2021衆院選東京5区の維新候補者・田淵正文医師感染考

 更新日/2021(平成31.5.1栄和改元/栄和3).10.30日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「2021衆院選東京5区の維新候補者・田淵正文医師感染考」をものしておく。

 2021(平成31.5.1栄和改元/栄和3).10.30日 れんだいこ拝


【2021衆院選東京5区の維新候補者・田淵正文医師感染考】
 
の (AERA dot.編集部・吉崎洋夫)「【独自】維新がコロナ実績を強調も足元でクラスター 感染の医師候補者「ワクチン打たず、密も」」。
 明日に迫った衆院選の投開票で、日本維新の会が大きく躍進しそうな雰囲気だ。各社が実施する情勢調査では公示前の11議席から3倍程度増えると見られている。勢いに乗る維新だが、東京5区で立候補した維新候補者・田淵正文氏の事務所でクラスターが発生。東大医学部出身の医師である田淵氏も含め、8名もの感染者が出たという。いったい何が起こったのか。田淵氏は目黒区にある中目黒消化器クリニック院長でコロナ診療を行っていた。本人のツイッター(10月20日付)を見ると、<一昨日東京のコロナ陽性者26人うち1人は私が報告>と記述。現在の感染状況を<7億円宝くじが当るくらいの確率>と記していた。しかし、この3日後の23日に事務所スタッフの一人が体調不良を訴え、新型コロナウイルス陽性と判明。翌24日にはすべての選挙活動を休止し、PCR検査を受けたところ、28日時点で8名の感染者を確認したという。田淵氏本人も感染し、入院となった。日本維新の会代表の松井一郎大阪市長は20日に、東京維新の会幹事長の音喜多駿参院議員は22日に応援演説に入っていたが、濃厚接触者にはなっていないという。記者が目黒区にある田淵正文事務所を29日、訪れると、中はバタバタと忙しい様子だった。取材で来た旨を伝えると、事務所スタッフは「いま保健所、役所にいかなければならなくて忙しい」という。事務所前に掲げられたのぼりには「コロナと戦う がんと闘う 命も経済も守る」と大きく書かれていた。事務所の窓ガラスには「新型コロナウイルスの予防法が書いてあります。ご自由にお持ちください」という貼り紙もあったが、そこに資料は置いてなかった。事務所ではコロナ対策はどうだったのか。スタッフは「しっかりとコロナ対策はしていた」という。マスク着用や手指の消毒だけではなく、「次亜塩素酸水」を事務所内でいつも噴霧するなど対策をしていたようだ。

 取材を進めると、田淵氏がワクチンを接種していないという情報が飛び込んできた。厚労省関係者は「医師であるにも関わらず、自身はワクチン接種の記録がない」という。事実はどうなのか。

 ◆感染した医師の候補者を直撃 

 田淵氏のSNSと事務所を通じて、事実関係を問い合わせたところ、
田淵氏からメールで「ご指摘通りワクチンは打っていません」と回答を得た。その理由についてはこう答えた。「私は長年の潰瘍性大腸炎の持病があり投薬により寛解が維持されています。この疾患は全身に血栓ができやすい状態となり、死因のトップは実は血栓症です。私も実際にこれまで色々な血栓症のエピソードがありました。今も抗血栓のため内服治療を続けています。そこに血管表面のアンギオテンシン受容体に結合するスパイクタンパクを投与するのは血栓が起こりやすくなり、私の場合、危険が利益をうわまわると判断しました」「この4月に医療者枠が回ってきてワクチンを打つかどうか悩んでいた時に1ヶ月前にワクチンを先に打っていた同窓の大親友が大動脈破裂で突然死しました。因果関係は不明ですがそれが最終的に打たない判断となりました」。ワクチン接種はあくまでも任意なので、打つ打たないは個人の選択だ。だが、事務所で油断があった可能性がある。近くで働く男性にクラスターが発生したことを伝えると、「知らなかった」と驚きながらも、こう語った。「最近、人がいなくなって、静かでしたね。いつもは人の出入りがすごいある。事務所が結構狭くて、通りすがりに中を見ると、人が多くて、密になっているなと思うことはあった。選挙活動では、住民の方とグータッチしてたから、どうしても危ないよね。コロナと戦うと訴えていたから、それがクラスターとなると印象は良くない」。

 さらに、田淵氏の9月21日のツイートには、マスクをつけた音喜多議員とスタッフらと、透明のマウスシールドをつけた田淵氏の写真が投稿されていた。不織布マスクなどと比べて、マウスシールドの効果はかなり限定的と評価されている。事務所担当者にマウスシールドをつけていたことを尋ねると、「けっこう前の画像だと思う。今はマスクをつけて演説している」という。けっこう前とはいつかと尋ねると、忙しい様子で「いずれにしろ、今言えるのは『コロナと戦っています』だけ。それだけです」と答えた。

 一方、田淵氏を知る東大同窓の医師はこう証言する。「自由診療でイベルメクチンなど独自のコロナ治療を行うなどちょっと変わった医師。医療関係者の間では、評判はあまりよくない」。

 田淵氏のクリニックは「診療内容及び診療報酬の請求に関して、不正又は著しい不当の疑いが生じた」として関東信越厚生局と東京都の合同監査を昨年、受けたという。『FACTA ONLINE』(3月13日付)が関東信越厚生局長が2020年8月17日付で出した「監査通知」の全文を公開している。田淵氏は「人生2度目の監査」と題したブログで<昨年8月から厚労省が私を監査。既に3回。まだ問題の指摘なし>と記していた。(後にブログは削除)

 維新が今回の衆院選で躍進すると見られている背景には、日本維新の会副代表の吉村洋文大阪府知事の人気がある。日本維新の会が作った選挙ビラには「地方から国を動かした 命と経済を守る 維新の感染症対策実績」と銘打って、大阪府での実績を列挙している。しかし、コロナ関連の各種指標を見ると、大阪府の数字はよくない。札幌医科大フロンティア医学研究所ゲノム医科学部門のデータによると、人口100万人あたりの死者数(累積)は大阪府が345・6人で全国でワースト1位、ワクチン接種率は67・89%でワースト2位になっている。

 ◆政府に酷評された維新のコロナ対策

 専門家はどう見るか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんはこう見る。「ワクチン接種は、松井一郎代表が市長を務める大阪市で遅れていました。国の責任もあるが、重症患者を十分に受け入れる体制が取れていないのが、大阪の死者数の多さにつながっている。また、吉村氏がうがい薬のイソジンをコロナ対策として推奨したのは、軽率でしたね。しっかりとしたブレーンがついていない印象があります」。政府の評価も厳しい。AERAdot.が独自に入手した政府内の資料には、大阪府が9月30日に開設した「大阪コロナ大規模医療・療養センター」をこう酷評している。「運営は2022年5月末までの予定で、運営費総額84億円も、府内の医療提供体制が改善したため、当面は患者を入所させない方針。多額の運営費を垂れ流す『失敗』プロジェクト」。

 官邸関係者はこう語る。「維新はコロナ対策をあたかも上手く行っているように宣伝していますが、実態は異なります。大阪は4月~5月、医療崩壊し、入院待機患者が街に溢れました」。国民の審判はいかに。






(私論.私見)