日本共産党旧規約




日本共産党旧規約
1997年9月26日一部改定

目 次

前文 (1)〜(6)
第1章 党員(第1〜13条)
第2章 組織原則と組織構成(第14〜24条)
第3章 中央組織(第25〜38条)
第4章 都道府県組織(第39〜46条)
第5章 地区組織(第47〜52条)
第6章 基礎組織(第53〜56条)
第7章 党外組織の党グループ(第57条)
第8章 被選出公職機関の党組織(第58〜59条)
第9章 資金(第60〜64条)
第10章 規律(第65〜72条)
付則 (第73〜74条)

前 文

 (1)日本共産党は、日本の労働者階級の前衛政党であり、はたらく人びと、人民のいろいろな組織のなかでもっとも先進的な組織である。また、日本の労働者階級の歴史的使命の達成をみちびくことをみずからの責務として自覚している組織である。
 党は、自発的意志にもとづき、自覚的規律でむすばれた共産主義者の、統一された、たたかう組織である。
 党の目的は、日本の労働者階級と人民を搾取と抑圧から解放するために、アメリカ帝国主義と日本独占資本の支配とたたかい、人民の民主主義革命を遂行して独立・民主・平和・中立・生活向上の新しい日本をきずき、さらに社会主義革命をへて日本に社会主義社会を建設し、それをつうじて高度の共産主義社会を実現することにある。
 党は、科学的社会主義を理論的基礎とする。科学的社会主義は、社会発展の法則を解明したものであり、人類の科学的成果を総括してマルクスとエンゲルスがうちたて、レーニンが発展させ、世界史的に正しさが実証されているとともに、革命運動、民主主義運動によって不断に進歩、発展する科学的学説である。しかも、マルクス、エンゲルス、レーニンらの学説を教条とするものではない。マルクス・レーニン主義の呼称をあらためて科学的社会主義と統一した基本はここにある。
 日本共産党は、この理論にもとづいて、日本国民の根本的利益を擁護し日本社会の進歩を促進し、その実践をつうじて科学的社会主義を自主的かつ創造的に発展させる。
 党は、あらゆる理論軽視に反対し、つねに理論と実践をむすびつけ、党の理論的・思想的活動をつよめる。
 党は、つねに科学的社会主義の原則を擁護し、その逸脱、偏向とたたかう。
 党は、「万国の労働者、被抑圧民族団結せよ」の立場および反核・平和、主権擁護の国際連帯の精神をつらぬき、それと真の愛国主義とを統一した自主独立の立場を堅持し、独立、平等、内部問題不干渉、国際連帯の原則にもとづいて、世界の革命運動、世界の労働者階級、被抑圧民族の連帯を発展させるために努力する。世界の革命運動のなかに覇権主義的偏向が存在しわが国の革命運動への干渉とこれに追随する事大主義的思想と行動があるばあいには、それらと断固たたかう。

 (2)きたるべきわが国の革命は、党と労働者階級をはじめとする国民の圧倒的多数がおこなう歴史的事業である。党の任務は、人民の真の利益を擁護し、人民解放のこの事業達成のために先進的役割をはたすことにある。党員は深く人民大衆のなかにはいって活動し、党と人民のむすびつきをひろめ、つよめなくてはならない。
 党は、科学的社会主義の社会発展の理論にみちびかれて情勢を分析し、国民各層の状態と要求、政治的な力関係などを正しく判断して、党の政策や方針をつくりあげる。党はそれを広く普及し、その実現のために国民とともにたたかう。その実践を総括して、党の政策と方針を検証し、発展させる。
 党の活動と指導は、切実な国民多数の利益を尊重し、社会的階級的道義と道理にかない、節度あるものでなくてはならない。
 党は、革命の事業を成功させる保障である党を量、質ともに拡大強化し、大衆的前衛党の建設と、統一戦線の結集、発展のために奮闘する。とくに未来の担い手である青年の役割を重視し、青年・学生のあいだでの活動をつよめる。

 (3)日本共産党の組織原則は、民主集中制(民主主義的中央集権制)である。それは、党員の発意を尊重する党内民主主義と党の総意を結集する中央集権制の統一にもとづく組織原則である。
 民主集中制の基本は、党の政策や方針の決定にあたっては党内で民主的な討論をおこなうとともに、最終的には多数決で決定することにある。実践による検証とは、党員と党組織がこの決定にしたがって実践し、国民にたいして統一した政策と方針を明示して統一した行動によって責任をおうことである。
 党内民主主義の保障は、党員および党組織の積極性と創意性をたかめ、自覚的な規律をつよめるとともに、党内のゆたかな意見と経験を集約し、統一的、集団的指導を実現し、党の指導力をたかめるために欠くことができない。
 しかし、このような党内民主主義が、党の中央集権制と正しく統一されてこそ、党は、団結をつよめ、強力な実践力を発揮することができる。討論は、文書であれ口頭であれ、事実と道理にもとづくべきであり、誹謗、中傷に類するものは党内討議に無縁である。
 決定にたいしては、少数は多数にしたがい、下級は上級にしたがい、積極的にこれを実行しなくてはならない。
 党員は、党内民主主義を無視し党員の創意性をおさえる官僚主義や保守主義とたたかうとともに、党の統一的な活動をそこなう無原則的な自由主義や分散主義とたたかわなくてはならない。
 党の指導原則は、集団的な知恵と経験にもとづく集団指導と個人責任制の結合である。

 (4)民主集中制にもとづき、党員の自覚と厳格な規律による全党の統一と団結こそは、党の生命であり勝利の保障である。したがって、すべての党員は、いかなるばあいにも党の統一をかたくまもらなくてはならない。意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。また党規律をみだし、決定を実行せず、統一をやぶり、派閥をつくり、分派活動をおこなうことは、党を破壊する最悪の行為である。党の政治方針や組織原則をそこなうような行動は許されない。
 党の規約は党活動と党生活の基準であり、すべての党員は規約を尊重し、これを軽視したり、無視したりしてはならない。党員は、全党の利益を個人の利益の上におき、だれでも党の上に個人をおいてはならない。

 (5)党と人民の歴史的事業をなしとげるためには、党は、その活動の成果を正しく評価するとともに、欠陥と誤りを軽視せず批判と自己批判によってそれを克服し、党と人民の教訓としなくてはならない。欠陥と誤りの克服にさいしては、清算主義におちいらないように注意し、また批判は打撃的でなく同志的にたがいに相手をたかめるように、おこなわなくてはならない。政党でも、個人でも、その活動のなかに欠陥と誤りは避けられない。同じ誤りをくりかえしておかさず、重大な誤りをおかさないことが、階級闘争の前進と勝利のため必要である。
 日本共産党員は、科学的社会主義の理論の正しさとその事業の世界史的な前進への大局的な科学的確信、日本共産党の路線と歴史への確信と誇りと自覚をもって、あらゆる困難にうちかって、断固として敵とたたかう戦闘的精神をもたなければならない。敵に屈服し、または敵の陰謀におちいり、あるいは各種の反動的、反共的思想潮流、現代資本主義の生みだすいろいろの退廃的風潮の影響に浸食されて、党と階級の利益を裏切るような行為は、共産党員としての最大の恥辱であり、最大の犯罪である。
 一人ひとりの党員のこの思想的政治的自覚こそ、日本共産党と党員のたたかう力の源泉である。すべての党組織と党機関は、不断に教育・学習を組織するとともに、あらゆる活動において党員の自覚をたかめ、すべての党員の力をひきだすことに、つとめなければならない。また、党組織と党機関は、党員同士がたがいによく知りあい、助けあって、同志愛にみちた党生活をつうじて、社会進歩の事業への貢献に自己の人生をむすびつけようとする党員の初心を生かし、発展させるようにしなければならない。
 党員は、社会の実態をよく知り、その発展法則を学び、社会を変革する展望を身につける。理性と人間性を発揮できる党の発展段階における党員の資質として、学び、党にふさわしい人間として成長することはだれにでも可能である。
 党員は、つねに言行を一致させ、創意をもって、積極的に行動し、誠実に謙虚に、忍耐づよく活動しなくてはならない。

 (6)日本共産党とすべての党員は、日本革命に責任をおう自主独立の党、その一員としての立場を堅持し、党の革命的伝統と戦闘的精神をうけつぎ、つねに日本人民とともにすすみ、日本民族のすぐれた歴史的遺産をうけつぎつつ、独立、民主、平和、中立、生活向上の新しい日本のためにたたかい、かがやかしい社会主義と共産主義の実現にむかって奮闘しなくてはならない。

<目次

第1章 党 員

第1条
 党の綱領と規約を認め、党の一定の組織にくわわって活動し、規定の党費を納めるものは党員となることができる。
第2条
 党員の義務は、つぎのとおりである。
(1) 全力をあげて党の統一をまもり、党の団結をかためる。党に敵対する行為や、派閥をつくり、分派活動をおこなうなどの党を破壊する行為はしてはならない。
(2) 党大会、中央委員会の決定をすみやかに読了し、科学的社会主義の理論と党の諸決定の学習につとめ、自己の理論的、思想的、政治的水準をたかめる。
(3) 日々の「赤旗」をよく読んで党の政策と決定を実行し、党からあたえられた任務をすすんでおこなう。大衆のなかではたらき、大衆の利益をまもって大衆とともにたたかい、党の政策・方針を広く宣伝し、党の機関紙や文献をひろめ、党員をふやす。
(4) 党歴や部署のいかんにかかわらず、党の規約と規律をかたくまもる。たえざる修養によって高い品性を身につける。
(5) 批判と自己批判によって、自己のくわわった党活動の成果とともに欠陥と誤りをあきらかにし、成果をのばし欠陥をなくし、誤りをあらため、党活動の改善と向上につとめる。
(6) 党にたいして誠実であり、事実をかくしたり、ゆがめたりしない。
(7) 敵の陰謀や弾圧にたいし、つねに警戒し、党と人民の利益を傷つけるものとは積極的にたたかう。
(8) 党の内部問題は、党内で解決し、党外にもちだしてはならない。
第3条
 党員の権利は、つぎのとおりである。
(1) 党の会議や機関紙誌で、党の政策・方針にかんする理論上・実践上の問題について、討論することができる。ただし、公開の討論は、中央委員会の承認のもとにおこなう。
(2) 党の政策と活動について提案をおこなうことができ、創意をもって活動する。
(3) 党内で選挙し、選挙される権利がある。
(4) 中央委員会にいたるまでのどの級の指導機関にたいしても質問し、意見をのべ、回答をもとめることができる。
(5) 党の会議で、党のいかなる組織や個人にたいしても批判することができる。
(6) 党の決定に同意できないことがあるばあいには、自分の意見を保留し、また指導機関にたいし、自分の意見を提出することができる。ただしそのばあいも、その決定を無条件に実行しなくてはならない。
(7) 自己にたいして処分の決定がなされるばあいには、その会議に出席することができる。
第4条
 すべての党員は、第2条に定めてある党員の義務を忠実にまもり、第3条に定めてある党員の権利をおかしてはならない。これらの義務をまもらず、また権利を尊重しないものは批判され、教育される。
第5条
 一八歳になった日本国民は、党員になることができる。入党を希望する者は、党員2名の推薦をうけて入党を申し込む。
 入党の許可は、個別におこない、原則として基礎組織(支部と呼称する)で審議したうえで決定し、地区委員会の承認をうける。
 特殊な事情のもとでは、地区委員会以上の指導機関は、直接入党を許可することができる。
第6条
 他の政党の党員は、原則として同時に日本共産党員であることができない。
 他党の党員であった者を入党させるばあいには、その普通党員であった者は、党員二名(そのうち一名は三年以上の党歴をもつ党員)の推薦をうけ、都道府県委員会の承認をうける。その幹部党員であった者は、党員二名(そのうち一名は五年以上の党歴をもつ党員)の推薦をうけ、中央委員会の承認をうける。
第7条
 党員が入党希望者を推薦するばあいには、入党希望者の党員としての資格および経歴について党組織に説明し、推薦に責任をもたなくてはならない。また推薦人は、入党希望者にたいし、党員としての自覚と決意をかためさせなくてはならない。
 党組織は、これにたいし、すみやかに適切な指導をあたえなくてはならない。
第8条
 党組織は、新入党者にたいし、すみやかに、党の綱領、規約についての教育など、党員としての自覚と確信をもって活動するのに必要な教育をおこなう。
第9条
 いちじるしく反社会的、反階級的で、党の純潔をけがす者は入党させることができない。
第10条
 党員がはたらく場所または住所をかえるときは、所属する基礎組織にすみやかに転籍の手続きをしなくてはならない。各級機関の転籍の処理は、中央委員会の別に定める規定により、すみやかにおこなわなければならない。
第11条
 党員は離党することができる。党員が離党したいときは、基礎組織または党の機関に、その事情をのべ承認をもとめる。基礎組織または党の機関は、その事情を検討し、会議にかけ、離党を認め、一級上の指導機関に報告する。ただし、反党活動など党規
律違反行為をおこなっているばあいは、そのかぎりではない。
 党組織の努力にもかかわらず、一年以上党生活にくわわらず、かつ一年以上党費を納めない者は、党会議(総会)をひらくさい、その成立の基礎となる党員数からのぞくことができる。
 その後も党組織が努力をつくしたにもかかわらず、本人が党員として活動する意思がないばあいは、本人と協議したうえで、離党の手続きをとることができる。本人との協議は、党組織の努力にもかかわらず不可能なばあいにかぎり、おこなわなくてもよい。
第12条
 党の綱領あるいは規約を否定するにいたって第1条に定める党員の資格を明白に喪失したと党組織が認めた党員、いちじるしく反社会的な行為によって第9条の定める党員資格欠格者となったと党組織が認めた党員は、除籍することができる。
 党員の除籍は、事実にもとづいて慎重におこなわなくてはならない。そのさい、可能ならば事実確認のため本人と協議する。除籍は、その党員の所属する基礎組織の党会議、総会で決定する。特殊な事情のもとでは、地区以上の指導機関は、党員の除籍を決定することができる。除籍は、一級上の指導機関の承認をうける。承認した指導機関は、中央委員会に報告する。除籍を決定した基礎組織は、指導機関の承認をえたのち、本人に除籍を通知する。
第13条
 離党した者、および除籍された者が再入党を希望するときは、第5条の規定にしたがう。ただし推薦人のうち一名は、離党または除籍後の活動を知っている党員であることを必要とし、二級上の指導機関が決定する。
 除名された者の再入党は、中央委員会が決定する。

<目次

第2章 組織原則と組織構成

第14条
 党の組織原則は、民主集中制である。その内容はつぎのとおりである。
(1) 党の各級指導機関は、選挙によってつくられる。
(2) 党の指導機関は、それを選出した党組織にたいして、その活動を定期的に報告する。
(3) 党の指導機関は、つねに下級組織と党員の意見や創意をくみあげ、その経験を研究、集約し、提起している問題をすみやかに処理する。
(4) 党の下級組織は、その上級の指導機関にたいし、その活動を定期的に報告するとともに、その意見を上級機関に反映する。
(5) 党の決定は、無条件に実行しなくてはならない。個人は組織に、少数は多数に、下級は上級に、全国の党組織は、党大会と中央委員会にしたがわなくてはならない。
(6) 党の指導原則は、集団指導と個人責任制の結合である。重要な問題は、すべて集団で決定し、個人が分担した任務については、創意を発揮し、責任をはたす。
第15条
 党組織は、地域と生産(経営)にもとづいて組織するのが原則である。
第16条
 党組織の階級構成は、労働者の比重を不断にたかめなくてはならない。指導機関の構成もまた同じである。
第17条
 全国組織の最高機関は、党大会であり、党大会から党大会までの指導機関は、中央委員会である。
 都道府県組織の最高機関は、都道府県党会議であり、党会議から党会議までの指導機関は、都道府県委員会である。
 地区組織の最高機関は、地区党会議であり、党会議から党会議までの指導機関は、地区委員会である。
 基礎組織の最高機関は、基礎組織の党会議または総会であり、党会議(総会)から党会議(総会)までの指導機関は、基礎組織の委員会(支部委員会)または基礎組織の長(支部長、副支部長)である。
第18条
 新しく基礎組織および地区組織をつくったり、地区組織の管轄をかえたりするばあいは、上級の指導機関に申請し、その許可をうけなくてはならない。
 都道府県委員会は、中央委員会の承認にもとづき、いくつかの地区にわたる広い地域(大都市など)に、それらの地区委員会によって選出された補助指導機関(―――市委員会など)をおくことができる。
 また、都道府県委員会および地区委員会は、上級の指導機関の承認にもとづき、いくつかの基礎組織がある経営などや、地域(区、市、町、村など)に、それらの基礎組織の指導機関によって選出された補助指導機関(―――委員会、―――区、市、町、村委員会など)をおくことができる。
 これらの補助指導機関の任務と活動は、対応する自治体活動についての指導、その地域(経営)の党組織が共同しておこなう活動の指導と調整などであり、地区委員会および都道府県委員会にかわることはできない。基礎組織にたいする指導責任は地区委員会がおう 。
 特殊な事情のもとでは、中央委員会は、これらの補助指導機関を地区委員会または都道府県委員会に準ずるものとすることができる。
第19条
 党の各級指導機関は、党大会と各級党会議で選出される。選挙は選挙人の意志が十分表明されるようにしなくてはならない。
 選挙人は自由に候補者を推薦することができる。党の各級指導機関は、次期委員会を構成する候補者を推薦する。候補者は政治的品性、能力、経歴について選挙人によって十分審議されなくてはならない。
 選挙は無記名投票による。表決は、候補者名簿一人一人についておこない、名簿全体について一括して表決してはならない。
第20条
 国際的な性質および全国的な範囲で決定すべき問題は、中央機関で統一的に処理する。地方的な性質および地方的に決定すべき問題は、その地方の実情に応じて、都道府県機関と地区機関で自主的に処理する。
 下級組織の決定は、上級機関の決定とくいちがってはならない。
第21条
 党の政策と指導を正しくするためには、党員と党組織は、その意見を上級機関に反映しなくてはならない。また党の上級機関が、決定をおこなうときには、これらの意見を積極的にくみあげなくてはならない。
 党の政策・方針について、下級組織は、党の組織内で討論をおこない、その上級機関に自分の意見を提出することができる。
ただし、上級機関が決定したのちは、それにしたがい、実行しなくてはならない。
 もし、上級機関の決定が、下級組織の実情にあわないと認めたばあいには、下級組織は上級機関にその決定の変更をもとめることができる。ただし、上級機関がなおその決定の実行をもとめたばあいには、下級組織は無条件にこれを実行しなくてはならない。
 全党の行動を統一するには、国際的・全国的性質の問題について、中央機関の意見に反して、下級組織とその構成員は、勝手にその意見を発表したり、決議してはならない。
第22条
 党の基本的な問題について、全党討議を特別に組織するのはつぎのばあいである。
(1) 三分の一以上の都道府県組織によって、その必要が認められたばあい。
(2) 中央委員会の内部に確信をもつ多数が存在しないばあい。
(3) 中央委員会の内部に、一定の見地にたつ強固な多数があっても、中央委員会がその政策の正しさを全党的に検討する必要を認めたばあい。
 この全党討議は、中央委員会の指導のもとにおこなう。
第23条
 党の各級指導機関は、重要な決定をするにあたって下級組織の意見をきき、また決定を正しく党内に理解させ、あるいは党活動の経験を交流、総括するために、活動者会議をひらくことができる。
 この活動者会議は、問題の性質にしたがい、特定分野の活動者会議とすることができる。
第24条
 党の各級指導機関は、必要な専門部や専門委員会その他の機構をつくることができる。

<目次

第3章 中央組織

第25条
 党大会は、中央委員会によって招集され、二年または三年のあいだに一回ひらかれる。特殊な事情のもとでは、中央委員会の決定によって、党大会の招集を延期することができる。党大会は、中央委員、准中央委員および代議員によって構成される。中央委員会は、党大会の招集日と議題をおそくとも三カ月前に全党に知らせる。
 中央委員会が必要と認めて決議したばあいと、党員総数の三分の一、または都道府県組織の三分の一が、その開催を要求したばあいには、三カ月以内に臨時大会をひらく。
 党大会は、全党の意志が代表されるようにしなくてはならない。党大会は、代議員の過半数の出席によって成立する。
 党大会の代議員選出の方法と比率は、中央委員会が決定する。
 代議員に選ばれていない中央委員、准中央委員は評議権はもつが、決議権をもたない。
第26条
 党大会は、つぎのことをおこなう。
(1) 中央委員会の報告を審議し、その当否を確認する。
(2) 党の方針と政策を決定する。
(3) 党の綱領、規約をかえることができる。
(4) 中央委員会を選出する。中央委員、准中央委員は、八年以上の党歴が必要である。
第27条
 中央委員会は、党大会からつぎの党大会までのあいだ、党大会の決議を実行し、党の全活動を指導する。
第28条
 中央委員会は、前条の規定にもとづき、主としてつぎのことをおこなう。
(1) 対外的に党を代表する。
(2) 党の方針と政策を、全党の実践によってたしかめ、さらに正しく発展させる。
(3) 必要に応じて、中央の党機構をつくる。
(4) 下級組織を点検し、指導するため、中央委員会の代表および組織者を派遣する。
(5) 党の理論活動を強化し、科学的社会主義の理論と党の諸決定の学習を指導する。
(6) 幹部を系統的に調査・教育・管理し、全党的立場で正しく配置する。中央委員会の必要に応じて、下級組織の委員として選出された者を移動配置することができる。
(7) 党組織を防衛するために必要な措置をとることができる。
(8) 党の財政活動の処理と指導にあたる。
第29条
 中央委員会総会は、一年に二回以上ひらく。中央委員の三分の一以上の要求があったときは中央委員会総会をひらかなくてはならない。准中央委員は、評議権をもって中央委員会総会に出席する。
第30条
 中央委員に欠員ができたときには、中央委員会は、准中央委員のなかから補うことができる。
 特殊な事情のもとでは、中央委員会は、准中央委員を中央委員とすることができる。また、やむをえない理由で任務をつづけられない者は、本人の同意をえて、中央委員会の三分の二以上の多数決で解任することができる。そのばあい、つぎの党大会に報告し承認をうける。
第31条
 中央委員会は、中央委員会幹部会と幹部会委員長一名、幹部会副委員長若干名、書記局長一名を選出する。また、中央委員会議長、同副議長各一名および准幹部会委員を選出することができる。
第32条
 中央委員会幹部会は、中央委員会総会からつぎの中央委員会総会までのあいだ中央委員会の職務をおこなう。
 幹部会は常任幹部会を選出する。幹部会は、常任幹部会に准常任幹部会委員をくわえることができる。
 幹部会は、その指導のもとに中央の日常活動を持続的に処理するため、書記局員を任命し、書記局長を責任者とする書記局を設ける。幹部会は、中央機関紙の編集委員を任命する。
第33条
 中央委員会は、訴願委員を任命し、訴願委員会を設け、党機関の指導その他党活動にかかわる具体的措置にたいする党内外の人からの訴え、要望などのすみやかな解決を促進する。
第34条
 中央委員会は、統制委員を任命し、統制委員会を設け、つぎのことを処理する。
(1) 党員と党機関が規約と規律をまもっているか、いないかを点検し、その違反事件について責任を問い、党の規律をつよめる。
(2) 除名その他の処分についての各級党組織の決定にたいする党員の訴えを審査する。
 各級の党組織は、規律の違反とその処分について、つねに中央委員会に報告しなくてはならない。
第35条
 中央委員会は、監査委員を任命し、監査委員会を設ける。監査委員会は、中央機関の会計とそのいとなむ事業と財産を監査する。また必要に応じて地方党機関の会計の監査をすることができる。その監査については別に規定を設ける。
第36条
 中央委員会は、名誉役員や顧問をおくことができる。中央委員会が、名誉役員や顧問をおくときは、大会に報告し承認をうける。
第37条
 中央委員会は、党大会からつぎの党大会までの期間、全国的規模の重要問題について、全国の党組織にはかって決定する必要を認めたばあいおよび党大会決定の遂行と具体化にかんして全国の党組織に徹底する必要があるばあい、全国協議会をひらくことができる。
 全国協議会の決定は、中央委員会の承認をえて、全党にとって義務的なものとなる。
 全国協議会は、中央委員、准中央委員と、都道府県組織および中央直属組織の代表によって構成される。
 都道府県組織および中央直属組織の代表の選出方法は、中央委員会が決定する。
第38条
 中央委員会は、その指導をつよめるために、地方に中央委員会の代表機関をおくことができる。
 中央委員会は、中央機関の方針をその地方に正しく具体化するために、また闘争の統一をはかり、経験を交流するために、数個の都道府県組織によって協議会をひらくことができる。

<目次

第4章 都道府県組織

第39条
 都道府県党会議は、都道府県委員会によって招集され、一年に一回ひらかれる。特殊な事情のもとでは、都道府県委員会は、中央委員会の承認をえて、招集を延期することができる。都道府県党会議は都道府県委員、准都道府県委員および代議員によって構成される。都道府県委員会が必要と認めて決議したばあいと、党員総数の三分の一の要求があったばあいには、臨時党会議をひらく。
 都道府県党会議は、代議員の過半数の出席によって成立する。
 都道府県党会議の代議員の選出方法と比率は、都道府県委員会が決定する。
 代議員に選ばれていない都道府県委員、准都道府県委員は評議権をもつが、決議権をもたない。
第40条
 都道府県党会議は、つぎのことをおこなう。
(1) 都道府県委員会の報告を審議し、その当否を確認する。
(2) 党大会と中央委員会の方針と政策を、その地方に具体化し、都道府県の方針と政策を決定する。
(3) 都道府県委員会を選出する。委員会に准都道府県委員をおくことができる。都道府県委員、准都道府県委員は、六年以上の党歴が必要である。
(4) 党大会の代議員を選出する。
第41条
 都道府県委員に欠員ができたときには、都道府県委員会は、准都道府県委員のなかから補うことができる。
 特殊な事情のもとでは、都道府県委員会は、准都道府県委員を都道府県委員とすることができる。また、やむをえない理由で
任務をつづけられない者は、本人の同意をえて、都道府県委員会の三分の二以上の多数決で解任することができる。そのばあ
い、つぎの都道府県党会議に報告し承認をうける。
第42条
 都道府県委員会は、その都道府県で党を代表し、中央機関の決定をその地方に具体化し、都道府県党会議の決定を実行し、都道府県の党活動を指導する。
 都道府県委員会は、不断に学習(独習と集団学習)して、理論的、政治的指導の水準の向上につとめる。
第43条
 都道府県委員会は、委員長と常任委員会を選出する。また必要なばあいは、副委員長および書記長をおくことができる。常任委員会は、都道府県委員会総会からつぎの総会までのあいだ、都道府県委員会の職務をおこなう。
 都道府県委員、准都道府県委員および委員長(副委員長、書記長)は、選出されたのち中央委員会の承認をうける。
 都道府県委員会は、その会計と事業、財産を監査するために監査委員会を設けることができる。
第44条
 都道府県委員会は、その指導をつよめ、数地区の共同闘争を組織し、また相互の経験を交流するため、地区協議会をひらくことができる。
第45条
 都道府県委員会は、名誉役員や顧問をおくことができる。都道府県委員会が、名誉役員や顧問をおくときは、都道府県党会議に報告し承認をうける。
第46条
 都道府県委員会は、都道府県党会議からつぎの党会議までの期間、都道府県規模の重要問題について、都道府県党組織にはかって決定する必要を認めたばあいおよび都道府県党会議の決定の遂行と具体化にかんして、都道府県党組織に徹底する必要があるばあい、都道府県協議会をひらくことができる。
 都道府県協議会の決定は、都道府県委員会の承認をえて、都道府県党組織にとって義務的なものとなる。
 都道府県協議会は、都道府県委員、准都道府県委員と、地区党組織および都道府県直属組織の代表によって構成される。
 地区党組織および都道府県直属組織の代表の選出方法は、都道府県委員会が決定する。

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第5章 地区組織

第47条
 地区党会議は、地区委員会によって招集され、一年に一回ひらかれる。特殊な事情のもとでは、地区委員会は、都道府県委員会および中央委員会の承認をえて、招集を延期することができる。地区党会議は、地区委員、准地区委員および代議員によって構成される。地区委員会が必要と認めて決議したばあいと、党員総数の三分の一の要求があったばあいには、臨時党会議をひらく。
 地区党会議は代議員の過半数の出席によって成立する。
 地区党会議の代議員の選出方法と比率は、地区委員会が決定する。
 代議員に選ばれていない地区委員、准地区委員は評議権をもつが、決議権をもたない。
第48条
 地区党会議は、つぎのことをおこなう。
(1) 地区委員会の報告を審議し、その当否を確認する。
(2) 上級機関の方針と政策を、その地区に具体化し、地区の方針と政策を決定する。
(3) 地区委員会を選出する。委員会に准地区委員をおくことができる。地区委員、准地区委員は、四年以上の党歴が必要である。
(4) 都道府県党会議の代議員を選出する。
第49条
 地区委員に欠員ができたときには、地区委員会は、准地区委員のなかから補うことができる。
 特殊な事情のもとでは、地区委員会は、准地区委員を地区委員とすることができる。また、やむをえない理由で任務をつづけられない者は、本人の同意をえて、地区委員会の三分の二以上の多数決で解任することができる。そのばあい、つぎの地区党会議に報告し承認をうける。
第50条
 地区委員会は、その地区において党を代表し、上級機関の決定をその地区に具体化し、地区党会議の決定を実行し、地区の党活動を指導する。
 地区委員会は、基礎組織の指導に直接責任をもつ。基礎組織と党員の実情を日常的に掌握し、基礎組織が真のヒューマニズムと同志愛にみちた党生活を確立し、党員の自覚的結集をつよめるよう指導する。
 地区委員会は、不断に学習(独習と集団学習)して、理論的、政治的指導の水準の向上につとめる。
第51条
 地区委員会は、委員長と常任委員会を選出する。また必要なばあいは、副委員長をおくことができる。常任委員会は、地区委
員会総会からつぎの総会までのあいだ、地区委員会の職務をおこなう。
 地区委員、准地区委員および委員長(副委員長)は、選出されたのち都道府県委員会の承認をうける。
第52条
 地区委員会は、その指導をつよめ、数基礎組織の共同闘争を組織し、またたがいに経験の交流をはかるため、基礎組織の協議会をひらくことができる。ただし、これを地区委員会の任務を補助する恒常的な指導機関としてはならない。

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第6章 基礎組織

第53条
 経営(職場)、地域、学園などに、三人以上の党員がいるところでは、基礎組織(支部)をつくる。
 党員が三人にみたないときは付近の基礎組織にはいるか、または基礎組織準備会(支部準備会)をつくる。
第54条
 基礎組織(支部)は、基礎組織の委員会(支部委員会)を選出する。基礎組織の委員会は、基礎組織の長(支部長、副支部長)を選出する。ただし、党員数のいちじるしく少ない基礎組織は、基礎組織の長(支部長、副支部長)のみを選出し、指導機関とすることができる。
 基礎組織には、班を設けることができる。班には班委員会、班長をおく。とくに党員の多い経営、地域、学園などでは、党活動をつよめるため、地区委員会の承認をうけ、いくつかの基礎組織をつくることができる。
 基礎組織の長、基礎組織の委員会は、選出されたのち地区委員会または上級の指導機関の承認をうける。
第55条
 基礎組織の党会議または総会は、すくなくとも六カ月に一回ひらく。基礎組織の党会議は代議員の過半数、また総会は党員総
数の過半数の出席で成立する。基礎組織の党会議または総会は、つぎのことをおこなう。
(1) 活動の総括をおこない、上級機関の決定を具体化し、活動方針をきめる。
(2) 基礎組織の委員会または基礎組織の長を選出する。
(3) 地区党会議の代議員を選出する。
第56条
 基礎組織の任務は、つぎのとおりである。
(1) 基礎組織はつねにかたく団結し、基礎組織の会議(支部会議、班会議)を原則として週一回定期的にひらかなくてはならない。
(2) 第一義的課題として、党大会と中央委員会決定の全党員の読了と討議にとりくむ。また、中央委員会が特別に指定した文献の読了にはげむ。科学的社会主義の理論と党の綱領路線、歴史および政策・方針の学習を組織し、党員の理論的、思想的、政治的水準をたかめる。
(3) 支部や党員の周囲の人びとの気分、意識、要求を正しく理解し、これを上級機関に報告するとともに、大衆の利益をまもってたたかう。党の政策・方針を国民のなかで宣伝し、国民とむすびつき、国民とともにその実現につとめる。
(4) 目標と計画をもって活動し、機関紙と党の文献の普及につとめ、新しい党員をふやす。
(5) 連絡・連帯網を確立し、党費をあつめ、党員の実情を日常的に掌握し、党員同士の緊密なむすびつきで、相互援助、相互啓発の同志愛にみちた党生活を確立し、党員が党の規律をまもるようにつとめる。
(6) 活動のなかで批判と自己分析をつよめ、自己のくわわった活動をふくめ欠陥と誤りをあきらかにし、これをとりのぞくようにつとめる。
(7) 経営の基礎組織に所属する党員は、居住地域でも活動する義務をおう。必要なばあいは、転籍し、居住地で活動する。

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第7章 党外組織の党グループ

第57条
 原則として党外組織の被選出機関に、三人以上の党員がいるばあいには、党グループを組織し、責任者を選出する。党グループと責任者は、そのグループに対応する指導機関の承認をうける。
(1) 党グループは、大衆団体のなかで、その規約を尊重しながら大衆の利益をまもって活動し、党の政治的影響をつよめる。
(2) 党グループは、対応する指導機関の指導にしたがう。
(3) 党外組織の機関に常駐する党グループは、基礎組織に準じて日常の党生活をおこなう。

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第8章 被選出公職機関の党組織

第58条
 国会に選挙された党の議員は、国会議員団を組織する。
 国会議員団は、中央委員会の指導のもとに、必要な指導機構を設け、国会において党の方針、政策にもとづいて活動する。その主なものは、つぎのとおりである。
(1) 国民の自由と利益をまもるために、国会において党を代表してたたかい、国政の討論、予算の審議、法案の作成、そのほかの活動をおこなう。
(2) 国会外における国民の闘争と結合し、その要求の実現につとめる。
(3) 国民にたいして、国会における党の活動を報告する。
 党の議員は、規律に反し、また人民の利益をいちじるしく害して責任を問われたばあいは、決定にしたがって、議員をやめなければならない。
第59条
 各級地方自治体の議会に選挙された党の議員は、党議員団を組織する。党議員および党議員団は、各級指導機関の指導のもとに、必要な指導機構を設け、活動する。
 党の地方議員および地方議員団は、第58条の国会議員団の活動に準じて、地方住民の利益と福祉のために活動する。
 都道府県委員会および地区委員会は、地方議員および地方議員団を責任をもって指導する。

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第9章 資 金

第60条
 党の資金は、党費、党の事業収入および党への個人の寄付などによってまかなう。
第61条
 党費は、実収入の一パーセントとする。
 党費は、月別、または一定期間分の前納で納入する。
 失業している党員、老齢または病気によって扶養をうけている党員および生活保護をうけている党員などいちじるしく生活の困窮している党員の党費は、免除する。その他の生活困難な党員の党費は、軽減することができる。
第62条
 入党する者は、入党にさいし、入党費を納める。入党費の額は中央委員会で決定する。
第63条
 党費の納入方法と各級指導機関への配分率は、中央委員会がきめる。
第64条
 中央委員会、都道府県委員会、地区委員会は、それぞれの資金と資産を管理する。

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第10章 規 律

第65条
 すべての党員は、党の規律をかたくまもらなくてはならない。第2条の党員の義務をおこたり、党の統一を破壊し、決定にそむき、党をあざむき、また第3条の党員の権利をおかして、いちじるしく党と人民の利益に反する者は、規律違反として処分される。
 規律違反について、調査審議中の者は、第3条の党員の権利を必要な範囲で制限することができる。ただし、六カ月をこえてはならない。
第66条
 規律違反の処分は、事実にもとづいて慎重におこなわなくてはならない。
 処分は、訓戒、警告、機関活動の停止、機関からの罷免、権利(部分または全面)停止、除名にわける。
 機関活動の停止、権利停止の期間は、一年をこえてはならない。権利停止は、機関からの罷免をともなうことができる。
第67条
 党員にたいする処分は、その党員の所属する基礎組織の党会議、総会の決定によるとともに、一級上の指導機関の承認をえて確定される。
 特殊な事情のもとでは、地区以上の各級指導機関は、党員を処分することができる。ただし、このばあい、都道府県委員会、地区委員会のおこなった処分は、一級上の指導機関の承認をえて確定される。
第68条
 都道府県、地区委員会の委員、准委員にたいする機関からの罷免、権利停止、除名は、その本人を選出した党会議で決定する。党会議が緊急にひらけないばあい、および特殊な事情のもとでは、その委員会の三分の二以上の多数決によって決定し、一級上の指導機関の承認をうけなくてはならない。この処分は、つぎの党会議で承認をうけなくてはならない。
 党組織の防衛のため、緊急にしてやむをえないばあいには、中央委員会は、規律違反をおこなった下級組織の委員、准委員を処分することができる。
第69条
 中央委員会の委員、准委員の機関からの罷免、権利停止、除名は、党大会で決定しなくてはならない。党大会が緊急にひらけないばあい、および特殊な事情のもとでは、中央委員会の三分の二以上の多数決によって決定し、つぎの党大会で承認をうけなくてはならない。
第70条
 下級組織は、上級の指導機関の委員、准委員にたいし、処分を決議することができない。二つの機関の委員、准委員を兼ねている者の処分は、上級の指導機関がきめたのち下級組織がきめる。
第71条
 除名は、党の最高の処分であるから、もっとも慎重におこなわなくてはならない。党員の除名を決定し、または承認するばあいには、関係資料を公平に調査し、本人の訴えをききとらなくてはならない。
第72条
 党員にたいする処分を審査し、決定するときは、特殊のばあいをのぞいて、所属組織は処分をうける者に十分弁明の機会をあたえる。処分が確定されたならば、処分の理由を、処分された者に通知しなくてはならない。
 処分をうけた党員は、その処分に不服であるならば、再審査をもとめることができる。また、中央委員会および党大会にいたるまでの上級機関に訴えることができる。被除名者は、その処分に不服であるならば、中央委員会および党大会に、再審査をもとめることができる。
 再審査申請および上級機関への訴えは、原則としてつぎの党大会までの期間におこなうものとする。
 各級の党機関は、いかなる党員の訴えも、責任をもってすみやかに処理しなくてはならない。

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付  則

第73条
 中央委員会は、この規約にきめられていない問題については、規約の精神にもとづいて、処理することができる。
第74条
 綱領、規約の改正は、党大会によってのみおこなわれる。

 この規約は1997年9月26日から効力をもつ。



【新規約】

第一章 日本共産党の名称、性格、組織原則

 第一条
 党の名称は、日本共産党とする。

 第二条
 日本共産党は、日本の労働者階級の党であると同時に、日本国民の党であり、民主主義、独立、平和、国民生活の向上、そして日本の進歩的未来のために努力しようとするすべての人びとにその門戸を開いている。
 党は、創立以来の「国民が主人公」の信条に立ち、つねに国民の切実な利益の実現と社会進歩の促進のためにたたかい、日本社会のなかで不屈の先進的な役割をはたすことを、自らの責務として自覚している。終局の目標として、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会の実現をめざす。
 党は、科学的社会主義を理論的な基礎とする。

 第三条
 党は、党員の自発的な意思によって結ばれた自由な結社であり、民主集中制を組織の原則とする。その基本は、つぎのとお
りである。
 (一) 党の意思決定は、民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決める。
 (二) 決定されたことは、みんなでその実行にあたる。行動の統一は、国民にたいする公党としての責任である。
 (三) すべての指導機関は、選挙によってつくられる。
 (四) 党内に派閥・分派はつくらない。
 (五) 意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。 

第二章 党  員

 第四条
 十八歳以上の日本国民で、党の綱領と規約を認める者は党員となることができる。党員は、党の組織にくわわって活動し、規定の党費を納める。

 第五条
 党員の権利と義務は、つぎのとおりである。
 (一) 市民道徳と社会的道義をまもり、社会にたいする責任をはたす。
 (二) 党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為はおこなわない。
 (三) 党内で選挙し、選挙される権利がある。
 (四) 党の会議で、党の政策、方針について討論し、提案することができる。
 (五) 党の諸決定を自覚的に実行する。決定に同意できない場合は、自分の意見を保留することができる。その場合も、その決定を実行する。党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない。
 (六) 党の会議で、党のいかなる組織や個人にたいしても批判することができる。また、中央委員会にいたるどの指導機関にたいしても、質問し、意見をのべ、回答をもとめることができる。
 (七) 党大会、中央委員会の決定をすみやかに読了し、党の綱領路線と科学的社会主義の理論の学習につとめる。
 (八) 党の内部問題は、党内で解決する。
 (九) 党歴や部署のいかんにかかわらず、党の規約をまもる。
 (十) 自分にたいして処分の決定がなされる場合には、その会議に出席し、意見をのべることができる。

 第六条
 入党を希望する者は、党員二名の推薦をうけ、入党費をそえて申し込む。
 いちじるしく反社会的で、党への信頼をそこなう者は入党させることができない。
 入党の許可は、個別におこない、支部で審議したうえで決定し、地区委員会の承認をうける。
 地区委員会以上の指導機関も、直接入党を許可することができる。

 第七条
 他の政党の党員は、同時に日本共産党員であることができない。
 他党の党員であった経歴をもつ者を入党させる場合には、都道府県委員会または中央委員会の承認を受ける。

 第八条
 党組織は、新入党者にたいし、その成長を願う立場から、綱領、規約など、日本共産党の一員として活動するうえで必要な基礎知識を身につけるための教育を、最優先でおこなう。

 第九条
 転勤・転職・退職・転居などによって所属組織の変更が必要となる場合、党員と党組織はすみやかに転籍の手続きをおこなう。

 第十条
 党員は離党できる。党員が離党するときは、支部または党の機関に、その事情をのべ承認をもとめる。支部または党の機関は、その事情を検討し、会議にはかり、離党を認め、一級上の指導機関に報告する。ただし、党規律違反行為をおこなっている場合は、規律違反行為にたいする処分の決定が先行する。
 一年以上党生活にくわわらず、かつ一年以上党費を納めない党員で、その後も党組織が努力をつくしたにもかかわらず、党員として活動する意思がない場合は、本人と協議したうえで、離党の手続きをとることができる。本人との協議は、党組織の努力にもかかわらず不可能な場合にかぎり、おこなわなくてもよい。

 第十一条
 党組織は、第四条に定める党員の資格を明白に失った党員、あるいはいちじるしく反社会的な行為によって、党への信頼をそこなった党員は、慎重に調査、審査のうえ、除籍することができる。除籍にあたっては、本人と協議する。党組織の努力にもかかわらず協議が不可能な場合は、おこなわなくてもよい。除籍は、一級上の指導機関の承認をうける。
 除籍された者が再入党を希望するときは、支部・地区で審議し、都道府県委員会が決定する。
 

第三章 組織と運営

 第十二条
 党は、職場、地域、学園につくられる支部を基礎とし、基本的には、支部――地区――都道府県――中央という形で組織される。

 第十三条
 党のすべての指導機関は、党大会、それぞれの党会議および支部総会で選挙によって選出される。中央、都道府県および地区の役員に選挙される場合は、二年以上の党歴が必要である。
 選挙人は自由に候補者を推薦することができる。指導機関は、次期委員会を構成する候補者を推薦する。選挙人は、候補者の政治的品性、能力、経歴について審査する。
 選挙は無記名投票による。表決は、候補者一人ひとりについておこなう。

 第十四条
 党大会、および都道府県・地区・支部の党会議は代議員の過半数(支部総会は党員総数の過半数)の出席によって成立する。中央委員会、都道府県委員会、地区委員会の総会も、過半数の出席によって成立する。

 第十五条
 党の指導機関は決定をおこなうときは、党組織と党員の意見をよくきき、その経験を集約、研究する。出された意見や提起されている問題、党員からの訴えなどは、すみやかに処理する。党員と党組織は、党の政策・方針について党内で討論し、意見を指導機関に反映する。

 第十六条
 党組織には、上級の党機関の決定を実行する責任がある。その決定が実情にあわないと認めた場合には、上級の機関にたいして、決定の変更をもとめることができる。上級の機関がさらにその決定の実行をもとめたときには、意見を保留して、その実行にあたる。

 第十七条
 全党の行動の統一をはかるために、国際的・全国的な性質の問題については、個々の党組織と党員は、党の全国方針に反する意見を、勝手に発表することをしない。
 地方的な性質の問題については、その地方の実情に応じて、都道府県機関と地区機関で自治的に処理する。

 第十八条
 新しく支部および地区組織をつくったり、地区組織の管轄をかえたりする場合は、一級上の指導機関に申請し、その承認をうける。
 都道府県委員会は、必要に応じて、大都市など、いくつかの地区にわたる広い地域での活動を推進するために、補助指導機関をもうけることができる。
 また、地区委員会および都道府県委員会は、経営や地域(区・市・町村)、学園にいくつかの支部がある場合、必要に応じて、補助的な指導機関をもうけることができる。
 補助指導機関を設置するさいには、一級上の指導機関の承認を必要とし、構成は、対応する諸地区委員会および諸支部からの選出による。
 補助指導機関の任務と活動は、自治体活動やその地域・経営・学園での共同の任務に対応することにあり、地区委員会や都道府県委員会にかわって基本指導をになうことではない。

 

第四章 中央組織

 第十九条
 党の最高機関は、党大会である。党大会は、中央委員会によって招集され、二年または三年のあいだに一回ひらく。特別な事情のもとでは、中央委員会の決定によって、党大会の招集を延期することができる。中央委員会は、党大会の招集日と議題をおそくとも三カ月前に全党に知らせる。
 中央委員会が必要と認めて決議した場合、または三分の一以上の都道府県党組織がその開催をもとめた場合には、前大会の代議員によって、三カ月以内に臨時党大会をひらく。
 党大会の代議員選出の方法と比率は、中央委員会が決定する。
 代議員に選ばれていない中央委員、准中央委員は評議権をもつが、決議権をもたない。

 第二十条
 党大会は、つぎのことをおこなう。
 (一) 中央委員会の報告をうけ、その当否を確認する。
 (二) 中央委員会が提案する議案について審議・決定する。
 (三) 党の綱領、規約をかえることができる。
 (四) 中央委員会を選出する。委員会に准中央委員をおくことができる。

 第二十一条
 党大会からつぎの党大会までの指導機関は中央委員会である。中央委員会は、党大会決定の実行に責任をおい、主としてつぎのことをおこなう。
 (一) 対外的に党を代表し、全党を指導する。
 (二) 中央機関紙を発行する。
 (三) 党の方針と政策を、全党に徹底し、実践する。その経験をふまえてさらに正しく発展させる。
 (四) 国際問題および全国にかかわる問題について処理する責任をおう。
 (五) 科学的社会主義にもとづく党の理論活動をすすめる。
 (六) 幹部を系統的に育成し、全党的な立場で適切な配置と役割分担をおこなう。
 (七) 地方党組織の権限に属する問題でも、必要な助言をおこなうことができる。
 (八) 党の財政活動の処理と指導にあたる。

 第二十二条
 中央委員会総会は、一年に二回以上ひらく。中央委員の三分の一以上の要求があったときは中央委員会総会をひらかなければならない。准中央委員は、評議権をもって中央委員会総会に出席する。

 第二十三条
 中央委員会は、中央委員会幹部会委員と幹部会委員長、幹部会副委員長若干名、書記局長を選出する。また、中央委員会議長を選出することができる。

 中央委員会は必要が生じた場合、准中央委員のなかから中央委員を補うことができる。また、やむをえない理由で任務をつづけられない者は、本人の同意をえて、中央委員会の三分の二以上の多数決で解任することができる。その場合、つぎの党大会に報告し承認をうける。

 第二十四条
 中央委員会幹部会は、中央委員会総会からつぎの中央委員会総会までのあいだ中央委員会の職務をおこなう。
 幹部会は常任幹部会を選出する。常任幹部会は、幹部会の職務を日常的に遂行する。
 幹部会は、書記局長を責任者とする書記局を設け、書記局員を任命する。書記局は、幹部会および常任幹部会の指導のもとに、中央の日常活動の処理にあたる。
 幹部会は、中央機関紙の編集委員を任命する。

 第二十五条
 中央委員会は、訴願委員を任命する。訴願委員会は、党機関の指導その他党活動にかかわる具体的措置にたいする
党内外の人からの訴え、要望などのすみやかな解決を促進する。

 第二十六条
 中央委員会は、規律委員を任命する。規律委員会は、つぎのことをおこなう。
 (一) 党員の規律違反について調査し、審査する。
 (二) 除名その他の処分についての各級党機関の決定にたいする党員の訴えを審査する。

 第二十七条
 中央委員会は、監査委員を任命する。監査委員会は、中央機関の会計とそのいとなむ事業と財産を監査する。

 第二十八条
 中央委員会は、名誉役員をおくことができる。中央委員会が、名誉役員をおくときは、党大会に報告し承認をうける。

 

第五章 都道府県組織

 第二十九条
 都道府県組織の最高機関は、都道府県党会議である。都道府県党会議は、都道府県委員会によって招集され、一年に一回ひらく。特別な事情のもとでは、都道府県委員会は、中央委員会の承認をえて、招集を延期することができる。
 都道府県委員会が必要と認めて決議した場合、または三分の一以上の地区党組織がその開催をもとめた場合には、前党会議の代議員によって、すみやかに臨時党会議をひらく。
 都道府県党会議の代議員の選出方法と比率は、都道府県委員会が決定する。
 代議員に選ばれていない都道府県委員、准都道府県委員は評議権をもつが、決議権をもたない。

 第三十条
 都道府県党会議は、つぎのことをおこなう。
 (一) 都道府県委員会の報告をうけ、その当否を確認する。
 (二) 党大会と中央委員会の方針と政策を、その地方に具体化して、都道府県における党の方針と政策を決定する。
 (三) 都道府県委員会を選出する。委員会に准都道府県委員をおくことができる。
 (四) 党大会が開催されるときは、その代議員を選出する。

 第三十一条
 都道府県党会議からつぎの都道府県党会議までの指導機関は都道府県委員会である。都道府県委員会は、都道府県党会議決定の実行に責任をおい、主としてつぎのことをおこなう。
 (一) その都道府県で党を代表し、都道府県の党組織を指導する。
 (二) 中央の諸決定の徹底をはかるとともに、具体化・実践する。
 (三) 地方的な問題は、その地方の実情に応じて、自主的に処理する。
 (四) 幹部を系統的に育成し、適切な配置と役割分担をおこなう。
 (五) 地区党組織の権限に属する問題でも、必要な助言をおこなうことができる。
 (六) 都道府県党組織の財政活動の処理と指導にあたる。

 第三十二条
 都道府県委員会は、委員長と常任委員会を選出する。また必要な場合は、副委員長および書記長をおくことができる。
 常任委員会は、都道府県委員会総会からつぎの総会までのあいだ、都道府県委員会の職務をおこなう。
 都道府県委員会は、必要が生じた場合、准都道府県委員のなかから都道府県委員を補うことができる。また、やむをえない理由で任務をつづけられない者は、本人の同意をえて、都道府県委員会の三分の二以上の多数決で解任することができる。その場合、つぎの都道府県党会議に報告し、承認をうける。
 都道府県委員会は、その会計と事業、財産を監査するために監査委員会を設けることができる。

 第三十三条
 都道府県委員会は、名誉役員をおくことができる。都道府県委員会が、名誉役員をおくときは、都道府県党会議に報告
し承認をうける。

 

第六章 地区組織

 第三十四条
 地区組織の最高機関は、地区党会議である。地区党会議は、地区委員会によって招集され、一年に一回ひらかれる。
特別な事情のもとでは、地区委員会は、都道府県委員会および中央委員会の承認をえて、招集を延期することができる。
 地区委員会が必要と認めて決議した場合、または三分の一以上の支部がその開催をもとめた場合には、前党会議の代議員によって、すみやかに臨時党会議をひらく。
 地区党会議の代議員の選出方法と比率は、地区委員会が決定する。
 代議員に選ばれていない地区委員、准地区委員は評議権をもつが、決議権をもたない。

 第三十五条
 地区党会議は、つぎのことをおこなう。
 (一) 地区委員会の報告をうけ、その当否を確認する。
 (二) 上級機関の方針と政策を、その地区に具体化し、地区の方針と政策を決定する。
 (三) 地区委員会を選出する。委員会に准地区委員をおくことができる。
 (四) 都道府県党会議が開催されるときは、その代議員を選出する。

 第三十六条
 地区党会議からつぎの地区党会議までの指導機関は地区委員会である。地区委員会は、地区党会議決定の実行に責任をおい、主としてつぎのことをおこなう。
 (一) その地域で党を代表し、地区の党組織を指導する。
 (二) 中央および都道府県の党機関の決定の徹底をはかるとともに、具体化・実践する。
 (三) 地区的な問題は、その地区の実情に応じて、自主的に処理する。
 (四) 支部活動を指導する直接の任務をもつ指導機関として、支部への親身な指導と援助にあたる。
 (五) 幹部を系統的に育成し、適切な配置と役割分担をおこなう。
 (六) 地区党組織の財政活動の処理と指導にあたる。

 第三十七条
 地区委員会は、委員長と常任委員会を選出する。また必要な場合は、副委員長をおくことができる。常任委員会は、地区委員会総会からつぎの総会までのあいだ、地区委員会の職務をおこなう。
 地区委員会は、必要が生じた場合、准地区委員のなかから地区委員を補うことができる。また、やむをえない理由で任務をつづけられない者は、本人の同意をえて、地区委員会の三分の二以上の多数決で解任することができる。その場合、つぎの地区党会議に報告し承認をうける。

 

第七章 支  部

 第三十八条
 職場、地域、学園などに、三人以上の党員がいるところでは、支部をつくる。支部は、党の基礎組織であり、それぞれの職場、地域、学園で党を代表して活動する。
 状況によっては、社会生活・社会活動の共通性にもとづいて支部をつくることができる。
 党員が三人にみたないときは付近の支部にはいるか、または支部準備会をつくる。

 第三十九条
 支部の最高機関は、支部の総会または党会議である。支部の総会または党会議は、すくなくとも六カ月に一回ひらく。
 支部の総会または党会議は、つぎのことをおこなう。
 (一) 活動の総括をおこない、上級機関の決定を具体化し、活動方針をきめる。
 (二) 支部委員会または支部長を選出する。
 (三) 地区党会議が開催されるときは、その代議員を選出する。

 第四十条
 支部の任務は、つぎのとおりである。
 (一) それぞれの職場、地域、学園で党を代表して活動する。
 (二) その職場、地域、学園で多数者の支持をえることを長期的な任務とし、その立場から、要求にこたえる政策および党勢拡大の目標と計画をたて、自覚的な活動にとりくむ。
 (三) 支部の会議を、原則として週一回定期的にひらく。党費を集める。党大会と中央委員会の決定をよく討議し、支部活動に具体化する。要求実現の活動と党勢拡大に積極的にとりくむ。
 (四) 党員が意欲をもって、党の綱領や歴史、科学的社会主義の理論の学習に励むよう、集団学習などにとりくむ。
 (五) 支部員のあいだの連絡・連帯網を確立し、党員一人ひとりの活動状況に目をむけ、すべての支部員が条件と得手を生かして活動に参加するよう努力するとともに、支部員がたがいに緊密に結びつき、援助しあう人間的な関係の確立をめざす。
 (六) 職場の支部に所属する党員は、居住地域でも活動する。

 第四十一条
 支部総会(党会議)からつぎの支部総会(党会議)までの指導機関は、支部委員会である。支部委員会は支部長を選出する。ただし、党員数が少ない支部は、支部長を指導機関とする。どちらの場合にも状況に応じて副支部長をおくことができる。
 支部には、班を設けることができる。班には、班長をおく。

 

第八章 党外組織の党グループ

 第四十二条
 各種の団体・組織で、常任役員の党員が三人以上いる場合には、党グループを組織し、責任者を選出することができる。
 党グループは、その構成と責任者の選出について対応する指導機関の承認をうけ、またその指導をうけて活動する。活動のなかで、その団体の規約を尊重することは、党グループの責務である。
 党グループは、支部に準じて、日常の党生活をおこなう。

 

第九章 被選出公職機関の党組織

 第四十三条
 国会に選出された党の議員は、国会議員団を組織する。
 国会議員団は、中央委員会の指導のもとに、必要な指導機構を設け、国会において党の方針、政策にもとづいて活動する。その主なものは、つぎのとおりである。
 (一) 国民の利益をまもるために、国会において党を代表してたたかい、国政の討論、予算の審議、法案の作成、そのほかの活動をおこなう。
 (二) 国会外における国民の闘争と結合し、その要求の実現につとめる。
 (三) 国民にたいして、国会における党の活動を報告する。
 党の議員は、規律に反し、また国民の利益をいちじるしく害して責任を問われた場合は、決定にしたがって、議員をやめなければならない。

 第四十四条
 各級地方自治体の議会に選挙された党の議員は、適切な単位で必ず党議員団を構成する。すべての議員は、日常的には議員団で党生活をおこなう。党議員団は、対応する指導機関の指導のもとに活動する。
 党の地方議員および地方議員団は、第四十三条の国会議員団の活動に準じて、地方住民の利益と福祉のために活動する。
 都道府県委員会および地区委員会は、地方議員および地方議員団を責任をもって指導する。
 

第十章 資  金

 第四十五条
 党の資金は、党費、党の事業収入および党への個人の寄付などによってまかなう。

 第四十六条
 党費は、実収入の一パーセントとする。
 党費は、月別、または一定期間分の前納で納入する。
 失業している党員、高齢または病気によって扶養をうけている党員および生活保護をうけている党員などいちじるしく生活の困窮している党員の党費は、免除する。その他の生活困難な党員の党費は、軽減することができる。

 第四十七条
 中央委員会、都道府県委員会、地区委員会は、それぞれの資金と資産を管理する。

 

第十一章 規  律

 第四十八条
 党員が規約とその精神に反し、党と国民の利益をいちじるしくそこなうときは規律違反として処分される。
 規律違反について、調査審議中の者は、第五条の党員の権利を必要な範囲で制限することができる。ただし、六カ月をこえてはならない。

 第四十九条
 規律違反の処分は、事実にもとづいて慎重におこなわなくてはならない。
 処分は、警告、権利(部分または全面)停止、機関からの罷免、除名にわける。
 権利停止の期間は、一年をこえてはならない。機関からの罷免は、権利停止をともなうことができる。

 第五十条
 党員にたいする処分は、その党員の所属する支部の党会議、総会の決定によるとともに、一級上の指導機関の承認をえて確定される。
 特別な事情のもとでは、中央委員会、都道府県委員会、地区委員会は、党員を処分することができる。この場合、地区委員会のおこなった処分は都道府県委員会の承認をえて確定され、都道府県委員会がおこなった処分は中央委員会の承認をえて確定される。

 第五十一条
 都道府県、地区委員会の委員、准委員にたいする権利停止、機関からの罷免、除名は、その委員会の構成員の三分の二以上の多数決によって決定し、一級上の指導機関の承認をうける。この処分は、つぎの党会議で承認をうけなくてはならない。
 緊急にしてやむをえない場合には、中央委員会は、規律違反をおこなった都道府県・地区機関の役員を処分することができる。

 第五十二条
 中央委員会の委員、准委員の権利停止、機関からの罷免、除名は、中央委員会の三分の二以上の多数決によって決定し、つぎの党大会で承認をうけなくてはならない。

 第五十三条
 複数の機関の委員、准委員を兼ねている者の処分は、上級の指導機関からきめる。

 第五十四条
 除名は、党の最高の処分であり、もっとも慎重におこなわなくてはならない。党員の除名を決定し、または承認する場合には、関係資料を公平に調査し、本人の訴えをききとらなくてはならない。
 除名された者の再入党は、中央委員会が決定する。

 第五十五条
 党員にたいする処分を審査し、決定するときは、特別の場合をのぞいて、所属組織は処分をうける者に十分意見表明の機会をあたえる。処分が確定されたならば、処分の理由を、処分された者に通知する。各級指導機関は、規律の違反とその処分について、中央委員会にすみやかに報告する。
 処分をうけた党員は、その処分に不服であるならば、処分を決定した党組織に再審査をもとめ、また、上級の指導機関および党会議に訴えることができる。被除名者が処分に不服な場合は、中央委員会および党大会に再審査をもとめることができる。
 

付  則

 第五十六条
 中央委員会は、この規約に決められていない問題については、規約の精神にもとづいて、処理することができる。

 第五十七条
 綱領、規約の改定は、党大会によってのみおこなわれる。

 この規約は〇〇〇〇年○月○日から効力をもつ。



(このたびの「不破規約」の胡散臭さについて)

 「不破規約」の問題性は、次のことにある。@.草案作成上の問題性、A.草案の党内討論手続き上の問題、B.内容の不当反動性。C.機関委員選出過程の暴力性。

@.草案作成上の問題性について

 不破の思わず漏らしたところによると、このたびの草案づくりは、19人の委員からなる常任幹部会にも諮ることなく、ほぼ一年前より不破私党グループで原案が練られ、ほぼ草案化された時点で常任幹部会に諮られ、直ちに規約改定委員会がつくられたと云う。常任幹部会で若干の質疑が為された様であり、その手直し後まずは党内に報告されると思いきや、いち早くマスコミに発表され、寝耳に水のまま党内討議へと入っていった。まさに不破ならではの姑息な策動である。

A.草案の党内討論手続き上の問題について

 党内討議に附せられる期間は約3ヶ月しかないが、不破は他党の例に比べて長すぎるほどであると云う。なおいつもの党大会の例よりも討論集の発表が遅く、地区党会議の議論の際に他支部の議論内容が分からないまま決議が催促されている。まさに不破ならではの姑息な策動である。まさに「『42年ぶりの全面改訂』なのに、なにをあわてて、支部の討論期間を制限するのか」という当然の憤懣が生じている。

 党内討論手続き上の問題については、意見発表の字数制限「2千字以内」、しかも「大会決議案」と「規約改定案」を合わせての要件であるとされていることにある。従来は3千字以内であった。しかし、長大すぎるものは困るとして一体2千字と3千字あるいは5千字との間にどれだけ2千字にせねばならない根拠があるというのだろう。加えて、「事実と道理に基づかない誹謗.中傷.悪罵に類するものは、掲載しません」と予告されている。一体誰の判断で「事実と道理に基づかない誹謗.中傷.悪罵」を識別するのだろうか。

 党内討論手続き上の問題については、討議集の配布のされ方も従来に増して反民主主義的となっている。「別刷り.臨時増刊号=注文.有料」で発表された。党大会までに出される回数も前回第21回大会の4回、一部100円が確保される見込みは全く薄い。支部に一部ずつ無量で配布されているが、全く馬鹿にした姑息なやり方である。

B.内容の不当反動性について

 分析するも愚かな反動規定を「分かり易く」している。従来の「派閥、分派活動の禁止」、「党内解決.党外持ち出し禁止」規定に加えて、「党の決定に反する意見の発表禁止」を取り込み、インターネット時代への対応能力を見せている。未だ新規約採決前だと云うのに、早速「さざなみ通信」に対する投稿禁止要請に踏み切っている。その際「さざなみ通信編集人」は、ニセ左翼、善意な党員の撹乱者呼ばわりされている。

 宮地氏曰く、「規約改定案」での、上記規約『4点セット』は、従来以上の恐るべき粛清威力を発揮するでしょう。ただし、戦前・戦後日本共産党史上一貫して使われてきた、党内流通用語『査問』は『調査』とし、『査問委員会』は『規律委員会』に、党内日本語使用を統制します。そして、日本共産党史上、日本語『査問』事実とその実態は、一度もなかったことに統一します。

C.機関委員選出過程の暴力性について

 党大会代議員の選出は、「機関推薦名簿」の踏絵と化している。地区党大会から都道府県党大会の過程での代議員選出方法は、自薦.他薦も含めた党員間での遣り取りはほぼ100%排除しており、「機関推薦名簿」の信任投票であり、選出された代議員は「名誉ある前衛エリートとして任命」となっている。

 地区党会議、都道府県党会議、党大会での発言は、「事前通告制」である。発言者の選別は大会議長団の取捨選択に任されている。地区党会議では多少のフリー発言が可能であるが、上級機関へいくほど締め付けられており、「任命」された代議員が翼賛発言をする場と化している。当然に発言内容は、「全面的に支持」、「基本的に支持」、「若干の補足」しか現れない仕組みとなっている。これが「満場一致」の裏舞台である。



【新規約のパラドックス】

 ジャーナル赤旗にも解説されず、誰も騒がないので、日も迫ってきたことだしれんだいこが一文申し上げる。まもなく採用されようとしてる新規約は有名なパラドックス論理でまぶされている。不破の性癖からして意識的にやっていると思われる。騙される者も多かろうが騙されない者も少しはいるだろう。ところで、パラドックスとは、「分かりやすくする」必要から説明すれば、こちら立てればあちらが立たずの論理形式と云うことが出来よう。大人しく云えば玉虫色で意味をなさず、厳しく言えば「エエカゲンニセンカイ」式論理とも云えるかも知れない。以下、これを見ていくことにする。

@.【第三条(五)】意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。
A.【第五条(四)】党の会議で、党の政策、方針について討論し、提案することができる。
B.【第五条(六)】党の会議で、党のいかなる組織や個人にたいしても批判することができる。また、中央委員会にいたるどの指導機関にたいしても、質問し、意見をのべ、回答をもとめることができる。

ここでは、批判の権利が一見あるように規約されている。これをAとする。


C.【第三条地文】党は、党員の自発的な意思によって結ばれた自由な結社であり、民主集中制を組織の原則とする。
D.【第五条(五)】党の諸決定を自覚的に実行する。決定に同意できない場合は、自分の意見を保留することができる。その場合も、その決定を実行する。
E.【第三条(二)】決定されたことは、みんなでその実行にあたる。
F.【第五条(九)】党歴や部署のいかんにかかわらず、党の規約をまもる。

ここで、「民主集中制」によって党中央の方針の「決まりに従う」ことが義務づけられ、批判の権利が形骸化している。これをBとする。


G.【第三条(四)】党内に派閥・分派はつくらない。
H.【第五条(二)】党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為はおこなわない。
I.【第五条(五)】党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない。
J.【第五条(八)】党の内部問題は、党内で解決する。

ここで、分派の禁止と党内解決論理と外部への意見発表の禁止規定により、批判の権利が単なる飾りに転化している。これをCとする。

 Aを機能させようとすればB.Cの手枷足かせでどうにもならない。B.Cを機能させようとすれば、Aが邪魔になる。さて、どうすれば良いのだろうとジレンマに陥るのがパラドックスである。実際には心配に及ばない。何故か? それは党員が一番骨身で知っている。もし「批判」に実効性を持たせようとするのなら、新旧規約上派閥.分派禁止に必ず抵触する訳だから、党員は党中央に盲従する以外にはないという論理のからくりになっている。これを称して、超伝導式党中央万年安泰論理と名付けようか。





(私論.私見)