中核派の2009綱領草案

 (最新見直し2009.10.21日)

中核派の2009綱領草案

週刊『前進』(2410号1面2)(2009/10/05 )

 革的共同25全総 綱領草案採択 

 革命的共産主義者同盟は第25回拡大全国委員会総会を開催し、綱領草案を徹底論議の上、採択した。そして革命的共産主義運動の新段階突入を宣言した。革共同50年の歴史の上に画期的な地平がかちとられた。この25全総の第1報告「プロレタリア世界革命の急速な接近と革共同の任務体系」(天田三紀夫書記長)と、第2報告「綱領草案の意義と革共同建設の新段階突入」(綱領起草委員会)および「綱領草案」は、発売中の『共産主義者』162号に全文掲載されている。本号4面に綱領草案全文、5面に「綱領草案は現代の『共産党宣言』だ」と題する論文と、革命的共産主義運動50年の略年表を掲載した。綱領草案の四つのポイントを簡潔に提起し、革命的共産主義運動50年の地平と新たな飛躍の出発点に立ったことを圧倒的に確認している。すべての労働者学生人民は、この革共同綱領草案のもと、21世紀革命の実現に向けてともに闘おう!

週刊『前進』(2410号4面1)(2009/10/05 )

 綱領草案 革命的共産主義者同盟全国委員会

 わが党の目的

 (一)

 労働者階級(プロレタリアート)の解放は、労働者自身の事業である。この解放は、資本主義社会の全面的な転覆によって達成される。そして労働者階級の階級的解放は同時に、階級社会のもとでのあらゆる抑圧・差別からの人間の解放、すなわち普遍的な人間解放である。

 労働者階級は、生産の担い手であり、社会の真の主人公でありながら、資本主義のもとでは一切の生産手段・生活手段を奪われて資本の賃金奴隷となる以外に生きることができない。そこでは、人間の根源的な活動である労働は資本の自己増殖の手段となり、労働者は人間ではなく労働力商品として扱われている。プロレタリア革命とは、労働者階級が資本家階級(ブルジョアジー)の支配を打ち倒し、ブルジョア国家権力を粉砕してプロレタリア独裁を樹立し、資本家階級の私有財産としてある社会的生産手段のすべてを団結した労働者のもとに奪い返して、自らの手で全社会を再組織することにほかならない。それは賃労働と資本の関係を廃止すると同時に、一階級による他階級への抑圧と搾取そのものを終わらせ、社会の諸階級への分裂をなくし、本来の共同性を人間の手に奪い返すものとなる。

 われわれ革命的共産主義者同盟の目的はただひとつ、この労働者階級自己解放の闘いの全面的な貫徹とその完全な勝利にある。すなわち、資本主義・帝国主義の完全打倒=プロレタリア世界革命の完遂と階級社会の廃止、真の人間的な共同社会=共産主義社会の建設である。

 (二)

 この革命は、現代においては反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命としてのみかちとられる。
 レーニンが規定したように、帝国主義は資本主義の最高の発展段階であるが、そのもとでは資本主義の矛盾は著しく激化し、帝国主義戦争と大恐慌の爆発はともに不可避である。帝国主義の時代はプロレタリア社会主義革命の時代そのものである。

 1917年のロシア革命は帝国主義打倒のプロレタリア世界革命の突破口を切り開き、現代世界は資本主義から社会主義への世界史的過渡期に突入した。だが一国社会主義論をもってマルクス主義・レーニン主義を破壊し、ロシア革命を変質させたスターリン主義は、国際労働者階級の世界革命完遂への闘いを裏切り、圧殺して、逆に帝国主義の世界支配の補完物となり、帝国主義の延命を支える巨大な反革命へと転落した。このスターリン主義は、旧ソ連・東欧の崩壊をもってすでに歴史的に破産したが、完全に打倒されたわけではない。中国は今日、アクロバット的な資本主義化政策によって経済大国化しているが、その本質は反プロレタリア的な残存スターリン主義そのものである。さらに、スターリン主義による社会主義・共産主義の歪曲、とりわけマルクス主義の核心である労働者自己解放の思想の否定と解体は、今日なお世界の階級闘争に害毒を流し続けている。プロレタリア革命を完遂するためには、帝国主義の打倒とともに、スターリン主義を完全打倒する第二の革命をやりぬいて、真のマルクス主義を労働者階級の手に全面的に奪い返して闘うことが不可欠である。

 (三)

 この目的を実現するために、プロレタリアートは、自らを独自の政党(革命的労働者党)に組織して闘うことを必要とする。プロレタリア革命は、階級対立の中から自然に成長して実現されるものではなく、自らの歴史的使命を自覚したプロレタリアートによるブルジョアジーの打倒・労働者階級の政治権力樹立という、目的意識的な闘いをとおして初めて達成される。

 われわれはさらに、資本の支配を全世界的に覆すための労働者階級の国際的な軍勢の一員となって闘う。そして帝国主義各国および全世界の闘う労働者との階級的連帯と団結のもとで、まずは自国のブルジョアジーを打倒するために全力を挙げて闘う。

 革命情勢の成熟

 (四)

 プロレタリア世界革命を実現する歴史的条件はすでに圧倒的に成熟している。今日の世界大恐慌の爆発は、労働者階級が総蜂起して、最末期の危機にのたうつ資本主義・帝国主義を最終的に打ち倒す時が完全に来ていることを示している。

 ロシア革命後、1929年大恐慌から第2次大戦を経て21世紀の今日に至る歴史は、危機を深める帝国主義が、スターリン主義の裏切りに助けられることで労働者階級の相次ぐ革命的決起を圧殺し、延命に延命を重ねてきた歴史である。だがそれは、資本主義・帝国主義の危機と腐敗をさらに極限まで推し進めるものであった。とりわけ労働者階級の怒りを体制の内側に改良主義的に吸収することによって資本の支配を維持しようとしてきた戦後の国家独占資本主義政策は、その矛盾と破綻を1974〜75年恐慌として爆発させた。1980年代に本格化する新自由主義政策は、この帝国主義が行き着いた最後のあがきであった。それは資本のむきだしの弱肉強食の論理で全社会を覆いつくし、労働者階級への無制限の搾取の上に経済のバブル化・投機化を大々的に推進し、民営化による公教育や医療などの解体によって社会全体を荒廃と崩壊のふちに叩き込んだ。そして、一握りの帝国主義ブルジョアジーが他の一切の人民を犠牲にして莫大な富を手中にする状態をつくりだしてきた。

 今日の世界大恐慌は、その新自由主義の全面破産の結果であり、過去1世紀にわたって積み重ねられた全矛盾の爆発である。新たな延命の道などもはやない。今や大恐慌をプロレタリア革命に転化することだけが、大失業と戦争(核戦争を含む)の破局を阻み、労働者階級はもとより全人類を破滅への行進から救い出す唯一の道である。全世界に巻き起こる労働者や農民の「生きさせろ!」の叫びを、今こそ現実の革命に転化する時だ。

 (五)

 一切のかぎは、資本の支配のもとで徹底した分断と競争にさらされている労働者が、この分断を打ち破って階級としてひとつに団結して立ち上がることにある。この団結の発展の中に、奪われてきた人間本来の共同性が生き生きとよみがえってくる。これこそが労働者階級のもつ本当の力である。社会を変革する真の力はここにある。

 今日の資本主義・帝国主義は、資本のはてしない増殖運動の結果として、巨大な生産力とともに、資本主義の墓掘り人であるプロレタリアートを全世界に膨大に生み出している。万国の労働者が団結して決起するなら、資本主義社会を転覆して共産主義社会の建設に直ちに着手する諸条件はすでに完全に成熟しているのだ。

 革命の核心問題

 (六)

 プロレタリア革命をやりぬくためには、労働者階級はまず、ブルジョアジーの手から政治権力を奪取して、自らを支配階級に高める必要がある。プロレタリア革命は本質的に暴力革命である。ブルジョア独裁の国家権力を打倒して労働者階級が打ち立てる新しい国家は、プロレタリアートの独裁である。

 プロレタリア独裁の樹立は、ブルジョアジーの抵抗を完全に打ち破るために必要であるだけではない。労働者階級がこの革命をとおして旧社会の汚物を一掃し、階級社会を廃止し、共産主義社会を建設する能力を実際に獲得していくためにこそ必要である。

 したがってそれは、ブルジョア国家の特徴である巨大な軍事的・官僚的国家機構を暴力的に破壊・解体し、それを全人民の武装を始めとした全く別のもの(コミューン型国家、自らの死滅を準備する国家)に置き換えていくところから出発する。労働者階級はそのもとで、自分たち自身を一人残らずプロレタリア独裁権力の直接の担い手へと高め、生産を再組織し、社会の全問題を団結して解決していく力を身につけていく。さらに農民を始めすべての勤労人民をも労働者国家の共同の担い手として獲得し、組織して、諸民族の対立をなくし、都市と農村の対立をも究極的に止揚し、差別も抑圧もない社会を現実につくりだすために闘うのだ。

 これこそ、労働者階級が、1871年のパリ・コミューンの経験、1905年や1917年のロシア革命におけるソビエト(労働者・農民・兵士代表評議会)樹立の経験をとおして、歴史的につかみとってきた共産主義社会実現への道である。

 (七)

 革命の勝利にとって決定的なのは、労働者階級の党の建設である。マルクス主義を歪曲したスターリン主義は、党を、現実の労働者階級の外部に、階級の上に立つ特別の集団として位置づけてきた。だが『共産党宣言』も言うように、プロレタリアートの党は、労働者階級全体の利益から切り離された利益をもたない。また特別の原則を立てて、その型に労働者階級の現実の運動をはめ込もうとするものではない。労働者階級はその闘いをとおして、自らの力で党をつくりだす。党とは、労働者階級の権力樹立とそれをとおした共産主義の実現を直接に目指す共産主義者の政治的結集体である。したがって党は、労働者階級の一部であり、その階級意識を最も鋭く体現する最高の団結形態であり、最も鍛え抜かれた階級の前衛である。

 この党建設は、資本との絶対非和解を貫く労働者階級の階級的団結の形成を一切の軸にすえて闘う中でこそかちとられる。現代においては、何よりも、闘う労働組合をよみがえらせることと一体で形成・確立されるものである。

 労働者階級は党をつくりだすことで、自らを一個の政治勢力として登場させる。党は階級闘争の先頭に立ち、その中でつねに労働者階級の部分ではなく全体の利害を代表し、運動の現在だけでなく未来を体現し、社会革命の諸条件とプロレタリアートの歴史的使命を全階級の前に正面から提起して闘う。労働者階級はこの党を中心にすえて、資本家階級とその国家権力によって加えられるあらゆる圧殺攻撃を打ち破り、労働組合を基礎とした階級全体の団結を強化し発展させ、権力奪取のための一斉武装蜂起に向かって、その勝利に必要な一切を意識的・計画的に準備していくのである。この党はしたがって、本質的に非合法・非公然の党として、同時にマルクス主義の党、世界単一の労働者階級の党として建設される。

 (八)

 こうした党を建設し、労働者階級の革命的な階級形成をかちとっていく上で最も重要なことは、労働組合の存在と役割である。労働組合の革命的役割を復権することこそ、マルクス主義をよみがえらせる闘いの核心である。

 労働組合は、労働者が団結して資本と闘う武器であり、労働者階級の最も基礎的な団結形態である。第1インターナショナルの決議「労働組合、その過去・現在・未来」は、「労働組合は、資本と労働のあいだのゲリラ戦のために必要なのであるが、賃労働制度そのものと資本の支配を廃止するための組織された力としてより一層重要である」と提起した。すなわち、労働組合は、党の闘いを媒介として、職場生産点における資本との日常的な闘いをとおして個々の労働者を階級として団結させ、革命の主体として打ち鍛える「社会主義の学校」(マルクス)である。そしてその団結の力をもって、職場の支配権を資本家階級の手から実力で奪い取り、社会的生産を支配していく力を獲得する。この労働者階級による職場生産点の支配とその全社会的な拡大こそ、ブルジョア国家権力の打倒=プロレタリア革命の勝利を保障する決定的条件である。

 さらに労働組合は、プロレタリア独裁を支える〈党・労働組合・ソビエト>という三つの柱の戦略的一環を形成し、全労働者にとっての「共産主義の学校」(レーニン)となり、階級対立の廃止と共産主義社会建設への前進を切り開いていく土台となる。

 帝国主義とスターリン主義のもとではしかし、資本に飼いならされた労働貴族や体制内改良主義の支配のもとで、労働組合の革命的役割は否定され、組合は逆に資本の労働者支配を支える一手段に変質させられてきた。この現実を現場労働者の決起をもって打ち破り、その本来の姿を圧倒的によみがえらせることが今こそ求められている。

 21世紀革命の課題

 (九)

 今日、全世界の労働者に求められているのは、大恐慌と戦争への対決である。その最大の焦点は、労働組合と労働運動をめぐる革命と反革命との激突にある。

 大恐慌の爆発は、帝国主義戦争を不可避とする。この戦争は、労働者の階級的団結が徹底的に破壊され、労働組合が資本家階級の行う戦争に率先協力する機関に変質させられることによって可能になる。これが第1次大戦と第2次大戦の歴史的教訓である。今まさに全世界で、帝国主義の戦争と民営化・労組破壊攻撃に対して絶対非和解で闘うのか、これに屈服するのかという形で、労働組合と労働運動の進むべき道をめぐる一大分岐と激突が始まっている。それは同時に、プロレタリア革命に恐怖して登場してくるあらゆる反革命勢力、ファシスト勢力との激突である。ここで労働者階級が屈服せずに断固として闘いぬくならば、闘う労働組合と階級的労働運動を全世界的規模でよみがえらせ、労働者階級による権力奪取への道を直接にこじ開けるものとなる。

 (一〇)

 この闘いは同時に、帝国主義とスターリン主義のもとで抑圧民族と被抑圧民族に分断されてきた労働者階級が、プロレタリアートとしての国際的=階級的団結を回復していく闘いである。民族・国籍・国境を越えたプロレタリアートの階級的団結こそ、帝国主義による侵略戦争・世界戦争を実力で阻止し、プロレタリア世界革命を現実にたぐり寄せるものである。

 (一一)

 資本主義・帝国主義の打倒は今や、農民を始めとした勤労諸階級・諸階層の人民にとって、生き続けるためのきわめて切実な要求となっている。農業・農民問題の真の解決はプロレタリア革命に課せられた大きな課題であり、農民の革命的決起は、プロレタリアートの勝利を決するうえで決定的な位置をもっている。プロレタリア革命における労農同盟の巨大な意義を明確にして闘う。

 (一二)

 国際帝国主義の最弱の環は日本帝国主義である。

 経済大国日帝の実体は米帝の世界支配によりかかった脆弱なものでしかない。日本の帝国主義としての最大の破綻点は、戦後憲法体制下の労働者支配の危機性と、安保・沖縄問題、すなわち日米安保同盟関係の矛盾と危機にある。世界大恐慌下でその矛盾と危機はいよいよ爆発点に達していく。これが生み出す巨大な情勢を日本革命の勝利に転化することは急務である。

 今日すでに日本帝国主義は体制的危機に陥っている。そのため日帝は、帝国主義侵略戦争への体制を強化し、安保・沖縄攻撃、改憲攻撃、民営化と道州制、労組破壊の攻撃を強めてきている。しかし、日帝は今や財政破綻国家であり、その政治支配体制は崩壊的危機にひんしている。戦後革命期以来、最大の革命的情勢が到来したのである。今や一切は、帝国主義のもとで戦争・失業・搾取・収奪・病苦・虐殺の地獄の苦しみに突き落とされるのか、それともプロレタリア革命によって日本帝国主義打倒、日帝国家権力打倒を闘いとり、社会主義への道を切り開くのか――ここにかかっている。この戦争か革命かの帰趨は、すぐれて労働組合・労働運動をめぐる攻防での労働者階級の勝利にかかっている。

 資本家的政治支配、階級支配が解体的動揺に陥る中で、天皇制は帝国主義ブルジョアジーの反革命的結集のシンボルとなる。労働者階級はプロレタリア革命の一環として、天皇制の一切の形態を粉砕し、根こそぎに一掃する。

 (一三)

 日本革命の勝利は、朝鮮半島の南北分断打破・革命的統一をめざす朝鮮プロレタリアートの闘いと連帯し、また中国スターリン主義打倒をめざす中国プロレタリアートの闘いと連帯してかちとられる。そしてこの勝利は、帝国主義の総本山であるアメリカ帝国主義の打倒へ向けたアメリカ労働者階級の歴史的決起と結合して、今日の大恐慌をプロレタリア世界革命の勝利に転化する突破口となる。

 (一四)

 われわれの基本精神は、マルクスとエンゲルスが『共産党宣言』の末尾に記した次の言葉にある。
 「共産主義者は、自分たちの見解と意図を隠すことを軽蔑する。共産主義者は、自分たちの目的が、これまでの一切の社会秩序の暴力的転覆によってしか達成されえないことを、公然と宣言する。支配階級よ、共産主義革命のまえに震えあがるがよい! プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。プロレタリアが獲得すべきは全世界である。万国のプロレタリア、団結せよ!」 2009年 秋

週刊『前進』(2410号5面1)(2009/10/05 )

 革共運動の50年 新たな飛躍

 綱領草案は現代の「共産党宣言」だ

 反帝・反スターリン主義の旗のもと大恐慌をプロレタリア世界革命へ

 

(写真左 1959年11月27日、60年安保改定阻止闘争の突破口を開いた国会デモ。全学連と労働者2万人が国会に突入し構内を埋めた)
(写真右 1967年10月8日、佐藤首相の南ベトナム訪問阻止闘争。滑走路目前の羽田弁天橋上で装甲車を奪い革共同旗が翻った)

 

(写真左 1969年1月、東大安田砦死守戦の先頭に立った中核派。安田講堂のバルコニーから機動隊の攻撃を迎え撃った)
(写真右 1981年3月、動労千葉は成田空港へのジェット燃料貨車輸送の期限延長に抗議、三里塚反対同盟と連帯して5日間のスト)

 1959年9月、本紙『前進』創刊号の巻頭論文で、革共同の創立者であった本多延嘉同志は、「反帝国主義・反スターリン主義の旗のもと、革共同全国委員会に結集せよ」という熱烈な呼びかけを発した。それから50周年を迎えたこの秋、革共同は、第25回拡大全国委員会総会を開催して綱領草案を採択し、革命的共産主義運動の新段階突入を宣言した。この綱領草案を高く掲げ、プロレタリア世界革命へ進撃しよう。

 労働者自己解放の思想

 革共同が25全総で採択した綱領草案は、階級的労働運動をよみがえらせるための全党の同志の白熱的実践がついに闘いとった地平である。それは、革共同の半世紀にわたる苦闘の結晶である。と同時に、何よりも06年の党の革命以来の労働者同志を先頭とした革命的労働者党建設の闘いの決定的前進こそが、綱領草案を生み出すことを可能にした。

 まさに全党の同志が、自らの階級的実践と熱烈な討議をとおして、ここに21世紀のプロレタリア世界革命を闘いとる綱領を共同して創り上げたのだ。

 わが革共同は、この綱領草案を、全世界のプロレタリアートの前に現代の『共産党宣言』として提出する。そして、資本主義社会の全面的な転覆と真の人間的な共同社会=共産主義社会の建設に向かって、世界の労働者階級が団結して総決起する時が来たことを公然と呼びかける。この綱領草案のもとに、革命的共産主義者としての生死をかけた団結を闘いとること、世界単一の革命党の建設を真っ向から提起し、その最先頭で闘うことを宣言する。

 綱領草案は四つの章と14の項目で構成される。その一つひとつが、プロレタリア革命とは何か、労働者階級の根底的解放はどのようにして達成されるか、そのためには何が必要かを、原理的に、かつきわめてシンプルに提起している。

 これらはすべて、マルクス主義の核心問題である。だが19世紀の思想の単なる焼き直しではない。労働者階級の党である革共同が、今日の資本主義・帝国主義に対する動労千葉労働運動を先頭とした必死の闘いをともに担いぬくことをとおしてつかみ直し、発展させてきた到達点である。文字どおり自らの血と汗で闘いとった、「生きたマルクス主義」がここにある。

 綱領草案の意義と内容については、『共産主義者』162号に収録された25全総の第2報告をぜひ参照していただきたい。最大のポイントは、以下の四つの点に集約される。

 第一に、マルクス主義の核心中の核心である労働者階級自己解放の思想を全面的によみがえらせたことである。

 綱領草案は、「労働者階級(プロレタリアート)の解放は、労働者自身の事業である」という言葉で始まっている。資本主義社会を転覆する力は労働者階級自身の中にある。資本の支配のもとで一人ひとりバラバラにされ、互いに分断・対立・競争させられてきた労働者が、階級としてひとつに団結する中に、賃金奴隷の鉄鎖を根底から断ち切る力が生まれてくる。そして労働者階級の解放は同時に、階級社会を最終的に廃止して、あらゆる搾取と差別・抑圧からの全人間の解放を実現する道を開くのだ。ここにプロレタリア革命の本質がある。


 この労働者階級自己解放の思想はしかし、ロシア革命を変質させたスターリン主義のもとで長い間、否定され解体されてきた。逆に、現実の労働者には社会を変える力などないという、労働者階級への蔑視と不信がまかりとおってきた。これを真っ向から打ち破って、労働者階級こそ唯一の革命的階級であることを宣言し、その歴史的使命を明らかにしたのが綱領草案である。

 第二に、「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」を、現代革命の唯一の綱領として全世界の前に再提起したことである。

 革共同はすでに50年前、世界革命の放棄とマルクス主義の歪曲によって帝国主義の延命に手を貸してきたスターリン主義の反革命的本質を見抜き、帝国主義打倒とともにスターリン主義打倒を公然と掲げて出発した。プロレタリア革命は世界革命であることを明確にすると同時に、「労働者国家無条件擁護」を掲げるトロツキー教条主義と闘って、スターリン主義体制打倒の第2革命の必要性をはっきりさせ、反帝・反スタの綱領的立場を確立した。

 今日、旧ソ連・東欧の崩壊に続く、残存スターリン主義・中国や北朝鮮の危機のはてしない深まりは、スターリン主義の歴史的破産を完全に示している。だがそのスターリン主義はまだ完全には打倒されてはいない。むしろ今日の大恐慌下、労働者階級の革命的決起に恐怖し、帝国主義者と一体となってその圧殺に真っ先に動き出しているのが日本共産党などのスターリン主義だ。今こそ反帝国主義・反スターリン主義を徹底的に貫いて、プロレタリア世界革命の実現に突き進もう。

 労働組合の革命的役割

 第三に、プロレタリア革命は暴力革命であり、プロレタリア独裁の樹立こそ革命の核心問題であることを明確にしたことである。

 労働者階級は、自らの解放をかちとるためにはブルジョア国家権力を打倒して、自分自身の政治権力を打ち立てなければならない。それは、議会を通じた政権交代などでは断じてない。蜂起したプロレタリアートは、現在の国家機構を徹底的に粉砕して解体した上に、これまでの国家とはまったく異なる新しい型の国家をプロレタリア独裁権力として打ち立てる。そのもとで、資本家階級の私有財産とされてきた社会的生産手段の一切を労働者階級の手に奪い返し、共産主義社会の建設に向かって全社会を再組織していくのだ。

 今日、連合はもとより日本共産党や社民党も、塩川一派も、資本主義救済に走るあらゆる潮流がこぞってこのことを否定し、革命への敵意をむきだしにしている。革共同は、今やスターリン主義の発生はレーニン主義にあるなどと言い出した塩川一派の転落と敵対を断じて許さない。1871年のパリ・コミューン、1917年のロシア革命が切り開いた道を断固として進む。そしてレーニンとボルシェビキ党が挑戦して最後までやりぬけなかった闘いを、われわれの手で完遂する。

 第四に、プロレタリア革命における労働組合の革命的役割を明確にし、労働組合をめぐる闘いの決定的意義を、マルクス主義の原点に立ち返って明らかにしたことである。

 労働者階級は、プロレタリア革命をやりぬくために自らを独自の党に組織する。党は労働者階級の一部であり、その最高の団結形態であり、最も鍛えぬかれた前衛である。革命は、この党が労働者階級全体を獲得し、全労働者の団結とその一人ひとりの自己解放への爆発的な決起を引き出すことによって勝利する。そのためには、党と労働組合の結合が不可欠である。

 労働組合とは、労働者が団結して資本と闘う武器であり、労働者階級の最も基礎的な団結形態である。労働者は資本の無制限の搾取と日々闘って自分自身と家族の生活を守りぬくために、労働組合を必要とする。だが労働組合は、資本との日常的なゲリラ戦を闘うために必要なだけではない。賃金奴隷制そのものを廃止し、資本の支配を打ち倒すための労働者階級の組織された力として、より決定的な意義をもつ。

 労働組合のこの本来の姿はしかし、帝国主義とスターリン主義の支配のもとで徹底的に否定されてきた。労働組合は労働者の経済要求の改良主義的実現のための組織であり、労働組合と革命運動を結びつけるなどとんでもないという考え方が、逆に労働運動の「常識」として横行してきた。労働組合はもはや労働者が資本と闘う武器でさえなくなり、一握りの労働貴族が資本の手先となって現場労働者を支配する手段にまで変質した。

 この現状を真っ向からぶち破って、闘う労働組合の本来の姿を全世界的によみがえらせる中にこそ、21世紀のプロレタリア世界革命をたぐり寄せる最大の戦略的課題がある。この闘いを、最先頭で切り開いているのが動労千葉労働運動であり、11月労働者集会に結集する全国・全世界の闘う労働者・労働組合なのである。

 今日、世界大恐慌が爆発し、新たな侵略戦争・世界戦争の危機が深まる中で、労働組合と労働運動をめぐって革命と反革命との大激突が闘われ、その成否が革命の成否を決する情勢に入っている。綱領草案は、この問題を綱領的次元でとらえ返し、現代におけるプロレタリア革命の核心問題として位置づけたのである。このことは、革共同がついに到達した歴史的地平である。

 半世紀の闘いの到達点

 25全総の開催と綱領草案採択は、革共同半世紀の闘いの到達点であり、新たな巨大な飛躍への出発点である。

 革共同の創立以来、この50年間をわれわれは、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の旗を高く掲げ、社・共に代わる革命的労働者党の建設をめざして一心不乱に闘いぬいてきた。60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争、大学闘争や三里塚闘争など日本階級闘争の最前線に一貫して立ち続け、闘いを最先頭で牽引(けんいん)してきた。日帝権力による組織絶滅型の大弾圧を獄内外の団結によって断固としてはねのけ、反革命ファシスト集団・カクマルの白色襲撃との20年にわたる血みどろの内戦をも戦いぬいて、完全勝利をかちとってきた。

 こうした様々な試練をくぐりぬける過程で自らの内部に生じた誤りやゆがみも、労働者同志の決起を先頭に、闘いの中でのりこえてきた。そして今日、動労千葉労働運動の不屈の前進と結合し、綱領草案の発表をもって、党建設の新段階に突入したのである。

 われわれは今や、自らの党としての「途上性」に自分自身の手で終止符を打つ。そして本物の革命的労働者党として、プロレタリア世界革命の勝利に責任をとる共産主義者の党として、一点のあいまいさもなく立ち切ることを宣言する。そして職場生産点を始めとしたあらゆる闘いの現場で全責任を引き受けて闘う中でこそ、そこで明らかになる自己の未熟さや弱点と徹底的に対決し、のりこえ、飛躍につぐ飛躍を実現しながら進むのだ。

 日本と世界の労働者、とりわけ青年労働者と学生に訴える! 今こそ革共同の旗のもとに結集し、21世紀革命の実現という前人未到の課題に向かってともに総決起しよう。最後に勝利するのはわれわれだ。ともに闘おう。
(写真 2008年11・2労働者集会の後、都心デモの先頭に立つ動労千葉と韓国民主労総ソウル本部とアメリカILWUローカル10などの労働者)

週刊『前進』(2410号5面2)(2009/10/05 )

 革命的共産主義運動の略年表

 【前史】

1955年7月 日本共産党6全協
1956年3月 ソ連共産党20回大会で「スターリン批判」/10月 ハンガリー革命
1957年1月 革命的共産主義者同盟創立
1958年〜59年 東大、早大など日共大学細胞で、スターリン主義との闘いに次々勝利
1958年夏 第1次分裂。トロツキー教条主義との闘い/12月 共産主義者同盟(ブント)結成

 【革共同全国委員会の歴史】

1959年8月 第2次分裂。トロツキー教条主義と闘い、革共同全国委員会結成/9月 全国委員会機関紙『前進』創刊
1960年4月 マルクス主義学生同盟結成。ブントとともに安保闘争の先頭に立つ
1961年1月 マルクス主義青年労働者同盟結成/3月 ブントの革命的部分が革共同に結集/夏 革共同第1回大会
1962年9月 革共同第3回全国委員会総会(3全総)。戦闘的労働運動の防衛と創造、地区党建設、革命的統一戦線について決定。動労千葉労働運動の原点/年末から翌春 3全総にたじろぎ、黒田と松崎らカクマル派が逃亡
1964年 原子力潜水艦横須賀寄港阻止闘争
1965年 日韓闘争(日韓条約批准阻止闘争)/8月 反戦青年委員会結成
1966年8月 革共同第3回大会
1967年2〜7月 砂川基地拡張反対闘争/10月 10・8羽田闘争。羽田、佐世保、三里塚、王子の「激動の7カ月」 
1968年10月 米軍タンク車輸送阻止の新宿闘争(騒乱罪適用)
1969年1月 東大安田砦攻防戦。68年以降、日大・東大など全国大学闘争が高揚/4月 沖縄闘争(破壊活動防止法扇動罪適用。本多書記長ら逮捕)/10、11月「第1の11月決戦」。「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」を掲げて学生と労働者が武装闘争に決起
1970年6月 安保闘争。革命的左翼が社・共を上回る大衆的な決起/7月 闘う中国人青年からの糾弾を受け「連帯戦略」を形成(7・7自己批判)
1971年2〜9月 三里塚軍事空港粉砕の土地強制収用阻止闘争/11月 沖縄返還協定批准阻止の「第2の11月決戦」(再度の破防法適用)。11・14渋谷暴動闘争で、後に星野文昭同志にデッチあげ殺人罪で無期懲役攻撃(現在獄中35年)/12月 関西でのカクマルの武装襲撃で中核派の2学生虐殺(12・4反革命)。二重対峙・対カクマル戦に突入
1973年9月 革命的報復戦の開始
1975年3月 カクマルによる本多延嘉書記長虐殺(3・14反革命)。3・14報復戦に突入。「先制的内戦戦略」を確立
1977年8月 動労千葉地本がジェット燃料貨車輸送阻止闘争に突入
1979年3月 動労千葉が動労本部から分離独立
1981年 第5回大会。先制的内戦戦略フェーズU(第2段階)に転換。国鉄・三里塚決戦に全面的に突入
1985年10月 三里塚2期着工阻止決戦/11月 国鉄分割・民営化反対で動労千葉がスト突入。中核派が11・29浅草橋戦闘
1986年5月 迎賓館ロケット弾戦闘。権力は革共同壊滅の「5・7宣言」体制発動/10月 「10月の挑戦」と爆取弾圧粉砕の闘い
1989年7月 長谷川英憲氏が都議に当選
1990年 天皇・三里塚決戦
1991年5月 5月テーゼ路線への転換
1994年6月 マルクス主義基本文献学習シリーズの刊行開始
1995年秋 19全総
1997年12月 20全総。清水丈夫議長―天田三紀夫書記長の最高指導体制を公表
1999年11月 闘う労働運動の新しい潮流の形成へ3労組呼びかけの11月労働者集会始まる
2001年 第6回大会。黒田=カクマル完全打倒の勝利宣言
2003年 新指導路線/11月 日韓米の国際連帯闘争始まる/12月 新生マルクス主義青年労働者同盟結成
2006年3月 関西の労働者同志を先頭に「党の革命」に突入
2007年1月 階級的労働運動路線打ち出す/7月 7月テーゼを発表/秋 塩川一派が7月テーゼと階級的労働運動路線に敵対し革共同から逃亡/12月 新生関西党員総会を開催、労働者指導部を軸に新体制確立
2009年7月 サンフランシスコ国際労働者会議/9月 25全総開く
 マル学同1000人、マル青労同1000人建設へ、世界革命勝利へ驀進中!





(私論.私見)