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02月10-20日、B. 02月21日~「Yellow Hiro の 独り言」の「TOPIC No.2-12d-2 実
習船沈没事故/米原子力潜水艦衝突 」。
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前艦長、部下のミス主張へ 原潜事故の査問会議で
2001.03.04(22:11)asahi.com |
えひめ丸沈没事故をめぐる米海軍査問会議で、米原潜グリーンビルのワドル前艦長(41)が「海上の他船について担当者から報告がなかった」などと乗組員のミスを主な事故原因として挙げていくことが3日、査問関係者の話でわかった。乗組員側は「艦長の潜望鏡点検がずさんだった」などと反論するとみられ、5日から始まる査問会議は艦長と乗組員が非難し合う構図になりそうだ。 査問の対象とされたのは、前艦長のほかにファイファー副艦長(38)とコーエン哨戒長(26)。ワドル前艦長はこれまでの海軍の調べに対し、「必要な情報はもれなく艦長に報告せよという命令が守られなかったのが事故の原因」との見解を示した。査問会議でも「与えられた情報の範囲内で艦長としての職責は果たした」と主張するとみられる。前艦長が特に問題視しているのは、ソナー(水中音波探知装置)情報を解析する乗組員だという。「ソナー解析官がまったく報告しなかった以上、私にはえひめ丸の存在を知るすべはない」とその職務不徹底を指摘。「16人の民間人客で司令室がすし詰めになり、艦長に報告できなかった」という解析官の主張を否定する見込みだという。コーエン哨戒長についても前艦長は、「哨戒長に選ばれたばかりで不慣れ。仕事の仕方を一から指示しなければならなかった」などとこぼしているという。これに対し、乗組員側も前艦長を批判している。ファイファー副艦長はこれまでの調べに対し、「艦長は『潜望鏡で海域を確認できる位置まで5分以内に上昇せよ』と指示した。強引な指示だなと思った。もう少し慎重にやらないといけないと感じていた」と証言。「ふだんから艦長は十分に上昇していないうちに粗雑な安全確認をする癖があった」と述べた。コーエン哨戒長も「艦長が押しのけるようにして潜望鏡を奪い、自分の任務である潜望鏡確認が完了できなかった」と証言している。さらに前艦長の弁護士が2日明らかにしたところによると、前艦長は査問会議で証言に応じるのと引き換えに、そうした自分の証言が自分を起訴する証拠とされない「免責」を要求した。米国の刑事裁判で認められた司法取引のひとつで、解明に欠かせない重要情報を提供する見返りに不利な証言をもとにした本人への訴追はしないとの確約を求めるものだ。
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米沿岸警備隊、捜査打ち切る えひめ丸沈没
2001.03.04(01:37)asahi.com
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ハワイ・ホノルルの米沿岸警備隊は3日、えひめ丸の行方不明者の捜索について、新たな状況の変化がない限り、米原潜との衝突事故発生から続けてきた捜索態勢を、2日夜の時点で事実上解除したことを明らかにした。米海軍主導のえひめ丸沈没地点付近の海底探査が2日に一応の区切りがついたため、これを支援する形で続けてきた沿岸警備隊の異例の長期捜索も、事実上打ち切られることになったとみられる。米側は、2月9日の事故発生以来、日本政府や行方不明者の家族らの強い要請を受けて3週間にわたって捜索を続けてきた。
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ワドル前艦長支援の声高まる 原潜事故で米国
2001.03.04(00:44)asahi.com |
米原潜グリーンビルの艦長だったワドル中佐(41)らに対する海軍の査問会議を前に、海軍の出世コースをひた走ってきた中佐を支援する声がカリフォルニア州などで高まっている。
「本物の感情の表れだと信じます」。中佐を支援する基金発起人の一人、同州サンタバーバラの医師ロジャー・ダナムさん(56)は2日、中佐がホノルルの日本総領事館を訪ねて「(えひめ丸の)家族に直接会っておわびしたい」と涙を流したという一件をこう説明した。支援基金も専従者を置く計画で、寄付集めは本格化している。事故後、中佐は人前に姿を見せていないが、ダナムさんとは電話やEメールで連絡を取り合っている。中佐は、えひめ丸の犠牲者や家族を思いやる心情を吐露し、気持ちもしっかりしている。査問会議にきちんと臨もうという態度がうかがえるという。ワドル中佐を支援するのは、カリフォルニア州の軍港サンディエゴから体験航海に招待された人が多い。「国防の質の高さを見せ、国に貢献してきた。彼だけを非難すべきでない」とダナムさんは強調する。 |
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原潜、衝突直前に蛇行 実習船事故/米安全委、航跡を初公表/浮上は急転換後
2001.03.03【ホノルル2日=内藤泰朗】The Sankei Shimbun |
米海軍の原潜「グリーンビル」がハワイ・オアフ島沖で実習船「えひめ丸」に衝突した事故で、米運輸安全委員会(NTSB)は二日、米海軍が提出した原潜の航行記録などを基に、原潜がたどった詳しい航跡を分析した暫定調査結果を初めて公表した。それによると、進行方向を南から北に転換し事故直前に蛇行を繰り返して緊急浮上していたことや、潜望鏡で海上を確認できる深度まで浮上していた時間は全体で約一分半と短かったことネどが分かった。同乗の民間人を意識してショー的な航行を行っていた可能性もあり、五日から始まる査問会議に影響を与えるのは必至だ。航跡の分析によると、グリーンビルは事故直前、水深約四十五メートルの海中を南に向けて左右にジグザグ航行していたが、海上の様子を潜望鏡で確認するため、事故約五分前の二月九日午後一時三十八分(日本時間十日午前八時三十八分)に、いったん水深約二十メートルの位置まで浮上し、潜望鏡を海上に突き出して三六〇度回して最初の点検作業を行った。その後、さらに約一メートル浮上して潜望鏡による二回目の点検を実施した。二回の点検作業に要した時間はわずか約一分半だった。グリーンビルはその後、再度潜航を開始し、約二分半で水深約百二十メートルまで到達。今度は約五十秒間で一気に緊急浮上し、九日午後一時四十三分、海上を南南東の方向に向け、約十一ノットの速度で航行中のえひめ丸の船底部分に激突した。また、南の方向に航行していたグリーンビルは潜望鏡作業の後、潜航をしながら北の方角へ一八〇度向きを変えていったことが明らかになった。潜水艦がコースを変更してUターンしたことについて、米原潜の元艦長たちは「ソナーは潜水艦の前部にあり、潜水艦は自らが出すエンジン音などで後部の様子がわからない。そのため、すでに自分が航行してきた方角をソナーで探るために何度も航行のコースを変えることはある」と述べている。
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「謝罪は受け入れられた」 原潜事故で米特使が声明
2001.03.03(18:40)asahi.com |
えひめ丸沈没事故に関して米海軍太平洋艦隊は2日、米政府特使として来日していたファロン海軍作戦副部長が「(えひめ丸の)犠牲者の家族は我々の謝罪を受け入れた」とする声明を発表した。副部長はワシントンへの帰路に当地に立ち寄った。声明では、日本では「ハワイの人々の思いやりに対する感謝を聞いた」とも報告。謝罪の気持ちを込めたブッシュ大統領の親書を日本側に渡したことなどについて「(特使としての)使命を果たした」とした。
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ワドル前艦長の行方不明者家族への手紙、愛媛に届く
2001.03.01(22:50)asahi.com
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実習船えひめ丸に衝突した米原潜のワドル前艦長が行方不明者の家族らにあてて、望月義夫・外務政務官に託した愛媛県関係者への手紙計11通が1日夜、外務省職員の手で松山空港に着いた。県職員に加戸守行知事あての手紙を渡した後、家族への手紙を持って県立宇和島水産高校へ向かった。うち9通は堀田家孝校長を通じて行方不明者の家族らに渡す。大西尚生船長あての手紙は、外務省職員が2日に広島県向島町の自宅を訪ねて手渡すという。知事あての手紙は「査問会議が終わって私が行方不明者の家族に謝罪できるようになる前に、謝罪の気持ちを伝えてほしい」と書かれていたという。
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実習船引き揚げ「可能性ある」 専門家が報告
2001.03.02(14:40)asahi.com |
米ハワイ沖で米原子力潜水艦に衝突され沈没した実習船えひめ丸の引き揚げについて、米国側と協議している日本の専門家ミッション(団長・佐藤博史外務省経済局海洋室長)は2日午前、首相官邸を訪れ、船体の引き揚げについて「可能性はある」との結論を報告した。さらに「600メートルの深海でこれだけ大きな船を引き揚げるのは世界的にも前例がない。技術的に相当難しく、チャレンジだ」としたうえで、引き揚げの時期については「早くても半年後で、すべてうまくいっても7、8カ月後ではないか」との見方を示した。佐藤団長は、引き揚げが可能だと判断した理由について(1)沈没した海底が平らな砂地で、船体が比較的安定している(2)船に大きな損傷が見られない――の2点を挙げた。専門家ミッションは今週末に再び訪米し、米国側による引き揚げの可能性についての調査の報告を受ける。米政府が最終的結論を出すのは3月12日以降になる見通しだという。
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えひめ丸引き上げ「結論まだ」 米国防総省
2001.03.02(12:57)asahi.com |
米国防総省のクイグリー報道官は1日の記者会見で、米原潜と衝突してハワイ沖で沈没した日本の漁業実習船えひめ丸の船体引き揚げについて、技術的に可能かどうかの調査が依然現地で継続中で、結論はまだ出ていないことを明らかにした。クイグリー氏によると、現在は沈没した船体の周囲、計6平方マイルにわたる海底地形の測量調査が進められているという。こうした情報をもとに今後、「海軍の引き揚げ専門家と民間の引き揚げ会社の専門家が検討する」という。ただし「今回のような大きさの船を、あの深度から引き揚げた例はない」とも述べ、可能だとしても、実際の作業は決して容易ではないとの見方を示した。
関係者によると、技術的な検討作業は現在米国の民間引き揚げ会社の主導で進められており、8日にその結果が米海軍に伝えられ、12日に海軍としての結論を出す予定だという。 |
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米特使が宇和島水産高校訪れ、行方不明家族に謝罪の言葉
2001.03.01(20:30)asahi.com
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漁業実習船えひめ丸の事故で1日、来日中のファロン米政府特使がスミス国防次官補代理らとともに愛媛県庁や県立宇和島水産高校を訪れ、加戸守行知事や行方不明者の家族、救出された生徒らに直接謝罪の言葉を伝えた。同校では校長室で9人の行方不明者の家族14人と会い、「心と心のあいさつがしたい」と一人ひとりに話しかけたという。面談後、先に東京でファロン特使と会った実習生寺田祐介君(17)の父亮介さん(45)は「必ずえひめ丸を引き揚げてくれると感じた」と話した。ファロン特使は会議室で救出された生徒9人のうち2人や同校関係者らとも会った。実習生の篠藤大介君(17)、辻翔次君(17)とは握手をし、「またハワイの海にきてほしい」と伝えたという。これに先立ち、ファロン特使は県庁で加戸知事と会談し、謝罪した。 |
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「私の一部が死んだ」 ワドル前艦長が米誌に心境語る
2001.03.01(19:46)asahi.com |
えひめ丸を沈没させた米原潜グリーンビルのワドル前艦長(41)が、米誌ピープルの取材に応じ、「沈んでいくえひめ丸を潜望鏡で見た時、私の一部が死んだ」などと心境を語った。2日発売の同誌に掲載される。事故後メディアの取材に応じたのは初めて。前艦長は「衝突直後、えひめ丸の乗組員全員が救助されたと聞かされた」と述べ、その後に沿岸警備隊から9人が不明と知らされたときは「胸から心臓がえぐり取られたような思いがした」と話した。父親も同誌の取材に答え、事故の数時間後に前艦長が艦内から電話をしてきたと明らかにした。前艦長は「自分で潜望鏡ものぞいたし、音波探知もさせた。でも(他船は)何もなかった」と強調。「やるべきことは全部やった。教科書通りにきちんとやったんだ」と打ち明けたという。前艦長は「衝突はあくまで事故。でも事故を引き起こしたのは私の潜水艦だ」と責任を認め、「残りの人生を通じ、事故の重荷を背負い続けるしかない」と淡々と語ったという。 |
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「緊急浮上は許せない」宇和島水産高校卒業式で校長
2001.03.01(17:35)asahi.com |
実習船えひめ丸が米原潜に衝突されて沈没し、実習生ら9人が行方不明になっている愛媛県宇和島市の県立宇和島水産高校(堀田家孝校長)で1日、卒業式があった。救助された2年生9人全員が事故以来初めて登校したが、「出席は本人の意思にまかせる」という学校側の配慮から、うち4人が式に出席し、3年生52人と専攻科7人の門出を祝った。あとの5人は教室で待機した。午前10時からの式では、堀田校長が海洋漁業科など5科の代表5人に卒業証書を渡した。その後の式辞でえひめ丸事故に触れ、「行方不明の9人は海の男として生きている、と信じる。しかし、(潜水艦の)安全確認なしの緊急浮上は絶対に許せない」と述べた。在校生代表として、海洋漁業科2年で生徒会長の山口太志君(17)が「先輩たちがいなくなった後は不安だが、勉強やスポーツに励みます」と送辞を述べると、海洋工学科3年の田中秀樹君(18)が答辞で「信じられない事故が起きたが、在校生は私たち以上に傷ついたと思う。しかし今こそ水高魂を発揮してほしい」と応じた。
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米原潜前艦長「家族におわびを」 日本総領事館で謝罪
2001.02.28(23:25)asahi.com |
実習船えひめ丸が米原潜に衝突され沈没した事故で、米国家運輸安全委員会(NTSB)の聴取を拒否していたワドル前艦長が27日夕(日本時間28日朝)、ホノルルの日本総領事館を訪れ、望月義夫外務政務官らに「機会をいただければ家族に直接会っておわびしたい」と謝罪した。日本政府関係者が28日夜、明らかにした。それによると、望月氏が「家族に会って直接謝罪してほしい」と求めたところ、ワドル前艦長は日本語で「はい」と答えた。青森県三沢市で生まれたことや、初めて覚えた言葉が日本語だったことなど、自らの生い立ちを説明したうえで「日本人を尊敬している。事故をおわびします。機会をいただければ家族に会っておわびしたい」と涙を流しながら語った。外務省によれば、前艦長は行方不明者9人の家族や森喜朗首相にそれぞれあてた書簡13通も望月氏に託した。前艦長は事故後、弁護士を通じて事故に対して「遺憾の意」を表明する声明文を発表したが、事故原因を調査するNTSBの聴取を拒否。謝罪をしないことに、えひめ丸の家族らから批判が出ていた。
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ファロン米特使が愛媛訪れ家族らに謝罪へ えひめ丸事故
2001.02.28(20:37)asahi.com |
愛媛県立宇和島水産高校の実習船えひめ丸が米原潜に衝突され沈没した事故で、ファロン米特使が3月1日、同県を訪れる。フォーリー駐日米大使やスミス国防次官補代理らも同行する。県によると、午前11時から県庁で加戸守行知事らと会談した後、ヘリコプターで同校のある宇和島市に向かう。午後2時ごろから同校で行方不明者の家族らと会い、謝罪したうえ、船体の引き揚げなどについて説明するとみられる。
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米特使、えひめ丸引き揚げの姿勢示す 官房長官らと会談
2001.02.28(12:54)asahi.com |
実習船えひめ丸が米原子力潜水艦に衝突され沈没した事故で、来日しているファロン特使(海軍省制服組ナンバー2の作戦副部長)が28日午前、首相官邸で福田康夫官房長官や扇千景国土交通相らと会談した。ファロン特使は、焦点となっている船体の引き揚げ作業に米政府として着手する姿勢を示した。会談で衛藤征士郎外務副大臣が「米政府として引き揚げに着手するのか」とただしたのに対して、ファロン特使は「その通りである。米政府として政治的にコミット(関与)している」と明言した。またファロン特使は「3月8日に米海軍が委託している引き揚げ会社から今後の進め方についての報告が提出される。日本側と協議しつつ取り進めたい」と述べた。またファロン特使は、福田官房長官が、原潜の緊急浮上がデモンストレーションだったのかとただしたのに対して、「緊急浮上には(1)乗員の訓練(2)機器の点検(3)デモンストレーションの3つの側面があった」と述べ、事実上、民間人に対するデモンストレーションの側面があったことを認めた。さらに「人に乗ってもらって、ただちに浮上できることを示すことが、潜水艦の信頼性を理解してもらう上で必要だ」とデモンストレーションの意義を説明した。ファロン特使の発言について福田官房長官は28日の記者会見で「予備的な調査は過ぎたと思う。(引き揚げを)実行するという前提の調査をするのだろう」と述べ、米政府が引き揚げ作業にとりかかることを約束したとの受け止め方を示した。
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えひめ丸引き揚げ最大の努力 米特使、森首相と会談
2001.02.27(22:12)asahi.com |
米ハワイ沖で米原子力潜水艦が実習船えひめ丸に衝突した事故で、27日に来日した米政府のファロン特使(海軍作戦副部長)は同日夜、首相官邸で森喜朗首相と会談した。ファロン特使は謝罪の意を表明したブッシュ大統領からの親書を手渡したうえで、えひめ丸の引き揚げについて「最大の努力を尽くす」と述べた。補償問題については「適切な時期に取り組みたい」として、前向きに応じる姿勢を明らかにした。大統領の親書は、「米国政府と米国民を代表し、謝罪と深甚なる遺憾の意を再度表明する」と謝罪の気持ちを改めて表明。事故原因に関しては「十分かつ透明性のある調査を行うことを保証する」とし、米政府として最大限究明に尽くす考えを強調した。そのうえで、ファロン特使は今回の事故について「米国政府と米海軍が全責任をとる」と言及。引き揚げについては「困難な仕事と聞いているが、一生懸命取り組んでいる」と述べ、最大限努力することを約束した。森首相は、今後予定されている米海軍の査問会議での徹底的な原因究明に加え、補償問題について「米側に配慮をお願いしたい」と求めた。これに対し、ファロン特使は「しかるべきタイミングに詳細をつめる。適切な時期につめたい」と答えた。会談後、森首相は官邸内で記者団に対し、えひめ丸の引き揚げについて「技術的に難しいということだったとしても、民間の専門家の協力を得て日本政府だけでも引き揚げるくらいのつもりでいる」と述べたうえで、「米国の結論についてそれだけ期待をしたいということだ」と改めて米国側の努力を促した。会談には河野洋平外相が同席した。ファロン特使は28日に東京都内でえひめ丸の行方不明者の家族代表らと面会するほか、福田康夫官房長官ら関係閣僚にも改めて調査の進みぐあいなどを説明する。
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原潜事故で政府が調整室を設置 各省庁の対応一元化
2001.02.27(19:17)asahi.com |
政府は27日、ハワイ沖の米原子力潜水艦と愛媛県宇和島水産高校の漁業実習船えひめ丸の衝突事故に関する各省庁の対応を調整するため、「えひめ丸事故対策官邸調整室」(室長=福田康夫官房長官)を設置した。内閣官房、外務省、防衛庁、国土交通省、農水省、経済産業省、文部科学省の関係各省庁が参加。原因究明や再発防止のための施策、捜索救助、船体引き揚げ、乗船者と家族への対応などの調整を進める。
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基地内での「さくらまつり」中止 横須賀市、事故に配慮
2001.02.26(21:36)asahi.com |
神奈川県横須賀市は26日、米海軍横須賀基地内で4月に予定していた恒例の「日米親善横須賀さくらまつり」を中止すると発表した。隣の三浦市の三崎港を拠点とする愛媛県の漁業実習船が米原潜に衝突され、沈没した事故を受けて、「関係者の思いや国民感情などを考慮した」と説明している。 |
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事故原潜の人間関係に関心 安全委、心理学者に分析依頼
2001.02.26(14:40)asahi.com |
ハワイ沖で起きた実習船えひめ丸沈没事故を調査している米国家運輸安全委員会(NTSB)高官は、「米潜水艦グリーンビル乗組員の人間関係に不可解な点がある」として、心理分析の専門家にゆがみの解明を依頼したことを明らかにした。上官に必要な情報を報告しなかったり、進言をためらったりしたことを分析するのが狙いだ。NTSBによると、調査団に加わったのは、大事故につながった人的なミスの解析を専門とする米国の行動心理学者。これまでの調査で、副艦長は「ワドル前艦長がした緊急浮上の準備が性急すぎると思ったが、16人の民間人客の手前、異を唱えるのをためらった」と証言している。NTSBは「部下の委縮」か「行き過ぎた気遣い」とみているが、進言しにくいほど硬直した職場環境だったと述べた乗組員はほかにおらず、真相はわかっていない。 ソナー(水中音波探知機)情報の解析技術官は、司令室が民間人ですし詰めになって図面作製に支障が出ても、同僚に不満のひとつもぶつけていない。同解析官はまた、えひめ丸の位置を1.8キロ先と算定したが、前艦長が「潜望鏡では何も見えない」と言うのを聞くと、独断で距離を8キロに修正している。艦長への迎合か、それとも単なる職務不熱心か、NTSB内部でもその解釈は割れたという。米原潜の艦長を5年余り務めたジョン・ピータース氏(65)は、「潜水艦の任務では小さな人間関係のもつれが重大な結果を招きかねない」と説明する。狭い空間に150人もの人間が入り、長い場合は2カ月半も海中生活を強いられる。このため、原潜乗務志望者には体力試験とは別に専用の心理試験を課し、不合格者は乗務できない。任務中にいざこざを起こした乗組員を「良好な人間関係を維持できない」という理由だけで港湾勤務に配転したこともあるという。ワドル前艦長は、米海軍のなかでもエリート視されていたが、知人らは「陽気でおしゃべり好き。部下を抑えつけるような権力的な性格ではなかった」と話している。
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狭さに驚き 米海軍原潜艦内を公開
2001.02.26(12:49)asahi.com |
米海軍は25日朝、実習船えひめ丸を沈没させた原潜グリーンビルと同型の原潜コロンビアを、ハワイ真珠湾基地で日米報道陣に公開した。3月5日に迫った査問会議を前に、艦内取材の要望が集中していた。司令室は30平方メートル余り。20畳ほどの室内に操舵(そうだ)席や海図台、2台の潜望鏡が並び、すれ違うのもままならない。事故直前のグリーンビルでは同じ狭さの司令室に、乗組員と民間人客あわせて30数人。文字通りすし詰め状態だった。「ここに16人も訪問客を入れれば、乗組員が歩き回るのはもちろん、上司に何ごとか機敏に報告するのも無理だったはずだ」。取材した米ABCテレビ記者は狭さに驚いていた。
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米原潜の前艦長が行方不明者の家族らに遺憾の意表明
2001.02.26(01:42)asahi.com |
AP通信が25日、ハワイ沖で日本の漁業実習船えひめ丸を沈没させた米原潜グリーンビルのワドル前艦長が弁護士を通じて発表した声明の全文を伝えた。前艦長は声明で、日本国民や行方不明者の家族らに対して遺憾の意を表明した。しかし、事故の原因や責任については直接触れず、3月5日に開かれる予定の査問会議で真相が明らかになることを切に望む、としている。声明文は以下の通り。日本のみなさま、特に、米原潜グリーンビルと実習船えひめ丸との衝突事故で行方不明になったり、けがをされたりした方々の家族に対し、心から遺憾の意を表明したいと思います。事故が、行方不明になっている生徒さん、教師、乗員のみなさまの家族、さらに、宇和島水産高校、えひめ丸の大西尚生船長、宇和島の地元市民のみなさま、そしてすべての日本人の方々に、想像を絶する悲しみを与えていることは承知しているつもりです。愛する人を失った方々に対し、適当なお悔やみの言葉も見あたりません。私も、ご家族の皆様と、皆様が受けられた大きな喪失に対し悲痛な思いでいっぱいです。間もなく始まる調査によって、今回の事件に関するあらゆる疑問や未解明な部分が明らかになることを望みます。
このような悲惨な事故を2度と繰り返さないために、何が起きたのか、真実をはっきりさせたいと心から願っています。こうした行動をとるのは、犠牲者やその家族の名誉のためにほかならないし、ひいては私の家族と原潜の乗組員の家族の名誉のため、そしてさらには、米日両国の名誉のためです。
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解析技術官の行動も焦点 原潜事故調査団長
2001.02.25(03:43)asahi.com |
ハワイ沖で起きた実習船えひめ丸沈没事故で、米国家運輸安全委員会(NTSB)の現地調査団長であるハマーシュミット委員は23日、朝日新聞と会見し、米原潜グリーンビルの音波情報解析技術官がとった一連の行動に不審な点が見られ、今後の調査の焦点になると語った。米海軍筋も、3月5日に始まる査問会議に、決定ずみのワドル前艦長ら3人に加えて新たに乗組員が召喚される可能性があるとしており、事故につながった要因としての重大さからこの解析技術官が召喚される見通しが強まっている。ハマーシュミット委員は、NTSBによる現地調査が23日で完了したのを受け、会見で調査結果のあらましを説明した。解析技術官は、ソナー(水中音波探知装置)がとらえた海上の船舶の情報を分析し、その速度や航路を図面や艦内コンピューター網に書き込むのが任務。ところが同委員によると、技術官は「多数の民間人が体験航海していたために司令室内でわずか1メートル先へも進めなかった」と当時の状況を証言した。その一方で同委員によると、技術官は「艦長ら上官に必要な情報を伝えられないという抑圧感はなかった」とも強調。供述態度にもあいまいな点が目立ったため、再び長時間の事情聴取をしたことを明かした。同委員は、「技術官がソナー解析の仕事に15年の経験がありながら、今回は注意力を欠いていたのではないか」と指摘。艦長ら他の乗組員との意思疎通に支障が出ていたことを重視していると述べた。また同委員は、司令室の前にあるソナー室の人員配置状況についての調査結果を明かした。勤務表通りに有資格のソナー担当官1人と新人の訓練生、監督官の3人が勤務していたが、米海軍は通常、無資格の訓練生をソナー室に配置しないことになっているため、「そもそも勤務表が適切だったかどうか疑問が残る」と指摘した。NTSB現地調査団は24日、ワシントンへ戻る予定。今後は、航空機のフライトレコーダー(飛行記録装置)に相当する「ソナー記録」の分析を急ぐとともに、艦内の情報伝達のどこが問題だったかを探る。事故原因についての最終的な調査結果を出すには1年以上かかるが、とりあえず事実関係の詳細を早ければ3カ月後にも公表する予定だ。 |
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「だれか中国語話す人いないか」事故直後混乱の原潜艦内
2001.02.24(23:15)asahi.com |
ハワイ沖で実習船えひめ丸を沈没させた米原潜グリーンビル艦内で、事故直後に乗組員が「だれか中国語が話せる人はいないか」と探し回っていたことが23日わかった。衝突したのを最初は中国の船と取り違えたらしい。事故調査当局によると、原潜に乗艦していた民間人16人は衝突直後、司令室から階下の食堂へ移動させられた。そこへ乗組員が慌ただしく下りてきて、16人のなかに中国語をわかる人はいないかと尋ねた。しばらくすると再び乗組員が部屋を訪れ、今度は「日本語を使える人を探している」と呼びかけた。「乗員に日本語がわかる人はいなくて困っている」という説明もあったという。調査当局には「ひとりでも日本語が理解できる人が艦内にいれば、事故直後の救助態勢が違っていたかもしれない」という声も出ている。
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外務省政務官に補償問題明言 米太平洋軍副司令官
2001.02.24(13:50)asahi.com |
米原子力潜水艦に衝突され、沈没した漁業実習船えひめ丸の事故について、米太平洋軍のトーマス・ケース副司令官は、23日午後(日本時間24日午前)、外務省の望月義夫政務官と桜田義孝政務官らと会談し、「査問会議の目標は事故の責任の所在を明確にすることと、再発防止策を講じることのほか、船の所有者や家族への補償問題にある」と話した。米海軍の高官が日本政府側に正式に補償問題を明言したのは初めて。会談は、桜田政務官の帰国にともない、望月政務官がホノルル入りしたため、引き継ぎとあいさつを兼ねて行われた。
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米原潜、ソナー探知情報を技術官が独断で修正
米紙報道2001.02.24(12:41)asahi.com |
漁業実習船えひめ丸に衝突した米原潜グリーンビルのソナー(水中音波探知装置)情報解析技術官が緊急浮上の直前、ソナーによる情報をもとに、えひめ丸とみられる船体まで約1.8キロに迫っていたと分析していたが、独断で約8キロと修正し、警告を発しなかったと、23日の米ワシントン・ポストが報じた。ワドル艦長(当時)が潜望鏡でのぞいても船体が見えなかったため、自分の計算違いだと判断したという。9日の事故発生以来、米国家運輸安全委員会(NTSB)の事情聴取や米海軍の予備調査報告の内容が明らかになるにつれ、事故原因解明の焦点は、衝突直前にえひめ丸を探知したソナー情報があったのに、なぜ艦長が緊急浮上を命じたかという点に絞られつつある。ワドル氏の供述は公にされていない。同紙は事故調査筋の話として、ワドル氏はソナー情報に基づいて、船体を浮上させ潜望鏡で船体を探したが見えなかった、と報じた。一方、司令室では技術官が原潜から約1.8キロのところに2隻の船がいると解析していた。しかし、艦長が船体はないと話したため、技術官は自分が間違ったと思い警告しなかった。そして、えひめ丸との距離を独断で約8キロに修正していた。この解析技術官はNTSBの聴取に対して、民間人で込み合っていたために、正常業務が妨げられたと証言したことが明らかになっている。しかしワドル氏は、民間人の存在は業務の妨げにはならなかったとしているという。
3月5日に始まる海軍の査問会議に臨むワドル氏側は、緊急浮上の際に乗組員から伝達された情報に基づいて適切に行動したという点を強調し、自らは重大な過失がなかったと主張するとみられる。 |
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米海軍作戦副部長を特使として日本へ派遣 原潜事故で米
2001.02.24(12:00)asahi.com |
米国防総省は23日、原潜事故で日本に対し改めて謝罪の意を伝えるため、海軍作戦副部長のファロン海軍大将を政府特使として来週、日本に派遣すると発表した。森喜朗首相に会い、ブッシュ大統領からの親書を手渡す。具体的な日程は調整中だが、米国側としては週明け早々にも訪問したい考えだという。発表によると特使派遣の目的は「米国の政府、海軍、国民を代表して謝罪を表明するため」。査問会議を含め、米国で継続中の原因調査の進ちょく状況について説明し、沈没した漁業実習船の引き揚げをめぐって協議もするという。特使派遣は「米国が日本との安全保障関係、日本国民との友好関係を非常に重視していることの表れだ」とも説明している。ファロン氏はワシントンの海軍省に勤務する制服組のナンバー2。「現時点で、海外に出張できる最高ランクの人物」(日本政府関係者)だという。米国側はすでに、大統領から首相への電話など、さまざまなチャンネルを通じて日本に謝罪している。それに加えて今回、改めて特使を派遣することにした背景には、日本側での対米感情が予想以上に悪化していることや、今後の展開について日本側から十分な理解を得たいためと見られる。
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民間人による米軍艦船などの操作を全面禁止
国防総省2001.02.24(10:22)asahi.com |
ラムズフェルド米国防長官は23日、米原潜事故を受けて全軍に対し、あらゆる軍の装備について民間の訪問者による操作を当面禁止する指示を出した。即日実施された。
それによると、この新方針は「艦船、航空機、車両、兵器システムのあらゆる操作」を含むもので、「軍関係者が、いかに注意深くその民間人を監督しているかどうかとは関係なく実施する」としている。
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米原潜事故の予備調査報告書要旨
2001.02.24(01:08)asahi.com |
米ワシントン・タイムズ紙が報じた米海軍の予備調査報告書の要旨は次の通り。
一、原潜司令室内に何人かの民間人がいたことが、ワドル艦長(当時)らがソナー(水中音波探知装置)情報解析技術官と対話するのに障害となった。民間人を分けて司令室に入れ、潜望鏡周辺の人込みを少なくしていれば、状況は劇的に違っていただろう。一、ソナー技術官は船舶の動きをチェックする作業を怠る基本的なミスを犯した。ソナーで探知、「S13」と登録されたえひめ丸の航跡を追跡しなかった結果、えひめ丸が危険なほど接近していると認識できなかった。一、艦長とソナー技術官の意思疎通が欠けていた。原潜が潜望鏡を上げる深度に浮上する前、同技術官はえひめ丸が3.6キロから1.8キロに近づきつつあることを察知したが、艦長らに報告しなかった。
一、ワドル艦長らの潜望鏡による確認作業は不十分だった。作業はおよそ2分間で、確認するには難しい状態だった。潜望鏡の高さは海面から1.2―1.8メートルで、水平線を見るには十分な高さではなかった。
一、ソナー室の人員配置は不適切で、1人は操作する資格がなかった。 一、乗組員は不用意にも、ソナー分析装置を故障とみなした。司令室の2つのモニターのうち1つは作動可能だった。艦長はえひめ丸のソナー信号に気づき、乗組員もえひめ丸との距離を知ることができたはずだった。
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「民間人の手前」注意喚起はばかる 米海軍の報告書
2001.02.24(00:06)asahi.com |
ハワイ沖で起きた実習船えひめ丸沈没事故で、米原潜の副艦長らが、司令室にいた民間人16人の目を意識したため、緊急浮上を急ぐ艦長に向かって注意を喚起するのをためらい、衝突につながったなどとする米海軍の予備調査報告書の内容が明らかになった。米紙ワシントン・タイムズが23日付で報じた。これまで「民間人の乗艦は事故とは無関係」としてきた米海軍の見解に反する結論だ。同紙は報告書を入手していないが、海軍関係者から報告書要旨を読み上げてもらったと説明している。同報告書は3月5日に開かれる査問会議に提出される。報告書は、ソナー(音波探知装置)でえひめ丸の所在を覚知したソナー情報解析技術官が、潜望鏡の周囲に乗組員と民間人客が集まりすぎたために、艦長だったワドル氏との対話を妨げられ、えひめ丸の位置や航路を報告しなかったと指摘。「民間人を分けて司令室内に入れ、潜望鏡周辺の人込みを少なくしていれば、状況は劇的に違っていたはずだ」と述べた。ファイファー副艦長は、艦長の緊急浮上準備が性急だと感じていたが、「16人もの民間人客の前で上司に意見するのをはばかり、結局何も注意喚起をしなかった」と証言。これら部下との意思疎通を欠いた結果、艦長は最後まで自艦の約1.8キロ圏内にまでえひめ丸が近づいたことを知らないままだったと指摘した。報告書はまた、艦長が潜望鏡を使った確認作業をわずか2分ほどで切り上げ、潜望鏡も接近した艦船をとらえるのに十分な高さまで上げられていなかったとして、艦長自身のミスを挙げた。
報告書は、これら一連の失敗を詳述し、「プロ意識、監視能力、上官の指導力などいずれの点でも期待される水準を著しく外れていた」と結論づけているという。
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「えひめ丸船体引き揚げ実現性高い」日本側専門家が発表
2001.02.23(23:29)asahi.com |
米原子力潜水艦と衝突して沈没した愛媛県の漁業実習船えひめ丸の引き揚げについて、米国側と協議している日本の専門家ミッションの佐藤博史団長(外務省経済局海洋室長)が22日夜(日本時間23日午後)、ホノルル市内で記者会見し「基礎的な調査は終わり、引き揚げの具体的な方法の協議に入る。実現性は高いと判断している」と話した。「最終的な決定は数週間先」としながらも、初めて公式に引き揚げの可能性を明言した。専門家ミッションは21日にホノルル入りし、米海軍本部のサルベージ部局の専門家らと協議を続けている。2日間にわたり、米海軍の無人潜水機の映像やこれまでに集まった資料を、日本から持参したえひめ丸の船体構造図などとともに解析した。その結果、米国側に海底の状況や潮流に関する追加データを求めたものの、具体的な引き揚げ方法を検討するのに必要な基礎調査はほぼ終了したことで日米の認識は一致。引き揚げの具体的方法について日米の専門家が協議して決めることでも合意したという。佐藤団長によると、えひめ丸はサンゴの交じった平たんな砂地に沈んでいるという。今後は米国側が委嘱する民間のサルベージ会社も交えて協議する。具体的な方法については、船体の強度や潮流を解析しながら決める。船体をつかんで引き揚げる機械を特注したり、船体の下にワイヤを通して持ち上げたりする方法などが考えられるという。えい航しながら段階的に引き揚げるか、一気に海面まで上げるかなども検討する。
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えひめ丸の行方不明者の家族ら、首相に船引き揚げを要望
2001.02.22(22:23)asahi.com |
ハワイ沖で米原子力潜水艦に衝突され沈没した漁業実習船えひめ丸の行方不明者の家族15人が、加戸守行・愛媛県知事らとともに22日、森喜朗首相とフォーリー駐日米大使に会い、えひめ丸の引き揚げやブッシュ大統領との会見の実現を求めた。家族のうち10人はホノルルからこの日戻って首相官邸に直行した。疲れた様子だったが、会談時間は予定の倍近くに及んだ。家族の強い願いであるえひめ丸の引き揚げについて、森首相は「米国と協力しながら全力を挙げてやりたい」と答え、「補償問題についても、最大限の努力をしたい」と述べた。フォーリー大使は「事故の責任は全面的に米国にある」と謝罪した。
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原潜、えひめ丸を小舟と判断 米紙報道
2001.02.22(13:18)asahi.com
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ハワイ沖の米原子力潜水艦グリーンビルとえひめ丸の衝突事故で、原潜側はえひめ丸の船体を水中音波探知装置(ソナー)でとらえていたが、乗組員が「安全な距離にある小舟」と判断していたと、21日の米紙ワシントン・タイムズ(インターネット版)が米海軍筋情報として報じた。同紙によると、沖合約14キロにいた原潜はえひめ丸とみられるソナー情報を探知した。米国家運輸安全委員会(NTSB)の調査でわかった衝突の約1時間10分前のソナーでの確認と一致するとみられる。ソナーが探知した反応が弱かったため、漁船などではなく小さな船と判断したという。その後原潜は海中を航行し、緊急浮上訓練の態勢に移ろうとしたが、その際、「小舟」という判断を基に原潜のいる海域にまでえひめ丸は到達していないとみた模様だ。
その後、水深約17メートルにまでいったん浮上して、ワドル艦長(当時)自身が、潜望鏡でソナーが探知した方向を特に確認しようとした。潜望鏡の明るさを増すため、艦内のテレビ画面を消す措置なども講じたが、えひめ丸の船体を識別することはできなかったという。
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米原潜の対応を首相が「極めて遺憾」と批判
2001.02.22(11:50)asahi.com |
森喜朗首相は22日午前、漁業実習船えひめ丸を沈没させた米原潜グリーンビルが、衝突の1時間も前にソナー(水中音波探知装置)でえひめ丸を確認しながら航跡図の作製を中断していたことなどについて「極めて遺憾だ」と批判した。森首相はそのうえで、「ただ結論を急ぐだけでなく、いまの状態としては米国政府に対して、さらに徹底した調査を求めるのは当然だ」として米国側の調査を見守りたいとの考えを強調した。首相官邸で記者団に語った。
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原潜、えひめ丸の航跡図作らず 艦長用ソナー画面も故障
2001.02.22(00:22)asahi.com |
米原潜グリーンビルが漁業実習船えひめ丸に衝突、沈没させた事故で、原潜は衝突の約1時間10分前にえひめ丸をソナー(水中音波探知装置)で確認しながら同船の航跡図作製をやめ、艦長らが見るソナー画面も故障していたことが20日、米国家運輸安全委員会(NTSB)の調査でわかった。同乗中の民間人16人全員が司令室におり、担当乗員は民間人が邪魔になって航跡図を作るのをやめたという。「事故と民間人の乗船は無関係」としている米軍の主張と反する形だ。
20日夜(日本時間21日昼)、記者会見したNTSBのハマーシュミット委員は、乗組員19人と民間人16人の計35人から衝突前後の状況などを聴いた結果と、潜水艦の記憶装置に残っていた情報などを公表した。ワドル前艦長らは26日から始まる海軍の査問会議の終了まで、事故に至る経緯についてのNTSBの聴取を拒否している。NTSBによると、9日午後零時32分ごろ、原潜はソナーで、えひめ丸のスクリュー音を探知した。そのときは船名はわからず「シエラ13」と登録して注意を払っていた。事故前に、ソナーの担当官は計5隻が周辺の海上にいることをソナーで探知し、短時間で反応が消えた2隻を除き、えひめ丸を含めた3隻の動きを追っていた、という。ソナー担当者3人のうち1人は訓練生で、事故当時、指導監督を受けながら聴音していたという。通常はソナー情報を基にソナー室の横で別の担当者が航跡図を作る。だが、当時は、司令室に多数の民間人がいたため、航跡図の作製作業をやめていたと担当者は証言した。狭い司令室に人がひしめいて作業の邪魔になったが、「どいてくれ」とは言わなかったと乗員は話したという。
航跡図はソナー情報から船舶の動きや位置を海図に示して作る。専門家によると、視覚で水上船舶の位置を確認できない潜水艦にとって重要な情報という。また、ソナー室でどの段階まで、えひめ丸を追跡していたかはわかっていない。
ソナー情報はソナー室のほか、司令室付近にある画面(ソナーリピーター)に同時に映り、艦長らが見ることができる。だが、この画面が故障していたという。
航跡図も作らず、司令室の画面にも映らなかったため、艦長らには、接近してくるえひめ丸の位置などの情報が伝わらなかった可能性がある。艦長は潜望鏡での水上確認の後に潜航し、緊急浮上してえひめ丸に衝突した。NTSBによると、潜望鏡での確認の際、民間人の1人はえひめ丸ではない船舶をモニター画面で見たと証言しており、艦長らの潜望鏡確認にも問題があった可能性がある。民間人からの聴取では、事故時の緊急浮上訓練とは別に、原潜側が民間人全員を司令室に招いて、原潜が速いスピードで方向を左右に変えたり、急角度で上下したりする動きを体験させていたことも分かった。
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米国家運輸安全委員会(NTSB)のハマーシュミット委員が20日行った会見の要
旨は次の通り。
一、原潜のワドル前艦長、ファイファー副長、コーエン哨戒長の3人は衝突時の役割について事情聴取を拒んだ。一、水中音波探知装置(ソナー)を扱うソナー員は午後1時43分の衝突時間の約1時間前、午後零時32分ごろに続けて3つの音波を探知した。2つが北、1つが西の方向だった。ほかにわずかな時間に2つ音波が探知された。一、探知情報は担当者に伝えられ、船の速度や進む方向などの分析に使われた。一、司令室に民間人がいたため、ソナーで探知した音波情報に基づき継続して作製しなければならない航跡図の更新を取りやめたと乗組員が証言した。
一、ソナー室には経験のあるソナー操作員2人と監督者1人がいることになっているが、実際は操作員のうちの1人は訓練生だった。 一、原潜に搭乗していた民間人16人は、事故当時、司令室にいた。一、司令室の潜望鏡近くにあるソナー室のソナー画面が映るソナーリピーターといわれる計器が作動していなかった。
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