コロナショック恐慌その1

 更新日/2020(平成31→5.1栄和改元/栄和2).3.3日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「コロナショック恐慌その1」をものしておく。

 2011.03.21日 れんだいこ拝



 2020.4.24日、FRIDAY2020年5月1日号「コロナショック、日本は最悪2700万人の生活が破綻する可能性」。

 経済ニュースを分かりやすく解説する黒川氏は、19万人のチャンネル登録者がいる人気ユーチューバーでもある

 「『コロナショック』はこれから深刻化します。4月から6月にかけて、日本の経済はほとんど動かない。ですから、8月に各社の四半期決算が発表され、衝撃的な数字が明らかになると、大手企業は『予算を絞ろう』となります。その結果、9月が経済の底になる。年末には資金繰りに困る中小企業が山ほど出てくるでしょう」 元経済ヤクザが断言!「コロナ後、世界恐慌はこうしてやってくる」 そう語るのは、黒川敦彦氏(41)だ。 黒川氏は大阪大学卒業後、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の研究員として大学発ベンチャーの支援事業に取り組み、その後は複数のベンチャー企業の経営や投資、コンサル事業に携わってきた。現在は政治団体『オリーブの木』代表を務める。その黒川氏が3月に上梓した『ソフトバンク崩壊の恐怖と農中・ゆうちょに迫る金融危機』は3万部を突破した。 著書でまもなくリーマンショックの数十倍の金融恐慌が起こると警告する黒川氏は、コロナショックについてこう語る。 「都市封鎖を行ったドイツですら、通常生活に戻れるのは2021年になるとドイツ国内で指摘されています。日本だけが5月上旬から経済回復が始まるとは思えない。2年間は経済の停滞は終わらないでしょう。私の推定では、年平均で日本のGDP(約540兆円)は、約15%は下落します。つまり81兆円。この金額を補填しなければ倒産、失業が続出します。年収300万円で割れば、2700万人の生活が破綻することになります」 ◆ソフトバンクは大丈夫か? 4月7日、安倍晋三政権は事業規模108兆円にも上る「緊急経済対策」を大々的に発表した。だが、黒川氏は「効果はほとんど期待できない」と一刀両断する。 「本当に必要な国民への給付分は、約10兆6308億円だけです。この中に『30万円現金支給』(約4兆円)や、中小企業向けの支援(2兆円強)が含まれています」 黒川氏によれば、今回の緊急経済対策には、新型コロナウイルス対策とは関係のない、「不急」の予算がいくつもあるという。 「まさに火事場泥棒ですよ。例えば『レアメタルの確保・備蓄』、『海外向け商談・プロモーション支援』なんて項目まであります。それらはいま緊急に必要でしょうか。大企業向けの資金繰り支援には45兆円が投入されますが、中小企業と個人事業者はバタバタと倒れることになります。資金力のある大企業はテレワークで仕事が回っている。しかし、実際に現場で働いているのは中小企業やフリーランスの方たちです。日本の経済力の著しい低下は避けられません」 大企業の中にも「瀕死」状態に陥る企業が出てくる。なかでも黒川氏は孫正義会長が率いる『ソフトバンクグループ』を挙げる。同グループが’17年5月に設立した10兆円規模の投資ファンド『ビジョン・ファンド』がアキレス腱になるのだという。同ファンドが巨額投資した代表的な銘柄が軒並み不調なうえに、コロナショックの影響をモロに受けているからだ。 「同ファンドは世界の主要都市でシェアオフィスを運営する『WeWork』に約1兆円を出資していましたが、’19年秋、同社にまつわるスキャンダルが次々明るみになり時価総額は10分の1程度に急落しました。にもかかわらず、孫氏は1兆円の追加支援を決断します。 ところが、コロナショックで需要は激減し、4月には一部のオフィスで家賃を払えず、多数が休業しています。約1080億円を投資したインドのベンチャー企業『OYO』はホテル業ですから当然厳しい。トラブル続きですでに約5000人をリストラしていましたが、さらに数千人を一時帰休にしています。 また、同ファンドが約8300億円を投入し、筆頭株主でもある配車アプリ『Uber』はいまウーバーイーツこそ好調ですが、これは売り上げの2割程度で、大都市が外出自粛のいま、本業は苦しい。同ファンドの先行きが危ないのは明らかです」 ソフトバンクグループは4月13日、’20年3月期の連結営業損益が1兆3500億円の赤字になる見込みだと発表した。 「同グループは19兆円の有利子負債を抱えていますが、時価総額およそ14兆円の中国の『アリババ』株を所有しているので、生き延びているという状況です。しかし、米国で金融危機が起きれば、いまや『投資会社』となったソフトバンクは解体されて、切り売りされることになると思います」 その金融危機まで残された時間はさほど長くない。 「米国では4月中旬までの1ヵ月で新規の失業保険申請が2200万件を超える見込みです。FRBは3月中に総額235兆円の金融緩和を決め、4月9日に250兆円の経済対策を発表しています。実質GDP成長率は横ばいなので、市場には行き場のないおカネが溢(あふ)れることになります。 私はどう長く見てもあと3年で米国の金融バブルは本格的な崩壊を始めると考えています。そうすると日本で何が起こるか? 年金基金やゆうちょ銀行をはじめ、日本は米国の金融商品に対して大量に投資をしていますので、老後の資産は吹き飛んでしまうでしょう。私たちにいまできることは、緊急事態宣言をきっかけに、自分の生活を見直しながら、少しずつリスク分散をして備えていくことしかありません」 コロナショックはこれから始まる世界大恐慌の引き金に過ぎない――。


 2020.4.14日、「コロナ後に世界を襲う「リーマンショック数十倍規模」の金融危機」。
 「バブルが近いうちに破裂することは、間違いないと思っていました。膨れに膨れた風船を破裂させる一刺しが、たまたま今回の新型コロナウイルス感染拡大だったのです。それがドイツ銀行の破綻だったかもしれなかったし、あるいは中国のシャドーバンクか、ギリシャの財政破綻だったかもしれません。ハイリスクな債券・金融商品が世界中の金融市場に信じられないほど大量にばら撒かれており、いつその爆弾の導火線に火がついてもおかしくない状態だったのです」(黒川敦彦)。
 新型コロナウイルスによるパンデミックがいま、世界の金融市場を直撃している。ニューヨーク証券取引所のダウ工業株30種平均は危機前に比べ一時4割も下落し、それに引きずられる形で日経平均も下げた。慌てた各国政府が超大型の経済対策を発表すると短期的に値上がりに転じるが、すぐに下落する乱高下を演じ、「金融大崩壊」の足音がすぐそこまで聞こえてきている。この事態を予測し、昨年から厳しい警告を繰り返してきたのが黒川敦彦氏(政治団体「オリーブの木」代表)である。黒川氏は大阪大学のベンチャー支援事業に携わった経験から、超大型の金融危機が迫っていると確信し、自らのYouTubeチャンネルでメッセージを発信してきた。はたして、黒川氏が「予言」していた金融大崩壊はすでに始まっているのか。それとも、まだこれからが本番なのか。緊急インタビューをした。
 コロナウイルス・パンデミックの起こる前から、金融危機がいつ起きてもおかしくない環境だったと黒川氏は言う。「その元凶は、金融資本家です。金融の本来の役割は、健全かつ有益な投資のチャンスを投資家に提供したり、資金を公平に循環させて企業の成長を促し、市場の拡大を手助けするものですが、金融資本家は自分たちが儲けるためにリスクの高い金融商品を作り、投資家を騙し続けてきました。世界のGDPが成長していないにもかかわらず、金融資産の総額は伸び続けていました。2017年には金融資産がGDPの4倍にまで膨らんでいます。明らかに膨らみ過ぎで、それこそがまさにバブルなのです。パンパンに膨らんでいた状態にもかかわらず、ゴールドマン・サックスやJPモルガンなどの金融資本家が『まだ儲けたい』と、風船を膨らませ続けてきました」(黒川氏)。
 黒川氏は著書『ソフトバンク崩壊の恐怖と農中・ゆうちょに迫る金融危機』で、農林中金を「日本一危ない金融機関」と指摘している。「農林中金はリーマン・ショックの時に1・5兆円の損を出しています。そのときの教訓が生かされることなく、懲りずに危険な外国債券・金融商品に手を出しているのです。農林中金の財務諸表を見ると、保有する有価証券55・8兆円のうち41・3兆円が『その他証券』です。元本を保証しない証券が41兆円もあり、金融危機が起これば半額以下になる可能性もあります。農林中金の純資産は約7兆円ですから、あっという間に債務超過となります」(黒川氏) 。加えて、メガバンク、生命保険・損害保険会社も危機に晒されているという。「銀行が危なすぎるのですが、生保も同様に危ない。2000年に千代田生命、第百生命、協栄生命、大正生命が倒産し、2001年に東京生命、2008年に大和生命が倒産しましたが、その主な理由は、『低金利政策による逆ザヤ』でした。100万円積み立てると満期で300万円になるという、いまでは考えられないような高利率の商品がザラにあり、その利率を賄えなくなったのです。現在の生損保上位10社の保有資産を見ると、外国証券の合計が57兆9101億円もあります。仮に円高と相場暴落によってそのうちの30%が毀損されると、17・3兆円が消えてなくなる計算です。平常時であれば金利の高い、利回りの良い商品でも、いったん金融危機が起これば相場に合わせて暴落し、元本保証もされません。保険会社の収入は保険料収入で、運用はメインの業務ではありません。生損保は、運用のプロでもないわけです。外資金融機関の営業担当者から、『格付けはトリプルAです』と言われ、その実ハイリスクの金融商品を買わされているだけです。金融危機が訪れると、それらは暴落します。泣きを見るのはこうした生保の金融商品を買った顧客の皆さんです」(黒川氏)。
 コロナショックで揺れる世界経済は今後、どうなるのであろうか。黒川氏は衝撃的な予言を口にする。

 「金融危機対応として、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)、日銀、ECB(ヨーロッパ中央銀行)はじめ世界各国の中央銀行による空前の金融緩和が行われ、パンデミック収束後、余りに余った資金によって金融バブルが訪れます。ですがその資金は、金融業界の中で回るだけです。金融制度自体は変化していないので、結局はまたハイリスクな金融商品に投資されることになるでしょう。土地バブルも起こるでしょう。そしてその後に、巨大な金融危機が起こる。真の金融危機が訪れます。リーマン・ショックの数十倍の危機になります。金融の蛇口から遠い人たちほど、壊死していくでしょう。大切なのでもう一度言います。もし金融界が歴史に学ばず、またもバブルに浮かれるならば、地獄のような世界がやって来ます」(黒川氏)。

 新型コロナのパンデミック収束後、人類にとってもう一つの巨大な危機がやってくる。「金融」という名の怪物が、世界をうろついている。「リーマン・ショックの数十倍の真の金融危機が訪れます」と警鐘を鳴らし続ける黒川氏。

◆黒川 敦彦(くろかわあつひこ)
 1978年、愛媛県今治市出身。大阪大学工学部卒業後、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の研究員として大阪大学の大学発ベンチャーの設立支援業務に従事する。大阪大学歯学部発ベンチャー企業の株式会社アイキャットを設立、代表取締役CEOとして製品化・マーケティング体制構築の実務に従事(のち退社)。技術系ベンチャー十数社を設立、ベンチャー企業への投資、経営支援業務に従事する。リーマン・ショックを機に金融業界を離れ、2011年春、今治に帰郷し農業と政治活動を始める。地元今治で加計学園問題を追及する社会運動を起こし、2017年安倍晋三総理のおひざ元山口4区から衆院選出馬。政治団体「オリーブの木」を設立、代表となり、2019年参院選に候補者10名を擁立。 2018年からYouTube上での発信を開始して爆発的な人気を獲得、2020年1月現在18万人を超えるチャンネル登録者がいる。

 取材・文:岩崎大輔

 1973年、静岡県三島市生まれ。講談社『フライデー』記者。政治やスポーツをはじめ幅広い分野で取材を行う。著書に『ダークサイド・オブ・小泉純一郎 「異形の宰相」の蹉跌』(洋泉社)、『激闘 リングの覇者を目指して』(ソフトバンク クリエイティブ)、『団塊ジュニア世代のカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた』(講談社)がある






(私論.私見)