漫画家/小林よしのりと医学者/宮沢孝幸対談考

 更新日/2021(平成31.5.1栄和改元/栄和3).4.14日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「漫画家/小林よしのりと医学者/宮沢孝幸対談考」をものしておく。

 2021(平成31.5.1栄和改元/栄和3).4.14日 れんだいこ拝



 2020.09.02、週刊ポスト2020年9月11日号週刊ポスト「小林よしのり氏 今回のコロナ騒動はTVが主犯で最大の悪」。
 第2波がピークを越えたと言われ、感染者も重症者も減りつつある今、それでも「油断はならない」「また次が来る」などと危険を煽る声は止まない。我々はいつまで恐怖に怯え続ければいいのか……。その状況を「テレビによる洗脳だ」と断罪した『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論』(扶桑社)が発売早々ベストセラーになっている。著者の漫画家・小林よしのり氏と、コロナ以降のネット世論をチェックしているネットニュース編集者で新著『恥ずかしい人たち』(新潮新書)でもコロナに関して意見した中川淳一郎氏が緊急対談した。
中川  今のコロナ騒動は、将来振り返ったとき、史上最大のバカ騒ぎだったと思い出されるのではないかと思っています。私も最初はかなり怖がっていたんですが、途中から「みんな怖がり過ぎじゃないか」と思ってきて。小林さんはかなり早い段階からコロナ騒動に批判的でしたよね?
小林  昔からインフルエンザのことはめちゃくちゃ怖がっているんですよ。インフルにかかって高熱が出ても、漫画は毎週締め切りが来るから描かなきゃいけないから。それで、コロナが怖い怖いと言うけど、インフル以上なのか、それ以下なのかで考えようと思って、インフルの感染者数や死者数を調べてみた。そしたら、毎年国内で1000万人以上が感染して、直接的な死因で死ぬ直接死が3000人くらい、インフルで持病が悪化するなどして死ぬ関連死が1万人以上いることがわかり、すごい威力だなと。一方のコロナはどうか。公表されている死者数は関連死の数で、今でこそ1208人(8月25日時点)まで増えましたが、それでもインフルの1万人に比べれば全然少ない。コロナは感染者も死者も桁違いに少ないんです。それでなんでこんな大騒ぎしているのかと。
中川  毎日、テレビは「今日の感染者は何百人」と騒ぎ立てていますが、インフルはそんなレベルではないと。
小林  冬期の半年くらいの間に1000万人が感染するので、単純に平均すれば1日に感染者は5万人以上、死者は50人以上出ている計算になる。だけど、マスコミはインフルで騒がないから、今まで誰も何とも思わなかったわけでしょ。
中川  テレビがコロナパニックを煽って国民を“コロナ脳”にしているから、こんな騒動になっているということですね。
小林  今回のコロナ騒動はテレビが主犯であり、最大の悪だった。テレビがなぜ嬉々として「ステイホーム」と繰り返していたかというと、みんなが自粛して家にいれば視聴率が上がるからでしょう。
中川 なるほど。ただ、「広告が入らない」という声は業界関係者から聞きましたが、確かに視聴率は上がりましたね。
小林  今のテレビの視聴者層は高齢者が主体だから、高齢者にとって危険な未知のウイルスなんてものが出てきたら、恐怖を煽れば煽っただけ視聴率がどーんと上がる。麻原彰晃は、信者をサティアンの中にステイホームさせて、「地獄に落ちるぞ、地獄に落ちるぞ」と洗脳したが、テレビがやっているのは同じこと。
 「地獄になります」
中川  それで視聴率を爆上げしたのが『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)。昨年の平均視聴率は9%台だったのが、今年の5月頃には朝の時間帯のワイドショーで1位になり、視聴率は最高で14%を超えたそうです。
小林  白鴎大教授の岡田晴恵が「今のニューヨークは2週間後の東京です。地獄になります」と煽り、テレビ朝日の玉川徹が「政府の対応は遅すぎる」と吠えるという“恐怖の伝道師”の連携ができていて、視聴者は「よくぞ言った」と喜ぶわけですよ。
中川  モーニングショーには最初の頃、尾身茂さん(政府の分科会会長)が出ていたんですが、彼は研究者だから、まだわかっていないことは断定せず、「一概には言えません」みたいに曖昧にしか答えない。おそらく番組スタッフが「テレビ映えしないな」と思って、岡田さんに交代させた。彼女は尾身さんよりもはっきり言うからハマったんですね。視聴者の不安を煽るのもうまくて、「(今は夏の)南半球でも流行が始まりました」「だから、夏になってもコロナは終わりません」と言って、「次に怖いのは、秋と冬の第2波です」と続ける。視聴者はずっと不安に駆られたままになって“コロナ脳”になっていく。
小林  だけど、岡田は最初、「コロナウイルスは高温多湿と紫外線が大嫌いですから、(暑くなれば)下火になると思う」って言っていたんだよ。確かにアメリカの研究者が実験して、コロナウイルスは紫外線で死ぬという結果が出たんだけど、実験で使ったのは人間にも危険なほど強い紫外線ですからね。結局、夏になっても流行は収まらず、この予測は当たらなかった。
中川  岡田さんも玉川さんも、「海外ではこうしているから、日本もこうすべき」という“海外出羽守(ではのかみ)”の典型ですね。
小林  日本では死者が極端に少ないというデータをなぜ無視するのか。グローバリズムに毒されているんだ。
中川  やたらとPCR検査をやれと主張しているのもこの番組です。
小林  玉川は「全国民に週一回、PCR検査をすべきだ」と主張していた。他の出演者にいくらなんでもそれは無理だと否定されても、「できる方法を考えるんです!」と声を荒らげていたので呆れた。もはや“PCR真理教”ですよ。最近、本人は「国民全員検査なんて言っていない」と否定したが、わしはモーニングショーを全部録画しているからな(笑い)。
中川  ノーベル賞の山中伸弥教授(京都大学)まで参戦してきて、「PCR検査を増やせ」と主張している。
小林  山中教授には困ったもんだね。天才なんだろうけど、感染症は専門外だから。
中川  でも、みんな権威に弱いから影響力は大きかった。山中教授は以前からNHKの番組に頻繁に出ていて、意外と目立ちたがりなんですかね。
小林  iPS細胞の国からの研究費も止まってしまったから、資金集めのアピールなんじゃないか。困った専門家と言えば、“8割おじさん”の北大(現在は京大)の西浦博教授もいたね。
中川  何も対策しなければ42万人が死亡するという試算を発表して、世間を震え上がらせました。
小林  あのロジックはおかしい。第1波が収束した時点で死者数は1000人にも達せず、予測は大はずれだったが、国民が頑張って自粛したおかげで死者数を減らせたと言えば、誰も反論できない。 彼は懲りずに「第2波で10万人が死亡する」と発表したが、第2波もピークを越えそうなので、これも大はずれになるでしょう。専門家が発した数字がこれほど軽いとは思わなかった。
中川  彼らの言い分は「最悪のケースを想定しておいて、当たらなくてもそれは国民にとってはいいこと」なんでしょうが、それなら何を言っても責任を取らなくてよくなる。
小林  わしなんか爆発的に感染が広がったら「責任取れ」と言われるから、感染者数の推移を毎日気にしまくっているのに。
中川  新聞に出てくる専門家と、テレビに出てくる専門家は、あまりかぶらないんですよね。もちろん全員ではないが、新聞に相手にされない人がテレビに出てくるんじゃないかと。
小林 テレビは煽る専門家しか出さないからね。そしてテレビに出たい専門家は、より煽る発言をしていくようになる。
●こばやし・よしのり:1953年、福岡県生まれ。漫画家。『東大一直線』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表後、思想漫画『ゴーマニズム宣言』を開始。スペシャル版として『戦争論』『台湾論』『天皇論』などが次々とベストセラーに。最新刊は『コロナ論』。
●なかがわ・じゅんいちろう:1973年、東京都生まれ。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。NEWSポストセブンなどネットニュースの編集に関わる。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『縁の切り方』など。最新刊は『恥ずかしい人たち』。

 2021.4.2日、週刊ポスト「小林よしのり×宮沢孝幸 コロナの敵はデタラメ言い続けてきた専門家」。
 緊急事態宣言が解除されても、人々のコロナへの恐怖は消えない。それどころか、外出や会食をする人への非難は増すばかりだ。恐怖に支配された「コロナ脳」の“暴力性”を、ベストセラー『コロナ論』著者・小林よしのり氏と京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸氏が語り合った。
 洗脳したのはテレビ
小林  わしが「コロナはインフルエンザより怖くない」「過剰対策をやめろ」と発言すると、「コロナは怖い、怖い」とひたすら煽る連中に洗脳された“コロナ脳”の人たちがSNSなどで猛然と叩いてくるわけです。いくらデータを示して説得しても、洗脳されてコロナ脳になっているから、信じないし、「お前は嘘つきだ」と批判してくる。テレビから流れてくる情報やSNSで自分の周りの人間が言っていることを鵜呑みにするだけで、自分で調べようとしない。
宮沢  おっしゃる通りで、私はウイルスを研究していて専門家のつもりですが、何か発言するたびにやたらと叩かれる。テレビにはウイルスどころか、感染症の専門家でもない町のお医者さんが出てきてデタラメをしゃべっているので、間違いをツイッターなどで指摘すると、「お前は専門家のくせにそんなことも知らないのか」と返ってきて唖然とするんです(笑)。
小林  洗脳されてしまっているからね。
宮沢  私も罵倒されれば腹が立ちますが、彼らは被害者でもあると思うんですね。だから、“コロナ脳”という言葉にはちょっとバカにしたニュアンスがあるので、本当はあまり使いたくない。洗脳したやつは誰やねんと。
小林  それはわしも理解しています。ただ、洗脳を解くには、ちょっと強い言葉を使わないと、本人たちも気づかないと思うんですよ。ショック療法だと思って、あえて使っている。
宮沢  ええ、わかります。
小林  だから、本当の敵はコロナ脳の一般の人たちじゃなくて、テレビを中心とするマスコミであり、デタラメを言い続けてきた専門家であり、それらに引っ張られて過剰な対策をやり続けている政府なんですよ。テレビは毎日、毎日、「今日の検査陽性者は何人。過去最多」ってやり続けているでしょう。あんなのを毎日見ていたら、心を病んでも不思議じゃない。
宮沢  前日より減ったときでも、「火曜日としては最多」とか言って、なんとかして多く見せようとしている。
 爆破予告までされた
小林  宮沢さんは関西のテレビにはよく出演しているんですよね。
宮沢  ええ。昔から関西の番組と東京の番組では、論調が全然違うんですが、コロナに関してもまったくそのままですね。大阪の番組だと、私の話をちゃんと聞いてくれる雰囲気があるんですよ。批判的な人ももちろんいますが、冷静に両者の意見を聞いてくれる。ところが、たまに東京のテレビ番組に呼ばれると、空気が全然違う。事前の打ち合わせでディレクターさんから「宮沢さん、どんどん言ってくださいよ」って焚きつけられるんですが、いざ収録が始まると、私が何を話してもMC(司会)が全部ひっくり返していくんですね。他の出演者もまともに聞く気がなくて、私一人、暴論を吐いている悪者のようにされる。
小林  新聞で言うところの「両論併記」ではなく、片方の情報しか流さないんだよな。  異論を唱える人間を呼んできて、みんなで袋叩きにして、面白がっているだけなんだよね。わしが見ていた番組でも、宮沢さんは完全に浮いていた(笑)。
宮沢  ドン・キホーテみたいになっちゃうんですよ。つい熱くなってしまって。『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)でお医者さんが「感染者を1人も出しちゃいけないんです」って言うんですよ。ハァ?って思って、つい、指さして「お前なー!」って言ってしまったことがあります。反省しています。 団塊世代の男性タレントからも「老人を切り捨てていいのか。とにかく若者を止めろ」とか言われるから、頭に来て「お前なー!」と言いそうになった(笑)。自分だって若い頃、好き勝手していただろうに。
小林  宮沢さんの場合、怒っているところが面白いと思われていて、冷静に科学的に説明しているところはキャラが出ていないから放送で使わない。テレビの基準なんてそんなもんですよ。
宮沢  いつもこんな感じなので、東京の番組に出るたびに抗議の電話がかかってきたり、ネットに書き込まれるんですね。「暴力団雇って殺す」という脅しの電話や、「何月何日12時にどこそこを爆破する」という爆破予告まであった。その日時に本当にその場所に行く予定があったので、スケジュールがバレているってゾッとしましたよ。嫌な思いしかしないので、今後は東京のテレビは断わろうかと思ったんですが、東京の番組は全国ネットだから、地方にもコロナへの恐怖感が拡散していくし、政策決定にも影響するんですよ。だから、これがどうにかならんかと思って。
【プロフィール】 小林よしのり(こばやし・よしのり)/ 1953年福岡県生まれ。漫画家。『東大一直線』でデビュー。『おぼっちゃまくん』でギャグ漫画に旋風を巻き起こす。1992年スタートの「ゴーマニズム宣言」は新しい社会派漫画、思想漫画として話題に。近著に、『コロナ論』。
宮沢孝幸(みやざわ・たかゆき)/1964年東京都生まれ。兵庫県西宮市出身。東京大学農学部獣医畜産医学科、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程獣医学専攻修了。獣医学博士。現在、京都大学ウイルス・再生医科学研究所 ウイルス共進化分野准教授。
●2人の対談が収録された『コロナ脳』(小学館新書)は、4月1日発売。

 「NEWSポストセブン」の2021 .4.14.日付投稿「もはや新型コロナは「お笑い」状態 右往左往させられる人々」。
 漫画家の小林よしのり氏と京都大学ウイルス・再生医科学研究所ウイルス共進化分野准教授の宮沢孝幸氏が新型コロナウイルスについて語り合った『コロナ脳 日本人はデマに殺される』が発売後すぐに重版となるなどヒットしている。2人と一緒にコロナ関連のイベントに登壇したこともある、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は本書をどう読んだか。
 とにかく明るい対談なのである。これは初めての読書体験だ。病気やウイルスという深刻なイシューについて対談しているのに、宮沢氏がやたらと「ディープキス」の話ばかりしているのである。いや、言い過ぎた。2回ぐらいしか出てこない(と思う)。同氏がイベントの時にディープキスの話ばかりしていたので、その印象に引きずられてしまった。  小林氏は『コロナ論』(扶桑社)を執筆するなど、コロナに関してはこの1年以上「素人」ながら研究を続けてきた。そして専門家や政治家、テレビに登場するコメンテーターがいかに信用ならないかを主張し続けてきた経緯がある。  互いに「完全同意」という状態ではなく、小林氏も宮沢氏も「ですよね~」というばかりの「慣れ合い対談」をしているわけではない。宮沢氏は「あとがき」で互いに異論があることは認めながら、「基本的には同じ姿勢、同じ考え方に立つ人であることを改めて確認できました」と述べている。

 さて、冒頭で「とにかく明るい対談」と書いたが、それが一体何なのかを考えると、2人が語っているテーマが「新型コロナ」なのだが、そのテーマ自体がもはやお笑いである、ということではなかろうか。陽性者が苦しむ様は当然お笑いではないのだが、とにかくメディアや政治家がビビりまくり、これを真に受けて「ヤバ過ぎる殺人ウイルス」と解釈した一般大衆が「コロナ脳」になっている点が「お笑い」ということである。  2020年の死亡者は138万4544人で、前年より9373人(0.7%)減った。コロナ死は1年2ヶ月で約9000人である。しかも、若者はほぼ死なず、10代以下はゼロ。死者のほとんどは高齢者で、「寿命が来た」とも解釈できるような状況なわけで、全然「ヤバ過ぎる殺人ウイルス」ではないのにエラい人も一般人も右往左往するって一体なんなのだ?政治家や医師会等は「正念場」「瀬戸際」「勝負の2週間」「真剣勝負の3週間」「危機的状況」などともはや「世界の終わり」的な発表をする。テレビは「今日の感染者は〇名です。火曜日としては過去最高です」や「イギリス由来の変異株が猛威を振るっています」などと眉をひそめながら悲壮感を漂わせてそのヤバさを報じている。これを受けて「政府の対応はダメだ!」「人々の気の弛みが発生している!」「ステイホームを徹底せよ!」などとコメンテーターが絶叫するが、どうも小林氏も宮沢氏もこの状況をコメディのように捉えているのである。それがこの対談の「明るさ」に繋がっているのだろう。

 宮沢氏による小林氏に対する「同じ姿勢、同じ考え方」というのは、実は私にも一致する。だから2021年1月9日に東京で行われた小林氏主催のイベント「オドレら正気か?新春LIVE」に私も呼ばれたし、宮沢氏も来た。その「同じ姿勢、同じ考え方」とは以下である。  コロナって実は日本ではたいしてヤバいウイルスじゃないんじゃねーの? なんで日本中がこんな雑魚ウイルスに右往左往させられているの? バカなの?である。こうしたことを我々3人は日々述べているだけに「大切な命が奪われたらどうするんだ!」「お前は身近な人が感染しても同じことが言えるのか!」「小林よしのりだって高齢者だろ!」みたいなことを言われてしまう。
 小林よしのり氏と宮沢孝幸氏の主張
 〈なんていうんかな、作り物の恐怖、非科学的な恐怖に脅えていて、お化け屋敷でキャーキャー騒いでいるみたいな感じというか。女の子が本気で怖がってキャーキャー叫んでいるけど、作り物だとわかっていて怖くも何ともない人は、全然怖がらない。わしはお化け屋敷って全然怖くないんよ。ジェットコースターは怖いけど。だから、まったくの幻想だよね。幻影を見せるやつらがいて、それを見て怖がっている。それで、怖がりすぎてコロナ脳になると、「経済より命」なんて言い出すんだよ。〉
 〈「経済より命」と主張するなら、「全員休め」って言うべきだよ。コンビニも休め、スーパーも休め、ごみ収集車も全部休めと言わないと。そうしたら、初めてみんな目が覚める。食べるものがない、ごみはどんどん溜まっていく。経済が動いていないと生活できない、生きていけないことに気付く〉
 続いては宮沢氏だ。4月上~中旬現在の民放テレビの「恐怖煽りの期待の星」である変異株について宮沢氏はウイルスの専門家としてこう述べる。
 〈今、日本人は、外国のやつがすごく怖いとか言うんですが、違うって、逆やって。もし外国からのウイルスのほうが日本でも流行りやすいのなら、弱毒化している可能性高いから。もしすごい病原性が高かったら広がらないから大丈夫です。広がるとしたら病原性が低いやつだから、よりいいじゃないかと思うんですけど。ただ、私がどんどん弱毒化すると言ったら、学生から、「宮沢さん、これ以上、弱毒化しないっすよ。すでにほとんど弱毒じゃないですか」と言われて、そうだねって。これ以上弱毒化しようがないかもねって〉
 さらに、宮沢氏は、いわゆる「専門家」と称されるエラい人についてはこう述べる。
 〈そもそも風邪という感染症をいくら研究したって、医学の世界では偉くなれないんです。大した病気じゃないから出世しない。分科会に呼ばれるのは偉くなった先生方だから、そこにコロナウイルスや風邪の専門家は入ってこないんです。それでどうやって対策を考えるんだって思いますよ〉
 私のこの書評を読んで「なんでこいつらは人命軽視してこんな危険なことを書いてカネもらってるんだ!」と思う人は絶対にこの本を買ってはいけない。多分、怒りのあまり目の前のコーヒーカップをカフェで投げて誰かにぶつけて損害賠償を求められてしまう。私の評を読み「そうそうwww」と思ったのであれば是非とも一読することを勧める。 「私と同じこと考えている人いたんだ!」という穏やかな気持ちになれ、コーヒーカップを投げる気持ちになどならないだろう。おいしくコーヒーを飲めるはずである。さて、これから社会はどうなるか? ずーっと「コロナヤバ過ぎ」の今の路線で行くか? 小林・宮沢両氏が主張する「もう日常に戻れ」になるか? 後者になった場合、2人の高笑いが聞こえてきそうである。多分なるけどね。






(私論.私見)