最初のグループの一人である」(前出、五十頁)、と言う。ここで、「ブルーム」とは、「アメリカ的精神の終焉」の著者「アラン・ブルーム」のこと。レオ・シュトラウスは、約二十年間、シカゴ大学で、政治哲学、政治学を教え、この間に、百人に哲学博士の学位を与えたが。レオ・シュトラウスの高弟、アラン・ブルームが、シュトラウスのあとをついで、シュトラウス学派を拡大した。かくして、一九五〇年代、六十年代、七十年代と、三十年を経過して米国の政治哲学、政治学、哲学のアカデミズムがシュトラウス学派によってほぼ完全に制圧された、と言う。 つまり、米国の首都ワシントンDCの権力中枢に浸透した数十人のネオコンは、このようにして、約五十年かかって米国内に構築されたシュトラウス学派と言う、巨大な氷山の目に見える突端部分、だったのである。このように見てくると、五月一日、二日と、連続して、朝日新聞に掲載された米国ネオコン特集記事なるものの、なんとみじめでお粗末、貧寒とした無内容であることか。と、言わざるを得ない。 (了) |
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第566回 2003(平成15)年5月3日 |
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第567回 2003(平成15)年5月4日 「ザ・スペクトラム」二〇〇三年五月号。一頁。三十八〜七十七頁。ここに、宇宙的異変現象についての重要な特集記事あり。NASA(アメリカ航空宇宙局)が最近の宇宙情報を、米国民から隠匿して居る、と批判する。これは、大変、重要なテーマなので、引きつづき、論評紹介することにしたい。 米国の公式発表数字によれば、一九七三年から一九九八年までに、世界の地震活動現象は、四〇〇パーセント上昇(M2.5以上)。一八七五年から一九九三年までに、世界の火山活動は、五〇〇パーセント上昇。西暦八五六年から一九九三年までに起きた、二十一回の大地震のうち、九回は、二十世紀のもの。一九六三年から一九九三年までに、地球規模の大自然災害は、四一〇パーセント上昇。以下省略 これらの現象は、地球だけの孤立したものとは考えられない、と言う。太陽系規模の天体の運行の変化によるもの、との説あり。しかし、NASA(アメリカ航空宇宙局)と、米国政府は、こうしたことについて、米国民に知らせない政策である、と言う。従って、米国のドレイ、米国の家畜人ヤプーに過ぎない日本の売国奴エリート権力階級と売国奴マスコミ、学界が、米国のご主人さまの意向に従うことは自明である。かくして、一億二千万の日本人羊人間の群れが、米国人に輪をかけて、この天変地異について無知のままにされて居ることもまた、自明である。この件については、続報する。(了) |
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第568回 2003(平成13)年5月5日 産経新聞がシツこく、「ネオコン」と言う用語と用法に、文句を付けて居る。産経新聞、平成十五年五月五日号、五頁。ここに、古森義久、編集特別委員の記事あり。「ネオコン」とユダヤ人偏見にじむことばに拒絶反応、とある。 なんのことかと、思うと、この人は、四月二十七日から二十九日まで、ワシントン(DC)で開かれた、「反中傷連盟」の全米指導者会議を傍聴したところ、その中で、「ネオコン」と言うことばが、一貫して否定的に取り上げられた、と言う。 ここに出て来る「反中傷連盟」とは、アンチ・デファーメーション・リーグ(ADL)のことだが、これでは何のことか日本人には分からない。 この記事では省略されて居るが、この「ADL」の母体は、一八四三年に米国で創立された、フリーメーソンのユダヤ人のみの秘密結社、ブナイブリス(契約の子供たち)である」 。このブナイブリスの、米国及び全世界的な、或る種の諜報機関として、ADLが、一九一三年に、米国に設立されて居る(従って、ADL自身もれっきとした、一種の秘密結社である)。 ジョン・コールマン博士の「三〇〇人委員会」(KKベストセラーズ)によれば、このADLの首脳部は、三百人委員会と、深い関係にあるとされる。 いずれにしても、古森記者のこの記事によれば、ADLは、ネオコンと言うことばの現在の用法は、反ユダヤ主義的であると、糾弾して居ると言う。 従って、当然のことながら、彼等は、「ネオコン」と言うことばをユダヤと結びつけて使うな、と要求して来るであろう。 しかし、これも、例によって、無茶苦茶な言いがかりだ。 そもそも、ネオコンのゴッドファーザー、とも呼ばれるらしい、ユダヤ人のアービング・クリストル(朝日新聞、五月一日、二日)自身が、「ネオコンサバティズム − 一つの思想の伝記 Neoconservatism: The Autobiography of an idea by Irving Kristol」 (一九九五年)、と言う著作を公刊して居るではないか。 ○「アメリカン・フリープレス」、二〇〇三年五月五日号、五頁。ここに、マイケル・コリンズ・パイパーの、「ネオコンは米国の軍事力を、自分たちの構想にもとづいて作り変えようとして居る」、と言う記事あり。 この記事によれば、米軍の制服組の多数は、ネオコンの要求するような、米軍を世界帝国制服軍とする計画に強く反対して居る、と言う。 しかし、ネオコン一派は、米軍制服組みの抵抗を排除して、その計画(米軍を大米世界帝国軍に)を強行しつつあると。 日本民族にとって、今の時点でこれ以上に重大な情報は、存在しない。 にも拘わらず、産経新聞が一貫して押しすすめて居るシオニストユダヤを無条件に擁護するこの方針は一体何なのか。 (了) |
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第569回 2003(平成15)年5月6日 |
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第570回 2003(平成15)年5月7日 |
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第571回 2003(平成15)年5月8日 |
【米国ネオコン派の思想史的源流を探求すべきこと。 S・B・ドルーリー著「レオ・シュトラウスとアメリカの右翼」の読み手】 |
572回 2003(平成15)年5月9日 シァディア・B・ドルーリー著「レオ・シュトラウスとアメリカの右翼」( Leo Strauss and the American Right. By Shadia B.Drury 一九九七年 St. Martin's Press USA(NY))。この本は、「EIR」誌によって知り、注文し、四月二十四日着。概ね、これを通読した。「EIR」誌は、同じ著者の前作。The Political Ideas of Leo Straus(1988) (レオ・シュトラウスの政治的概念)が、シュトラウスの思想を知るには最良の書である、とするが、あいにく、この本は絶版で、今のところ、入手不能である。本書程度のものは、日本で、米国のいわゆる「ネオコン」を論じるためには必須の基礎文献として消化して置く必要あり。 本書は、(1)米国のいわゆるネオコン派は、レオ・シュトラウス学派を母体として生まれたものであること。(2)ネオコン(ネオ・コンサバティブ)は、保守派、と自称するけれどもそれは実体と違う。(3)シュトラウス派の作り出したネオコンは、保守ではなくて、右翼であり、(4)そして、右翼ラジカル、右翼急進派、又は、右翼過激派、過激派右翼、である。と結論付ける。 これは、良い線を突いて居る。ここで、ドルーリー女史が、「右翼」、と言うとき、それは、フランス革命由来の概念である。フランス革命は、ブルボン王朝を打倒した、リベラリズムの革命である。そして、このリベラリズム革命が、その右翼と、左翼を生み出す。重要なことは、この右翼、左翼が、フランス革命を共通の出発点、として居る、と言うことである、と。二十世紀の西洋の政治は、このようなものとしての右翼急進派、左翼急進派、を生み落とした。いま、米国ネオコン派、と呼ばれて居る政治潮流は、以上のような文脈の中での、アメリカ右翼、ないし、右翼急進派、又は、右翼過激派、と言うべきであると、と。 今の日本人には、しかしながら、こうした、ごくもともな分析は、難し過ぎて、耳に入らないかも知れない。リベラリズムが煮詰まってどうなるか。西洋欧米の思想史を調べれば、それは一目瞭然である、それは、(1)相対主義、文化多元主義。(2)ニーチェの説くニヒリズム化。(3)ニヒリズムからの超克の哲学としての、実存主義。但し、この実存主義は、ニヒリズムの超克でなくて、ニヒリズムの開き直り、と言うべきかも知れない。(4)ニヒリズムの超克のこころみとして、ニーチェ的超人思想。と成るであろう。 ここで、ようやく、我々は、アメリカネオコン派の本当のゴッドファーザーとしての、レオ・シュトラウス。シュトラウスの前段としてのカール・シュミット、そして、ハイデッガー、更にその前段としてのニーチェ、と言う風に、欧米思想史を要約することになる成るであろう。この件は、更に続報する。(了) |
【米国の地方自治体で、「愛国者法」反対の動き】 |
573回、2003(平成15)年5月10日
「アメリカン・フリープレス」、二〇〇三年五月五日号、三頁。ここに、米国のいわゆる「愛国者法(パトリオット・アクト)」に反対する、米国の地方自治体(市、町)が続々と増えて居る、との記事あり。以下に、「愛国者法」に反対して居る地方自治体(市、町、郡)の名簿の一部を掲載する。 アラスカ州。フェアバンクス、グスタブス。アリゾナ州。フラッグスタッフ。カリフォルニア州。この州は多い。二十八の市、町、郡。その中には、サンフランシスコ、サンタバーバラ、サンタクルス、サンタモニカ、アルバニー、バークレイ、クレアモント、オークランド、以下略。コロラド州。デンバー、以下略。コネチカット州。ニューヘブン、他一市。フロリダ州。マラクア郡。メリーランド州。タコマパーク。ニューヨーク州。ウッドストック、他四市。オレゴン州。アシュランド、他六市。ヴァーモント州。マテンス、他十三市。ワシントン州。シアトル、他の三市。以下略。 以上の地方自治体(市、町、郡)は、その議会で、「愛国者法」反対を議決して居る、とのことである。「愛国者法(パトリオット・アクト)」は、二〇〇一年九月十一日の例の事件の直後、十月下旬に、米国議会が可決した法律で、米国憲法の廃止、米国の警察国家化へ、巨歩をすすめた悪法である。この問題を、日本の売国奴国賊、イルミナティ世界権力の走狗、そのプロバガンダ機関としてのマスコミ、学界、評論家、などは、一貫して、日本国民に対して隠蔽し続けて居る。 |
【パトリック・ブキャナン「ブッシュはネオコンか?」、「ブッシュはネオコンの要求通りシリアに対して戦争を始めるか?」 】 |
574回、2003(平成15)年5月11日 パトリック・ブキャナン主宰の「ザ・アメリカン・コンサバティブ」(月2回刊)、二〇〇三年五月五日号、七頁。ブキャナンが「ブッシュはネオコンサバティブか?」、と言う、一頁のコラムを書いて居る。ここでは、米国ネオコンと、イスラエルのシャロン政権が要求しつつある、シリアへの米軍の侵略作戦を、ブッシュ(息子)米大統領が受け入れるのか?と言う問題が論じられて居る。ブキャナンは、私の感じでは、ブッシュは、ネオコン派である前に、父に(ブッシュ)の息子である、のだが、結果は、間もなく、分かるだろう、と言う。ネオコン派とシャロンイスラエル政権が要求するように、米国がシリアに対して戦争を始めるなら、国連安全保障理事会は、十四票対一票(米国)で、米国の対シリア開戦に反対するであろう。(幸いにも、目下、日本は国連安全保障理事会の非常任理事会の順番が来て居ない)。と言うことは、英国も反対、か。米国が単独でシリアに攻め込むとせよ。アラブとイスラム世界全体のみならず、全世界が我が国(米国)を弾劾するであろう。米国の孤立化は完成される。と、ブキャナンは書く。ブキャナンには、ひとつ、間違いがある。日本政府はイスラエルと共に、米国のシリア侵略戦争を、即時、無条件で支持する。従って、米国のみでない。米国と日本の孤立化は完成される、と言わなければならない。しかし、この言い方も、十分に正確ではない。日本はもはや日本でない。日本はとっくの昔に滅びて居り、今、存在するのは、若者男女が圧倒的に茶髪金髪化する売国奴の群れ、日本もどき、ニセの日本、乳児から英語を教えることをカッコイイ、と思う国賊売国奴の若い親たち、日本を詐称する、ユダヤイルミナティ米英世界権力の囚人としてのもと日本、日本のゾンビ、に過ぎない。日本はいまや、米国(イルミナティ)の一匹の「チワワ」犬に過ぎない。「チワワ」とは、メキシコ原産、最も小さいイヌとして知られて居るそうだ。かって、一九〇二年(明治三十五年)、日英同盟が締結されたとき、英国の新聞は、ヴィクトリア女王の番犬として日本を描いた戯画(カリカチュア)を載せたそうだ。但し、ヴィクトリア女王の治世は、一九〇一年まではなのだが。いずれにしても、「日英同盟」と、ご大層に言うけれども、そこでの、日本の役割は、大英帝国の一匹の番犬に過ぎなかった。いま、日本は、大米世界帝国の番犬、どころか、ご主人さまにどこまでもついて行く米国のチワワ。一匹の座敷犬。(了) |
【米国ネオコン派と、米国キリスト教原理主義の同盟、そしてその背後にひそむ三百人委員会】 |
575回、2003(平成15)年5月12日 この一、二ヶ月の間に、日本のマスコミ界のみならず、多くの政治家、評論家たちが、「ネオコン」と言う用語を、流行語のようにして口にする風潮が生じた。従って、「ネオコン」と言うことばは、深い認識もなしに、ごく浅い、表面的な理解のもとに、広く、日本人の間に流通し始めて居る。にも拘わらず、未だ、日本では、いわゆる米国ネオコン派のまとまった著作が、一冊も、邦訳出版されて居ない。 ニーナ・J・イーストン(Nina J. Easton)著「五人のギャング(Gangs of Five)」(二〇〇〇年)は、一九九〇年代に米国の舞台に登場した右翼の五人の指導的人脈についての詳しい評伝のような本だが、この五人の中に、ワシントンに於けるシュトラウス学派の主任宣伝員、ウイリアム・クリストルが含まれて居る。ウイリアム・クリストルは、この本の中で、シュトラウスは、政治では、真実、真理は必要ない、と教えた、と述べて居ると言う。つまり、シュトラウス学派の政治学では、政治とは、いかに、うまく嘘をつき、その嘘を真実らしく見せるか、についての技術である。と言ったことに成るであろう。 シュトラウスの政治哲学は、もちろん、彼がひとりで全部作りだしたものではない。シュトラウスの学説は、二つの流れに由来する。即ち、(1)カール・シュミットの政治哲学。又は、政治科学。 (2)ユダヤ教カバラ学。 シュミットはともかくとして、カバラ学は、密教である。カバラ学は、タルムードと密接に関係する。タルムードは、一つの文章、一つの命題を、八十通りにも解釈することを教える、と、聞いて居る。 シオニスト・ユダヤに占領されてしまって居る米国では、事実上、タルムード的カバラ的ユダヤ教が、カバラ化したキリスト教と同盟して、または、カバラ化したキリスト教を従えて、このイデオロギー的宗教を、事実上の国教化してしまって居る、ように見える。国教化、と言うよりも、主流化、である。この主流イデオロギー宗教以外の宗教は、不断に、マジナライズされる。つまり、主流から追い出され、周辺に追い詰められるのである。いわゆるキリスト教原理主義、とは、このカバラ的タルムード的ユダヤ教化されたキリスト教、に他ならない。 ネオコン派は、このキリスト教原理主義と、強固な同盟関係にある。そしてこのキリスト教原理主義なるものは、既に十九世紀前半、三百人委員会の綿密な計算にもとづき、ネルソン・ダービーと言う英国のキリスト教牧師によって布石されて居るのである。いわゆる米国のネオコン派は、昨日今日の、僅かな人々の思い付きの産物、などではないのだ。(了) |
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576回、2003(平成15)年5月13日 |
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577回、2003(平成15)年5月14日 |
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578回、2003(平成15)年5月15日 「トゥルース・アト・ラスト」、四百四十一号(二〇〇三年五月)。ここに、二〇〇三年二月一日、エルサレム発、IAPニュースが引かれて居る。イスラエルのヘブライ大学教授、軍事史問題専門家、マーチン・ヴァン・クレベルトによれば、イスラエルは、ドイツ及びその他のヨーロッパ諸国による、何百万人ものユダヤ人抹殺に対して、復讐できる(しようと思えば出来る、復讐する能力を持って居る)、と。イスラエルは、核兵器によって、大部分のヨーロッパの首都を攻撃することが出来る、とも。我が国(イスラエル)は、数百発の核弾頭とミサイルを所有して居り、あらゆる方向にそれを発射することが出来る、と。ローマでさえ、我が国(イスラエル)は核攻撃出来る、と。この公言は一体何を意味しているのであろうか。イスラエルが、ロンドンに核兵器を発射することは、今の状況ではあり得ないだろう。しかし、モスクワ パリ ベルリン ローマ そしてその他のヨーロッパ諸国の首都、これらに対して、イスラエルの核ミサイルは、何時でも発射可能である、と言う。これは、脅しのつもりか。これは、単なる空威張り、虚勢、ではないだろう。 もちろん、五十七年以上、米英ユダヤイルミナティ世界権力の監獄、檻の中に収監されて、完全に腑抜け腰抜けにさせられて居る今の日本人には、こんなお話は、夢想だに出来ない。クレベルト教授は、パレスチナ人の集団強制追放(Collective deportation この英語は、集団移送、などと訳したのでは、その実態からかけ離れた印象を与えるであろう)のみが、イスラエルの対パレスチナ戦略として十分な意味を有する、と言う。全パレスチナ人が集団追放(移送)さるべきである、と。二年前には、イスラエル人の七ないし八パーセントがこの説を支持した。二ヶ月前には、三十三パーセントに上昇。そして今(二〇〇三年二月一日)では、四十四パーセントがこの案を支持して居ると。 パレスチナには、何百万人、パレスチナ人が今現在居住して居るのか、正確には知らない。いずれにしても、何百万人かのパレスチナのアラブ人を、イスラエルは、どこに向かって追放するつもりなのか。どのアラブ国家も、そのパレスチナ人を引き受けなければ、その場合、イスラエルは、どうするつもりか。シオニストユダヤと、全イスラム世界の正面衝突へと事態を持って行く。それが、イルミナティ三百人委員会世界権力の計画なのだ。この作戦を、ドイツ、フランス、ロシアなどが、邪魔だてすることは許さない。必要とあらばイスラエルは、モスクワ、ペトログラード、ベルリン、パリ、ローマに対しても核ミサイルを発射するぞ、と、シオニストユダヤは、今、公々然と、脅迫して居るのだ。そして、なんと、日本の国家は、このシオニストユダヤと米英イルミナティに日本民族を喜び勇んで売り渡す、小泉以下の売国奴によって占領されてしまって居るのだ。 |
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579回、2003(平成15)年5月16日 |
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580回、2003(平成15)年5月17日 |
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581回、2003(平成15)年5月18日 |
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582回、2003(平成15)年5月19日 リベラル・デモクラシー。これを、日本人は、自由民主主義、と翻訳する。そして、このイデオロギーと、それにもとづく社会体制は、一七八九年に始まる、フランス革命を契機としてこの地球上に出現した、と、我々日本人は聞かされる。ところが、このリベラル・デモクラシー、自由民主主義社会体制がどこまでも発展して行くと、なんと、人類は、その終局に於いて、世界人間牧場に向かって行進する、家畜人の群れ、と、化して行く、と言う。この手品、この魔法、或いはそれを、ヘーゲル弁証法、と呼称するのであろうか。 シァディア・B・ドルーリー女史は、「アレクサンドル・コジェーブ」、八十三頁で、ニーチェの説を引く。「歴史の終わりに於いて、人間は、動物の群れ(畜群)と成る。支配する者は存在せず、支配される者も存在しない。....最後の人間の世界は、自然発生的に、畜群へと組織される」、と。牧羊犬は必要でない。牧羊犬が居なくとも家畜人の群れは一つの隊列にまとまる。万人が同じ人間(同じくらし)であることを欲する。他の人々(世間)と自分は違う、と自覚する者は、自発的に精神病院へ行く(Nietzche, Zarathustra, Prologue, Sec 5) ここで、「精神病院」は、ニーチェの原文では、端的に、madhouse、と書かれて居る。これは、何だかわけの分からない、難しそうな、チンプンカンプンか。いや、そうではないだろう。いわゆる米国の「ネオコン」派なるものが、その実体は、レオ・シュトラウス学派であることを、当「時事寸評」子は、繰り返し、説明した。レオ・シュトラウスとは何者か。シュトラウスは、アレクサンドル・コジェーブと、終生、親交があったことも、既に述べた。コジェーブの門下、その学徒、その思想的影響下に育った現代フランスの知識人として、(1)サルトル (2)フーコー (3)バタイユ (4)レイモン・アンモン (5)デリダなどが、挙げられて居る。更にれっきとした、米国「ネオコン」派学者の一人、フランシス・フクヤマも、レオ・シュトラウスと共に、コジェーブの影響を強く受けて居る。自由民主主義から世界人間牧場へ。ネオコン派、ないし、レオ・シュトラウス学派は、このイルミナティ世界権力の長期計画(アジェンダ)の中に、しっかりとその役割を与えられて居ることに、日本民族は、気付かなければならない。(了) |
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583回、2003(平成15)年5月20日 |
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584回、2003(平成15)年5月21日 |
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585回、2003(平成15)年5月22日 |
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586回、2003(平成15)年5月23日 |
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587回、2003(平成15)年5月24日 ロバート・ケイガン著、山岡洋一訳 「ネオコンの論理 − アメリカ新保守主義の世界戦略」光文社、平成十五年五月 この本の英文原題は OF PARADAISE AND POWER America and Europe in the New World Order (楽園と権力 − 新世界秩序に於ける、アメリカとヨーロッパ)と成る。英文原題と、邦訳本の表題を、じっくりと眺めて、考えて見よう。すると、邦訳本の表題は、このケーガンの本の本筋を、まるで意図的に歪曲して居るかのような印象を受ける。ケイガンの著作は ニュー・ワールド・オーダー、と言う場をまず問題として居る。邦訳本は、その本体を、ないことにしてしまう。つまり、問題を、極力、矮小化する心理が働くのであろう。 このケイガンの新著を、ネオコンの論理、とすることも、アメリカ新保守主義の世界戦略、とすることも、許しがたい、矮小化である。ここで何が、問題とされて居るかと言うと、(1)ニュー・ワールド・オーダーと言う美名のもとで、イルミナティは、米国を使って、世界人間牧場の構築に向かって進む。(2)そのための主たる方法は、全面世界戦争である。(3)この世界戦争は、総力戦である。(4)つまり、単なる武力戦でない。(5)武力戦争に加えて、心理思想戦争 宗教戦争 経済戦争 文化戦争 その他ありとあらゆる領域を戦場とする長期の戦争である。(6)米国は、このような世界戦争を、数十年に亘って遂行して行くぞ。(7)ヨーロッパは、この米国の世界戦争の邪魔をすることは許されないぞ。(8)もし、あくまでも妨害すると言うなら米国は、そうしたヨーロッパの妨害抵抗勢力をも敵と見なして粉砕するぞ、と成るであろう。 ロバート・ケイガンがその作成に参画した、アメリカ新世紀のためのプロジェクト文書なるものによると、二十一世紀の戦争の主たる戦場は、東アジアと、設定されて居る。この件については、既に、小紙(週刊日本新聞)上で論じた。しかしこれは、具体的には何を意味するのか。それは、イルミナティ(米国)が、二十一世紀の世界戦争の最終の戦略的標的を、中共中国の征服占領、中国の解体と、アメリカ化(アメリカの植民地化)、に置いて居る、ことを意味して居る。米国(イルミナティ)は、日本が、対中共中国解体のための戦争を妨害することを許さないぞ、と言う。それは自明だ。しかし、更に進んで、日本はイルミナティの「囚人部隊」として、対中共中国侵略戦争に参加せよ、と要求される。いまや断末魔のうめき声を上げて居る、死亡寸前の北朝鮮金正日ごときが問題ではないのだ。この件については、続報する。(了) |
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588回、2003(平成15)年5月25日 ロバート・ケイガンの「ネオコンの論理」(光文社)の巻末解説の中で、福田和也、と言う人は、米国ネオコン派の代表格としてのケイガンの論理を、ホッブスのリバイアサン(怪物)と殆どひとしいもの、と解釈する。これはおかしい。「リバイアサン」とは、新約聖書、巻末ヨハネの黙示録に出て来る。ケイガンのこの本(「ネオコンの論理(英文原題は、楽園と権力)」)は、ネオコンの論理を全面展開したものではない。それは、米国とヨーロッパの位置関係に限定した論文である。ケイガンはたしかにそこで、ホッブスを引き合いにだす。しかし、米国のネオコン派が、ホッブス説をそのまま受け入れてしまって居るかと言えば、それは違う。 シァディア・ドルーリー女史の著作「レオ・シュトラウスとアメリカの右翼」(一九九七年)、九十二、三頁。ここに、ホッブスについてのレオ・シュトラウスとカール・シュミットの意見の相違が説明されて居る。以下に、要約して置く。 (1)シュミットはホッブスを賞賛したが、それはシュミットの誤りである。(2)シュミットは、ホッブスが、政治の輝かしさ(栄誉)を理解して居た、と見たが、シュトラウスはそのシュトラウスの説に全く反対。(3)ホッブスはむしろ、リベラリズムの伝統の基礎をを作った人である。(4)ホッブスは、自然状態では万人は万人を敵として戦う、としたが、それは、政治の始まりではない。(5)シュトラウスは、政治を再宗教化することを提起した。以下略。 政治の究極のかたちは戦争である。政治は、市民、人民、国民、民衆....に対し、戦争のために、死ぬことを要求しなければならない。しかし、ホッブス的リベラリズムでは、それは出来ない。かくして、「政治の再宗教化」が必要となる、と、シュトラウスは言う。このシュトラウス学派の理論から、今の米国のネオコン派が出て来る。 ロバート・ケイガンの前記の小著には、そんなことは書いてない。しかし、ネオコン派が、米国のいわゆるキリスト教原理主義、より正確に表記すれば、シオニスト・キリスト教、キリスト教シオニスト、タルムード、カバラ主義化されたキリスト教、と言った勢力と、緊密に同盟して居ることは多言を要しないであろう。シュトラウスがユダヤ人、ユダヤ教徒であること、カバラ学に深く通じて居たこと、そんなことは、今更、言うだけ野暮と言うものであろう。以下省略する。(了) |
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第589回 2003(平成15)年5月26日 「月曜評論」平成十五年五月号、五十四頁以下。植田信(評論家・翻訳家) アメリカ学講座、第三十五回 ブッシュ大統領と「スカル・アンド・ボーンズ」(上)− アメリカ外交を左右するある”組織”の実体 −。この論文は大変おもしろい。この著者、植田信、と言うひとは、ふとしたきっかけで、半身半疑のまま、ためしに、アメリカ・ヤフーで、「スカル・アンド・ボーンズ」を検索した。この「スカル・アンド・ボーンズ」と言う組織に、ブッシュ現米大統領は所属して居る、と言う。ところが、この植田という人は、驚いてしまった。「資料が山のように出てきた」。伝々と。もちろん、小紙(週刊日本新聞)の読者は、何を今さらびっくりして居るのか、と、笑ってしまうかも知れない。しかし、この「植田信」と言うひとは、これまで、陰謀理論、とか、反ユダヤ、とか、反イルミナティ、とか、反NWOとか、そんなたぐいのヤバイ話には、全く、無縁だったのだ。この人は、英語、米語は非常に良く出来るようだ。そして、現代アメリカの事情については良く知って居る、と自任して居た。ところが、最近、インターネットで、「スカル・アンド・ボーンズ」を引いて、本当に、山のような資料が出て来るのを見て、びっくり仰天。果たしてこれからどう成ることやら。 米国では、少なく見積もっても、数百万人程度の人々が、ユダヤフリーメーソンの陰謀について、何等かの程度で、知って居る。「数百万人(several milion)」ですから、お間違いなく。「数万人」、の誤植ではないので、念のため。イルミナティの完全支配下にある米国のマスコミも、それ故、ときたま、ブッシュ(父)、ブッシュ(息子)が、いずれも、エール大学在学中に、スカル・アンド・ボーンズ、と言う秘密結社に加盟して居る、今も、その加盟員である、ぐらいのことは、報道する。しかし、白痴、ゾンビそのものの、日本のエリート権力者、売国奴マスコミ、アメリカ通を自任し、アメリカのことなら知らないことはない、アメリカのことはオレさまに任せて置けと吹聴する売国奴学者はどうなのだ。(了) |
【ビルダーバーグ・クラブ年次総会(5/15〜18)の続報(アメリカン・フリープレス)】 |
第590回 2003(平成15)年5月27日
「アメリカン・フリープレス」、二〇〇三年六月二日号。一頁。十頁〜十三頁。ここに、ビルダーバーグ・クラブ二〇〇三年年次総会(五月十五〜十八日)についての第二報あり。この記事によれば、ビルダーバーグ・クラブは、米国ブッシュ政権に対して、イスラエルに圧力を加えて、パレスチナとの和平を受け入れるよう、強く要求した、とある。この件は重要だが、以下省略する。出席者は百二十〜百三十名。アメリカン・フリープレス、その他の記者は、約三、四十名の参加者を確認した。その中には、オランダ女王。スペイン国王。及び女王。シラク仏大統領。キッシンジャー。リチャード・パール(米ネオコン派)。デンマーク首相。デービット・ロックフェラー。フランス外相。スエーデン外相。ノールウェイとトルコの新聞が取材し、それらの新聞は、ビルダーバーグの二〇〇三年年次総会について簡単な記事を載せた、とある。 二〇五〇年までの世界経済情勢の文書によれば、(1)米国の技術上の覇権は維持される。(2)ヨーロッパの世界経済に占める比率は、現在の二〇パーセントから、二〇五〇年には、十二パーセントに下落する。(3)中国と台湾を含めた経済力は、全世界の約四分の一へ。(4)日本と韓国の経済力は激減する。とのことだ。 しかし、第三次又は第四次世界対戦を度外視するこの世界経済見通しは、果たして意味があるのだろうか。ビルダーバーグ・クラブが、いわゆる「三百人委員会」と、なんらかの程度で、重なって居ると見られる。そして、今年のビルダーバーグ総会が、イスラエルの対パレスチナ政策に対して強い圧力を加えた、と言うことが事実であるとすれば、それは、「三百人委員会」の意向を反映して居るのであろう。この問題は更に続報する。(了) |
【ユダヤはデモクラシーを通じて権力を掌握し、もっとも残虐な全体主義専制独裁体制を構築すると言う、この魔法】 |
第591回 2003(平成15)年5月28日
ハンス・シュミットさんの主宰する、ガンパック短信、二〇〇三年六月号。「ガンパック」とは、ドイツ系アメリカ人公共問題委員会、の略。 ここに、中東の「工程表(ロードマップ)」は、ハルマゲドンへすすむ一歩か?と言う記事あり。 かって、米国上院議員の六十六パーセントは、シオニスト陣営。その数年後、八十七人(百人のうち)の米上院議員がシオニスト陣営へ。 しかし、今や、米国上院議員と下院議員は、殆ど、全員、シオニスト陣営に在り、と言う。 デモクラシーは、ユダヤが確実に勝利することに成って居るゲームであると、ハンス・シュミットさんは言う。もちろん、この言い方は正しい。 米国のみならず、全世界どこでも、この説は通用する。 こんなことは、多少でも、ユダヤ問題を批判的に研究した者には、イロハのイ、でなければならない。 ユダヤはデモクラシーを愛する。 それは分かった。 しかし、そのデモクラシーなるものを、通じて、ユダヤがひとたび全権力を手中に入れるとどう成るか。 「ユダヤの支配は、想像し得る限りでの、もっとも残虐なものと成る。ユダヤが権力を獲得すると、彼らはそれを維持するためにありとあらゆる手段を行使する」、とガンパック短信は言う。今の米国はまさにその見本、その典型であろう。リベラル・デモクラシーを通って、かくして、人々は、ユダヤの家畜人間に成るように、誘導される。 それでは、ハンス・シュミットさんは、米国ブッシュ政権がイスラエル政府に強要した、パレスチナ問題解決のための、いわゆる工程表(ロードマップ)が、いかにして何故、ハルマゲドンへの一歩、と予測するのか。 この件は、更に続報する。 (了) |
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第592回 2003(平成15)年5月29日 |
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第593回 2003(平成15)年5月30日 |
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第594回 2003(平成15)年5月31日 「正論」平成十五年五月号に、中川八洋筑波大学教授が、保田與重郎を酷評する論文を発表し、「正論」七月号に、ロマノ・ヴルピッタ京都産業大学教授が、前記、中川八洋論文に反論して、保田與重郎を擁護した。ここには、現在の日本人にとって、きわめて重要な問題が論じられて居る。この件については、小紙(週刊日本新聞)の次号(六月九日号)に、やや詳しく述べたが、ここでは、やや別の視点から、観察する。 それは、ヴルピッタ教授が指摘して居るように、敗戦後の日本の保守派の一部が、保田與重郎の思想を、「危険思想」と見なして居る、と言うところである。「保守派の一部」と言うよりは、敗戦後の日本のいわゆる「保守派」の事実上の全部、が保田與重郎を危険思想をふりまく危険人物、と見て居る。戦後の左翼の保田否定については言うまでもない。それは何故なのか。それは、ヴルピッタ教授が正しくも述べるごとく、保田與重郎が「一人で大東亜戦争を継続した」(「正論」七月号、二百五十一頁)、からであろう。「大東亜戦争を継続する」。然り。まさにここに、核心が存在する。 世間は、林房雄の「大東亜戦争肯定論」と、保田與重郎の立場を、同一視するであろう。しかし、両者は根本的に異質なのだ。その違いが分かるひとは、相当な水準にある。中川八洋論文が、ヒステリックとも見えるぐらいに保田與重郎をけなすのは何故なのか。それは、保田が、(1)西洋近代を否定するのみならず、(2)西洋文明そのものの正当性にも意義を申し立てよ、だからであろう。ここには、高度に本質的な問題が提起されて居る。以下、省略し、続報する。(了) |
(私論.私見)