デブリ取り出し見通し考

 更新日/2019(平成31).2.24日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「デブリ取り出し見通し考」をものしておく。

 更新日/2018(平成30).9.21日


デブリ取り出し見通し考
 ★阿修羅♪ > 原発・フッ素54 」の「戦争とはこういう物 日時 2025 年 5 月 22 日
投稿「
更田元原子力規制委員長「2051年までにデブリ取り出し完了しているはずがな
い」(しがらみ無くなれば真実が言える?!))
」。
 原子炉大爆発事故を起こしたこの国で「のど元過ぎれば」と言いたげに進められる原子炉再稼働。その根拠となっているのは、事故原子炉もデブリ取り出しで無事廃炉できるというマスゴミに流れている風評だが。政府機関を離れしがらみの無くなった知識人は素直に「予定通りの廃炉は不可能」と言える。
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 更田元原子力規制委員長「2051年までにデブリ取り出し完了しているはずがない」
5/22(木) 17:30 福島テレビ配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/075932034e4c348e7a0d2de6838e7b159f820b5c
 福島第一原子力発電所について、国と東京電力が2051年までの廃炉完了を掲げていることをめぐり、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の更田豊志 廃炉総括監(元原子力規制委員会委員長)は個人的な見解として「2051年にデブリの取り出しが完了しているはずがない」とした。これは2025年5月20日に福島県福島市で開かれた報道記者との懇談会で示したもの。

 更田廃炉総括監は記者からの「2051年の廃炉は可能なのか」また、それを示した廃炉の工程表である「中長期ロードマップの見直しはあり得るのか」という質問に対し、「見直しはあり得るどころか必須」と回答。また「個人的な意見」と前置きしたうえで、「2051年に燃料デブリの取り出しが完了しているはずがない」「間違いなく無理だと思っている」とし、「本格的な最初のひとつかみが、そのころにできていたらいいかなというくらい」との見解を示した。

 燃料デブリは、2011年の原発事故で溶け落ちた核燃料が、金属やコンクリートなどを巻き込んで冷え固まったもので、第一原発の1~3号機に880t残ると推計されている。強い放射線の発信源である燃料デブリには人が直接近づくことはできず、また、燃料デブリに触れた雨水や地下水が“汚染水”となって敷地にたまり続け、“処理水”のタンクは敷地を圧迫し続ける。2024年11月、事故後13年8か月が経過してようやく、2号機で初の“試験的取り出し”に成功。約0.7gの採取デブリからは核燃料の主成分であるウランの含有などが確認され、分析を担う日本原子力研究開発機構(JAEA)は「典型的な燃料デブリ」と評価している。また、2025年4月には、2回目の取り出しで約0.2gを採取したが、2回の採取量を合わせても、残るデブリの10億分の1程度と、取り出し完了までの道は遠い。

 更田廃炉総括監は「デブリ取り出しが廃炉の本質ではない」と指摘。使用済み核燃料を早く地上におろすことや、今後起こりうる地震に備えて使用済み燃料プールの水を抜く作業を早急に進めるべきとした。

 福島第一原発の廃炉は、前回の燃料デブリ採取の着手をもって最終段階の「第3期」へと入った。一方で、何をもって「廃炉」の判断とするか、明確なゴールは示されていない。2011年の事故で、2号機は水素爆発を起こしておらず1・3号機と比べて損傷が少ないとされることから先行的に試験的取り出しが行われているが、事故から14年が経過してまだ2回目。3号機では燃料デブリを充填剤で固めてそれごと取り出す「大規模取出し」が計画されているが明確なスケジュールは示されておらず、1号機では内部調査が継続中。国と東京電力は2051年までの廃炉完了を掲げている。

【燃料デブリ試験的取り出し・これまでの経緯】
2021年 当初の試験的取り出し着手予定
⇒ロボットの開発遅れ、経路への堆積物の詰まり発覚などで延期。
2024年 8.22日 試験的取り出し着手を計画するも「現場での棒の順番ミス」が発覚し取りやめ
⇒東京電力が現場に立ち会っていなかったことなどが問題に。管理体制の見直しを行う。
9.10日 試験的取り出し作業に着手
9.14日 ロボットが一度デブリをつかむ
9.17日 カメラ4台のうち2台の映像が見られなくなるトラブルで中断
⇒高い放射線が影響でカメラ内部に電気がたまり不具合を起こしたと推定。カメラ交換を決断。
10.24日 カメラの交換作業を完了
10.28日 試験的取り出し再開
10.30日 デブリの把持・吊り上げに成功
11.2日 デブリを事故後初めて格納容器外へ取り出し成功
11.5日 放射線量が「取り出し」基準クリアを確認
11.7日 試験的取り出し作業完了
11.8日 デブリの水素濃度などが輸送の基準を満たすこと確認
11.12日 事故後初めてデブリを第一原発構外へ 研究施設へ輸送
12.26日 JAEA「採取デブリからウラン検出」公表し「典型的な燃料デブリ」と評価
12月 デブリの非破壊分析が完了・分析機関に分配するためデブリを砕く
2025年 1.8日 JAEA「5つの分析機関への分配決定」公表
1.10日 デブリの一部をJAEAからMHI原子力研究開発株式会社(NDC)に輸送
1.22日 デブリの一部をSPring-8とJAEA原子力科学研究所に輸送完了
1.31日 デブリの一部をJAEAから日本核燃料開発株式会社(NFD)に輸送。予定されていたすべての研究施設への輸送が終了。
3.25日 2回目の採取に向け前回ミスがあった「棒の順番ミス」の訓練開始
4.14日 東京電力「準備が整った」として4月15日に2回目採取に着手することを公表
4.15日 ロボットの先端が格納容器につながる扉を通過し「2回目の採取着手」
4.17日 燃料デブリの2回目の把持・吊り上げに成功
4.19日 2回目の試験的取り出しで燃料デブリを格納容器外・配管の中にまで引き出す
4.20日 2回目の試験的取り出しでつかんだ燃料デブリの“引き出し”作業完了
4.21日 つかんだ燃料デブリが搬出基準(1時間あたり24ミリシーベルト以下)を下回っていることを確認
4.23日 事故後2回目の試験的取り出し作業完了
4.25日 燃料デブリ・事故後2回目の「原発構外」搬出完了




(私論.私見)