2017(平成29).10.30日 神奈川県座間市/頭部9遺体事件

 更新日/2020(平成31→5.1栄和元/栄和2).10.28日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「神奈川・座間市アパート多数遺体事件」を確認しておく。怪しげな臭いがするからである。

 2017(平成29).11.4日 れんだいこ拝


(私論.私見) 2チャンネルの8.2日付スレッドの怪
 11.1日付け配信 の「座間事件前、2ちゃんねるに『【急募】50キロの肉を処理する方法』、スレには『猫砂』、『クーラーボックス』への言及も」その他を参照にして、れんだいこが発信しておく。既存の解釈は「8.2日付け50kgの肉」情報の意味を毀損せしめて意味不明の解釈にしているので許せないからである。
 上記の通り、「【急募】50kgの肉を今日中に処理する方法」というタイトルのスレッドが2017.8.2日に立てられている。最初の書き込みは「事情があって50kgのお肉が手に入ったんやがどうすればええんやろ ワイはそこまで大食漢ではないし、早めに処理したい」。同一IDのユーザーが「あんまり他人に知られたくない」、「素人でも解体できるかな? 血抜きはもうしてあるんやけど」、「んー分かった。解体してちょっとずつ溶かします」とも述べている。その後の9.6日にも2ちゃんねるの別の雑談系の板で「【大至急】死体の処理方法教えてくれ」とのタイトルでスレッドが立っている。立てたユーザーに対して「アメリカのドラマでよくあるのガレージに置いてるでかい冷凍クーラーボックスおすすめ」(原文ママ)と、「クーラーボックス」に言及する書き込みがある。これらのスレッドを立てた人物は匿名のため関連性は不明だが、IDから共にau、WIMAXなどの回線を使用していることが確認できる。

 このスレッドの内容が座間事件と妙に一致している。「50キログラム」の肉は、厚労省の統計によれば20歳女性の平均体重は51.7キロ(2014年)であるから年頃の女性を暗喩していると考えられる。容疑者が遺体処理に使った「猫砂」に触れた書き込みもある。「クーラーボックス」への言及も然り。これをどう解するべきか。

 座間市の事件の発覚は10.31日である。それまでに9人が遺体にされている。容疑者が座間のアパートに入居したのは8.22日。この日が最初の犠牲者であるから、上記の「8.2スレッド」を「真」とすれば、8.22日より3週間前の8.2日の時点「50kgの肉」が存在していたことになる。この「8.2日付け50kgの肉」と白石容疑者の犯行とされている「8.22日付け最初の犠牲者」がどう結びつくのかつかないのか、興味津々となっている。

白石容疑者逮捕劇
 頭部の1つは親族と連絡が取れなくなり、10月24日に警視庁高尾署に捜索願が出された東京都八王子市の田村愛子(23)さんである可能性が高い。田村さんは、9.20日付の自身のツイッターで「死にたいけど一人だと怖い。だれか一緒に死んでくれる方いましたらdm(ダイレクトメッセージ)ください」と呼びかけている。田村さんは中学生の頃に心を病んでから、ずっと家に引きこもっていたと云う。白石容疑者とは自殺サイトで知り合って、ツイッターでやりとりし、10.23日、直接会っている。その日の午後、JR八王子駅と、現場近くの小田急線相武台前駅の防犯カメラに、白石容疑者と2人でいる姿が写っている。

 翌24日に、A子さんの兄が警視庁高尾署に捜索願を提出。兄がA子さんのアカウントとパスワードを使って、白石容疑者と連絡を取り合っていることを突き止めたという。そこから足が付いた。

 「白石容疑者は『A子さんとは初めて会って、首を絞めて殺した』などと容疑を認めているそうです。動機については『金銭目的だった』という一方、一部の女性については『性的暴行を加えて殺した』とも話している。計画的な連続殺人、まさにシリアルキラーです」(前出の捜査事情通)

 同容疑者が逮捕されたのは被害女性とは別の女性Xさんの協力による。妹と連絡が取れなくなった兄が、白石容疑者についての情報提供を募ったところ、心当たりのあるXさんが「ツイッターで妹さんと交流していた人物と同じハンドルネームの人を知っている」と名乗り出た。兄はこの女性に協力を求める一方、捜索願を出していた高尾署に通報した。警察は彼女にひと芝居打ってもらい白石容疑者と接触させ、女性がツイッターで白石容疑者を駅におびき出すことに成功する。10.30日午後4時過ぎ、警視庁高尾署員は東京・町田駅前から若い男を尾行したところ件のアパート205号室にたどり着いた。部屋に入ったのを見届け署員がドアをたたいた。 「女性の行方を知りませんか」 。男は否定したが、「どこにいる」との追求を続けると程なく「ここにいます」と玄関先に置かれたクーラーボックスを指さした。ここから事件が発覚する。女性が監禁されていると踏んでいたが大事件に発展するとは夢にも思っていなかった。

神奈川県座間市/頭部9遺体事件発覚
 座間市の遺体遺棄事件 逮捕当日にも犯行を計画していた?」、【座間バラバラ遺体事件】白石容疑者にやはり共犯者? 近隣住民がみたホスト風男性の正体 座間の近隣住民がみた別の男性」、「座間9遺体 冷蔵庫に保管か なた、ゴーグルも押収 1、2人目解体に時間」その他参照。
2017.10.31日、神奈川県座間市緑ケ丘6丁目の、米陸軍基地「キャンプ座間」に近い閑静な住宅街にある2階建てアパート「シーバスハイム」の205号室(6畳一間の13・5㎡のワンルームで、床から約2・4メートルの高さのロフト付き。家賃は1万9千円、管理費込みで2万2千円。2014.6月に悪臭が原因で「心理的瑕疵」と「大島てる」に登録されている事故物件のため格安になっている。2017.11.10日付け日刊スポーツ記事によれば家主(オーナー)はプロボクサーでWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥の父真吾さん)。

 人の頭部とあばら骨(肋骨、ろっこつ)、腕や脚、などの約240本の骨が、クーラーボックス3とキャンプなどで使用する大型の収納RVボックス5の計8箱に入れられていた。遺体の一部はミイラ化に近い状態だった。クーラーボックスの1つは玄関に置かれていた。捜査員がフタを開けたところ、腐敗の激しい人間の頭部が2つ入っていた。部屋の中には他に箱が7つあり、その中に7人分の人間の頭部が入れられていた。他のボックスには手の骨ばかり、また別の箱には足の骨ばかりなど、無数の骨を部位別に入れていた。におい消しなのか、猫のトイレ用の砂が大量にまぶしてあった。遺体は少なくとも女性8人、男性1人。

 
ベランダ側に置かれた二つのうちの一つは空き箱だった。ボックスの中には猫のトイレ用の砂にまみれた2人分の頭部があった。肉片はなかった。他にもベランダの前にかけて、同じような箱が六つ「L字形」に並んでおり、ロフトのはしごの足元にも一つあった。白石容疑者はこれらの箱について、「1人目を殺害した後に初めて購入し、数箱ずつ買い足した」と供述している。

 異様なのは、頭部とそれ以外で扱いが違うことである。頭部に外傷はほとんどなく、腐臭を防ぐために猫のトイレ用の砂がかけられていたのに対し、頭部から下の部位は首がなく、「首から下に激しい傷」が認められる。肉がきれいにそぎ落とされ、腕や足の骨、肋骨のほか、臓器類が残されており、クーラーボックスやRVボックスに足や腕などが無造作に入れられていた。9体のうち、舌骨骨折のある遺体が1体。コウシン粘膜に溢血点があるものが1体確認されており、絞殺の疑いが強い。切断面はすべて水平で、第2頚椎からが5体、第3頚椎からが2体。腐乱でわからないものが2体ある。

 白石容疑者は、室内で遺体の一部を保管していた理由について、「車で運べず、そのままにしておいた。いつか捨てようと思っていた」などと供述している。白石容疑者は車の免許を持っていたが、ペーパードライバーで運転経験がほとんどなかった。遺体を車で運び、屋外に遺棄するのは難しかったとみられる。切断した遺体を入れていたクーラーボックスは、被害者を殺害するたびに買い足したと話している。遺体の遺棄に使われたクーラーボックスを購入した際、3箱まとめて自転車で運んでいたともいう。


白石容疑者借り上げ室内の間取り図
 http://www.asahi.com/articles/ASKB076QHKB0UTIL06L.html
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白石隆浩容疑者(27)が死体遺棄容疑で逮捕される
 住人の白石隆浩容疑者(27)がその場で拘束された。白石容疑者は、当局の取り調べに淡々と応じて「首を絞めて殺した」と自白し、動機についても「金目当てだった」、「女性の被害者には乱暴を働いた」とあっさり供述している。警視庁は、この供述を受け死体遺棄容疑で逮捕した。5月には懲役1年2カ月執行猶予3年の判決を受けているので執行猶予中の逮捕となった。捜査幹部は語る。「事件には未解明の部分が多く、供述も揺れている。長い捜査になるだろうが、事実を積み上げていくしかない」。

 11.1日朝、警視庁高尾署から東京地検立川支部へ身柄が送検された。白石容疑者は、嘱託殺人や自殺ほう助についても調べていて、「同意殺人の方が罪が軽いのは知っていましたが、わたしが犯したのは殺人です」と述べたうえで、9人全員の殺害を認めている。白石容疑者は「主婦もいた」と話しているが確認されていない。警視庁は9人の足取りを確認し、事件に巻き込まれた経緯について捜査を進めている。  

 捜査当局からマスコミ各社に「性的な部分は取り扱わないように。破った社は容赦なく出入り禁止にする」と異例の通達がなされている。

 事件は多くの謎を残したままであるが、供述通り複数を殺害したという事実が認められれば最高刑は死刑となる。自供をひっくり返して、公判で「自殺志願者に頼まれて殺した」と主張し認められた場合、嘱託殺人の法定刑は最高でも懲役7年、複数なので併合罪となって10年半。

 これを仮に「座間9頭部どくろ事件」と命名する。
「頭部どくろ」とするのは、頭部のみで、顔と首がないことによる。これにより「前代未聞の歴史的な事件」となった。

【容疑者の顔写真】 
「座間9遺体事件」容疑者の歪んだ青春 別居父母、ドラマ出演の過去

アパート自室で被害女性を撮影か…スマホに画像

白石証言による犯行手口
 8月下旬、白石容疑者が、ツイッターに「首吊(つ)り士」など複数のアカウントを開設し女性たちとやり取りしていた。「一緒に死んでくれる方募集」と書き込み自殺志願者に接近していた。八王子市の女性ともツイッターで知り合い、無料通話アプリの「LINE」や「カカオトーク」で連絡を取っていた。被害者のほとんどは会員制交流サイト(ソーシャル・ネットワーキング・サービス、SNS)の「自殺サイト」で知り合つている。自殺願望のある女性は、たびたびサイトを通じ「パッと死んでパッといなくなりたい」などと投稿している。 これに反応したのが白石容疑者らだった。「ら」が付くのは、同容疑者以外に女性のツイートに返答したのは、確認できるだけで5人いることによる。

 白石がツイッターで自殺願望があるかのように装って女性に接近し、白石容疑者は他人が見ることはできないダイレクトメッセージをやりとりする中で、「安楽死したい人の手伝いをしている」、「一緒に死のう」、「本当に死んでも大丈夫なのであれば力になります」などと述べて言葉巧みに誘い出している。白石は「自分もツイッターに自殺願望があるような投稿をしていたが、その気はなかった。全部嘘だった」などと説明している。「誰にも連絡をとらないで来て」という内容のメッセージを送っていたという。実際に、被害女性は周囲に具体的な行き先を伝えていなかった。白石容疑者はツイッターでも「自殺する前に友人、家族、SNSにこれから死にますや今までありがとうなど連絡を入れるのはNG」などと投稿している。

 応じた女性と近くの駅で待ち合わせ、自殺の手助けなどの名目で自宅に連れこんでいる。取り調べに対し、当初は「部屋に入って、いきなり襲った」と説明していた。女性たちは『死にたい』と言っていたが、会ってみると本当に死にたいと思っている人はいなかった。私がしたことは殺人です。自分は自殺するつもりはなかった」とも話している。

 殺害方法について次のように供述している。
 「被害者をリラックスさせるため、酒や睡眠薬や精神安定剤を飲ませ、くつろいでいるところを首を絞め、気絶させた上でロフトの下まで運び、ロフトにくくりつけぶら下がったロープに首をかけ、つるして殺した。殺害後、ロープを切断して遺体を下ろした」。それを裏付けるように部屋から睡眠薬が見つかっている。睡眠薬は9月に10錠処方されている。現場の部屋からは事件後に4錠が発見されている。処方薬の入手方法について、白石容疑者は、「医者にうそをつき睡眠薬を処方してもらった」と供述している。
 「白石容疑者が最初に殺害したとみられるカップルの女性(三浦瑞季)を呼び出した際、現金を持ってくるよう要求、殺害した後にバッグに入っていた現金50万円を奪ったなどと話している。東京都八王子市の女性(田村愛子)を殺害する際、クーラーボックスに座らせ、首にロープを掛けた。被害者の首を絞めて失神させ、クーラーボックスに座らせた。その上で、ロフトのはしごに結んだロープを首に巻き、クーラーボックスを引き抜いて首つりの状態にして殺害した。被害者が途中で意識を取り戻して暴れることのないよう結束バンドで手足を縛った。一部の人には粘着テープで口をふさいだこともある等々陳述している。白石容疑者宅からは、ロープ2本と複数の結束バンドが押収されている。ロープのうち1本は未使用だったが、1本ははしごに結ばれ途中で切断されていた。捜査本部は、八王子市の女性を殺害した際に使用したとみて調べている」。
 「女性には性的暴行を加え殺害した、自宅で女性を襲った際、抵抗されたこともあったと云う」。
 「3人目以降は顔も覚えていない。3人目から8人目は殺した順番を覚えていない」。
 「名前も(ツイッターの)ハンドルネームしか分からない。本名は知らない」。
 
 捜査関係者は次のように解説している。
 「自殺サイトにアクセスしているのは大半がメンタルの弱い子。そうした子を言葉巧みにおびき出し、陵辱して金を奪い、最後は用済みとばかりに殺害する。そうした鬼畜集団がいるのは事実。彼らにとって自殺サイトは出会い系サイトみたいなもの。いいカモがいれば、情報を共有し、融通し合う。クーラーボックスを一緒に運んだメンバーがまさにそれだろう」。

【容疑者の供述による殺人動機】 
 白石容疑者は、動機について「楽して生活したかった」と述べ、金銭目的だったと説明しているという。供述が二転三転しており、警視庁は慎重に裏付けを進めている。

遺体の推定死亡時期
 司法解剖の結果、箱から見つかった遺体は死後1~2週間が2人、1カ月~数カ月が7人だった。9人のうち2人についてはのどの骨が折れるなど首を絞められたような痕があった。損傷がとくに激しい遺体もあり、DNA型鑑定の特定が難航する可能性もある。死因が窒息死かは断定できていない。犠牲者の身元、事件の真相解明が急がれる。

 全ての殺人はアパートに引っ越した8月22日以降、1組のカップルを含む10~20代の9人を「「9人全員を会った日に殺害した」と云う。8月に1人、9月に4人、10月に4人の死亡が判明している。

【室内の血痕 
 室内には目立った血痕などはなかった。浴槽の縁(ふち)、シャワーヘッドのつけね、浴室前の廊下、台所周辺、冷蔵庫の内部や側面から血液反応があった。

【殺害道具 
 室内の台所などから、殺害や遺体の解体に使ったとみられる包丁2本(文化包丁1本、出刃包丁1本)やノコギリ2本、拘束用の白色ロープや黒色結束バンドなどが押収された。結束バンドは8月末、1人目の女性を殺害した後に購入したと説明している。その後、新たに、刃こぼれしたナタ1本やヤスリ、きり(千枚通し)2本、調理用キッチンバサミ1本、ゴーグルやマスクも見つかった。血痕が付着しているものや刃こぼれしているものもあった。白石容疑者は「切断した遺体はいつか捨てようと思っていた。切断をすること自体は負担だった」と話している。

 部屋の傷、首を吊るしたというロフトの傷、殺害で使ったと思われるロープの痛み具合等々も気になるが何ら発表されていない。

【騒音  
 「10分弱ぐらいの間に3回もトイレが流れるとか。コトンって音が常にこの辺で聞こえていて、それが夜中の3時、4時。あまりにうるさいので、天井を蹴って抗議した」(白石容疑者の部屋の真下の住人)。

【浴室】 
 捜査関係者によると、白石容疑者は女性らを殺害した後、のこぎりなどを使い遺体を浴室で解体したと供述している。しかし、その浴室はトイレがセットされているユニットバスで非常に狭いものである。証言通りとすれば、その浴室で肉と内臓を骨からそぎ落としていることになる。「脂がすごく多くて、(解体には)力が必要でヘトヘトになった」、「1週間に一度のペースで殺した。最初は遺体の損壊に3日かかったが2人目から1日でできるようになった」と供述しているという。「風呂場からは血痕などは見当たらなかった」(捜査関係者)と云う。

 「<座間9人遺体>「骨と思われていたのは乾燥した内臓だった」容疑者の残虐素
」が次のように記述している。
 「頭部の切断面はすべて水平。第2頸椎で切断されたものが5体、第3頸椎から切断されたものが2体、不明が2体だった。骨は肋骨などで背骨はない。腰の骨などとみられていたのは乾燥した内臓だった。小腸が2つ、肝臓のようなものが2つ、脾臓または腎臓と思われるものが1つなどだった」(全国紙社会部記者)。

冷蔵庫 
 白石容疑者の室内に置かれた中型冷蔵庫の側面や内部から微量の血液反応が出ており、冷蔵庫に遺体を保存した形跡が認められる。白石容疑者は「8月末以降に殺害した1人目と2人目は1日で解体できなかったので冷蔵庫で保管した」と供述している。室内には備え付けの小型の冷蔵庫があったが、これとは別に1人目を殺害後に中型冷蔵庫も持ち込んでいる。

【遺体の処分  
 遺体の頭部や胴体や手足部分の骨はクーラーボックスや箱に入れて自宅に置き、そぎ取った肉や内臓などは「ペット用のトイレシートや新聞紙などで何重にも包んで粘着テープを巻いて家庭ごみとして捨てた」、「捨てたゴミ置き場はアパートの最寄りではなく、自宅アパートから離れた別のごみ置き場2カ所に捨てた」、「シートで包んだ遺体の一部を、さらに食品保存袋に入れて新聞紙にくるみ、ゴミ袋に入れて廃棄していた」という。アパート近くに住む無職女性(83)は、「(白石容疑者は)週2回の生ごみの日には、いつも午前7時頃に袋に入れたごみをごみ捨て場に出していた」と証言している。通学途中にごみ捨て場を通りかかる近所の男子大学生(19)は「周辺からは、今までにかいだことのない強烈な異臭がして気味が悪かった」と振り返っている。「頭部などは、いずれ捨てに行こうと思っていた」と供述している。

【所持品の処分   
 11.4日、白石容疑者の部屋から5人分の女性のものとみられる身分証明書やキャッシュカード、診察券、JR東日本のSuica(スイカ)、7足分の婦人用靴など埼玉県や福島県の女子高生を含む女性6人の身元特定につながる有力な手掛かりになる物証や所持品が見つかっている。警視庁高尾署捜査本部は関係者からDNA型試料の提出を受けるなどして鑑定を進める。10月下旬から行方不明になっている東京都八王子市の女性(23)のものとみられる白いバッグもあった。被害者のものとみられる所持品はごみ袋の中に入れられていたり、室内に無造作に置かれていたという。携帯電話などは見つかっていない。

携帯電話の行方
 11.8日、失踪中の群馬県邑楽(おうら)町の高校1年の石原紅葉さん(15)、神奈川県厚木市の三浦瑞季さん(21)の携帯電話が8.28日、神奈川県の江の島周辺で見つかっていた。石原さんは片瀬江ノ島駅の改札を出る姿が防犯カメラの映像に写っていた。

 小田急江ノ島線の終着駅にして竜宮城をイメージした駅舎の片瀬江ノ島駅(神奈川県藤沢市)。白地に黒ストライプの半袖姿の石原さんが同駅の改札を出たのは8月28日午後7時20分。日没はとうに過ぎていた。石原さんはこの日、ツイッターに「休む」と書き込み夏休み明けの始業式を欠席していた。翌29日に家族から行方不明者の届け出を受けた群馬県警は、捜査で同駅を割り出し、現地に捜査員を派遣。防犯カメラのチェックや聞き込み捜査を行った。江ノ島電鉄に向かう通りに面した商店主は「この町内には30台のカメラもあるが、どこにも映っていなかったようだ」と話した。「江ノ電」に乗った様子もなく、江ノ島に立ち入った形跡もない。捜査員は改札を出る姿は確認できたが、女子生徒の足取りはここで途絶えた。行方不明届が出された29日、片瀬江ノ島駅の構内にあるトイレに女子生徒の携帯電話が落ちているのを駅利用者が見つけた。「駅構内のトイレから携帯電話が見つかったが、誰が何のために置いたのか、あるいは捨てたのか。そして、なぜ江ノ島に来たのか。謎は深まっている」。石原さんは片瀬江ノ島駅に来る前に、約25キロ離れた相模大野駅近くで黒っぽいTシャツを購入していたことも判明した。群馬、相模大野、江ノ島。痕跡が転々と残されているた。但し、「東京の方に買い物に行くことはあったかもしれないが、江ノ島周辺に土地勘はないはず」で、同級生や関係者への取材からは、女子生徒と江ノ島を結ぶ線は見えてこない。

 神奈川県厚木市の三浦さんの携帯電話も江ノ島周辺のトイレで見つかっている。白石容疑者は「江ノ島には行っていない」と供述している。防犯カメラにも女子生徒が一人でいる姿しか確認されなかった。白石容疑者が「周囲との関係を絶たないと決心が鈍る」などと指南し、家族や知人との連絡を取れないようにしたにせよ、それがなぜ江ノ島なのか。そこから現場へどう向かったのかが判然としない。車の使用も想定されるが、一連の事件で車が使われた形跡はない。白石容疑者はペーパードライバーだったという。


 9月28日の午後1時過ぎ、福島市の高校3年生/須田あかりさん(17)の携帯電話の位置情報が白石隆浩容疑者が住むアパートの近くで途絶えている。

 9月30日の午後2時過ぎ、さいたま市北区の高校2年生/久保夏海さん(17)の携帯電話の位置情報が白石隆浩容疑者が住むアパートの近くで途絶えている。

 11.12日、白石容疑者の部屋から、ごみ袋に入れられた携帯電話2台が新たに見つかっていたことが警視庁への取材でわかった。携帯電話は新聞紙に包まれた状態でごみ袋に入れられていた。白石容疑者は「捨てようと思っていたが、そのままになっていた」などと供述している。持主は、最後の犠牲者となった東京都八王子市の女性/田村愛子(23)と横浜市の女性/丸山一美(25)のものだったことが分かった。白石容疑者は他の被害者の携帯電話については「足が付くので壊して捨てた」と供述。なたでたたいたり、きりでこじ開けて中の基板を壊したりしたと説明しているという。

【スマートフォンの被害者画像
白石容疑者のスマートフォンにアパート自室で撮影したとみられる被害画像があったことが捜査関係者への取材でわかった。白石容疑者はスマートフォンで、「飛び降り」や「自殺ほう助」といった自殺の方法や罪名のほか、遺体の遺棄の方法などを検索していた。警視庁はスマートフォンの画像や検索履歴などを解析し、事件の詳しい経緯についてさらに調べを進めている。

【被害者氏名
 11.6日、警視庁が1人の身元が東京都八王子市の田村愛子さん(23)と確認したと発表した。田村さんは最後の被害者で、白石容疑者は「部屋に入れて少し話をしてから襲った」とも「部屋に入ってすぐに襲った」とも供述している。田村さんはDNA型鑑定で
身元が確認された。家族からDNA型鑑定のための試料提供を受けるなどしており、近
く全員の身元が判明する見通しだ。

 11.10日、警視庁が、被害者8人の身元を特定したと発表した。これにより既に判明している1人を含め9人全員の身元が確認された。福島、群馬、埼玉、東京、神奈川の1都4県の15~26歳で高校生3人が含まれている。現場から見つかったカード類などから被害者の可能性が高い人を絞り込み、家族から試料提供を受けるなどの協力を得てDNA型鑑定で特定したと云う。
身元が判明したのは次の通り。
 8月22日
三浦瑞季
(21)
 神奈川県厚木市。人材派遣会社勤務。8月21日、失踪。「自
殺は絶対にしません」とのメモを自宅に残して家を出ている。
8.25日、携帯電話が藤沢市の片瀬海岸にある女子トイレで
見つかっている。
 8月29日
西中匠吾(しょうご)
(20)
 神奈川県横須賀市。身長は1m80前後。障害者支援施設に
就職。地元のバンドでベーシストとして活動していた。8月29
日、失踪。携帯電話の位置情報は神奈川県海老名市で電波
が途切れている。三浦瑞季さんと知り合いの西中氏に三浦さ
んの所在を知らないかと聞かれたため、「自宅で飲みません
か」と男性を誘い、隙をついて殺害したと供述している。
石原紅葉(くれは)
(15)
 群馬県邑楽(おうら)郡。高校1年。8月28日の午後7時20
分頃、神奈川県の小田急線・片瀬江ノ島駅の改札を出たのを
最後に失踪。駅の防犯カメラに1人で歩く様子が映っている。
8月29日、片瀬江ノ島駅のトイレから石原さんの携帯電話と
ICカード(PASMO)が見つかっている。自宅には、「深い悲しみ
に包まれており気持ちの整理がつくまでは一切の取材を受け
付けない」旨を記した「報道関係者の皆様へ」と書かれた張り
紙が貼られている。
 9月15日
更科(さらしな)日菜子
(19)
 埼玉県所沢市。大学2年。9月15日の午後5時頃、アルバイ
ト先からの帰りに失踪。
 9月23日
藤間仁美
(26)
 埼玉県春日部市。9.22日、ツイッターに「疲れた。もし一緒
に死んでもいいよって人いたら」などと投稿。直後に、白石容疑
者は「首吊(つ)り士」のアカウントで女性に接触している。9.
23日、約束をしていた知人男性に「ツイッターで知り合った自
殺志願者の集まりに参加するので行けなくなった」と断りの連
絡をした後、失踪した。現場の遺留品や携帯電話の位置情報
などでは手掛かりが得られなかったが、捜査の結果、浮上した
 9月下旬
須田あかり
(17)
 福島市高校3年。9月下旬、失踪。携帯電話の位置情
報は、神奈川県座間市の周辺で電波が途絶えている。
 9月30日
久保夏海(なつみ)
(17)
 さいたま市。高校2年。9月30日の午前10時40分頃
、失踪。10月上旬、神奈川県内で携帯電話の通信状況
が途切れている。
 10月18日
丸山一美
(25)
 横浜市都筑区。コンビニエンスストアでアルバイト。10.18日午後5時、失踪。新横浜駅の周辺の防犯カメラに丸山さんの姿が映っている。
 10月23日
田村愛子
(23)
 東京都八王子市。10.23日、失踪。白石容疑者と現場アパート近くの小田急線相武台前駅の防犯カメラに白石容疑者と一緒に歩く姿が写っている。

 被害者の須田あかりさん父「まだ信じられない」。

【白石容疑者の部屋からの異臭考】
 白石容疑者の部屋から「何かを煮込んだような臭い」が頻繁にしていたことを管理会社の関係者が明かした。その人物は、白石容疑者が入居した8月22日から事件発覚まで8回以上、アパート管理のため現場を訪れている。事件現場の205号室の前を通るたび換気扇から臭いがし、「毎回、生暖かい風が出ていて、何かを煮込んだような臭いだった。常に同じ臭い。刺激臭ではなかった」と云う。10月2日、アパート管理のため、従業員が205号室付近を歩いていると、急に後から「何してるんですか」と白石容疑者に声を掛けられた。警戒している様子だったという。その日は2人で作業をしていたが、「今思えば、1人だったら危なかったかもしれない」と語った。

 
アパートは12部屋あるうち10部屋が入居済み。住人から継続居住の希望があることからアパートの運営に支障はない。家主は、警察の捜査が終わった段階で「被害者の方へ供養の意味を込めておはらいをしたい」と話している。【三須一紀】


【容疑者の殺人前歴証言】
 逮捕直前まで白石容疑者と交際していたという介護士の女性(21)は週刊現代の取材に応じ、白石容疑者が「キャバ嬢が病んでしまって、『死にたい』と言ったから殺した。殺したのは俺じゃなくて、違う男が殺したんだけど、遺体を埋めたのは俺なんだよ。ある男の人に『死にたいから殺してくれ』と頼まれ、大金をもらって殺した」と話していたと証言している。

【容疑者の供述二転三転、供述調書へのサイン拒否】
 11.10日、「容疑者はまだ捜査の裏取りが進んでいないところまで明かし、『9人全員を殺害したことに間違いありません』、『自宅で遺体を解体し、クーラーボックス内に猫のトイレ用の砂をかけたことに間違いありません』、『自分が自殺希望者だというのはうそだ』(朝日新聞11月5日付)、『女性を殺害して金を奪おうと考えた』(読売新聞11月6日付)、『気絶させた上で、ロフトにくくりつけたロープに首をかけ、つるして殺した』(同11月5日付)等々と自分に不利になることを率先して饒舌に“殺意”を供述している。なぜこんなにしゃべるのか理解できなくて不気味」。凶悪犯罪の容疑者が、裁判まで黙秘するケースも珍しくないなか、白石容疑者はまるで違っている。他方で、11.11日、白石隆浩容疑者を犯行現場に同行したが、犯行の状況などについての供述を拒否している。次第にあいまいな発言をし始めており、供述調書へのサインも拒否している。警視庁は、慎重に調べを進めている。

 現在、白石容疑者への容疑は身元不明の1人の遺体を遺棄したとする「死体遺棄」の疑いのみです。今後は9人それぞれの被害者について「殺人事件」として立件できるのかが捜査の焦点となる。警視庁はすべての遺体を司法解剖しているが、損傷がひどく、なぜ死亡したのか死因の特定ができていない。つまりは白石容疑者に殺害されたという客観的な証拠がほとんどない状態。そこで重要となるのは供述であるが、当初は9人の殺害をほのめかすなど素直に取り調べに応じていたが、途中から内容が二転三転し始め、現在は供述調書へのサインを拒否するなどしている。警視庁は捜査を進めているが事件の全容を解明するにはかなりの時間がかかる見通しになっている。

【現場確認】
 11.11日、警視庁が、「座間9頭部どくろ事件」の容疑者を同行させ現場確認をした。座間市のアパート前では、午前9時半ごろから規制線が広げられ一般人が近づけないようにされた。午前11時過ぎ、白石隆浩容疑者(27)を乗せたとみられる捜査車両がアパートの前に到着し、数十秒間、停車して立ち去った。白石容疑者を立ち会わせる直前には、現場の部屋から遺体を入れていたとみられる複数のクーラーボックスが運び出されるのをJNNのカメラがとらえた。白いクーラーボックス以外に収納ボックスなども捜査員が運び出した。

白石容疑者の親子転居
 アパートから徒歩15分のところにある白石容疑者の実家には父親が住んでいたが、事件後はその姿が見えなくなっている。また、実家から離れて暮していた母と妹もまた、事件発覚数日後以内に家から姿を消している。

白石容疑者の親子転居
 11.20日、警視庁捜査1課は、白石隆浩容疑者(27、死体遺棄容疑で逮捕)を、神奈川県座間市のアパートから9人の遺体が見つかった事件で、東京都八王子市の女性(23)殺害に関与した疑いが強まったとして殺人容疑で再逮捕した。午後3時15分、東京地検立川支部(東京都立川市)を出る白石隆浩容疑者が撮影されている。

 白石容疑者は10月23日ごろ、座間市緑ケ丘6のアパート2階の自室で、女性の首をロープで絞めるなどして殺害したとしている。白石容疑者は10月31日に死体遺棄容疑で逮捕された後、一連の事件の被害者について「ロフトの手すりにロープを引っかけ、首をつるした」などと供述していた。




(私論.私見)