岡本氏は外務省に入省後、北米局など主要ポストを歴任。平成3年に退官後は国際情報を分析する会社「岡本アソシエイツ」を設立した。外務省で培った国際感覚や国際情勢の分析力を生かし、国際問題のアドバイザーとして講演や執筆活動に力を注いだ。8年には橋本龍太郎内閣で首相補佐官に就任。沖縄問題担当として、12(2000)年7月の主要国首脳会議(サミット)の沖縄誘致に大きな役割を果たした。
正論メンバーとしても健筆を振るい、昨年7月にはイラン沖のホルムズ海峡で日本のタンカーが攻撃を受けたことに対し、「自国の船は自分で守れ」と題して寄稿。「今度こそ自分の力で自国民を守るという課題に、正面から向き合うときだろう」と訴えた。
岡本氏は今年2月、春陽堂書店が始めた「WEB新小説」に、趣味のダイビングをテーマにした小説「スーパーフィッシュと老ダイバー」を執筆。5月1日にアップされた第4章が絶筆となったという。担当編集者によると、出版社側からはダイビングにまつわるエッセーを依頼したところ、「いや、エッセーではなく小説を書いてみたい。ただし、素人なので写真をからめたフォト小説にしたい」と話し、とても張り切っていたという。