1、党是と目的 |
「たすけあい党」(以下、単に「党」と云う)は、日本の働く人民大衆のみならず世界の人民大衆に門戸を開いており、人民大衆の生活利益とその基盤を擁護する為に闘う。党は、人民大衆の生活権益を護りつつ併せて「民族又は国家百年の大計」に責任を持って活動する土着政党として自らを位置付ける。党は究極、地球全体の生態系に於ける人類の合理的な在り方を追求し、その理想実現のために闘う。
党は、次代の社会を担う子供と今日までの社会を担ってきた老人を慈しむ。子供を大事にしない社会に明日はなく、老人を大事にしない社会は明日は我が身と知るからである。党は、「人と人、人と国家のより合理的な社会関係の在り方を模索し、より良い社会の創出を目指し、実質的に平等で、まじめに働き者が相応に報われ、各自が生き甲斐の持てるたすけあい社会、良寿社会の実現をめざす」ことを党是とする。
党は、この党是を自覚的に実現しようとする者たちにより組織された政党である。党は、自由、自主、自律的精神を尊び、この土壌で養われる意志と規律で結ばれた「たすけあい共生主義者」の闘う組織である。 |
2、護憲 |
党は、戦後制定された新憲法を格別擁護する。その成立過程は結果的にはGHQ草案の押し付けとなったが、その内容を吟味するのに、我が国の歴史と伝統を熟知し顧慮した上での史上例のない民主的な人権保障憲法となっている。永らく人民大衆が熱望してきた諸権利の宝庫となっている。
戦後憲法は同時に、歴史を反省し、特に先の大東亜戦争の経験を総括し、二度と戦争による災禍を起こすまいと決意し、諸国家との平和友好と国際協調に基づく反戦平和精神を称揚し、その率先垂範を誓っている。
思えば我が国は幕末(明治)維新以来、国際金融資本の狡知に利用される形で軍事傭兵国家化され、日清戦争、清国に於ける義和団事件鎮圧、日露戦争、第1次世界大戦、シベリア出兵を通じて国際舞台に登場し、この間西欧帝国主義の真似事に向かって近隣各国を植民地化し、先の第二次世界大戦まで突き進んだ挙句敗北し、沖縄戦で兵士住民ともどもが徹底殺戮され、都市部空襲を見舞われ、広島、長崎に原子爆弾を落とされ、民族存亡の危機に瀕した。
戦後日本は不戦を世界に誓うことで再び国際社会に復帰した。戦後の反戦平和はここに立脚している。これは日本が世界に向けて誓約した公約であり、ないがしろにすべきではない。戦後憲法は、我々の父祖が血であがない獲得した民族の知恵の果実である。靖国兵士の精神の本当のところはこの思いにあることを知り、戦意鼓舞の政治的利用を許さない。
党は、戦後憲法をプレ社会主義憲法と評価し、擁護し継承する。故に、この精神及び決意を反故せしめようとする改憲勢力と闘う。戦後憲法の受肉化こそを使命とする。党は、日本国憲法の世界普及に精励する。 |
3、在地主義と国際主義の結合 |
党は、日本古来よりの伝統的共生精神を尊ぶ。故に「たすけあい党」と名称している。伝統的共生精神は、不立文字的に口伝され脈々と息づく日本精神の精華である。党は、日本精神の真髄を皇室制に求めず、伝統的共生精神に認める。この限りにおける日本精神を尊ぶ。
党は、この地平での伝来の抵抗闘争、回天運動を学ぶ。19世紀に登場したマルクス、エンゲルス、レーニン、毛沢東らの共産主義学説と実践の経験を学ぶ。但し、如何なる思想に対しても、これを教条として墨守するものではない。須く吟味を作風とし、滋養強壮とし、その限界からの出藍を目指し、自主的創造的発展により我が国の歴史及び伝統に根ざした在地主義的適用に向かう。
党は、こうして生み出される理論に基いて、世界の働く人民大衆と連帯し、社会の良質的進歩を促進し、党是的実践を期する。党は、「万国の労働者、被抑圧民族団結せよ!」の国際主義の立場を堅持する。及び特殊被爆国日本としての立場から、反核、平和へ向けての国際連帯の精神を発信する。
党は、世界の国々の主権と民族自存、自立を尊ぶ。排外主義、大国主義、選良主義的な民族主義、独善的な愛国主義を戒め、世界の働く人民大衆の生活利益を擁護する運動、被抑圧民族の自立運動と連帯し、国際金融資本による植民地政策、傀儡政権に対する諸闘争との共同戦線を志向する。
党は、世界の友党間に於ける相互自主独立性、自律的運動を認め合い、且つ云われるところの内政不干渉論を排し、兄弟党の立場からの内部問題相互検証を尊ぶ。対等の立場の保障の上で国際主義の原則に基づく交流を尊ぶ。但し、各国兄弟党を指令する如くな上部組織を認めない。各国兄弟党は相互に対等な関係において交流する。
党は、世界の社会主義、共産主義その他の革命運動のなかに立ち現れた指導主義、覇権主義を認めない。わが国の革命運動に事大主義的なあるいは盲従主義的な思想と行動が立ち現れる場合には、それらとも闘う。党は、内においても外においても孤立を恐れず連帯する。 |
4、民主権限制 |
党の組織原則は、民主多数決主義的な機関運営原則と執行部(以下、「党中央」と云う)権限制との有機的結合組織論に導かれる。これを仮に「民主権限制」と命名するならば、この原則に依拠するものとする。「民主権限制」とは、民主集中制が本来志向させていた最高組織原則である。
民主多数主義的機関運営は、1・党員の自律性を保障し、2・党内民主主義を確保し、3・その基盤の上に各種機関が作動し、4・適正な手続きの下に党中央を選出し、5・これらの諸機関活動が適正に運営され、検証される制度を云う。党は、これを組織規律とする。
民主多数主義的機関運営に基き選出された党中央は、任期の間、全党を指導し責任を負う。その権限は、規約に基く限りに於ける代表権、折衝権、指針権、指導権、広報権、財務権、予算執行権、人材登用権等々から成る絶対信任権限と、中央委員会との連携で為す相対信任権限から成る。
「民主集中制」とは本来は、党機関及び党中央それぞれがこれらの原則を踏まえ、これを土台としてその上に敷かれる組織原則であったにも拘わらず、実際には封建制よりなお専横的な党中央集制に転じ、倒錯的な「名ばかりの民主集中制」に変質せしめられ、そういうものが「民主集中制」の名の下に通用せしめられてきた。党は、そうした「悪しき民主集中制」に代わり、「民主権限制」を導入する。「名ばかりの悪しき民主集中制」とは断固闘わねばならない。
「民主権限制」とは具体的には、党の政策や方針の確定、代議員、執行部の選出にあたって、党内で民主的な討論討議を行うとともに、これを最終的には多数決で決定し、選出された執行部に権限を与え、期限を設け指導させ、党内に良好な関係を維持しつつ、団結を尊び挙党一致を目指すことにある。
「民主権限制」は、党員および党組織の積極性と創意性を高め、自覚的な規律を強めると共に、党内の意見と経験を集約し、集団的指導を実現し、党の指導力を高めるために欠くことができない。このような「民主権限制」による作風の確立を通じて団結を強めた党は、強力な実践力を発揮することができる。 |
5、反対派の処遇、分派活動の公認 |
党中央は、党員に対し、自由、自主、自律的な活動を認める。路線上の問題を廻ってあるいは個々の政策、方針に対しての判断留保ないし反対意見を認める。異端は排斥すべきではなく、時に重要な発展の契機ともなると云う歴史の法理を踏まえるからである。
反対意見を持つ党員は、なんらの制限を受けず、党内外に意見を表明し、その文書配布を含めた理論活動、次の党大会に向けての同一意見者グループの横断的形成、機関紙.誌への見解の発表、大会に議案を提出する権利が認められる。
党は、党内の派閥を認める。派閥を否定するところにむしろ弊害を見て取るからである。派閥は自然発生的なものであり、派閥間の調整と共同も叉高度な政治能力と心得るからである。派閥を認めない党活動は一枚岩組織による満場一致制を生むことに成り易く、その功罪は罪の方が多いと心得るからである。
党は、党内反対派を認める。但し、党内反対派は、党中央の権限を認め、その要請する具体的運動に対する撹乱行為を戒めねばならない。この基準原則を乱すのは反党活動であり、ならば別党コースに向かわねばならない。党は、これを認める。
この経過において党員及び党機関は、相互に暴力をもって問題の解決をはかってはならず、万一止むを得ず発生した行為については党中央直属機関に於いて厳重に審査され、議論を尽した上で責任が問われるものとする。 |
6、共同戦線型運動の前衛 |
党は、あらゆる運動、戦線に於いて共同戦線型運動を尊ぶ。「民主権限制」と「党内反対派の容認、派閥活動の公認」はその党内鍛錬であると位置づけ、まず党内から実践せねばならない。党内鍛錬を能く為し得て初めて党外との共同戦線運動に資する縁の下の力持ちとなれる。
党は、あらゆる運動、戦線に於ける共同戦線型運動の前衛として闘う。党は、独善的な党利党略に基く統一戦線運動を排斥する。統一戦線運動による共同戦線運動妨害、解体策動に対しては、智力を絞って闘い橋頭堡となる。党は万事、左派圏からであろうと右派圏からであろうと統一なる思想、運動が出てきた場合、これと闘う。統一は統制を意味しており、我々の思惟様式と合わない。
党は、統一も規制も極力排除する為に闘う。統一なり規制なりは統治者に操られることの方が多く、左派運動に益するところ少なく、むしろ失敗を基礎づくりする理を知る故に反対する。党は、歴史上、統一、規制時代は社会に停滞をもたらしてきたことを知る。共同、開放時代こそ社会の各方面を活性化させ、人民大衆の能力を高めることを知る。
故に、最低限必要な規制の上積みを発想することはしても、予備規制まで含む最大限統制の動きに反対する。人民大衆の自発的社会形成能力を信じ、これに依拠して自律的な責任能力の高い社会秩序の創造に向かう。党は、この見地から、既成の難解極まる網の目状の法秩序に代わる社会理法に叶う新秩序の根本的再構築に向かう。
党は、共同戦線型運動の理論と実践地平を率先して切り開き、党是的世界をたぐり寄せることを使命とする。日本左派運動の悪しき弊害を「民主権限制ならぬ党中央集権制」と「党内反対派狩り」に認め、この悪習を払う新たな左派運動創出と展開の為に闘う。 |
7、党の任務と組織の拡大、党員の同志愛とルネサンス精神の称揚 |
党は、以上の指針と組織に基づきわが国の社会変革を目指す。これを革命と云い、これを事業と捉え、その達成のために先進的機関駆的役割を果たすことを期す。
党は、1・政策.方針をつくり、2・それを広く普及し、3・その実現のために闘い、4・その実践を総括して、5・政策と方針を更に検証し発展させる。これを弁証法的に不断に繰り返すことで練られたのが党の政策、方針である。
党は、この社会革命事業を成功させる為、不断に党の質量を拡大強化し、大衆的前衛党の建設と、共同戦線の形成、結集、発展のために奮闘する。特に未来の担い手である青年の役割を重視し、青年、学生のあいだでの活動を強める。
党員は、党機関の決定に対しては、まずはこれを学ぶところから始めねばならない。然る後に、相互に団結を求めて挙党一致に努力せねばならない。党員は、深く人民大衆のなかに入って活動し、その結びつきを広め深め強めなくてはならない。党機関の決定に対して不服のある場合は「前文5規定」が適用される。
党は、この歴史的事業を為し遂げる為に、その活動の検証、欠陥と誤りの批判と自己批判、教訓化を作風とせねばならない。すべての党組織と党機関は、理論と実践の結合を求め、党員間の同志扶助愛を育まねばならない。同志間及び党との絆において自由、自主、自律を闊達に尊ぶルネサンス精神を涵養せねばならない。
党員は、これらの作風に則り、言行を一致させ、創意をもって積極的に行動し、誠実に謙虚に忍耐づよく活動しなくてはならない。一人ひとりの党員のこの思想的政治的自覚こそ、「たすけあい党」と党員の闘う力の源泉である。党員は、それぞれの生産点、生活拠点で信頼を得るに応じ、人民大衆から信用されるであろう。
党と党員は、党の革命事業への貢献に自己の人生を結びつけようとする初心を忘れず、互いに励まし合い、創意工夫し、事業に責任を持って邁進しよう! |