【市町村の核関連施設・廃棄物拒否条例】 |
「資料 核関連施設・廃棄物拒否条例(背景と解説)」、「核物質拒否条例」(核物質拒否条例(かくぶっしつきょひじょうれい)とは核物質などの持込を拒否する条例)。
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主に原子力発電所から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設の誘致話に拒否する姿勢を示すために制定されることが多い。放射性廃棄物に関連する言及が多いが、中には医療用放射性物質を例外として放射性物質持ち込み自体を拒否している条例も存在する。
1991年に岡山県湯原町「湯原町放射性廃棄物の持ち込み拒否に関する条例」を制定したのが最初とされる(2005年合併に伴い失効)。
2000年10月には都道府県としては北海道が「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」を制定した。
2000年12月に鹿児島県屋久町が初めて放射性物質自体を対象とした「放射性物質等の持込み拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例」を制定した(2007年合併に伴い失効)。
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(旧)岡山県湯原町 /湯原町放射性廃棄物の持ち込み拒否に関する条例
人形峠周辺の岡山県北部で高レベル処分場立地につながる不穏な動きがあるため作られた、日本では一番古い拒否条例。その後の各地の条例の原型として、立派な内容である。残念ながら、湯原町は、2005年3月31日、周辺町村と合併して真庭市となったので、条例も失効した。
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(旧)岡山県湯原町/湯原町放射性廃棄物の持ち込み拒否に関する条例(条例本文)
平成3年4月1日 条例第5号
第1条(目的) |
この条例は、放射能の影響から町民のいのちと生活を守り、豊かな自然を生かした地域の発展に資することを目的とする。 |
第2条(定義) |
この条例において 「放射性廃棄物等」とは、原子力発電所から発生する使用済み燃料や、使用済み燃料を再処理する過程で生まれる放射性廃棄物をいう。 |
第3条(基本政策) |
湯原町は、放射性廃棄物等の最終処分場とそれに関するすべての施設の建設を拒否する。 |
湯原町は、放射性廃棄物等処分のための研究開発施設の建設を拒否する。 |
湯原町は、いかなる場合も放射性廃棄物等の町内持ち込みを拒否する。 |
第4条(立場の公表) |
湯原町は、第一条の目的達成のため、国及び関係機関に対し、第三条の基本政策を通告して、その立場を明らかにする。 |
第5条(委任) |
この条例の施行について必要な事項は、規則によって定める。 |
この条例は、公布の日から施行する。 |
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北海道における特定放射性廃棄物に関する条例
北海道幌延町に核燃サイクル機構が計画した深地層研究所(高レベル廃棄物の地層処分研究施設)を、それまでの方針を翻して受入れ容認するに際し、作られた条例。受入れ拒否の対象は、研究所ではなく、特定放射性廃棄物とされていて、廃棄物さえ持ち込まなければ高レベル地層処分の研究はOKとされた。「特定放射性廃棄物」という用語は、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」では高レベル廃棄物のガラス固化体のことだが、本来必要な条例上での用語の定義はされていない。また、厳密な受入れ拒否ではなく、「特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難い」という玉虫色の表現になっている。
条例本文
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北海道における特定放射性廃棄物に関する条例
平成12年10月24日 条例第120号
北海道は、豊かで優れた自然環境に恵まれた地域であり、この自然の恵みの下に、北国らしい生活を営み、個性ある文化を育んできた。 一方、発電用原子炉の運転に伴って生じた使用済燃料の再処理後に生ずる特定放射性廃棄物は、長期間にわたり人間環境から隔離する必要がある。現時点では、その処分方法の信頼性向上に積極的に取り組んでいるが、処分方法が十分確立されておらず、その試験研究の一層の推進が求められており、その処分方法の試験研究を進める必要がある。 私たちは、健康で文化的な生活を営むため、現在と将来の世代が共有する限りある環境を、将来に引き継ぐ責務を有しており、こうした状況の下では、特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難いことを宣言する。 附 則 この条例は、公布の日から施行する。
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北海道幌延町/深地層の研究の推進に関する条例
深地層研究所の立地を推進する幌延町が、施設受入れの条件整備のために、道条例に先立って作った条例。「研究の期間中及び終了後において、町内に放射性廃棄物の持ち込みは認めないものとする」としているため、研究用の放射性物質は拒否対象に含まれない? 制定時の臨時町議会には、反対派町議から対抗策として最終処分に関するすべての施設の拒否条例が提案されたが少数否決された。
条例本文
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北海道幌延町
深地層の研究の推進に関する条例
平成12年5月11日 条例第25号
(目的) |
第1条 |
この条例は、わが国のエネルギー政策の推進に協力するために、深地層の研究に対する本町の基本方針を定め、地域の振興を図ることを目的とする。 |
(基本方針) |
第2条 |
幌延町は、核燃料サイクル開発機構(以下「サイクル機構」という。)から立地の申し入れを受けた深地層の研究施設について、原子力政策の推進と地域の振興に資することから、これを受け入れるものとする。 |
2 |
幌延町は、深地層の研究を円滑に推進するために、研究の期間中及び終了後において、町内に放射性廃棄物の持ち込みは認めないものとする。 |
3 |
幌延町は、深地層の研究施設の設置にあたり、国、北海道及びサイクル機構に対して、地域の振興に資する施策が積極的に実施されることを要望するものとする。 |
(基本方針の通知) |
第3条 |
幌延町は、第1条の目的達成のため、前条に定める基本方針を国、北海道及びサイクル機構等に通知するものとする。 |
(規則への委任) |
第4条 |
この条例の施行に関し、必要な事項は、規則で定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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北海道美瑛町 /美瑛町に放射性物質等を持ち込ませない条例
2017年に政府が公表した「高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する科学的特性マップ」において、美瑛町が一部を除き「好ましい特性が相対的に高い地域」とされたため2018年3月議会で制定された条例。近年制定されている拒否条例では立入調査権などを規定しているが、本条例はそのような権限を規定せず、基本理念や基本施策をうたった宣言型の条例。制定の議会審議に先立ち、条例案がパブコメにかけられ、条例名などについて文言修正が行われた。
条例本文
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北海道美瑛町
美瑛町に放射性物質等を持ち込ませない条例
平成30年3月16日 条例第9号
(目的) |
第1条 |
この条例は、放射性物質等による被害から町民の生命と財産を守り、現在及び将来において町民が安心して暮らせる生活環境を保障し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性物質等」とは、次に掲げるものをいう。 |
(1) |
原子力関連施設から発生する使用済燃料 |
(2) |
前号に規定する使用済燃料を再利用又は廃棄する過程で発生するさまざまなレベルの放射性物質等 |
(基本理念) |
第3条 |
町民は、健康で文化的な生活を営むため、良好で快適な環境の恵みを享受する権利を有するとともに、本町の自然豊かで実り多い大地や美しい農村景観は、開拓以来、先人から受け継ぎ、次の世代へ引き継ぐために守るべき貴重な財産であり、このかけがえのない郷土を、町及び町民がそれぞれの役割を担いながら、将来にわたって協働して守り育てていかなければならない。 |
(基本施策) |
第4条 |
町は、いかなる場合も放射性物質等を町内に持ち込ませない。 |
2 |
町は、放射性物質等の処分、保管及び研究等に関する全ての調査及び施設の建設を受け入れない。 |
3 |
この条例は、医療用放射性物質の利用を妨げるものではない。 |
(町の責務) |
第5条 |
町は、第3条の基本理念にのっとり、必要な施策を総合的に推進しなければならない。 |
2 |
町は、必要があると認めるときは、前条の基本施策を実施するための措置を講じなければならない。 |
(町民の責務) |
第6条 |
町民は、第3条の基本理念にのっとり、町が実施する施策に協力しなければならない。 |
附 則 |
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この条例は、平成30年4月1日から施行する。 |
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北海道浦河町 /浦河町に放射性物質等を持ち込ませない条例
2017年に政府が公表した「高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する科学的特性マップ」において、浦河町が「輸送面でも好ましい」とされたため2018年6月議会で全会一致で制定された条例。策定の経緯を町長にインタビューした記事がブログ「どうする”核のゴミ”~北海道・幌延から」にアップされている。条例は目的・定義、基本理念・基本施策、町・町民の責務など6条からなり、「持ち込ませない」意思表示をする宣言型条例。
条例本文
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北海道浦河町
浦河町に放射性物質等を持ち込ませない条例
平成30年6月20日 条例第10号
(目的) |
第1条 |
この条例は、放射性物質等による被害から町民の生命と財産を守り、現在及び将来において町民が安心して暮らせる生活環境を保障し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性物質等」とは、次に掲げるものをいう。 |
(1) |
原子力関連施設から発生する使用済燃料 |
(2) |
前号に規定する使用済燃料を再利用又は廃棄する過程で発生するさまざまなレベルの放射性物質等 |
(基本理念) |
第3条 |
町民は、健康で安全かつ文化的な生活を営むため、豊かで良質な自然の恵みを享受する権利を有すると共に、広大な太平洋と雄大な日高山脈に囲まれた浦河町(以下「町」という。)の美しい自然は、町民の豊かな暮らしを支える貴重な財産であり、このかけがえのない郷土を町及び町民がそれぞれの役割を担いながら、将来にわたって保護し、継承していかなければならない。 |
(基本施策) |
第4条 |
町は、いかなる場合も放射性物質等を町内に持ち込ませない。 |
2 |
町は、放射性物質等の処分、保管及び研究等に関する全ての調査及び施設の建設を受け入れない。 |
3 |
この条例は、医療用放射性物質の利用を妨げるものではない。 |
(町の責務) |
第5条 |
町は、第3条の基本理念にのっとり、必要な施策を総合的に推進しなければならない。 |
2 |
町は、必要があると認めるときは、前条の基本施策を実施するための措置を講じなければならない。 |
(町民の責務) |
第6条 |
町民は、第3条の基本理念にのっとり、町が実施する施策に協力しなければならない。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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宮城県加美町
加美町自然環境を放射能による汚染等から守る条例
東京電力福島原発事故でまき散らかされた放射能は各地で深刻な汚染を引き起こした。なかでも放射能が濃縮する下水汚泥や焼却灰などはキログラムあたり8000ベクレルを越え、処分することができず、保管せざるを得なかった。これらの廃棄物は指定廃棄物と定義され、環境省は福島県以外でも宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の各県に処分場を設置して県内処分を進める方針である。 宮城県においては、4957tの指定廃棄物の処分場候補地として2014年1月に、栗原市深山嶽、大和町下原、加美町田代岳が選定され、宮城県知事は詳細調査の受入を8月に認めている。 猪俣町長は調査受入を拒否し、町議会も、2014年9月19日に全会一致で拒否条例を可決した。 また、同年12月12日には、同じように指定廃棄物処分場の候補地とされた栃木県塩谷町の高原山・尚仁沢湧水保全条例を参考に水資源保全条例が制定され、水資源保全地域内で処分場等の事業を行おうとする場合は町長の許可が必要とされた。
条例本文
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宮城県加美町
加美町自然環境を放射能による汚染等から守る条例
平成26年9月25日 条例第16号
(目的) |
第1条 |
この条例は、加美町環境基本条例(平成17 年条例第2号)の趣旨に則り、加美町の豊かな自然環境を放射能による汚染等から守ることにより、現在及び未来にわたり、町民の健康と安心して住める生活環境を維持し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(基本原則) |
第2条 |
町は、「水と自然」がふるさとの宝であることから、指定廃棄物の最終処分場に関する宣言(別記)のもと、未来の子どもたちのために水源及び里地里山を保全するものとする。 |
(町の責務) |
第3条 |
町は、第1条の目的を達成するために必要な施策を総合的かつ積極的に推進するものとする。 |
(委任) |
第4条 |
この条例に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。 |
(附則) |
この条例は、公布の日から施行する。 |
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指定廃棄物の最終処分場に関する宣言 |
加美町は、豊かで優れた自然環境に恵まれた地域であり、その恵みの下、自然と共生する社会を育んできました。 私たちは、長い年月をかけて先人から継承してきた貴重な歴史的、文化的資産及び景観を保護し、豊かな自然環境が損なわれることなく将来に引き継ぐ責務を有しています。 加美町は、これを侵す危険性のある「指定廃棄物の最終処分場」は、受け入れないことを決意し、ここに宣言します。 |
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宮城県大郷町
放射性廃棄物等の持込拒否に関する条例
宮城県大郷町の田中学町長は、2006年12月に町議会に低レベル処分場の誘致検討を表明し、住民を対象にした説明を重ねた。 町議会は、2007年3月20日に反対請願を採択したが、その後も推進の動きが止まないとして、2008年3月14日に議員提案で条例が可決された。 RI・研究所等廃棄物処分場に反対する観点から、放射性廃棄物の定義に原発の使用済燃料や発電過程で発生する放射性廃棄物に加え、「医療機関で発生する放射性廃棄物等、一切の放射能汚染物質」としていることが特徴。
条例本文
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宮城県大郷町
放射性廃棄物等の持込拒否に関する条例
平成20年3月18日 条例第19号
(目的) |
第1条 |
この条例は、放射能の影響から大郷町民の生命及び生活を守り、次世代を担う子供達に美しく豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を残し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例における放射性廃棄物とは、原子力発電所から発生する使用済燃料や発電過程で発生する放射性廃棄物、又は医療機関で発生する放射性物質等、一切の放射能汚染物質をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
大郷町は、放射性廃棄物の処分、保管及び研究等に関するすべての施設に関する調査及び建設を拒否する。 |
2 |
大郷町は、いかなる場合も放射性廃棄物の町内持ち込みを拒否する。 |
(立場の公表) |
第4条 |
大郷町は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関並びに隣接市町村に対し、前条の基本施策を通告してその立場を明らかにする。 |
(委任) |
第5条 |
この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。 |
(附則) |
この条例は、公布の日から施行する。 |
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岐阜県土岐市
土岐市放射性廃棄物等に関する条例(案)
隣接する瑞浪市で核燃サイクル機構が進める超深地層研究所(高レベル廃棄物の地層処分研究施設)に危機感を募らせた議員提案の条例。市当局の嫌がらせで、提案時の(案)がついたまま、正式な条例名となった。 「最終処分場とそれに関する全ての施設の建設」「放射性廃棄物等の持ち込み」を拒否して、立入調査権、操業停止請求権を明記している。
条例本文
土岐市生活環境保全に関する条例
上記議員提案条例に対抗して、市当局が提案し、可決された条例。 従来からある生活環境保全条例の「市の責務」の条文に「放射性廃棄物の持込み禁止」という語句を入れただけ。
条例本文
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岐阜県土岐市
土岐市放射性廃棄物等に関する条例(案)
平成11年3月30日 条例第15号
(目的) |
第1条 |
この条例は、「環境保全都市宣言」の精神を具体化し、放射能による災害から市民の生命と生活を守り、次世代を担う子供達に豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を残し、地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性廃棄物等」とは、原子力発電所から発生する使用済み燃料や、原子力施設及び研究施設等から発生する放射性廃棄物を指す。 |
(基本施策) |
第3条 |
土岐市は、放射性廃棄物等の最終処分場とそれに関する全ての施設の建設を拒否する。 |
2 |
土岐市は、市地域内においていかなる場合も放射性廃棄物等の持ち込みを拒否する。 |
(立場の公表) |
第4条 |
土岐市は、第1条の目的達成のため、国及び関係機関に対し、第3条の基本施策を通告して、その立場を明らかにする。 |
(権限) |
第5条 |
土岐市は、第3条に定める事項について疑念が生じた場合、関係施設等に対し報告を求め、立ち入り調査を行うことができる。 |
2 |
土岐市は、この条例に違反した事業所・研究施設に対し、操業の即刻停止を求めることができる。 |
(規則への委任) |
第6条 |
この条例の施行について必要な事項は、規則によって定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
背景と解説
土岐市生活環境保全に関する条例
昭和47年7月1日 条例第23号 改正 平成4年6月30日 条例第19号 平成11年3月30日 条例第8号
目次 |
第1章 総則(第1条―第4条) |
第2章 緊要な施策(第5条―第9条) |
第3章 環境対策審議会(第10条―第12条) |
第4章 補則(第13条) |
附則 |
第1章 総則 |
(目的) |
第1条 |
この条例は、本市における現在及び将来において、すべての市民が健康で安全かつ文化的な生活を営むことができる良好な生活環境を確保するため、環境破壊を防止し、その改善向上を図り、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。 |
(市の責務) |
第2条 |
市は、良好な生活環境を保持し、改善するため、自然の保護、公害の防止、歴史的文化的資産の保存、清純な環境の確保、安全及び災害の防止並びに放射性廃棄物の持込み禁止等自然的、社会的条件に応じた生活環境の確保に関する施策を策定し、これを実施する責務を有する。 |
(第3条以下略) |
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京都府宮津市
ふるさと宮津を守り育てる条例
使用済み核燃料の中間貯蔵施設の立地場所を探している関西電力の八木社長が、2014年9月27日の定例記者会見で、「基本は福井県を除く関西地域」「一例として関電の発電所の敷地の中」と述べたことから、長期計画停止中の宮津火力発電所を抱える宮津市が危機感を抱き、2015年3月30日に議員提案、全会一致で可決した条例。 「基本理念及び施策にそぐわない施設」を立地しようとする者は市長の許可を得なければならないとしている。対象となる施設は核燃料物質の貯蔵施設等だけであることから、原子炉等規制法に抵触し違憲の条例とされる懸念があるものの、関電が立地を強行しようとする場合は条例の無効を訴訟で争う必要があり、一定の抑止力になると考えられる。
条例本文
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京都府宮津市
ふるさと宮津を守り育てる条例
平成27年4月1日 条例第29号
(目的) |
第1条 |
この条例は、日本三景天橋立に代表される美しい自然と悠久の歴史にはぐくまれ、すぐれた文化を継承する「ふるさと宮津」を将来にわたって守り育てていくことを目的とする。 |
(基本理念) |
第2条 |
私たちの郷土「ふるさと宮津」を、将来にわたって、豊かで安心安全なまちとしていくため、市及び市民等がそれぞれの役割を担いながら、「ふるさと宮津」の美しい自然、心豊かな生活環境を協働して守り育てていかなければならない。 |
(市の責務) |
第3条 |
市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)の下に次に掲げる施策を推進するものとする。 |
(1) |
天橋立をはじめ、美しい自然を守り育てるとともに、率先してより良い環境を創造するよう努める。 |
(2) |
宮津市のまちづくりにおいて、市民及び宮津市を訪れる者の健康不安を及ぼさないように努める。 |
(立地の許可) |
第4条 |
前2条に規定する基本理念及び施策にそぐわない施設で、別表に掲げるものを立地しようとする者は、市長の許可を受けなければならない。 |
2 |
前項の許可にあたっては、市長は審議会の意見を聞かなければならない。 |
3 |
市長は、第1項の許可について審議するため、審議会を置く。 |
4 |
前項の審議会は、委員10人以内をもって組織する。 |
5 |
委員は、必要の都度、市民、事業者、識見を有する者その他適当と認める者のうちから、議会の同意を得て、市長が委嘱する。 |
6 |
前4項に定めるもののほか、審議会の運営等に関し必要な事項は、規則で定める。 |
(市民等の責務) |
第5条 |
市民及び事業者は、基本理念にのっとり、より良い環境を創造するよう、自ら主体的に行動し、その実現に努めるとともに、市が基本理念の下に実施する施策に協力しなければならない。 |
(委任) |
第6条 |
この条例に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。 |
附則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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別表(第4条関係) |
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第2条に定める核原料物質若しくは核燃料物質を貯蔵又は原子炉を設置しようとする施設 その他これに類する施設 |
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和歌山県白浜町
白浜町安心・安全なまちづくり推進条例
合併した旧日置川町はかつて原発建設が狙われた地であり、今も関西電力及び関連会社が3か所に9ha,16ha,37haの土地を所有している。駐在員が2017年に2名から4名に増員されたことから、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の立地場所にされるのではないかと反対運動が広がった。当初は町長も反対を明言せず、議会も2018年12月に受け入れ拒否の議会議決を求めた請願を不採択としていた。しかし、2020年春に改選を迎える町長が2019年9月議会で拒否条例制定を検討すると答弁し、12月議会で全会一致で成立した。 安心・安全なまちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項を認めないとし、対象となる事項は、廃棄物、土砂等の不適切な処分と放射性物質の持ち込み、貯蔵又は処分する施設の建設としている。「認めない」という条文は町の立場の表明で禁止ではないでしょうが、条文解釈が問題になる事態は条例制定によって阻止できたはずです。安心・安全のために関電の持つ土地への対応を町には求めたい。
条例本文
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和歌山県白浜町
白浜町安心・安全なまちづくり推進条例
令和元年12月18日成立 白浜町は、紀伊山地の山々や吉野熊野国立公園に指定されている円月島、千畳敷、三段壁、志原海岸など変化に富んだ魅力ある海岸線の自然環境に加え、日本三古湯の一つに数えられる白浜温泉をはじめとする椿温泉や日置川温泉などの温泉資源、世界遺産「熊野参詣道大辺路」や南紀熊野ジオパークをはじめとした多くの文化遺産、四季折々の食材とこれを使った郷土料理、伝統行事など、豊かな観光資源に恵まれており、そこに訪れる多くの観光業者は、はば広い産業に経済効果をもたらし、多くの雇用を創出するとともに、交流人口の拡大による地域の活性化に大きな役割を果たしている。 これらの環境は、未来永劫守り続けていかなければならない。そのためには、町民が安心して、安全にくらし、そして本町を訪れる人々が楽しく観光ができる環境を維持し、全ての町民が「住んでよかった」と、本町を訪れた人が「訪れてよかった、また行きたい」と思える町づくりを続けていく必要がある。 よって、ここに町及び町民がそれぞれの役割を果たし、安心で安全な観光立町としてふさわしい環境を守り続けていくことを決意し、この条例を制定する。
(目的) |
第1条 |
この条例は、安心で安全な暮らしに配慮したまちづくり(以下「安全・安心なまちづくり」という。)に関して基本理念を定め、町、町民及び地域活動団体(自治会その他の地域的な共同活動を行う団体をいう。以下同じ。)の役割を定めることにより、安心・安全なまちづくりを推進し、もって町民、観光旅行者等が安心して安全に暮らし、又は滞在することができる社会を実現することを目的とする。 |
(基本理念) |
第2条 |
安心・安全なまちづくりは、地域住民による自主自立の精神および相互扶助の精神に支えられた良好な地域社会の形成が必要であるという基本認識の下に、自主的な判断に基づき推進されなければならない。 |
2 |
安心・安全なまちづくりは、町民及び地域活動団体(以下「町民等」という。)による自主的な活動(以下「自主活動」という。)基本とし、安心で安全な地域社会の形成に配慮した環境の整備が実施されるよう推進されなければならない。 |
3 |
安心・安全なまちづくりは、町及び町民等がそれぞれの役割を適切に分担し、連携、協力するともに、お互いにその権利利益を尊重しつつ推進されなければならない。 |
(町の役割) |
第3条 |
町は、前条の定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、安心・安全なまちづくりに関する基本的かつ総合的な施策を策定および実施するものとする。 |
2 |
町は前項の施策の策定及び実施に当たっては、町民等と相互に連携を図るものとする。 |
3 |
町は、第1項の施策の策定及び実施に当たっては、国、県及び周辺市町村と連携及び調整を行うものとする。 |
(町民の役割) |
第4条 |
町民は、基本理念にのっとり、安心・安全なまちづくりの必要性及び方策について理解を深めるとともに、安心で安全な地域社会の形成のため、自主的活動を推進するよう積極的に努めるものとする。 |
2 |
町民は、安心・安全なまちづくりのために町が実施する施策に協力し、及び安心・安全なまちづくりのために地域活動団体が実施する取り組みと連携するよう努めるものとする。 |
3 |
町民は、地域社会の安全に関する意識の高揚に努めるとともに、町民の安心で安全な暮らしを害するおそれのある事態の発生に関する情報を知ったときは、当該情報を町に提供するよう努めるものとする。 |
(地域活動団体の役割) |
第5条 |
地域活動団体は、基本理念にのっとり、安全・安心なまちづくりの必要性及び方策についての理解を深めるとともに、自主的活動を主体的に企画及び推進するよう積極的に努めるものとする。 |
2 |
地域団体は、安心・安全なまちづくりのため町が実施する施策に協力するとともに、町民が実施する取り組みに参画するよう努めるものとする。 |
(推進体制の整備) |
第6条 |
町は、安心・安全なまちづくりを推進するため、町及び町民等が相互 の協力の下に、安心・安全なまちづくりに関する情報を交換すること及びその方策の研究を連携しておこなうことができる体制の整備に努めるものとする。 |
(環境の整備等) |
第7条 |
町は、全ての町民、観光旅行者等が安心して、安全かつ快適に生活又は滞在することが出来る環境の整備に努め、安心・安全なまちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項を認めないものとする。 |
2 |
前項に規定する安心・安全なまちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項は、次の各号に掲げるものとする。 |
(1) |
廃棄物、土砂等の不適切な処分等を町内において行うこと。 |
(2) |
放射性物質(原子力発電所など原子力関連施設の核燃料並びにこれから生ずる使用済み核燃料及び放射性廃棄物をいう。)の町内への持ち込み、及びこれらを貯蔵又は処分する施設を町内に建設すること。 |
(3) |
前2項に掲げるもののほか、この条例の目的達成を阻害すること。 |
(財政上の措置) |
第8条 |
町は、安心・安全なまちづくりを推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。 |
(広報啓発等) |
第9条 |
町は安心・安全なまちづくりに関する町民の関心を高め、及び理解を深めるため、広報啓発その他必要な措置を講ずるものとする。 |
(委 任) |
第10条 |
この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。 |
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島根県西ノ島町
放射性廃棄物等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
財政難に悩む町当局が、自衛隊、刑務所などとともに使用済み燃料の中間貯蔵施設誘致の動きを見せたため、反対する町民らが条例案を作成。計画断念した町は、ほぼ住民案どおりに提案し、全会一致で可決された。 放射性物質等の町内への持込みを拒否し、「原子力関連施設の町内への立地及び建設に反対」している。立入調査権も明記している。
条例本文
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島根県西ノ島町
放射性廃棄物等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
平成16年7月2日 条例第47号
(目的) |
第1条 |
この条例は、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、大山隠岐国立公園区域内にある西ノ島町の豊かな生態系を放射能による汚染から予防することによって、現在及び将来の町民の健康と文化的な暮らしを保障し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「原子力関連施設」とは、原子力発電所並びに核燃料(使用済み核燃料を含む。)の加工施設、中間貯蔵施設、再処理施設及び濃縮施設並びに放射性廃棄物の最終処分場などの施設をいう。 |
2 |
この条例において「放射性物質」とは、原子力関連施設から発生する使用済み燃料又はさまざまなレベルの放射性廃棄物などの放射性物質をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
西ノ島町は、放射性物質等の町内への持込みを拒否する。 |
2 |
西ノ島町は、原子力関連施設の町内への立地及び建設に反対する。 |
3 |
この条例は、医療用放射性物質の利用を妨げるものではない。 |
(権限) |
第4条 |
西ノ島町は、第3条に定める事項に関する計画等があると疑われる場合には、関係機関及び関係施設に対して関連情報の提供を求めることができる。 |
2 |
西ノ島町は、放射性物質等の町内持込みについて疑いが生じた場合、疑いのある原子力関連施設に対して報告を求め、必要な限度において関係場所へ職員を立ち入らせて状況を調査させることができる。 |
3 |
前項の調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、これを提示しなければならない。 |
4 |
第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪調査のために認められたものと解釈してはならない。 |
5 |
西ノ島町は、この条例に違反した原子力関連施設の責任者に対し、施設の供用及び操業の即時停止を求めることができる。 |
附則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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高知県安芸郡東洋町
東洋町放射性核物質(核燃料・核廃棄物)の持ち込み拒否に関する条例
民意を無視して独断で処分場調査に応募した田嶋 前町長を選挙で破った沢山町長が、騒動に決着をつけるために提案し、全会一致で可決された条例。町民の義務や町長の義務を盛り込んでいるのが特徴。 東洋町での経過はこちら
条例本文
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高知県安芸郡東洋町
平成19年5月21日 条例第6号
東洋町放射性核物質(核燃料・核廃棄物)の持ち込み拒否に関する条例
(目的) |
第1条 |
この条例は、東洋町非核平和都市の宣言に関する決議(昭和61年)の精神に則り、すべての放射性核物質及び放射能による災害から町民の生命及び生活を守り、次世代を担う子供達に美しい自然と安心して暮らせる生活環境を保護し、東洋町及び周辺地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において、「放射性核物質」とは、原子力発電所など原子力関係施設の核燃料、及びそれらから生ずる使用済み燃料など全ての放射性廃棄物を指す。 |
2 |
この条例において「調査等」とは、東洋町において①前項原子力発電所等「核燃料」を使用する施設、②「放射性物質」の収容施設等、の建設に関する調査及び検査、宣伝等を指す。 |
(基本施策) |
第3条 |
東洋町は、町地域内においていかなる場合も放射性核物質の持ち込みを禁じ、またそれを使用したり、処分したりする施設の建設及びそのための調査等を拒否する。 |
(立場の公表) |
第4条 |
東洋町は、第1条の目的を達成するために、国及び関係機関に対して、前条基本施策を通知して、その立場を明らかにする。 |
(権限) |
第5条 |
東洋町は、第3条に規定する事項に関する計画等があると疑われる場合においては、関係機関及び関係施設に対して関連情報の提供を求め、立ち入り検査を行うことができる。 |
2 |
東洋町は、この条例に違反した原子力関連施設の責任者に対し、調査及び施設の供用及び操業の即時停止を求めることが出来る。 |
(町民の義務) |
第6条 |
東洋町住民は、この条例の趣旨を守り、核物質・放射性廃棄物等の町内持ち込みをさせないよう努めなければならない。 |
(町長らの義務) |
第7条 |
町長、副町長、教育委員、農業委員、町議会議員、町職員ら公務員はこの条例の趣旨を守り、第2条に係る東洋町への放射性核物質の情報については速やかに町民、近隣市町村、高知、徳島両県知事に知らせ、これを隠してはならない。 |
(委任) |
第8条 |
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、別に規則で定める。 |
付 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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(旧)鹿児島県笠沙町
放射性物質等の持込み拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
町長が高レベル廃棄物処分場公募への応募方針を表明したが、強い反対により撤回。拒否条例を議会に約束して、作られた。 笠沙町は周辺の1市4町で2005年11月17日に合併し、南さつま市となったが、条例は合併調印後に制定をされたため合併協議の中では協議をされず、旧笠沙町域において合併後も暫定施行されている。(南さつま市議会での当局説明参照。以前、当ページにおいて失効したと記載していたが、お詫びして訂正します)
条例本文
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(旧)鹿児島県笠沙町
放射性物質等の持込み拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
平成17年3月30日 条例第7号
(目的) |
第1条 |
この条例は,放射能の影響から町民のいのちと生活を守り,次代を担う子どもたちに,美しく豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を残し,自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「原子力」とは,原子力基本法(昭和30年法律第186号。以下「法」という。)に規定する物質をいい,「原子力関連施設」とは,原子力の利用,貯蔵,廃棄及び研究にかかわる全ての施設をいう。 |
2 |
この条例において「放射性物質等」とは,法で規定する「核燃料物質」及び「核原料物質」のほか,原子力関連施設から発生する使用済燃料又は使用済燃料を再利用及び廃棄する段階で発生するさまざまなレベルの放射性物質をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
笠沙町は,いかなる場合でも放射性物質等の町内への持込みを拒否し,また,いかなる場合でも原子力関連施設の町内への立地及び建設に反対する。 |
(立場の公表) |
第4条 |
笠沙町は,第1条の目的を達成するため,国及び関係機関に対し,前条の基本政策を通告して,その立場を明らかにする。 |
(委任) |
第5条 |
この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。 |
(附則) |
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この条例は,公布の日から施行する。 |
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鹿児島県東串良町
放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
2017年に政府が公表した「高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する科学的特性マップ」において、町の大部分が「好ましい特性が相対的に高い地域」とされたため、2017年12月21日の町議会で全会一致で可決された。
条例本文
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鹿児島県東串良町
東串良町放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
平成29年12月21日 条例第13号
(目的) |
第1条 |
この条例は、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、日南海岸国定公園の豊かな自然環境と貴重な生態系を放射能による汚染から予防することによって、現在及び将来の町民の健康と安心して住める生活環境を保障し、自然と調和した地域発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性物質等」とは、原子力関連施設から発生する使用済燃料やさまざまなレベルの放射性廃棄物と原子力発電所の事故により汚染された放射性物質や原子力の利用と研究に供され、それらに伴って発生する物又は廃棄される全ての放射性物質をいう。 |
2 |
この条例において「原子力関連施設」とは、原子力発電所並びに核燃料(使用済核燃料を含む。)の加工施設、中間貯蔵施設、再処理施設、濃縮施設及び放射性廃棄物の最終処分場並びに研究施設など、原子力利用と研究に関わる全ての施設をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
東串良町は、いかなる場合も放射性物質等の町内持込みを拒否する。 |
2 |
東串良町は、いかなる場合も原子力関連施設の肝属地域への立地及び建設に反対する。 |
3 |
この条例は、医療用放射性物質の持込み及び利用を妨げるものではない。 |
(立場の表明) |
第4条 |
東串良町は、第1条の目的を達成するため、必要に応じて国及び関係機関に対し、前条に規定する基本施策を通知して、その立場を明らかにする。 |
(権限) |
第5条 |
東串良町は、第3条第1項及び第2項に定める放射性物質等の持込み又は原子力関連施設の肝属地域への立地及び建設に関する計画等があると疑われる場合には、関係機関及び関係施設に対して関連情報の提供を求めることができる。 |
2 |
東串良町は、放射性物質等の町内持込みについて疑いが生じた場合は、疑いのある原子力関連施設及び関係機関に対して報告を求め、必要な限度において関係場所へその身分を示す証票を携帯した職員を立ち入らせ、状況を調査させることができる。 |
3 |
前項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 |
4 |
東串良町は、この条例に違反した原子力関連施設及び関係機関の責任者に対し、施設の共用及び操業の即時停止を求めることができる。 |
(町民の責務) |
第6条 |
東串良町民は、この条例の趣旨を遵守し、放射性物質及び原子力関連施設等の町内持込みをさせないよう努めなければならない。 |
(町長等の責務) |
第7条 |
町長、副町長、教育長、町議会議員、教育委員、農業委員、町職員等は、この条例の趣旨を遵守し、入手した放射性物質及び原子力関連施設等に対する情報は、速やかに町民、近隣市町、鹿児島県知事に知らせるよう努めなければならない。 |
(委任) |
第8条 |
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、別に規則で定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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鹿児島県肝付町
放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設等の立地拒否に関する条例
2017年に政府が公表した「高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する科学的特性マップ」において、町の大部分が「好ましい特性が相対的に高い地域」とされたため、拒否条例制定を求める請願が出され、調査特別委員会の審議を経て、2018年3月5日の町議会で全会一致で可決された。
条例本文
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鹿児島県肝付町
肝付町放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設等の立地拒否に関する条例
平成30年3月5日 条例第4号
(目的) |
第1条 |
この条例は、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、中央部の国見山系や東部の志布志湾及び内之浦湾を含む太平洋の海岸などの豊かな自然環境と貴重な生態系を放射能による汚染から予防することによって、現在及び将来の町民の健康と安心して住める生活環境を保障し、自然と調和した地域発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性物質等」とは、原子力関連施設等から発生する使用済燃料やさまざまなレベルの放射性廃棄物と原子力発電所の事故により汚染(汚染土や瓦礫等含む。)された放射性物質や原子力の利用と研究に供され、それらに伴って発生する物又は廃棄される全ての放射性物質をいう。 |
2 |
この条例において「原子力関連施設等」とは、原子力発電所並びに核燃料(使用済核燃料を含む。)の加工施設、中間貯蔵施設、再処理施設、濃縮施設及び放射性廃棄物の最終処分場並びに研究施設など、原子力利用と研究に関わる全ての施設をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
肝付町は、いかなる場合も放射性物質等の町内持込みを拒否する。 |
2 |
肝付町は、いかなる場合も原子力関連施設等の肝属地域への立地及び建設に反対する。 |
(立場の表明) |
第4条 |
肝付町は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通知して、その立場を明らかにする。 |
(権限) |
第5条 |
肝付町は、第3条第1項及び第2項に定める、放射性物質等の持込み又は原子力関連施設等の肝属地域への立地及び建設に関する計画等があると疑われる場合には、関係機関及び関係施設に対して関連情報の提供を求めることができる。 |
2 |
肝付町は、放射性物質等の町内持込みについて疑いが生じた場合は、疑いのある原子力関連施設等及び関係機関に対して報告を求め、必要な限度において関係場所へその身分を示す証票を携帯した職員を立ち入らせ、状況を調査させることができる。 |
3 |
前項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 |
4 |
肝付町は、この条例に違反した原子力関連施設等及び関係機関の責任者に対し、施設の共用及び操業の即時停止を求めることができる。 |
(町民の責務) |
第6条 |
肝付町民は、この条例の趣旨を遵守し、放射性物質及び原子力関連施設等の町内持込みをさせないよう努めなければならない。 |
(町長等の責務) |
第7条 |
町長、副町長、教育長、教育委員、農業委員、町議会議員、町職員等の地方公務員は、この条例の趣旨を遵守し、入手した放射性物質及び原子力関連施設等に対する情報は、速やかに町民、近隣市町、鹿児島県知事に知らせるよう努めなければならない。 |
(委任) |
第8条 |
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。 |
附 則 |
|
この条例は、公布の日から施行する。 |
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鹿児島県錦江町
放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
隣接する南大隅町で処分場誘致の動きから拒否条例が制定された経緯を踏まえ、南大隅町とほぼ同じ内容で作られた条例
条例本文
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鹿児島県錦江町
放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
平成27年12月10日 条例第36号
(目的) |
第1条 |
この条例は、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、霧島錦江湾国立公園の豊かな自然環境と貴重な生態系を放射能による汚染から予防することによって、現在及び将来の町民の健康と安心して住める生活環境を保障し、自然と調和した地域発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性物質等」とは、原子力関連施設から発生する使用済燃料やさまざまなレベルの放射性廃棄物と原子力発電所の事故により汚染(汚染土や瓦礫等含む。)された放射性物質や原子力の利用と研究に供され、それらに伴って発生する物又は廃棄される全ての放射性物質をいう。 |
2 |
この条例において「原子力関連施設」とは、原子力発電所並びに核燃料(使用済核燃料を含む。)の加工施設、中間貯蔵施設、再処理施設、濃縮施設及び放射性廃棄物の最終処分場並びに研究施設など、原子力利用と研究に関わる全ての施設をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
錦江町は、いかなる場合も放射性物質等の町内持込みを拒否する。 |
2 |
錦江町は、いかなる場合も原子力関連施設の肝属地域への立地及び建設に反対する。 |
3 |
この条例は、医療用放射性物質の持込み及び利用を妨げるものではない。 |
(立場の公表) |
第4条 |
錦江町は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通知して、その立場を明らかにする。 |
(権限) |
第5条 |
錦江町は、第3条第1項及び第2項に定める、放射性物質等の持込み又は原子力関連施設の肝属地域への立地及び建設に関する計画等があると疑われる場合には、関係機関及び関係施設に対して関連情報の提供を求めることができる。 |
2 |
錦江町は、放射性物質等の町内持込みについて疑いが生じた場合は、疑いのある原子力関連施設及び関係機関に対して報告を求め、必要な限度において関係場所へその身分を示す証票を携帯した職員を立ち入らせ、状況を調査させることができる。 |
3 |
前項の規定による立入り調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 |
4 |
錦江町は、この条例に違反した原子力関連施設及び関係機関の責任者に対し、施設の共用及び操業の即時停止を求める事ができる。 |
(町民の責務) |
第6条 |
錦江町民は、この条例の趣旨を遵守し、放射性物質及び原子力関連施設等の町内持込みをさせないよう努めなければならない。 |
(町長等の責務) |
第7条 |
町長、副町長、教育長、教育委員、農業委員、町議会議員、町職員等の地方公務員は、この条例の趣旨を遵守し、入手した放射性物質及び原子力関連施設等に対する情報は、速やかに町民、近隣市町村、鹿児島県知事に知らせるものとする。 |
(委任) |
第8条 |
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、別に規則で定める。 |
附 則 |
|
この条例は、公布の日から施行する。 |
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鹿児島県南大隅町
南大隅町放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
2度にわたり高レベル最終処分場の誘致の動きが表面化した南大隅町は、福島原発事故の除染廃棄物の最終処分場としても狙われていると報じられました。南大隅町での高レベルに関する経過はこちら 除染廃棄物に関する経過はこちら これに対抗して全会一致で可決された拒否条例は、「使用済燃料やさまざまなレベルの放射性廃棄物と原子力発電所の事故により汚染された放射性物質や原子力の利用と研究に供され、それらに伴って発生する物又は廃棄される全ての放射性物質」の町内持込みを拒否するものとなっている。立入調査権、操業停止請求権、町民や町長等の責務を規定している。
条例本文
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鹿児島県南大隅町
南大隅町放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
平成24年12月25日 条例第34号
(目的) |
第1条 |
この条例は、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、霧島錦江湾国立公園の豊かな自然環境と貴重な生態系を放射能による汚染から予防することによって、現在及び将来の町民の健康と安心して住める生活環境を保障し、自然と調和した地域発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性物質等」とは、非核に関する議決(平成24年南大隅町請願議決第7号)が対象とする物のほか、原子力関連施設から発生する使用済燃料やさまざまなレベルの放射性廃棄物と原子力発電所の事故により汚染された放射性物質や原子力の利用と研究に供され、それらに伴って発生する物又は廃棄される全ての放射性物質をいう。 |
2 |
この条例において「原子力関連施設」とは、原子力発電所並びに核燃料(使用済核燃料を含む。)の加工施設、中間貯蔵施設、再処理施設、濃縮施設及び放射性廃棄物の最終処分場並びに研究施設など、原子力利用と研究に関わる全ての施設をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
南大隈町は、いかなる場合も放射性物質等の町内持込みを拒否する。 |
2 |
南大隈町は、いかなる場合も原子力関連施設の肝属地域への立地及び建設に反対する。 |
3 |
医療用放射性物質の持込み及び利用を妨げるものではない。 |
(立場の表明) |
第4条 |
南大隈町は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通知して、その立場を明らかにする。 |
(権限) |
第5条 |
南大隅町は、第3条第1項及び第2項に定める、放射性物質等の持込み又は原子力関連施設の肝属地域への立地及び建設に関する計画等があると疑われる場合には、関係機関及び関係施設に対して関連情報の提供を求めることができる。 |
2 |
南大隅町は、放射性物質等の町内持込みについて疑いが生じた場合は、疑いのある原子力関連施設及び関係機関に対して報告を求め、必要な限度に於いて関係場所へ職員を立ち入らせて状況を調査させることができる。 |
3 |
前条の規定による調査を行う職員は、その身分を示す証票を携帯し、これを提示しなければならない。 |
4 |
第2項の規定による立入り調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 |
5 |
南大隅町は、この条例に違反した原子力関連施設及び関係機関の責任者に対し、施設の共用及び操業の即時停止を求めることができる。 |
(町民の責務) |
第6条 |
町民は、この条例の趣旨を遵守し、放射性物質及び原子力関連施設等の町内持込みをさせないよう努めなければならない。 |
(町長等の責務) |
第7条 |
町長、副町長、教育長、教育委員、農業委員、町議会議員、町職員等は、この条例の趣旨を遵守し、入手した放射性物質及び原子力関連施設等に対する情報は、速やかに町民、近隣市町村、鹿児島県知事に知らせるよう努めなければならない。 |
(委任) |
第8条 |
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、別に規則で定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
*非核に関する議決(平成24年南大隅町請願議決第7号)が対象とする物とは 放射性廃棄物(汚染土や瓦礫を含む)
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鹿児島県西之表市
西之表市放射性廃棄物等の持込み拒否に関する条例
種子島に近い無人島・馬毛島(まげしま)で、採石を名目にした開発計画が立てられ、種子島住民の多くが無料の原発見学ツアーに招かれるなどしたため、使用済み燃料の中間貯蔵施設が狙いではないかと疑われた。これに対抗して作られた、馬毛島を抱える西之表市の拒否条例。 「放射性廃棄物等の処分、保管及び研究に関するすべての施設の建設」と「放射性廃棄物等の市内持込み」を明確に拒否したシンプルなもの。
条例本文
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鹿児島県西之表市
西之表市放射性廃棄物等の持込み拒否に関する条例
平成12年7月6日 条例第27号
(目的) |
第1条 |
この条例は、「核関連施設立地に反対する決議」(平成12年議決第46号)及び「非核西之表市宣言に関する決議」(昭和60年議決第119号)の精神を具体化し、放射能の影響から市民のいのちと生活を守り、次代を担う子供たちに、美しく豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を残し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性廃棄物等」とは、原子力発電所から発生する使用済燃料や、使用済燃料を再処理する過程で生まれる放射性廃棄物をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
西之表市は、放射性廃棄物等の処分、保管及び研究に関するすべての施設の建設を拒否する。 |
2 |
西之表市は、いかなる場合も放射性廃棄物等の市内持込みを拒否する。 |
(立場の公表) |
第4条 |
西之表市は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通告して、その立場を明らかにする。 |
(委任) |
第5条 |
この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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鹿児島県中種子町
放射性廃棄物等の持込み拒否に関する条例
西之表市条例とほぼ同文の条例。
条例本文
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鹿児島県中種子町
放射性廃棄物等の持込み拒否に関する条例
平成12年9月28日 条例第36号
(目的) |
第1条 |
この条例は、「非核町宣言に関する決議」(昭和60年9月19日決議)の精神を具体化し、放射能の影響から町民のいのちと生活を守り、次代を担う子供たちに、美しく豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を残し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性廃棄物等」とは、原子力発電所から発生する使用済燃料や、使用済燃料を再処理する過程で生まれる放射性廃棄物を言う。 |
(基本施策) |
第3条 |
中種子町は、放射性廃棄物等の処分、保管及び研究に関するすべての施設の建設を拒否する。 |
2 |
中種子町は、いかなる場合も放射性廃棄物等の町内持込みを拒否する。 |
(立場の公表) |
第4条 |
中種子町は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通告して、その立場を明らかにする。 |
(委任) |
第5条 |
この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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鹿児島県南種子町
放射性廃棄物等の持込み拒否に関する条例
西之表市条例とほぼ同文の条例。
条例本文
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鹿児島県南種子町
放射性廃棄物等の持込み拒否に関する条例
平成13年6月27日 条例第14号
(目的) |
第1条 |
この条例は,「非核町宣言に関する決議」(昭和60年6月27日決議)の趣旨を具体化し,放射能の影響から町民のいのちと生活を守り,美しく豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を残し,自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性廃棄物等」とは,原子力発電所から発生する使用済燃料や,使用済燃料を再処理する過程で生まれる放射性廃棄物を言う。 |
(基本施策) |
第3条 |
南種子町は,放射性廃棄物等の処分,保管及び研究に関するすべての施設の建設を拒否する。 |
2 |
南種子町は,いかなる場合も放射性廃棄物等の町内持込みを拒否する。 |
(立場の公表) |
第4条 |
南種子町は,第1条の目的を達成するため,国及び関係機関に対し,前条の基本施策を通告して,その立場を明らかにする。 |
(委任) |
第5条 |
この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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鹿児島県屋久島町
放射性物質等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
2007年に上屋久町と屋久町が合併してできた屋久島町。旧両町には拒否条例があった(下記参照)が、合併で失効していた。2017年の高レベル処分場「適地マップ」公表を受けての運動の中で、条例制定を求める陳情が2018年6月議会で全員一致で採択され、9月議会に町当局から提案されて成立した。
失効前の条例同様に、町内への持込み拒否とともに、「熊毛地域内への立地及び建設に反対する」としている。
条例本文
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鹿児島県屋久島町
放射性物質等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
平成30年9月14日 条例第25号
(目的) |
第1条 |
この条例は、非核平和宣言(平成21年7月1日宣言)の精神を具体化し、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、世界自然遺産に登録された屋久島の豊かな生態系の放射能による汚染を予防することによって、現在及び将来の町民の健康と文化的な暮らしを保障し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性物質等」とは、非核平和宣言が対象とするもののほか、原子力関連施設から発生する使用済燃料又はさまざまなレベルの放射性廃棄物など、原子力の利用と研究に供され、又はそれに伴って発生し、若しくは廃棄される全ての放射性物質をいう。 |
2 |
この条例において「原子力関連施設」とは、原子力発電所及び核燃料(使用済燃料を含む。)の加工施設、中間貯蔵施設、再処理施設及び濃縮施設並びに放射性廃棄物の最終処分場並びに研究施設など、原子力の利用と研究に関わる全ての施設をいう。 |
3 |
使用済燃料を「リサイクル燃料」と呼ぶなどの名称の変更は、この条例の効力を損なうものではない。 |
(基本施策) |
第3条 |
屋久島町は、いかなる場合も放射性物質等の町内持込みを拒否する。 |
2 |
屋久島町は、いかなる場合も原子力関連施設の熊毛地域内への立地及び建設に反対する。 |
3 |
この条例は、医療用放射性物質の利用を妨げるものではない。 |
(立場の表明) |
第4条 |
屋久島町は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通知して、その立場を明らかにする。 |
(立入調査等) |
第5条 |
屋久島町は、第3条に規定する基本施策を進めるうえで必要と認めるときは、関係機関及び関係施設に対して関連情報の提供を求めることができる。 |
2 |
屋久島町は、第3条に規定する基本施策を進めるうえで必要と認めるときは、原子力関連施設に対して報告を求め、必要な限度において関係場所へ職員を立ち入らせて状況を調査させることができる。 |
3 |
前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。 |
4 |
第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 |
5 |
屋久島町は、この条例の趣旨に反すると認める原子力関連施設の責任者等に対し、施設の供用及び操業の即時停止を求めることができる。 |
(委任) |
第6条 |
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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鹿児島県十島村
放射性廃棄物の持ち込み拒否に関する条例
馬毛島の誘致工作を先導したブローカーや建設業者がヘリコプターで物色に飛びまわったり、村会議員たちを原発への無料見学ツアーに誘ったりと、トカラ列島(鹿児島郡十島村)でも不穏な動きがあったため、作られた条例。 核燃料物質及び核原料物質を含む放射性廃棄物の村内持込みを拒否し、「原子力関連施設の調査研究に関する施設の建設に反対」を宣言している。
条例本文
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鹿児島県十島村
放射性廃棄物の持ち込み拒否に関する条例
平成13年3月23日 条例第9号
(目的) |
第1条 |
この条例は、非核自治体宣言決議(平成7年決議第5号)及び十島村への核燃料中間貯蔵施設誘致に反対する決議(平成13年決議第1号)の精神を具体化し、放射能による被害から村民の生命と財産を守り、十島村の豊かな自然環境を放射能による汚染から予防することによって、現在及び将来の村民の健康と安心して住める生活環境を保障し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において、放射性廃棄物とは、核燃料物質及び核原料物質のほか原子力関連施設から発生する使用済み燃料又は使用済燃料を再利用及び廃棄する段階で発生する放射性物質をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
十島村は、いかなる場合でも放射性廃棄物を村内への持ち込みを拒否し、いかなる場合でも原子力関連施設の調査研究に関する施設の建設に反対する。 |
(立場の表明) |
第4条 |
十島村は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通告して、その立場を明らかにする。 |
(委任) |
第5条 |
この条例の施行に関し、必要な事項は規則で定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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鹿児島県大和村
放射性廃棄物等の持ち込み拒否に関する条例
2017年に政府が公表した「高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する科学的特性マップ」において、奄美大島は全域が「好ましい特性が相対的に高い地域」とされたため、お隣の宇検村の条例を参考に制定された。
条例本文
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鹿児島県大和村
放射性廃棄物等の持ち込み拒否に関する条例
平成29年10月16日 条例第19号
(目的) |
第1条 |
この条例は,すべての放射性核物質及び放射能による影響から村民の生命及び生活を守り,次世代を担う子ども達に美しく豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を保護し,自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において,「放射性核廃棄物」とは,原子力発電所など原子力関係施設から発生する使用済み燃料など全ての放射性廃棄物を指す。 |
(基本施策) |
第3条 |
大和村は,村地域内においていかなる場合も放射性核物質等の持ち込みを禁じ,またそれを使用したり,処分したりする施設の建設及びそのための調査等を拒否する。 |
(立場の表明) |
第4条 |
大和村は,第1条の目的を達成するために,国及び関係機関に対して,前条基本施策を通知して,その立場を明らかにする。 |
(委任) |
第5条 |
この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,別に定める。 |
(附則) |
この条例は,公布の日から施行する。 |
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鹿児島県宇検村
放射性廃棄物等の持ち込み拒否に関する条例
処分場の誘致に動いた前村長を選挙で破った国馬和範村長が提案し、賛成6、反対4で可決された。拒否条例は、前町長断念後に「断念されたこと」を理由に一度議会で否決されており、制定された意味は大きい。宇検村での経過はこちら
条例本文
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鹿児島県宇検村
放射性廃棄物等の持込拒否に関する条例
平成19年6月20日制定
(目的) |
第1条 |
この条例は,放射能の影響から村民の命と生活を守り,次世代を担う子どもたちに,美しく豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を残し,自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「放射性廃棄物等」とは,原子力発電所から発生する使用済燃料や使用済燃料を再処理する過程で生まれる放射性廃棄物をいう。 |
(基本施策) |
第3条 |
宇検村は,放射性物質等の処分,保管及び研究に関するすべての施設の建設を拒否する。 |
2 |
宇検村は,いかなる場合も放射性物質等の村内持ち込みを拒否する。 |
(立場の公表) |
第4条 |
宇検村は,第1条の目的を達成するため,国及び関係機関に対し,前条の基本施策を通告してその立場を明らかにする。 |
(委任) |
第5条 |
この条例の施行に関し必要な事項は規則で定める。 |
(附則) |
この条例は,公布の日から施行する。 |
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(旧)宮崎県南郷町
放射性廃棄物等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
使用済み燃料の中間貯蔵施設立地可能性調査を九州電力に要請するという町長の方針が一時は議会で了承された南郷町で、粘り強い反対運動により勝ち取られた拒否条例。南郷町は、2009年3月30日に日南市、北郷町と合併し、新しい日南市となりました。
条例本文
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(旧)宮崎県南郷町
放射性廃棄物等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
平成17年3月25日 条例第7号
(目的) |
第1条 |
この条例は、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、美しい海と豊かな自然を放射能による汚染から守ることによって、現在及び将来の町民の健康と文化的な暮らしを保障し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「原子力関連施設」とは、原子力発電所並びに核燃料(使用済み燃料を含む。)の加工施設、中間貯蔵施設、再処理施設及び濃縮施設並びに放射性廃棄物の最終処分場並びに研究施設など、原子力の利用と研究にかかわるすべての施設をいう。 |
2 |
この条例において「放射性物質等」とは、原子力関連施設から発生する使用済み核燃料又はさまざまなレベルの放射性廃棄物など、原子力の利用と研究に供され、又はそれに伴って発生し、若しくは廃棄されるすべての放射性物質をいう。 |
3 |
使用済み燃料を「リサイクル燃料」と呼ぶなどの名称の変更は、この条例の効力を損なうものではない。 |
(基本施策) |
第3条 |
南郷町は、いかなる場合も放射性物質等の町内持ち込みを拒否する。 |
2 |
南郷町は、いかなる場合も原子力関連施設の町内への立地及び建設に反対する。 |
3 |
この条例は、医療用放射性物質の利用を妨げるものではない。 |
(権限) |
第4条 |
南郷町は、第3条に定める事項に関する計画等があると疑われる場合には、関係機関及び関係施設に対して、関連情報の提供を求めることができる。 |
2 |
南郷町は、放射性物質等の町内持ち込みについて疑いが生じた場合、疑いのある原子力関連施設に対して報告を求め、必要な限度において関係場所へ職員を立ち入らせて状況を調査させることができる。 |
3 |
前項の調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、これを提示しなければならない。 |
4 |
第2項の規定による立ち入り調査の権限は、犯罪調査のために認められたものと解釈してはならない。 |
5 |
南郷町は、この条例に違反した原子力関連施設の責任者に対し、施設の供用及び操業の即時停止を求めることができる。 |
(委任) |
第5条 |
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 |
附則 |
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この条例は,公布の日から施行する。 |
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(旧)鹿児島県熊毛郡上屋久町
放射性物質等の持込み拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
種子島に近い無人島・馬毛島での不穏な動きに対抗してできた条例。馬毛島は町外であるため、「原子力関連施設の熊毛地域内への立地及び建設に反対する」としている。町内への持込み拒否の対象には「法で規定する『核燃料物質』及び『核原料物質』」も含まれる。2007年10月1日に屋久町と合併し屋久島町となったため、失効。
条例本文
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(旧)鹿児島県熊毛郡上屋久町
放射性物質等の持込み拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
平成12年12月26日 条例第36号 改正 平成13年6月27日 条例第52号
第1条(目的) |
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この条例は、「非核決議」(昭和60年6月28日議決第65号)及び「熊毛地域への核関連施設立地に反対する決議」(平成12年3月17日議決第39号)の精神を具体化し、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、世界自然遺産屋久島の豊かな自然環境を放射能による汚染から予防することによって、現在及び将来の町民の健康と安心してすめる生活環境を保障し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
第2条(定義) |
1 |
この条例において「原子力」とは、原子力基本法(昭和30年法律第186号。以下「法」という。)に規定する物質をいい、「原子力関連施設」とは、原子力の利用、貯蔵、廃棄及び研究にかかわる全ての施設をいう。 |
2 |
この条例において「放射性物質等」とは、法で規定する「核燃料物質」及び「核原料物質」のほか原子力関連施設から発生する使用済燃料又は使用済燃料を再利用及び廃棄する段階で発生するさまざまなレベルの放射性物質をいう。 |
第3条(基本施策) |
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上屋久町は、いかなる場合でも放射性物質等の町内への持込みを拒否し、また、いかなる場合でも原子力関連施設の熊毛地域内への立地及び建設に反対する。 |
第4条(立場の表明) |
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上屋久町は、第1条の目的を達するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通告して、その立場を明らかにする。 |
第5条(委任) |
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この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 |
附則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
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(旧)鹿児島県屋久町/放射性物質等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
策定の背景や「熊毛地域内への立地及び建設に反対する」規定は、上屋久町に同じ。(この地域では最初に作られた条例) 町内持込み拒否の対象は、核兵器とすべての放射性物質。立入調査の際の身分証などについても定めているのが特徴。上屋久町との合併により、失効。
条例本文
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(旧)鹿児島県屋久町
放射性物質等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
平成12年3月30日 条例第34号
(目的) |
第1条 |
この条例は、非核に関する決議(平成元年屋久町決議第3号。以下「非核決議」という。)の精神を具体化し、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、世界遺産に登録された屋久島の豊かな生態系の放射能による汚染を予防することによって、現在及び将来の町民の健康と文化的な暮らしを保障し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この条例において「原子力関連施設」とは、原子力発電所並びに核燃料(使用済燃料を含む。)の加工施設、中間貯蔵施設、再処理施設及び濃縮施設並びに放射性廃棄物の最終処分場並びに研究施設など、原子力の利用と研究にかかわるすべての施設をいう。 |
2 |
この条例において「放射性物質等」とは、非核決議が対象とするもののほか、原子力関連施設から発生する使用済燃料又はさまざまなレベルの放射性廃棄物など、原子力の利用と研究に供され、又はそれに伴って発生し、若しくは廃棄されるすべての放射性物質をいう。 |
3 |
使用済燃料を「リサイクル燃料」と呼ぶなどの名称の変更は、この条例の効力を損なうものではない。 |
(基本施策) |
第3条 |
屋久町は、いかなる場合も放射性物質等の町内持込みを拒否する。 |
2 |
屋久町は、いかなる場合も原子力関連施設の熊毛地域内への立地及び建設に反対する。 |
3 |
この条例は、医療用放射性物質の利用を妨げるものではない。 |
(立場の表明) |
第4条 |
屋久町は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通知して、その立場を明らかにする。 |
(権限) |
第5条 |
屋久町は、第3条に定める事項に関する計画等があると疑われる場合には、関係機関及び関係施設に対して関連情報の提供を求めることができる。 |
2 |
屋久町は、放射性物質等の町内持込みについて疑いが生じた場合、疑いのある原子力関連施設に対して報告を求め、必要な限度において関係場所へ職員を立ち入らせて状況を調査させることができる。 |
3 |
前項の調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、これを提示しなければならない。 |
4 |
第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 |
5 |
屋久町は、この条例に違反した原子力関連施設の責任者に対し、施設の共用及び操業の即時停止を求めることができる。 |
(委任) |
第6条 |
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 |
附 則 |
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この条例は、公布の日から施行する。 |
(参考資料) 非核に関する決議(平成元年屋久町決議第3号)
世界の恒久平和は、人類共通の願望である。 わが国は、世界唯一の核被爆国として、また平和憲法と呼ばれる現憲法の精神からも再びあの広島、長崎の惨事を絶対に繰り返させてはならない。 私達は、日本国憲法に掲げられた恒久平和の理念を継承していくことが、基本条件の一つであると確信いたします。 したがって、核兵器廃絶と恒久平和確立の悲願をこめて、ここに非核を決議する。
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