三陸巨大震災に伴う福島原発事故事件考その1

 (最新見直し2011.03.12日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、2011.3.11日の三陸巨大地震に伴う東電の福島原発事故を確認しておく。十分には整理されていないが、それなりに役に立つだろう。

 2011.03.12日 れんだいこ拝


2011.3.11日

【東日本一帯に巨大地震が発生】
 2011.3.11日午後2時46分頃、東北太平洋側の三陸沖を震源とする東日本一帯に巨大地震が発生した。気象庁はマグニチュード(M)8・8と発表した。米地質調査所(USGS)はマグニチュード(M)の暫定値を8・9とした。USGSのマグニチュードは気象庁と計算方法が異なる「モーメントマグニチュード」のため同庁発表のM8・8と数値に差がある。3.13日、気象庁は、東日本大震災についてマグニチュード(M)を8.8から9.0に修正した。

 これをどう命名すべきか。正確には「東北地方太平洋東海岸域一帯巨大地震」とすべきだろう。これを簡略に仮に「東北東域巨大震災」、更に略して「三陸巨大震災」と呼称することにする。他には「東北関東大震災」(NHK)、「東日本大震災」(NNN)、「東日本巨大地震」(ANN、FNN)、「東北地方太平洋沖地震 」(TBS)と命名されているようである。

 マグニチュード(M)9.0は、1900年以降に世界で発生した地震で4番目の規模になる。一番規模が大きかったのは1960年にチリで発生したM9・5の地震。次いで1964年のアラスカ(M9・2)、2004年のスマトラ沖(M9・1)、1952年のカムチャツカ半島沖(M9・0)の順。これに続くことになる。2010.2月に発生したチリの大地震はM8・8。

【東京電力の福島原発の確認】
 地震の直接被害に加え、火災、津波、原発事故による波及事故が発生している。ここでは原発事故のみ採り上げる。この地域には、北から六ヶ所村核関連施設(日本原燃株式会社の六ヶ所原燃PRセンター、低レベル放射性廃棄物埋設センター、ウラン濃縮工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵センター、再処理工場、MOX燃料工場)、東北電力の東通原発(1号機)、女川原発(1~3号機)、東京電力の福島第1原発(1~6号機)、第2原発(1~4号機)、日本原子力発電の東海第1原発、第2原発がある。日本全体では55基の原発所が建設されている。

 「三陸巨大震災」で、東京電力福島第1原発の1~3号機、同第2原発の全4機、東北電力女川原発の全3基、日本原子力発電東海第2原発の計11基が強い揺れにより自動停止した。経済産業省原子力安全・保安院や各電力会社によると、11基のうち原子炉内の温度が100度以下で圧力も大気圧に近い状態で安定した「冷温停止」に至っているのは福島第2原発の3号機と女川1、3号機の3基だけ。

 「三陸巨大震災」は東京電力の福島第1原発(福島県双葉郡大熊町大字下野上字大野199 電話:0240-32-2230)、福島第2原発(福島県双葉郡の楢葉町と富岡町)を直撃した。

 ※第1原発、第2原発の区別、それぞれ何号機あるのかで混乱しており事態の解明を難しくしている。何が起きているのか分かる範囲で確認しておく。福島第1原発は6号機まであり稼働していたのが1~3号機、福島第2原発は(福島県大熊町)は4号機あるようである。

【福島第1原発、第2原発事故の様子】
 地震発生の衝撃で第1原発、第2原発とも大きな被害を受けた。第1原発では放射性物質が漏洩し始め1~3号機(1~5号機?)が自動停止した。いったんは非常用発電機が動いたが、地震から約1時間後に全て故障した。最高基準の耐震安全性を誇る非常用発電機が故障した。第1原発の周辺で炉心のウラン燃料が核分裂してできる放射性物質であるセシウムとヨウ素が検出されている。「炉心溶融」が起きた可能性が強く、日本の原発での炉心溶融事故の初事例となった。第2原発は冷却機能を喪失し、1~4号機が緊急自動停止した。

 
東京電力の小森明生常務は、「非常用電源は当初動いていたが、津波が敷地内に押し寄せ、やられてしまった」と明かした。海水にぬれたのが命取りになった。経済産業省原子力安全・保安院のある幹部は「万一の備えに、さらに備えた対策がうまく働かないなんて。原発の安全対策の常識が吹っ飛んでしまった」と述べている。

【炉心溶融(メルト・ダウン)とは】
 炉心溶融(メルト・ダウン)とは、想定される原発事故の最悪事態であり、原子炉内の水位が下がり、水位低下で核燃料棒が水面から露出し、これにより燃料の冷却ができずに温度が上昇し、熱が1200度以上に達し、金属と水とが化学反応を起こして燃料を入れた金属製の器(被覆管)が溶けることを云う。更に炉心の構造物の破壊と落下が起こり、水と溶融物が接触すると急激な爆発が起きる事態に発展する。爆発で格納容器が破壊されれば放射性物質が外部に大量放出されることになる。

 炉心溶融は1979年の米スリーマイル島(アイランド)原発事故でも発生し、このときは燃料の約45%が溶け落ち、周辺に放射性物質が拡散した。この時には溶融して放射能が漏れたが爆発までは至らなかった。1986年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故は稼働中の大爆発を引き起こし放射能汚染が飛散した。
米スリーマイル島(アイランド)原発事故以降、米国では原発の新設が止まった。チェルノブイリ原発事故以来、欧州を中心に、反原発運動が盛り上がりを見せた。

【官邸対策室を設置する】
 菅首相が官邸対策室を設置する。

【政府が、原子力災害対策特別措置法に基づく第1次緊急避難態勢を発令】
 午後10時頃、政府は、東京電力の緊急事態報告を受け原子力緊急事態を宣言し、原子力災害対策特別措置法に基づく第1次緊急避難態勢を発令した。これにより、半径3km以内の住民に緊急避難が指示された。同法に基づく発令は初めて。福島県、地元の大熊町、双葉町長など関係機関の関係者が大熊町にある監視施設に集まり原子炉の冷却状況を監視するという。

【政府が、災害対策本部を設置する】
 政府が災害対策本部を設置する。菅首相が「自衛隊は最大の活動を」と要請する。

【東京電力が、福島第1原発の1号機と2号機の冷却不能状況を発表】
 10時30分、東京電力は、福島第1原発の1号機と2号機が自動制止し、高温になっている原子炉の炉心が水を循環させて冷やせない状態になっている可能性があると発表した。温度が下がらないと放射性物質を閉じこめている五つの壁が壊れて外部に放射性物質が漏れ出す危険性がある。

【福島第1原発の1号機の格納容器内の圧力が異常値を示し始める】
 11日深夜から12日未明、福島第1原発の1号機の格納容器内の圧力が異常値を示し始めた。加えて原子炉内の水位低下がどんどん進行し始めた。水位維持のために東電が原子炉内に流し込んだ水は2万リットルを超えた。

 保安院の山田知穂原子力発電安全審査課長は、記者会見で、「これだけ水を入れたのに水位が下がる。一番ありそうなのは、水位計が間違っていること」なる説明を繰り返した。(れんだいこボソボソ)「水位計が間違っている」だと。

【総理官邸で与野党党首会談】

 総理官邸で与野党党首会談が開かれ、与野党は1・震災対策に専念するため国会を1週間程度、休会すること。2・被災地の復興に向け補正予算の編成が必要だとの認識で一致し、今後、財源や法案の内容などについて話し合うことで合意した。


2011.3.12日

【菅首相が、オバマ大統領と電話】

 未明、菅首相が、オバマ米国大統領と電話する。


【東電が放射性物質の外部放出を発表】

 未明、東電が、福島第1原発1号機の原子炉の圧力が上昇して設計値を上回っているとして、炉心溶融(メルト・ダウン)を防ぐ為に圧力を外部に逃がす為の措置を講じていることを発表した。「微量の放射性物質が外部に放散される可能性」に初めて言及した。第1原発1号機の格納容器の蒸気は水を張った大きなプールを通して放出するため、放射性物質はある程度低減する見込みだという。排気筒の出口では常時、放射性物質の量を測定し、環境への影響を見極められるとしている。

 午前2時半、第1原発1号機の燃料損傷の危険が迫った。格納容器内の圧力が想定をはるかに超える通常時の2・1倍の840キロ・パスカルに達していたことが確認され、炉心の過熱により燃料の溶融が起きていてもおかしくない事態に突入した。圧力が異常に高まっていることにより緊急用の冷却水を原子炉内に注入する緊急炉心冷却装置(ECCS)が稼働しておらず制御困難に陥っている。この時点で、第1原発の正門近くの放射線量の数値が通常の70倍以上、同1号機の中央制御室の通常の放射線量は1時間あたり0.16マイクロシーベルトのところ150マイクロシーベルトに達し通常の約千倍に上昇した。外部への放射性物質の漏洩が確認されたのは国内史上初。福島第2原発でも、原子炉の容器内の圧力を制御できないため1~4号機のすべてで放出の準備作業に入った。


【保安院が、第1原発1、2号機の格納容器内蒸気の外部放出を命令する】
 経済産業省原子力安全・保安院は、東電に対し、原子力災害対策特別措置法に基づく措置命令を発令し、第1原発の1、2号機の格納容器内の蒸気を外部に放出するよう命令した。原子炉格納容器内の気圧が高まり、容器が耐えられずに破損するのを防ぐための緊急措置とされている。

【海江田経産相が、東電の放射性物質放出措置を追認する】

 海江田経産相は、記者会見の場で、放射性物質の放出について「事前の評価では(放出されても)微量とみられる」と強調した。保安院は、避難地域の拡大や海に向かって吹いている風向きなどから「住民の安全は保たれる」としている。


【住民の避難範囲をそれまでの半径3kmから10kmに広げる】

 午前5時44分、菅首相が住民の避難範囲をそれまでの半径3kmから10kmに広げると表明した。第1原発からの避難距離を半径3キロから同10キロに拡大、第2原発は3キロ以内の住民に避難を指示した。3キロ圏の双葉、大熊町、10キロ圏の楢葉町、富岡町、広野町等の住民、滞在者5万1207人が避難対象になり、住民計約8万人が避難を始めた。午前6時7分、地方自治体や自衛隊の努力によって、第1原発の半径3km以内に住む住民約3千人の避難がやっと完了した。


【政府が両原発に「原子力緊急事態宣言」】

 午前7時45分、政府は、冷却機能を喪失した福島第2原発に対しても緊急事態を宣言した。これにより両原発に「原子力緊急事態宣言」を発令したことになる。東電は、第2原発の4基すべてで蒸気を外部に放出することを決め、1、2号機で作業を進めた。弁を開けて蒸気を放出すると放射性物質が環境に漏れることになるが爆発を避ける為の緊急避難的な措置。


【枝野官房長官が記者会見で被害最小限発言】

 午前、枝野官房長官は、記者会見で、東日本大震災の影響で自動停止した東京電力福島第1原発から放射性物質が漏れていることについて「原子炉格納容器内の圧力上昇を降下させるためであり、管理された中での放出だ」と強調した。冷却機能の喪失で原子力災害対策特別措置法に基づく緊急事態宣言に追加した第2原発については「放射性物質を含む外部への流出は確認されていない」と述べた。その上で「具体的に危害を及ぼすような事態を想定する状況ではないし、そうならないよう万全を期している」と述べた。


【東京電力が福島第1原発1号機の開弁作業を開始する】

 午前4時過ぎ、東電は、記者会見し次のように説明した。

格納容器内の計測数値圧力が設計想定圧力400キロパスカルに対し2.1倍の840キロパスカルに上がっている。
1号機では、非常用電源の故障のため、緊急炉心冷却システム(ECCS)が働かなくなり、核燃料の過熱を防ぐ手段がなくなっている。
放出措置を執るが、放出に伴う被曝(ひばく)量は「発電所構内のうち線量が最も大きい場所で、放出開始から終了までの間に64ミリシーベルト」と試算しており、放射線業務に従事する人に関して国が定める年間被曝量の上限は50ミリシーベルトで、これをやや上回る値だとした。かなり多めに見積もった数値としている。

 東電が明らかにした被曝量の試算は、被覆管が壊れてウランの2%が溶け出した結果として想定される数値だという。一方、福島第1原発の敷地境界にある環境中の放射線を測る装置(モニタリングポスト)は8カ所とも機能していないことを明らかにした。このため東電は手持ちの測定装置で対応している。1~4号機の排気筒の測定装置についても停止しているという。

 東電は1号機での放出作業(ベント)を始めたが作業は難航した。1号機は古い設備で、ベントのために配管の弁二つを手動で開ける必要があったが既に現場の放射線量は上昇していた。作業員の被ばくを防ぐため、十分な作業時間が取れない事態に陥った。放射線作業に従事する人の被ばく限度は、1年だと50ミリシーベルト、5年だと100ミリシーベルトを超えないのが望ましい。今回、東電は緊急事態として、特例的に上限を80ミリシーベルトに設定。しかし午前中の作業完了は午後にずれ込み、作業員1人が100ミリシーベルト以上の放射線を浴びた。


【菅首相が、現地偵察】

 菅首相が、自衛隊ヘリで被災地と福島第1原発を視察する。


【東京電力が福島第1原発1号機の開弁作業を開始する】

 午前10時、経保安院は会見で、福島第1原発1号機の原子炉圧力容器の水位がマイナスになっていることを明らかにした。東電は、燃料の一部が水面から露出したとみており、建屋内の放射線レベルが高くなっていることから、「燃料の一部が溶けるなど何らかの損傷を受けている可能性が高い」という。水位の低下を防ぐため消防車でこれまでに2万1千リットルの冷却水を注入しているという。


【東京電力が容器内の蒸気の外部放出成功説明】

 午後2時過ぎ、東電は、原子炉格納容器内の圧力が高まり、容器が耐えられずに破損するのを防ぐため、同日未明から容器内の蒸気を外部に放出する作業を進め放出に成功した。格納容器内にあった放射性物質を含む蒸気が周辺に放出され、周辺の放射線量が増えていた。その後、原子炉圧力容器内に消防ポンプを使って海水を直接注入して炉心を冷却する予定としている。


【総理官邸で行われていた与野党党首会談】

 午後4時頃、11日に引き続いて2度目の与野党党首会談を首相官邸で行った。首相は現地視察の結果を説明した後、「今日が救済・救助では最大の1日ではないか。自衛隊は当初8000人、現在2万人、さらに全国から総動員して防衛相に5万人態勢をお願いした。更なる努力で、一人でも多くの人を救済することを徹底にやる」、「今後、復興には予算などにも関わる」と述べ、「内閣・党として、必要な提案やご意見を頂きたい」と野党に要請した。与野党党首は被災地の復興に向け、補正予算の編成が必要だとの認識で一致し、今後、財源や法案の内容などについて話し合うことになった。

 菅首相が福島第1原子力発電所1号機の被災状況に関し「大丈夫」と野党側に説明していたさなか、1号機が爆発した。しかし、首相からの報告はなかった。みんなの党の渡辺喜美代表が「メルトダウンしているのではないか」とただしたが、首相は「メルトダウンとは考えていない」と説明した。共産党の志位和夫委員長は1号機の圧力容器の水位低下を指摘したうえで「危険だ。万全な対応をしてほしい」と要請。首相は「大丈夫。上がってきている」との認識を示した。志位氏は一連の政府の対応について加藤公一首相補佐官に電話で「無責任で怠慢な姿勢だ」と抗議した。社民党の福島瑞穂党首は「最悪の場合に備えて情報開示をしっかりし、10キロにこだわらず避難すべきだ」と主張。国民新党の亀井静香代表は会談で「いたずらに不安を醸し出すようなことをしては意味がない」と指摘した。


保安院が原子炉内の燃料の溶融が進んでいる可能性に言及

 午後2時15分頃、経済産業省の原子力安全・保安院は、福島第1原子力発電所1号機(福島県大熊町)で原子炉内の燃料の溶融が進んでいる可能性が高いと発表した。


福島第一原発1号機爆発

 午後3時半頃、福島第1原発1号機でドンという爆発音がし白い煙が上がった。水素爆発が起り1号機の原子炉建屋の天井が崩落した。午後4時17分、東電は、発電所の敷地境界で1時間当たり1015マイクロシーベルトの放射線を確認した。この放射線量は、一般人が1年間で浴びられる放射線量限度(1000マイクロシーベルト)を1時間で浴びる量に相当する。プラントの復旧作業に当たっていた東電社員2人と協力企業の2人が負傷し、病院に搬送された。いずれも意識はあるが、うち1人は骨折の疑いがあるという。

 同事務所によると、煙が見えたのは原子炉建屋とタービン建屋の中間付近。実際にどこから煙が出たのかは把握できていないという。外部放射能の測定値の変化、格納容器が破損したかどうかは不明。原子炉の水位は異常な低下はしていない。セシウム137とヨウ素が検出されておりメルトダウン(炉心融解)が起きている可能性がある。炉心融解ではなくて燃料融解の間違いだとする意見も出ている。福島県などによると、午後3時45分現在、半径10キロ圏内には住民800人が残っているという。


保安院が爆発説明

 午後3時30分頃、保安院が、福島第1原発1号機に大きな爆発音を伴う爆発が起きたことを明らかにした。炉心溶融は想定されている原発事故の中で最悪の事態で、これが進むと爆発的な反応を引き起こして広く外部に放射能をまき散らす恐れがある。


東京電力が、現場敷地境界で1時間あたり1015マイクロシーベルトの放射線を確認したと発表

 午後4時過ぎ、東京電力は、現場敷地境界で1時間あたり1015マイクロシーベルトの放射線を確認したと発表した。一般人の年間被曝(ひばく)線量の限度(1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト)を1時間で浴びてしまう放射線量に該当する。日常生活で自然から浴びている放射線は平均で1時間あたり0.05マイクロシーベルト。放射線業務従事者は年間50ミリシーベルトかつ5年間で100ミリシーベルトが被曝限度とされている。放射線の観測値は上昇している。


東電が、冷却水として海水使用を検討説明

 午後5時28分、東電は、原子炉圧力容器内の水位は下がり続け燃料棒(長さ4メートル)の上端から1.7メートル低い位置にあり、燃料棒の半分近くが露出した状態になっている。消防車などを使って冷却水を注入しているが追いついていない。このため海水も使うことを選択肢の一つとして検討していることを明らかにした。


政府が、避難範囲を半径3キロ圏から10キロ圏に拡大

 政府は、福島第2原発からの避難を指示する範囲を半径3キロ圏から10キロ圏に拡大した。


保安院が、福島第1原発1号機で起きた爆発について記者会見

 午後6時、保安院は、福島第1原発1号機で起きた爆発について記者会見した。原子炉そのものに重大な損害がある可能性については「予断をもたず、放射線量、建造物の状況などの客観的な事実を一つ一つ集めて判断したい」と述べた。

 原子力発電所は、万が一の事故の際にも燃料などの放射性物質を外にまき散らさないよう、何重にも防護してある。燃料が壊れても炉心を覆う圧力容器で守り、それが壊れても格納容器で守る。その最後のとりでであるはずの建屋が、骨組みだけ残して無残に吹き飛んだ。元原子力安全委員は重々しい口調で次のように語った。「骨組みだけになった建屋の映像を見るかぎり、内部で爆発が起きた可能性が高い。圧力容器や格納容器が破壊された最悪の事態を想定していた方がいいだろう」。


枝野官房長官が首相官邸で記者会見し、大丈夫発言

 夕、枝野幸男官房長官は首相官邸で記者会見で次のように述べた。「福島第1原発で、原子炉そのものであるとは確認されていないが、何らかの爆発的事象があったと報告されている。状況の把握と分析に全力であたっている。放射能は管理されたもとで放出されており、安全に万全を期している」。菅直人首相が与野党党首会談の後に予定していた政府対応についての記者会見は延期されている。更に、福島第1原発と福島第2原発の半径10キロ以内の住民に圏外への避難指示を出したことについて、「現時点では10キロ圏内から出ていただいていれば大丈夫だ」と述べた。


政府が、避難範囲を半径3キロ圏から10キロ圏に、10キロ圏から20キロ拡大

 政府は、福島第2原発からの避難を指示する範囲を半径3キロ圏から10キロ圏に拡大していたが、その後、第1、第2原発ともに退避を指示する範囲を半径20キロに拡大した。


福島県が避難指示訂正記者会見

 午後6時25分、福島県は、福島第1、第2原発の避難指示をいずれも半径20キロ以内に拡大したとする発表を訂正、第1のみ半径20キロに拡大し、第2は半径10キロのままにすると発表した。午後6時25分頃、福島県は、官邸から福島第1、第2原発周辺の避難区域を半径10キロ圏内から同20キロ圏内に拡大するよう指示があった発表した。


枝野官房長官が首相官邸で記者会見し、大丈夫発言

 午後8時40分頃、枝野官房長官が、「格納容器の損傷はない」と説明。


【東京電力の小森明生常務が記者会見】

 午後8時26分、東京電力の小森明生常務が、記者会見で、爆発事故のあった福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機について「厳しい状況。(核燃料棒が高温で溶ける)炉心溶融の可能性も含め事故対応をしたい」と述べた。その上で、核燃料棒に含まれる放射性物質セシウムの検出を経済産業省原子力安全・保安院に報告したことを明らかにした。爆発があった福島第1原子力発電所1号機から放出されたとみられるセシウムが検出されたことを認め、「炉心そのものが通常とは違う状況になっている可能性はある」と述べた。原子力安全・保安院が指摘した「炉心溶融の可能性」を認めた。1号機の建屋の現状については「壁がない状況になっているのは目視で確認できる」と説明。「なるべく見える範囲のものを見ようとしているが、建物の中をくまなく見ることが難しい状況。放射線量がかなり高い」とも述べた。今後の対処については「まずはいろいろな形で原子炉を冷やそうと注力している」と述べるにとどめた。一方、原子炉容器内の状態について、高橋毅・原子力運営管理部長は「明確につかめていない」と述べた。会見を始めた午後7時半時点での炉内の圧力や水位はわからない状態という。


【菅首相が、5万人態勢としていた被災地への自衛隊派遣の増強方針発表】
 午後10時21分、菅首相は、首相官邸で開いた東日本大震災に関する第6回緊急災害対策本部で、5万人態勢としていた被災地への自衛隊派遣について、増強する方針を明らかにした。「北沢俊美防衛相に5万人を超える態勢をお願いし、前向きな返事をもらった」と述べた。

【米国の原子力専門家らが保安院が、海水が注入されたことについて廃炉覚悟の「最後の手段」とコメントする】

 米国の原子力専門家らが報道陣向けに電話会見し、東京電力福島第1原子力発電所1号機を冷却するため海水が注入されたことについて廃炉も覚悟した「最後の手段」で、「未知の領域に入った」と述べた。

 米シンクタンクInstitute for Policy Studiesの核兵器廃絶、環境、エネルギー政策の専門家、ロバート・アルバレス(Robert Alvarez)氏は「恐らく原子炉を冷却して安定させるための真水を注入する能力を失い、最後の手段として海水の注入に踏み切ったのだろう」と述べた。「アメフトで言うとへイルメアリー(劣勢にあるチームがゲーム終了間際に得点を狙って投げるロングパス)だ」。

 福島第1原発は、非常用ディーゼル発電機も使用できなくなったため、原発に交流電流を供給できなくなるステーション・ブラックアウト(station blackout、全交流電源喪失)と呼ばれる状況に陥った。原子炉事故のシミュレーションを手掛けている物理学者のケン・バージェロン(Ken Bergeron)氏は、「ステーション・ブラックアウトは、実際に発生する可能性は極めて低いと考えられていたものの、何十年も前から非常に懸念されていた事象だ。我々は今、未知の領域にいる」と語った。


【米軍が西太平洋の米艦を本州沖に集結】

 ゲーツ米国防長官はルース駐日米大使と電話会談し、「日本政府の依頼にはすべて応じたい」と伝えたことを明らかにした。太平洋艦隊は「巨大地震と津波で被害を受けた地域の救援で最善の態勢を取る」とし、西太平洋の米艦を本州沖に集結させている。人員や物資を上陸させ、ヘリコプターなどの海上拠点にもなる揚陸艦が主体となっている。米軍は、2004年末のスマトラ沖大地震・大津波の際、原子力空母エイブラハム・リンカーンとともに、1万人以上の米兵を救援活動に派遣。昨年1月のハイチ地震の際にも、原子力空母カール・ビンソンや世界最大級の病院船コンフォート(一般病棟1千床)を派遣した。


【ロシアのメドベージェフ大統領が支援声明打ち出す】

 ロシアのメドベージェフ大統領がセチン副首相や国営原子力企業ロスアトムのキリエンコ総裁らを呼んで緊急会議を開き、原発停止で電力供給不足が見込まれる日本に対し、極東サハリン沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」で生産される液化天然ガスなど発電用資源の供給量を増やすよう指示した。人道的な観点から「隣国・日本」への最大級の支援策を打ち出す。

 セチン副首相によると、日本から既に資源の供給を増やしてほしいとの要請が来ており、ロシアとしては最大15万トンの天然ガスを早急に供給することが可能で、石炭についても300万~400万トンの追加供給を検討するという。さらに日露間の海底ケーブルを使って電力を日本に送ることもできるとしている。プーチン首相は「日本は親しい隣国。(北方領土など)さまざまな問題はあるが、我々は信頼できるパートナーであるべきで、エネルギー資源の供給支援に全力を尽くさなければならない」と強調した。メドベージェフ大統領も12日、短文投稿サイト「ツイッター」で「日本で近親者を失ったすべての人に哀悼の意を表する。我々の隣国を支援するよう政府に指示した」と書き込んだ。ロシア非常事態省は12日、救助隊や医師など約200人を日本に送る用意を表明。ロスアトムも原子力の専門家を派遣できるとしている。北方領土では、94年の北海道東方沖地震で四島が被災した際に日本から支援を受けたこともあり、住民の間で義援金を日本に送る動きが出ている。日露関係筋は「両国関係が冷え込む中、プーチン首相の発言は久しぶりに前向きなメッセージ。関係改善につながることを期待したい」と話している。


2011.3.13日

【政府が、激甚災害指定政令決定を発表】

 未明、政府は、東日本大震災の被害について、激甚災害に指定する政令を12日夜の持ち回り閣議で決定したと発表した。全国の自治体に対し、災害復旧事業に対する国庫補助のかさ上げなど財政支援を実施する。国庫補助かさ上げの対象となるのは公共土木施設や社会福祉施設、学校、農地、養殖施設など。激甚災害指定は通常、災害復旧査定見込み額が一定基準を満たす必要があるが、今回の被害は明らかに指定基準を超えると見込まれるため、査定以前の段階で指定した。内閣府によると、同様の対応は阪神大震災以来。


【東京電力が、福島第1原発3号機の緊急事態通報】
 早朝、東京電力は、福島第1原発3号機が冷却機能を喪失したため、緊急事態として法に基づき国に通報した。冷却機能喪失は、第1原発1、2号機、第2原発1、2、4号機に次ぐ6機目。福島第一原発三号機もメルトダウンする危険性が強まった。

枝野官房長官が、記者会見で、大丈夫発言

 枝野官房長官は、午前の記者会見で、東京電力福島第1原発・3号機の冷却機能が失われたことを受け、原子炉内の圧力を下げるために内部の蒸気を放出する対策を取ったことを明らかにし、「微量の放射線を含む気体が放出されたが、人体に影響を与えないので安心してほしい」と強調した。


【保安院が、福島第1原発3号機の蒸気の外部排出を説明する】
 保安院は、東京電力が給水機能が止まっている福島第1原発3号機について格納容器内の放射性物質を含む空気を外部に放出する作業を13日午前8時に着手し、同9時20分に作業を終え、配管の弁を開放したことを明らかにした。同時に冷却を促進するホウ酸水を炉内に注入する作業が行われている。1号機では緊急措置として海水も注入したが、今回は原子炉のダメージを抑えて再使用を容易にするため、ホウ酸水のみの注入を選択したとみられる。

【保安院が、被曝(ひばく)可能性言及】

 原子力安全・保安院は、東京電力福島第1原発の周辺で約160人が被曝(ひばく)した可能性があることを明らかにした。被曝した可能性があるのは、国の避難指示を受け原発から10キロ圏内を出るために双葉厚生病院から移動して、同原発から約3・7キロ離れた県立双葉高校のグラウンドで救助のヘリを待っていた約60人と、原発での爆発後に福島県外にバスで避難した約100人。バスで避難していた100人のうち9人の放射線量を測定したところ、3人から通常を上回る数値が検出されたという。今後、160人全員の放射線量も調査するとみられる。


【東京電力が、福島第1原発の敷地境界で放射線量の再上昇に言及する】
 午前8時56分、東京電力は、福島第1原発の敷地境界で放射線量が再び上昇し、制限値の500マイクロシーベルト/時を超えため、原子力災害対策特別措置法に基づく「特定事象」(境界敷地放射線量異常上昇)が起きたと判断した。

【政府が、自衛隊の救援規模を10万人に態勢拡大決定】

 早朝、政府は、三陸巨大震災に派遣する自衛隊の規模を10万人態勢に拡大して、被災者の救助活動にあたることを決定した。北沢防衛大臣は、防衛省の災害対策本部の会議で、「総理から10万人をめどに態勢を引いてくれということであった。統幕長以下、全軍をよく視野に入れて10万人態勢でと思っている」と述べた。また、派遣部隊の指揮を陸上自衛隊東北方面総監に一元化する方針を示した。一方、松本防災担当大臣も「72時間という時間もあるから、とにかく孤立して助けを求めている人のところに行く」と述べた。政府は「救助はきょう、あすが勝負だ」として、被災者の救助に全力を挙げる方針。北沢防衛相と折木良一統合幕僚長は14日、現地を訪れ、被災地で救援活動などに当たる隊員を激励する。


【保安院は、原子炉建屋が、東京電力福島第1原発・1号機の原子炉圧力容器への海水注入作業が完了を発表】
 朝、保安院は、原子炉建屋が12日に爆発し崩壊した東京電力福島第1原発・1号機について、原子炉圧力容器への海水注入作業が完了し、満水になったとみられることを明らかにした。記者会見した根井寿規審議官によると、満水状態を維持すれば当面の安全性を確保できるため、検査官を現場に派遣し、東京電力の担当者とともに確認を続ける方針。1号機は冷却水不足のため燃料棒の温度が上昇し、爆発事故の前に国内初の「炉心溶融」が起きた可能性が高いと考えられている。建屋が爆発しても内部の原子炉格納容器に損傷はなく、放射性物質が大量に放出される恐れはなくなったと判断されるという。

【双葉町役場玄関付近で放射線を計測したところすべての測定器が振り切れる】

 午前10時20分、フリージャーナリストの山本宗輔、森住卓、野田雅也、豊田直己、綿井健陽、広河隆一らが双葉町役場玄関付近で三台の機器を使用して放射線を計測したところすべての測定器が振り切れた。
 http://blog.livedoor.jp/shunzo480707/


第1原発3号機に海水注入開始

 午後1時、第1原発3号機に海水注入開始。


【在日米海軍司令部が、空母「ロナルド・レーガン」が東北沿岸沖に到着発表】

 午後2時19分、在日米海軍司令部は、被災者支援のため派遣された空母「ロナルド・レーガン」が東北沿岸沖に到着したことを明らかにした。


【女川原発 敷地境界で高放射線】

 午後2時58分、保安院は、宮城県にある東北電力女川原子力発電所で、敷地境界付近のモニタリングポストと呼ばれる計測装置で、13日午後0時50分に1時間当たり21マイクロシーベルトという通常よりも高い値の放射線の量を計測した。原子力災害対策特別措置法では原子力発電所の敷地境界で1時間当たり5マイクロシーベルトの放射線を検出すると「異常事態」を知らせる通報をすることを義務づけており東北電力は基準を超えたとして午後1時9分に「異常事態」を知らせる通報を国に行った。東北電力によると、女川原発の敷地の境界にあるモニタリングポストの放射線量は午後1時現在、基準の5マイクロシーベルトを上回る10マイクロシーベルト前後で推移している。


【警察庁が被害状況発表】

 警察庁によると、東日本大震災に関する死者は13日午後2時現在、東北と関東の12都県で計801人確認された。行方不明者は733人。重軽傷者は計1442人。各県の死者数は、北海道1人▽青森3人▽岩手302人▽宮城244人▽福島208人▽山形1人▽東京5人▽茨城17人▽栃木3人▽群馬1人▽千葉13人▽神奈川3人。

 このほか、宮城県東松島市野蒜(のびる)地区で13日午前、200人以上の遺体が新たに見つかり、県警が収容作業を開始した。仙台市若林区荒浜では11日夜、200~300人の遺体が打ち上げられているのを警察官が目視で確認しているが、水が残るなどして近づくことができず、生存者の捜索や遺体の収容ができない状態が続いている。宮城県南三陸町のほとんどの地域が水没しているほか、岩手県陸前高田市でも市街地の大半に相当する約5千世帯が水没。 

 一方、建物の被害は、沿岸部を中心に壊滅的な状況に陥っている宮城、岩手、青森での集計が不可能に近く、報告がほとんどないものの、福島で2413戸の全壊を確認。宮城で86戸、茨城で80戸、山形で37戸などが全壊した。道路損壊は千葉で171カ所、栃木で106カ所など。

 また、各県の避難状況は、岩手120カ所、2万4200人▽茨城460カ所、5万8900人▽青森190カ所、1万1400人▽福島420カ所、10万8900人▽栃木150カ所、9500人。宮城県はとりまとめができていないという。


【菅首相が、谷垣自民党総裁と会談】

 菅首相が、自民党の谷垣総裁と会談。谷垣総裁は増税を含めた時限立法措置を提案する。


【菅首相が、計画停電の実施を了承する】
 菅首相が、計画停電の実施を了承する。

【レンボウ、辻元氏が起用される】
 菅首相が、レンボウ行政刷新相を節電啓発相に兼務任命する。辻元衆院議員を首相補佐官に任命する。

【宮城県警察本部の竹内直人本部長が、県内だけで1万人単位の死者が予想されると発表】

 午後4時、宮城県警察本部の竹内直人本部長は、県庁で開かれた県の災害対策本部の会議の中で、地震と津波によって宮城県内で死亡した人の数について「ほぼ1万人単位に及ぶのは間違いない」と述べ、死者が1万人を超えるという見通しを示した。13日正午までに県内で379人の遺体を収容したことを明らかにした。


各地の原発反対派が批判し始める
 12日起きた福島第1原発1号機の炉心溶融、原子炉建屋の爆発について、原発反対派は次のように批判している。
 「原発の安全性が根本から問われる事態になった」。
 「石橋をたたいて渡るような慎重さが東電に足らず、それが今回の事態を招いた」。
 「(15基の原発が集中する本県の嶺南について)関西電力や日本原電、日本原子力研究開発機構は他山の石とすべきだ。県内全ての原発を止め、安全性確認のための総点検を行わなければならない」。
 「『想定外のことが起こり得ることを想定した認識と対策が必要』と、私たちは常々言い続けてきた。電力事業者らに全く本気にしてもらえなかったことが無念、残念でならない」。
 「電力事業者のみの責任をうんぬんしている時期ではない。大都市の豊かな生活と引き換えに福島や若狭に危険なものを押しつける、原発を甘受するだけでなく新幹線の取引材料にするといった原発行政の在り方など『原子力必要神話』を国民全体で真剣に見直す必要がある」。
 「日本列島はいつ、どこで大地震が起きてもおかしくない。全原発の安全性を見直すべきだ」。
 「(溶融事故は国内で起こり得ないとしていた国や電力会社に対し)安全への姿勢が決定的に欠けていることが明らかになった」。
 「新潟地震の教訓がまったく生かされていない」、「地震が群発して発生していることからも、福島に続き浜岡原発も止めるべきである」。
 「今回のことは明らかに『想定外』を考慮しなかった国の責任である」。

枝野官房長官が、福島第一原子力発電所3号機の水素爆発の可能性に言及

 午後3時半、枝野官房長官は首相官邸で記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所3号機の「原子炉内で大量に水素が発生し、建屋の上部にたまっている可能性が否定できない。昨日、1号機で起きた水素爆発の可能性が生じた」と発表した。枝野長官によると、3号機は同日午前8時41分、格納容器内から放射能を含んだ蒸気の放出を開始し、同9時過ぎには容器内の圧力が低下し始めた。これに伴っていったんは原子炉内の水位が回復する傾向が出たが、正午頃から再び低下を始め、午後零時55分には、燃料棒の上部1・9メートルが冷却水から露出した。その際に炉内で大量の水素が発生し、建屋内の上部にたまっている可能性があるという。但し、「仮に爆発が生じた場合でも原子炉本体、圧力容器については問題が生じない状態、そのレベルの衝撃には耐えられる構造になっている。避難している周辺の皆さまの健康に影響が出る状況は生じない」と強調した。同原発から半径20キロ圏内の住民には12日夜ており、枝野長官は「新たな対応をする必要はない。冷静に受け止めていただけたらと思う」と説明した。


米空母が宮城沖に到着したがヘリ救助活動を中止する
 午後7時41分、米海軍太平洋艦隊の派遣した原子力空母ロナルド・レーガンが13日朝までに本州沖に到着したと発表した。日本政府の要請を受け、自衛隊のヘリコプターへの給油や、被災地に向かう自衛隊員の輸送などを支援する予定。米第7艦隊の揚陸指揮艦ブルーリッジも、シンガポールで救援物資や水を積み込み、日本に向かっている。同艦に乗り組む米海軍の広報担当者は米CNNに対し、18日ごろに目的海域に到着すると語った。本州沖で救援活動に当たる米艦船は計9隻になる見通しという。

 防衛省の発表によると、13日午前4時に宮城県沖に到着したロナルド・レーガンの艦載ヘリコプター2機が物資輸送業務を支援した。海上自衛隊のヘリ1機とともに、近くの海域にいる海自補給艦「ときわ」に積んだ非常用缶詰3万食を宮城県気仙沼市の運動場に輸送。昼ごろから始まり、午後4時半すぎに終了した。米軍ヘリ8機による岩手県陸前高田市の孤立住民約600人の救助も予定されていたが、中止になった。ヘリは同日午後、米海軍厚木基地を離陸したが、被災地に入らなかったとみられる。理由は明らかになっていないが、米軍関係者によると、福島原発事故による救援活動への影響を見極めている可能性がある。


枝野官房長官が、福島第一原子力発電所3号機の水素爆発の可能性に再言及
 午後8時前、枝野官房長官は、記者会見で、福島第一原子力発電所3号機について「原子炉を冷やす水の水位計の値が上昇していない」と述べ、原子炉を冷やす水が十分に入っていない可能性があることを明らかにした。「3号機では、弁の不具合が生じている可能性が高い。不具合を解消して内部の気圧をしっかりと下げるための努力を進めている」と述べた。

福島第一原子力発電所3号機の水位計の値が上昇せず
 午後8時20分、東電社長が初めての記者会見。「想定を超える津波だった」。

原発20キロ圏の避難本格化 対象8万人、22人被ばく

 福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)の半径20キロ圏内と、第2原発(同県富岡町、楢葉町)の半径10キロ圏内に暮らす住民の避難が本格化した。県によると、第2原発半径10キロ圏のほぼ全域が、避難区域が拡大した第1原発20キロ圏に含まれており、避難の対象者は双葉町や大熊町など2市6町2村の約8万人。福島県には、第1原発の20キロ圏外に、少なくとも約400カ所の避難所がある。全ての避難所で放射線の影響を調査するスクリーニングをすることを決定。被ばくしていた場合、二本松市、郡山市などの3カ所で除染し、福島県立医科大で専門の手当てをする。2011/03/13 19:57 【共同通信】


政府が「輪番停電」を提唱する
 夜、菅首相は首相官邸で国民へのメッセージを発表し、14日から東京電力管内で計画的に停電を実施する「輪番停電」を了承したことを明らかにした。首相は「近日中に復旧の見込みが立たないことから大規模停電に陥る可能性が出ており、国民生活や経済活動に与える影響を何としても避けなければいけない」と強調し、「国民にご不便をおかけする苦渋の決断だ」と語った。また、首相は被災地の激甚災害指定に加えて「追加的な法律的措置も考えている」と述べ、震災対応に関する特別立法なども検討していることを表明した。

【福島県が、福島第1原発の3キロ圏内から避難した19人の被ばくを新たに確認

 福島県は、福島第1原発の3キロ圏内から避難した19人の被ばくを新たに確認、12日の3人と合わせて22人になったと発表した。総務省消防庁によると、同原発の半径10キロ圏内で入院患者ら15人と救急車が放射性物質で汚染された。ただ、枝野長官は「健康に害を及ぼす被ばくが生じている可能性は低い」と述べた。


2011.3.14日

【緊急災害対策本部が計画停電への協力を企業に要請する

 緊急災害対策本部が計画停電への協力を企業に要請する。


【福島第1原発3号機が爆発
 午前11時01分、福島第1原子力発電所の3号機で爆発音がした。敷地内から煙が上がっており、12日の福島第一原発1号機で起きた水素爆発と同じ爆発が起きた可能性がある。映像を見る限り1号機爆発よりも大きな爆発である。原子力資料情報室の上澤千尋氏は、「3号機には1号機と違ってプルトニウムが使われており、放射能漏れが起きた場合、通常の2倍の被害が予想される」と述べている。

【福島第1原発の2号機の冷却機能が失われる

 午後1時25分、東京電力は、福島第1原発2号機の冷却機能が失われたとして経済産業省の原子力安全・保安院に非常事態を報告した。水素爆発を防ぐため、原子炉建屋の壁面部分に穴を空ける作業を検討している。現在は原子炉内の燃料棒は冷却水につかっている状態で「水素は発生していないと考えられる」(東電)としている。ただ、水位が少しずつ下がる傾向にあることが分かったため、同1号機、3号機のような大規模な爆発を未然に防ぎたい考え。2号機は11日の地震発生時から、本来は8時間程度しかもたないとされている蓄電池によって冷却水をまわしていたが、停止した。冷却できなければ、燃料棒が水の外に出るため、水蒸気と反応し水素が発生する。原子炉への注水ができていない説明はない。


【枝野官房長官が、「原子力格納容器は健全」と説明する

 枝野官房長官が、「原子力格納容器は健全」と説明する。


【福島第1原発の2号機に海水注入開始する

 午後4時34分、東京電力は、福島第1原発2号機に海水注入を開始した。


【福島第1原発の1、3号機が海水注入停止
 1号機と3号機にも海水を注入する作業に入っていたが、現在止まっている。東京電力によると、第1原発2号機で14日午後6時20分から海水を入れる作業を始めまたが、その後、海水が入っていることが確認できず、原子炉の中にある燃料棒がすべて露出している可能性があることを明らかにした。「炉心が溶けた可能性は否定できない」としている。保安院は、原子炉に海水を入れるためのポンプがうまく働いていないため水を入れることができない状態になっているとコメントした。

【福島第1原発の1、2号機の海水注入成功
 午後6時50分頃、1号機と2号機の冷却に成功し、危機回避したと発表する。

東京電力の武藤栄・副社長が記者会見
 夜、東京電力の武藤栄・副社長が、記者会見で、福島第1原発2号機で原子炉内の長さ約4mある燃料棒が一時完全に露出したことを認めた。2号機は、14日午後1時過ぎに冷却機能を失い、午後4時過ぎからポンプで海水を注入していたが燃料切れが発生し、午後5時17分に燃料棒の上端が露出、午後6時22分には水位計で測れなくなった。

 FT「仏は自国民に東京を離れるよう勧告」の背景。15日読売:仏原子力安全局局長は福島第一原発事故はIAEA国際原子力事象評価尺度で「レベル6」に当たると述べた。チェルノブイリ原発事故は 「レベル7」、「レベル5」とされた米スリーマイル島原発事故より深刻。






(私論.私見)

いまから約100年前の1896年に明治三陸地震津波が発生している。この津波の記録が残されているが、津波の高さは、綾里 38.2メートル、吉浜 24.4メートル、田老 14.6メートルとなっている。