福島第一原子力発電所の事故では、1~3号機の3基のRPV内の燃料が溶けたことがわかっています。なお、4号機は定期検査中であったため燃料が装荷されていませんでした。1~3号機のPCV内の燃料デブリの状態として考えられているものを図2に示します。
燃料デブリを取り出すには、PCV内部に存在する燃料デブリや炉内構造物の情報を収集する必要があります。必要な情報は「どこに(位置)」「どのような形で(形態)」「どのような特性で(性状(※5))」「どのくらい(量)」存在するかといったことです。
これらの情報は、福島第一原子力発電所における条件を考慮して燃料デブリが生成される様子を実験や解析により推定した結果や、ロボットを実際にPCV内部に投入して状況調査した結果により、徐々に得られています。特に、2017年には1~3号機に対してロボットを使用した調査が行われ、内部状況の一部が直接確認されました。1~3号機の確認箇所を図3に示します。具体的には、1号機ではPCV内1階から線量計およびカメラをつり降ろし、RPVを支えているペデスタル(原子炉圧力容器支持構造物)外地下階などの状況を確認する調査が実施されました。2号機ではペデスタル内プラットホームへカメラを装備した自走式調査装置が投入され、金属性の足場であるグレーチングの脱落や変形などの状況が確認されました(図4参照)。3号機は滞留水の水位が1号機および2号機よりも高いため、水中遊泳式調査装置(水中で泳ぐロボット)が用いられ、ペデスタル内の状況が確認されました。なお、2018年1月には2号機のペデスタル内を対象とした追加調査が実施されており、今後、画像の分析および線量・温度データの評価が行われる予定です。
これらの情報は、福島第一原子力発電所における条件を考慮して燃料デブリが生成される様子を実験や解析により推定した結果や、ロボットを実際にPCV内部に投入して状況調査した結果により、徐々に得られています。特に、2017年には1~3号機に対してロボットを使用した調査が行われ、内部状況の一部が直接確認されました。1~3号機の確認箇所を図3に示します。具体的には、1号機ではPCV内1階から線量計およびカメラをつり降ろし、RPVを支えているペデスタル(原子炉圧力容器支持構造物)外地下階などの状況を確認する調査が実施されました。2号機ではペデスタル内プラットホームへカメラを装備した自走式調査装置が投入され、金属性の足場であるグレーチングの脱落や変形などの状況が確認されました(図4参照)。3号機は滞留水の水位が1号機および2号機よりも高いため、水中遊泳式調査装置(水中で泳ぐロボット)が用いられ、ペデスタル内の状況が確認されました。なお、2018年1月には2号機のペデスタル内を対象とした追加調査が実施されており、今後、画像の分析および線量・温度データの評価が行われる予定です。
しかし現実的に、PCV内部の調査は、放射線の影響でロボットなどの遠隔装置に頼らざるを得ないことから、調査の場所や時間が限られています。2021年に予定されている燃料デブリ取り出しの前にPCV内部の状況を正確かつ網羅的に把握することは困難です。そこで、政府の中長期ロードマップおよびNDFによる戦略プランにおいては、燃料デブリ取り出しは「ステップ・バイ・ステップのアプローチ」として、取り出しを進めながら徐々に得られる情報に基づいて、柔軟に方向性を調整していくこととしています。