自衛隊の軍事派兵考 | 外交官射殺事件考 |
(れんだいこのショートメッセージ) |
日本は一歩一歩滅びの道へ誘導されつつある。今や我が政界は先の大戦末期の無能将校、政治家たちよりも格段に劣る。「角栄亡き後後遺症」であろう。各界各層が目先のことしか分からない人士によって護送船団されている。この連中に何を云っても理解能力さえ無いのだから、もっとも簡潔に次のことを示唆しておこう。「要するに軍事は金食い虫なのだ。このシロアリが巣食い始めたら必ず人民も国家も滅ぼされる」。又再起すればよいと思うものも居るだろう。しかし、れんだいこが付け加えておく。「戦後50年、ポスト角栄30年で、日本人の脳はすつかりやられている。故に再起はできない。よって神風信仰をしてはいけない。つまり今が一番大事」。 2004.2.14日 れんだいこ拝 |
【憲法上、解釈改憲の許される範囲について】 | れんだいこ | 2003/11/17 |
2003年11月現在、小泉政権は「日米同盟の信義論」と「石油資源の安定的確保の必要論」を名目にして、イラクへの自衛隊軍事派兵を目論んでいる。ところが、そのイラクの治安状況が悪化しており、派兵の足踏みを余儀なくされつつある。 11.17日の最新局面は、11.16日「自衛隊イラク派遣なら東京攻撃」なる声明文が国際テロ組織アルカイダを名乗る組織から届けられ、11.17日小泉首相が「脅しに屈しない」と逆ギレしている最中である。 とはいうものの、11.17日付新聞に由れば「政府は17日、イラク復興支援特措法に基づく自衛隊派遣について、年内をめざしてきた派遣時期を年明け以降に先送りする方向で最終調整に入った」とある。 概要「自衛隊派遣予定地に近いナーシリヤでイタリア警察軍が攻撃を受け多数の死傷者が出たほか、米軍のヘリコプターに対する攻撃が続くなど現地の治安が極度に悪化。16日まで訪日したラムズフェルド米国防長官が年内派遣を強く求めなかったことも踏まえ、早期派遣をめざす基本姿勢は変えないものの、現状では自衛隊を派遣できる状況にない、との判断を固めた」とのことである。 ところが、石破茂防衛庁長官はえらい熱心だ。先に来日したラムズフェルド米国防長官との会談で、「現地情勢を注視しつつ、自衛隊の能力を活用したふさわしい貢献を早期に実施する」と述べ、事前の専門調査団の結果を踏まえ、早期に派遣する方針を表明している。 ラムズフェルド長官は会談で「一番適切なやり方を自分で決定すべきだ」と述べ、日本政府の方針を尊重する考えを示したと伝えられているが、「ミサイル防衛(MD)システム構築に向けた日米協力の加速」合意を取り付けている。商談だけはちゃっかり纏めているということか。 それはさておき、11.19日に特別国会が召集され、イラク自衛隊派遣で与野党が論戦することになる。衆院選で議席を増やした民主党は、これにどう切り込むのだろうか。「小泉首相の所信表明演説と代表質問など本格審議を要求」しているが、論戦の中味が問題だ。 漏れ伝うるところによると、民主党側は、泥沼化するイラク情勢を受けて、米英のイラク開戦を支持した政府の判断を改めて批判するとともに、「イラクでは戦闘地域と非戦闘地域の区別が有名無実化している」として、自衛隊派遣の根拠が崩れたと主張する構えのようである。 予想される政権与党側の返答は、「衆院選で、与党が絶対安定多数を確保したことは、自衛隊派遣についても国民の支持を受けたということだ」との立場から居直り、民主党の危険論に対しては「イラクは広い。安全なところもある。候補地を目下物色している」と応戦していくことになるだろう。民主党が執拗に食い下がれば、「交通事故のような事故はあり得る。それぐらいは勘弁してもらいたい」で逃げ切るようである。 れんだいこはここで提言しておく。民主党には無理かも知れないが、やはり憲法論で立ち向かうべきだろう。憲法前文精神と9条規定による「首尾一貫した不戦規定」は、目下最高法規であり、改訂前においては何人もこれを遵守せざるを得ない。もし、時の政府が率先して破るようなことがあれば、重責を持って訴追されねばならない。これが法治主義の原則である。 もし、これを破っても良いという場合には、二つの観点が考えられる。一つは、「高度な政治的判断であり、司法判断には馴染まない論」。もう一つは、国連決議に基づく国際的責務論。しかし、こたびの米英-イスラエル連合によるイラク開戦と占領経過には、由々しき手順ミスがある。国連決議が為されたとは云え、それは「後付け決議」であり、かようなものが許されるのか。普通には無いよりは有る方が良いというだけで、無効だろう。正確には法的にはどういうのか分からないが。あくまで「国連決議無しのイラク開戦の是非」が問われるべきだろう。国際法が現に存在するのなら、必ずやこの立場でしか論が為されないはずのところであろう。 もう一つの「高度な政治的判断論」についてはどうだろうか。れんだいこは、日米同盟の再吟味が必要と考える。かの安全保障条約その他に「先制的攻撃論」まで記されているのであろうか。れんだいこの解するところ、防御的なものとしての取決めであったと思っているが違うだろうか。もし、「先制的攻撃論」までは含まれていないとすれば、小泉首相の「世界に先駆けてのブッシュ支持の打ち出しとそれに基づく自衛隊の軍事派兵約束」は訴追されるべきだろう。「高度な政治的判断論」の限度を超えていると思うからである。 結論的に云えば、こたびの自衛隊のイラク派兵は、憲法上、解釈改憲の許される範囲を超えている。安全論以前の問題でここの咎(とが)が問われねばならないのではなかろうか。これを神学論争なる言葉で一蹴した小泉の見識を鋭く問い、なじるべきであろう。 そもそも元に戻って、戦後日本の軍事防衛規定としての「首尾一貫した不戦規定」はその後「軽武装、殖産興業政策」に転身せしめられたものの、今尚価値有る高度にして優れものの政策では無かろうか。その価値がますます光りつつあるときに何を好んで中曽根式のアナクロニズムの世界観に分け入らねばならぬのか。それは亡国の道だろう。補足すれば、中曽根の胡散臭さは別途問われねばならない。 思えば、我が国は、「首尾一貫した不戦規定」とその後の「軽武装、殖産興業政策」があったればこそ、ベトナム戦争時にも派兵せずに済んだ。隣の韓国はこれを為し、強兵であったため多くのベトナム解放戦士を殺傷し、その後のベトナム韓国関係に暗い影を落としていると聞く。イスラム圏が親日的であった理由としても、これまでかの地に石油パイプラインを始めとするインフラ整備に貢献してきた歴史があってのことである。これ全て、「首尾一貫した不戦規定」とその後の「軽武装、殖産興業政策」のお陰ではないのか。 この政策は成功してきたのであり、そう立論することが今求められている。最近の右派系の論調には全く納得し難い。御用学者、マスコミの論の薄っぺらさこそ衝くべきだろう。れんだいこは、飯に困らない連中の退屈しのぎの見得論は有害無益と心得る。 こたびアルカイダを名乗る組織の「自衛隊イラク派遣なら東京攻撃」なる警告は、日本外交のこのところの急速な右旋回に対するものであろう。それを思えば、小泉の「脅しに屈しない」対応は何と底が浅いことだろう。もしアメリカでブッシュ勢力が訴追されたなら、我々は我々なりに当然の権利として小泉を歴史法廷に立たせ、訴追せねばなるまい。その日の来ることが近からんことを祈る。 2003.11.17日 れんだいこ拝 |
米奴系タカ派放逐戦にいざ共に闘わん | れんだいこ | 2003/12/09 |
2003・12・9日、小泉政府の手により戦後史を画する歴史的悪業「自衛隊のイラク軍事派兵、武装出動」が閣議決定されようとしている。米英イ連合に自ら志願して忠犬化し嬉々とする変態小泉ー川口派に説教しても聞き入れる見込みは無い。こうなると、大衆闘争の威力で彼らを放逐する以外に無い。最低限国外追放処分せねばなるまい。 参考になるのは、60年安保闘争史だろう。分かりやすくまとめたものが無いと思われるので、れんだいこが近々サイトアップしようと思う。これに70年安保闘争の経験を加味すれば次のような運動が望まれることになる。 まず、「自衛隊派遣阻止、悪政粉砕全国共闘会議」を早急に立ち上げ、各地に連続的数十波のデモを企画し、次第にうねりを大きくさせていく。都市部で青年学生運動が先鋭化し、局面打開をリードしていく。反戦青年委員会が後続し、労組デモが後方支援する。問題は、機動隊と衝突することが成果では無く、国会包囲ないしかの時は構内突入であったが、小泉政権打倒の為の有効な手段を模索することであろう。 マスコミは風向き次第。旧社共をあてにしてはいけない、肝心なときに抑えにかかり「左」からの沈静化を狙うのが習性だ。むしろ、外電の方が正確に報道する可能性が大だ。幸い、インターネット通信が発達しているので、これを武器にせねばなるまい。 格段に整備された治安力を思えば、デモは秩序立てて数を競い、量は質を規定するに従うこと。脳内の活性化、認識共有、「何を為すべきかの共同模索」に向かうのが賢明かも知れない。こういう運動を通じて一致した国政反映勢力を形成し、行動することが良策かも知れない。 そうこうするうち、国内主要機関の解体策動、基幹産業の外資落ち、国庫空っぽが報道されるようになり、加えて各種増税、物価騰貴、倒産、失業が始まり、植民地化の臭いがプンプンし始めるだろう。国民の怨嗟の声が高まり、一部暴動化し始めるや小泉一派は叩き出されることになろう。なぜなら所詮、相手は「貼りこの虎」だから。これが近未来の日本史的流れとなると思われる。 この間、互いに飯を食わねばならない。つまり賢明懸命な政治闘争戦に勝利せねばならないということだ。闘争主体には受け皿を用意させ、我々の圧倒的カンパで食いつなげさせねばならない。当然、経理公開は常識だ。 戦争売国派には弾圧と腐敗のみ付きまとう。正義派には次から次へと叡智と活力が生まれる。これも歴史の法理だ。米奴系タカ派放逐戦にいざ共に闘わん。70年代以降の政治的低迷の一挙挽回の季節がやってきたと信ずる。 2003・12・9日 れんだいこ党よりの激 党首拝 |
歴史は奇しきものかな | れんだいこ | 2003/12/11 |
歴史は奇しきものかな。戦後史を画する自衛隊の軍事派兵の決定が、丁度62回目の真珠湾攻撃記念日の翌日に当る12.9日に閣議決定された。当時は、対米英宣戦布告であった。歴史は廻りめく変わり、今度は米英を同盟軍としてその旗下に馳せ参ずる身になるとは。先の大戦の敗北の意味が否応無く分からせられる。 小泉という変態首相をトップに据えると、これを嬉々としてやることになる。脳内の配線がかなりいかれているのか酔っ払っているのか、戦後憲法前文を読み上げて「イラクへの自衛隊派兵が憲法の理念にかなう」と居直る。とてもではないが聞いていられない。 然るに、記者会見の席上、当然為されるべきこの質問が出てこない。こうなると、マスコミ諸君もよほど酔っ払っているのだろう。後から気づいたのでは遅い。肝心の記者会見席上で、「どう読めば、そういう解釈が成り立つのか」質疑せねばなるまい。たかが小泉流言論魔術師の手にうかうかと乗せられるとは情けない限り。 かってのべ平連の呼びかけ人・作家の小田実氏は、「うまいことピックアップした。正反対の意味なのに…恐るべき人だ」、概要「憲法前文は、まず『戦争のない世界をつくるため努力しよう』との趣旨が前半に書いてあって、その前提で『全世界も努力すべきで、あなた方もその努力をやれ』ということ。小泉首相がいうのはめちゃくちゃだ。今こそ平和憲法の価値がある時。日本は武力で問題を解決してはいけないことを学んだ。それが前文であり9条だ。それをねじ曲げている」とコメントしているとのこと。正論だろう。 しかるに、マスコミは、「合わせ技」、「苦肉の策」、「努力の跡がうかがえた」などとコメントしている。「馬鹿も休み休み言いたまえ」、「平和憲法に対する陵辱強姦行為ではないのか」と、なぜ批判できないのか。 丁度この時期、「ロッキード疑惑事件を疑惑」し続ける新野哲也氏の「角栄なら日本をどう変えるか」(光人社)が出版された。今日のようなテイタラクな日本に変質せしめられたのは、「ロッキード事件狂想曲騒動」を通じてだと云う。必読の価値ありだ。 れんだいことの合作で表現すれば、この事件を通じて、薄っぺらな安上がりの正義を説くしか能の無い自称インテリがうまく利用され、真の愛国者にして有能なる「角栄的なるもの」を成敗し始め、姑息卑怯にして夜郎自大なエセ愛国の売国奴どもを大挙して支配層に寄生させていった。そのなれの果てが今日の日本であり、もうこの国には主権概念が無く、自力では何も解決できない。 その腹いせにかどうか北朝鮮には強腰だ。強い者にへいこらし、弱いものに威たけだけになり、裏で変態に興じる役人、政治家に牛耳られる国家になってしまった。オラはもう知らんと云いたいけど、それも性に合わんからこうやって発言せざるを得ない。 2003.12.11日 れんだいこ拝 |
【イラク復興特別措置法に基づく自衛隊のイラク派遣承認案件が衆参両院で可決される】 |
2004.1.31日、衆院が承認したイラク復興特別措置法に基づく自衛隊のイラク派遣承認案件が2004.2.9日、参院本会議でも承認された。参院本会議での採決は押しボタン方式で行われ、賛成は自民、公明両党など138票、反対は民主、共産、社民などの103票で、賛成多数で可決された。
自衛隊のイラク派遣をめぐっては、イラク特措法が昨年7月に成立した。政府は同12月に自衛隊派遣などの基本計画を閣議決定。石破防衛長官は陸上、海上、航空3自衛隊に派遣命令を出している。空自本隊はクウェートのアリ・アル・サーレム空軍基地を拠点に物資輸送の準備を進め、陸自本隊第1陣は既に現地時間の8日にサマワ入りしており、今回の国会承認は事後承認の形となった。政府は「今回、一括して承認されたので、新たな承認は不要」としている。 陸自本隊第2―4陣は2月下旬から3月下旬までに順次出発する。陸自本隊の装備を搭載した海自大型輸送艦なども2月20日ごろに出発する予定だ。本格的な活動は4月以降になる。与野党は今後の自衛隊の活動について、衆院テロ防止特別委員会で週1回、政府から現状報告を受けることで合意している。 これにより、戦争状態にある外国に陸海空3自衛隊をそろって派遣する初めての事態に対して国会が承認手続きを完了した。政府が復興で二本柱とする人的、物的両面での支援が本格化する。イラク復興支援費用1188億円を盛り込んだ03年度補正予算も、同本会議で可決、成立した。円売りドル買い介入のための資金調達枠は21兆円増額され、現行の79兆円から100兆円となった。更に40兆円の増額が見込まれており、最終的には140兆円規模になる見込みである。財務省と日銀が一体化させられており、日銀の相対的自主性は遠い昔物語となってしまっている。政府・与党は04年度予算案を3月上旬に衆院を通過させ、同月末までに成立させる方針だ。しかし、衆院で与党が承認案の強行採決に踏み切ったことから、審議日程はずれ込んでおり、厳しい国会運営となる。 問題は、国会論戦が全く機能しておらず、与野党の質疑内容と政府の答弁がお粗末極まる限りで為されていることだろう。シビリアン・コントロール(文民統制)も漫画的様相を呈している。本来、武官の隠蔽体質を踏まえて情報公開に向かうべきところ、文民が情報閉鎖を要請し、自衛隊武官がこれに失望するという逆の事態が発生し、さほどに問題されない。 |
自衛隊の米衛隊への転換。イスラムに対してアジアを差し向けるブッシュ一統の戦略に基づくもの。 |
(私論.私見)