本書が書かれたのは太平洋戦争中の1944年である。現在はどこの出版社からも販売されていない。しかしインターネット上では公開されている。「れんだいこ 愛宕北山」と検索するとれんだいこ氏による現代仮名づかいによる全文が読める。
本書は言うまでもなくユダヤ教の悪を見事に暴き出した反ユダヤ主義の著作である。本書において主張されているユダヤ人による世界征服の陰謀論がどこまで真実であるか私は保証できるものではない。しかし火のない所に煙は立たぬというようにしきりに古今東西にわたってユダヤの悪が主張されている事実をふまえれば少なくとも本書が重大な問題提起の書であることは疑いえない。いったい誰が本書の冒頭で暴かれている申命記7章16節の大量殺人命令を正当化することができるだろうか。私は著者の皇国史観にくみする者ではないが本書で示されたユダヤへの告発に対しては大きく人生観を変えられた一人である。また本書の反ユダヤ論とグノーシス主義におけるユダヤ教への告発の見事なまでの一致にも驚愕させられる。ユダヤ人=ヒットラーによって大量虐殺されたかわいそうな人々という通り一遍の見方がどれだけ事実に反しているかは現在のユダヤ人によるパレスチナ人への無差別殺人によっても明々白々たるものである。キリストが宣教した新約聖書の神と旧約聖書の神に違いを感じる方には是非一読願いたい書である。