ライブドア野口英昭変死事件考

 更新日/2022(平成31. 5.1栄和元/栄和4).8.18日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、ライブドア野口英昭変死事件を確認しておく。「沖縄の深い闇 -- 野口英昭氏の怪死についてまとめた 」。

 2014.11.12日 れんだいこ拝


 2006年1月16日にライブドア本社及び堀江貴文自宅に家宅捜査が行われた。罪状は証券取引法違反(偽計、風説の流布)であった。2006年1月18日、那覇市内のカプセルホテルで変死。 非常ブザーが鳴り従業員が入ったところ首や手首などに数カ所切り傷があり、病院に搬送されたが失血死。現場には刃渡り10センチの包丁が遺されており「もうすぐ帰る」と自宅に電話をしたともされる。エイチ・エス証券社長は「今後のリーダーとして期待していた。人間としても魅力的で、何事にもまじめに取り組む態度は、多くの人から厚い信頼を得ていた。無念だ」と述べた。沖縄県警は自殺と処理したが多くの者が疑問を抱いている。野口さんは、自分で首を2か所、手首を2か所、腹を5か所刺したらしい。自殺しようとする人間が、それだけ刺した後に非常ベルを鳴らすだろうか。 血染めのサッカーシャツが現場に残されていた。睡眠導入剤を飲んで、容器が空になっていた。これから自害しなければならないのに睡眠導入剤をわざわざ飲むだろうか。 広域暴力団によって殺害された可能性が高い。口封じのためだという。
 堀江貴文は野口の自殺を知ったとき、「マジかよ」といったきり絶句してしまったといわれていて、それまで比較的オープンだった堀江のスケジュールは突然公表されなくなったという。須田慎一郎は沖縄での現地調査から、野口は誰かに脅されるかたちで自殺したのではないかと結論づけた。堀江と宮内亮治は野口が自殺したことを理解できなかったという。堀江は、心臓病の持病を理由に退社した野口はマスコミが報道するところの側近どころか逆臣に近かったと指摘している[84]。堀江は、野口の自殺によって特捜部は宮内と中村長也の証言だけで自分を追い込むことができて助かったのではないかとも指摘している。

 tacodayoのブログ、「フリーメイソンって、人殺しの常習犯だよ」、「フリーメイソン日本総本部に初潜入」からの引用です。
 番組では、空港でたまたま取材したフィリピンからの団体がフリーメイソン マニラ支部のメンバーとその家族だったことから、彼らが出席する予定だった日本支部の新グランドマスター就任式に密着取材を敢行。撮影交渉はスムーズに進み、あれよあれよと、東京タワーのすぐそばにある日本フリーメイソンの総本部(グランドロッジ ※番組説明による)にカメラが潜入した。(中略)新しい日本のグランドマスター(第57代)には、米軍基地に勤務する在日フィリピン人男性のヴィクター・オーティスさんが就任。番組では厳かな宣誓のシーンや、儀式の一部始終を紹介、さらにはオーティスさんに直撃して、誰もが疑問を抱く“あの質問”を投げかけた。それは「世界を裏で牛耳っているのは本当ですか?」という、あまりにも直球すぎる質問。すると、新グランドマスターは少し間を開けて……「まさか!」と回答。「いくつかの国の大統領がフリーメイソンなのは真実だけど…でもそれだけで世界を牛耳るなんて無理かな」と語り、「我々がやっているのは社会奉仕活動です」と説明した。その説明を信じるかどうかはあなた次第だが……。以上引用終わり。

 動画「YOUは何しに日本へ? まさかのOK!フリーメイソンに潜入 Full par…
 動画「YOUは何しに日本へ? まさかのOK!フリーメイソンに潜入 Full par…

 このように、彼らは「我々は慈善事業を行う友好団体で、陰謀とは関係ない」と言っています。が…
 ●週刊文春とすぐにフォローした週刊ポストの記事を読めば読むほど、警察のとなえる自殺説など全く成り立たない話だということがすぐにわかった。その死に方はあまりに異常であり、鋭利な包丁で、魚を刺身にするときのように腹を大きく切り裂き、ハラワタを取り出して死体の上にのせてあり、包丁の先は背骨近くまで達していたというその切っ先は大動脈のところまで達していたという。おまけに、頚動脈を後ろから切り、手首まで切ってあったという。そのすべてを自分自身でやることは物理的にも生理学的にも不可能(大動脈が破裂したら、人間はすぐに運動能力を失う)である。以上引用終わり。

 以下は拍子抜けの週刊文春第二弾 - テレ朝が自殺説補強の「新事実」

 今回の記事の中で興味深い新事実として上がったのは、野口英昭の死体を検死した担当医が書いた死体検案書である。その書式には「死因の種類」の欄があり、十二種類の死因の中で特定がされるのだが、担当医が選択した野口英昭の死因は、「9自殺」でも「10他殺」でもなく、「11その他及び不詳の外因」だった。遺体を見た担当医は、その場で「自殺」とは認定していなかった。五か所の傷口を見れば、それは当然の判断だっただろう。救急隊員の証言でも「いずれの傷も魚をさばいたようにパックリと開いていた」(P.29)のである。自殺と断定するのには無理があったのだ。ところが、この担当医は、当日の夕方に遺体と対面した夫人に対して、「恐らく自殺でしょう」と説明している。この担当医の説明は、自分が書いた死体検案書の記載と矛盾する。週刊文春の記者は担当医を訪ねて大学(おそらく琉球大学医学部)の研究室に取材に行くのだが、担当医はその場で急に取り乱し、「怖いよ。警察の許可がないと喋れない。もう二度と来ないでください。怖い」(P.29)と喚いている。先週号のカプセルホテル経営者と同じ異様な態度だ。県警から事件について厳重に口止めされている事情が窺える。ここで分かったことは、18日の午後4時前には、死体を見た担当医は死因を「不詳の外因」と判断しているのに、そこから数時間後の遺族への死因説明では「自殺」に変えているということだ。私が考えていたよりかなり早い段階で「自殺」に切り替っている。捜査官と担当医の現場は生の遺体を検分して「不審死」の判断をしたのに、遺体の身元が判明して、それがライブドア事件の鍵を握る重要人物だと分かった段階で、警察幹部から「自殺で始末しとけ」と指示が下りたという意味だろう。

 以下は、「ライブドア関連:野口英昭さんの死因について(1) 国会審議2006.2.7 民主党・細川律夫議員による質疑」からの引用です。
細川  えー、まーいろいろな客観的な、あー、状況から判断をされたと、自殺と判断されたと言いますけれども、しかし、いろいろ客観的な状況の中に疑問があったと……。例えば、野口さんが普段はまず着ない、着たことがないという血の付いたサッカーのシャツが現場に落ちてたんじゃないですか。これをどう説明すんのか。あるいは、包丁の出所についてもきちっと説明できないでしょ。そしてまた、腹を切った、…切っている、この傷がたいへん大きいじゃないですか。えー深さ8センチ、横12センチ、こんなにも大きい、そんなの、それ自分でやれるのかどうか。しかも睡眠薬を飲んでんでしょ?そして、亡くなられた、…ね、午後2時ごろですか。亡くなられたんですけれども、その前の、沖縄に行ったときに、空港で4人も、会ってるじゃないですか。非常にいろんな疑問点が客観的にあるんです。だから犯罪の疑いがあって、これをきちっと司法解剖にするのが当たり前じゃないですか。(そうだ!そうだー)それを初めからもう、なしと、犯罪に…、犯罪ではないと、関係なしとして行政解剖のほうでやる。これおかしいじゃないですか。本末転倒じゃないですか。長官(指さし)、これどう思いますか。(中略)
 だから、念のために、念のためにやった解剖の結果、自殺のところに丸が入っていないではないですか。11番の「その他及び不詳の外因」。これが死亡の種類になってるんではないですか?自殺じゃなくて、11。資料の11。9番が「自殺」、そして10.が「他殺」。そして「11.その他及び不詳の外因」と。

 これは私は奥さんに確認しましたけれども、自殺のところには丸は入ってなくて、そして「その他及び不詳の外因」のところに丸が入っていて、そして奥様は、この解剖をされた先生ともいろいろとお話をされたと。そしてこの自殺のところには、丸をわざわざ入れなかったと、そういう説明をされたようですよ。それでも、あれですか?この解剖で疑問がわかなかったんですか?
 再度 儀式殺人?からの引用です。

 2:インコ 2006/04/18(火)
 儀式殺人かなんかわからないが、山口県光町の母子殺害事件は夫がフリーメイソン。被害者ずらして、呆れる。

 3:沙羅 2006/04/19(水)
 本当は野口氏怪死事件の内容なのですが、大変気になる医学的見地と思われる投稿が今日のmamaのつぶやきのコメントに出ていました。このmamaブログも閉鎖の意向があるようですので、ここに一部記録しておこうと思います。(医学には門外漢なので、なんともいえませんが、インコさんならすぐわかるかもしれない)
 http://mama-chari.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_0e50.html#comments
 (略)
 腹壁の薄い老人ならばいざ知らず比較的トレーニングを積んでいる若い方の腹壁を横たわりながら横に12(-刃幅分)cmスライドさせるのは至難のわざです。腹腔内奥にある大動脈を傷つけて血液が周辺に飛び散らないということはあり得ますが「(イ)(ア)の原因大動脈破裂 」の場合は普通ほとんど即死です。頚動脈が露出されている場合、少しでも傷つけると天井に届くまで噴出したりしますから。

 >氏の体には血痕がついていなかったというのも合いません
 http://keyword.shirietoku.com/index.php?%CC%EE%B8%FD%B1%D1%BE%BC#jb1f336d

 >左頸部と腹部の創は大血管を傷害しており
 というのが事実ならそこが大きなポイントですね。

 とても痛覚が鈍磨するような酩酊状態にあったようにもみえませんし
 http://critic2.exblog.jp/2690430/

 情報が交錯しているので
http://critic2.exblog.jp/2594489
 その点については事実に基づき客観的にまとめたものが必要かもしれません。(略)
 投稿 ママさんたちへ | 2006/04/18

 『氏の体に血痕がついていない』というのは私もこの報道に触れた頃、どうしてだろうと疑問をもったことです。ひょっとして、カプセルホテルも解剖をやった医師も警察もみんな嘘をついてたのか? 発見したときは手足をばたばたさせていた、という証言もでっちあげ? もっと変だったのは、「野口さんがんばってください」って名前を知らないはずのマネージャーが声をかけたという報道。従業員が現場に駆けつけた直後には野口さんの頚動脈に傷は無かった、そして救急隊員が駆けつけた後で頚動脈の傷が発見される。
 http://www.asyura2.com/0510/nihon18/msg/851.html
 投稿者 まさちゃん 日時2006年2月10日

 2月5日放映の従業員インタビューより。血まみれで意識のない山崎四郎さんに「野口さま、頑張って下さい!と励ましました」
 http://www.asyura2.com/0601/livedoor1/msg/166.html
 投稿者 まさちゃん 日時2006年2月15日

 4:沙羅 2006/04/19(水) 03:25:18
 『体に血痕がついていない』ということ、野口氏が『サウナガウン』を着ていたという部分から、何か神戸事件を想起させる部分がありますね。これはいったん遺体を冷凍状態にした、という仮説です。

 酒鬼薔薇聖斗(神戸小学生惨殺事件)より

 ▲神戸小学生惨殺事件への疑問
 特殊な切断方法はなぜ問われないか

 ▲浮かびあがった頭部切断の真相 龍野教授ら法医学関係者が重大証言!
 投稿者 竹中半兵衛 日時 2003年10月30日

 『淡紅色の死斑の出現も腐敗の進行の遅さも、そして「淳君の頭髪がシャワーを浴びたように、びっしょりぬれていた」(「産経新聞」6月23日)ことも(解凍直後の状態であることをしめす)、また頸部切断であるにもかかわらず淳君の着衣に血痕がないことも(凍結切断のゆえに出血がほとんどない)、すべての謎が氷解するではないか』

▲Re: 浮かびあがった頭部切断の真相 龍野教授ら法医学関係者が重大証言!
投稿者 まさちゃん 日時2003年11月06 日

マスコミは「頭部切断方法」に頬かむり。少年Aは無実だ。
投稿者 竹中半兵衛 日時 2004年5月23 日

バーグ氏斬首およびチェチェン斬首ビデオの意味するもの
投稿者 竹中半兵衛 日時 2004年5月23日

 以上引用終わり。
 冷凍された野口氏の遺体は、米軍輸送機によって冷凍食材に偽装され、横田または厚木から沖縄県嘉手納基地に運ばれたと考えられます。何故ならばテロ警戒重点対象である空港の中でも、陸海空自衛隊基地のある軍民共用の那覇空港には、特に最新鋭の防犯、テロ警戒設備が整っているからです。

 当時の那覇空港の監視カメラは日立製KV-D120A(NTSC準拠)でカラー映像。行き交う人々の顔の表情まではっきりわかる有効画素数768H×494V、解像度:水平470TV本 垂直350TV本のインターライン方式のCCDカメラでDV-CAM級の性能を誇り、その無数に設置されたカメラに野口氏がはっきり映っていないなどということはあり得ないからです。そして、ハードディスクに保存する形式なのでソフトで後からいくらでも手を加えて映像をボケさせることも簡単です。

 神戸連続児童殺傷事件の被害者、土師淳(はせじゅん)くんの胴体も、腹が切り裂かれ腸が体の上に乗った状態で兵庫県警に送られてきたという第一報が、大阪では流れたとタコは記憶しています。その記憶が正しければ警察がタンク山に胴体を置いたことになりますね。

 3:沙羅 2006/04/19(水)
 本当は野口氏怪死事件の内容なのですが、大変気になる医学的見地と思われる投稿が今日のmamaのつぶやきのコメントに出ていました。このmamaブログも閉鎖の意向があるようですので、ここに一部記録しておこうと思います。(医学には門外漢なので、なんともいえませんが、インコさんならすぐわかるかもしれない)
 http://mama-chari.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_0e50.html#comments
 (略)
 腹壁の薄い老人ならばいざ知らず比較的トレーニングを積んでいる若い方の腹壁を横たわりながら横に12(-刃幅分)cmスライドさせるのは至難のわざです。腹腔内奥にある大動脈を傷つけて血液が周辺に飛び散らないということはあり得ますが「(イ)(ア)の原因大動脈破裂」の場合は普通ほとんど即死です。頚動脈が露出されている場合、少しでも傷つけると天井に届くまで噴出したりしますから。

>氏の体には血痕がついていなかったというのも合いません
http://keyword.shirietoku.com/index.php?%CC%EE%B8%FD%B1%D1%BE%BC#jb1f336d

>左頸部と腹部の創は大血管を傷害しておりというのが事実ならそこが大きなポイントですね。とても痛覚が鈍磨するような酩酊状態にあったようにもみえませんし
http://critic2.exblog.jp/2690430/

情報が交錯しているので
http://critic2.exblog.jp/2594489
その点については事実に基づき客観的にまとめたものが必要かもしれません。
(略)
投稿 ママさんたちへ | 2006/04/18


 『氏の体に血痕がついていない』というのは私もこの報道に触れた頃、どうしてだろうと疑問をもったことです。ひょっとして、カプセルホテルも解剖をやった医師も警察もみんな嘘をついてたのか?発見したときは手足をばたばたさせていた、という証言もでっちあげ?もっと変だったのは、「野口さんがんばってください」って名前を知らないはずのマネージャーが声をかけたという報道。 従業員が現場に駆けつけた直後には野口さんの頚動脈に傷は無かった、そして救急隊員が駆けつけた後で頚動脈の傷が発見される。
http://www.asyura2.com/0510/nihon18/msg/851.html
投稿者 まさちゃん 日時2006年2月10日

2月5日放映の従業員インタビューより。血まみれで意識のない山崎四郎さんに「野口さま、頑張って下さい!と励ましました」
http://www.asyura2.com/0601/livedoor1/msg/166.html
投稿者 まさちゃん 日時2006年2月15日

4:沙羅 2006/04/19(水) 03:25:18
『体に血痕がついていない』ということ、野口氏が『サウナガウン』を着ていたという部分から、何か神戸事件を想起させる部分がありますね。これはいったん遺体を冷凍状態にした、という仮説です。

 「★阿修羅♪ > 国家破産44 」の「愚民党 日時 2006 年 1 月 28 日 」「週刊文春の野口英昭「怪死」事件記事 - 秀逸なジャーナリズム  【世に倦む日日】」。
 TOP 【世に倦む日日】 http://critic2.exblog.jp/
 週刊文春の野口英昭「怪死」事件記事 - 秀逸なジャーナリズム
 http://critic2.exblog.jp/2594489#2594489_1
 週刊文春 2月2号 P.29 「野口”怪死”と堀江の”闇”」
 http://critic2.exblog.jp/2594489#2594489_1
 今週号(1/25)の週刊文春の記事は素晴らしい。取材も文章も文春らしい記事で、「文春文化」の真骨頂が提示されている。今週号のような記事を読むと、やはり朝日新聞だけでなくて週刊文春も必要だなという感慨を持つ。記事には、この時点で日本の大多数が知りたくてたまらない情報が、そのままズバッと正面から掲載されている。まず記事の前にデスクのファインプレーを評価したいが、それは二つの面からである。一つは、権力と癒着した新聞やテレビの怠慢と隠蔽によって疎外された「国民の知る権利」に正しく応えているという意義であり、二つ目は、ライブドア事件に関するあらゆる切り口の中で、野口英昭の「自殺」事件をトップ記事に選んだ戦略とマーケティングのセンスである。ライブドア事件を記事にしようとするならば様々な切り口が可能であり、株と錬金術の話が中心でもいいし、ライブドアの会社内部の暴露話でもいいし、堀江貴文の私生活や女関係のネタでもいい。何をトップにすれば雑誌が一番売れるかはデスクの判断だ。

 今回の週刊文春の「ライブドア総力取材」はトップ記事である野口英昭「自殺」事件報道がメインであり、編集部がこの問題を中心にして全体を構成している。ネットの動きを見れば、一般大衆のライブドア事件への関心の軸がどこにあるかよく分かる。週刊文春の今週号は売れるだろう。デスクの感性もいいが、記者が非常にいい。文春らしい取材と記事作りをしている。一週間でよくここまで取材できたものだと感心するが、われわれが知りたかった勘所を外さず押さえていて見事である。この事件を記事にするためには現場である那覇へ飛ばなくてはいけない。われわれは那覇の生の現地情報に飢えていたのだ。だから記事を読みながら、自分が那覇にいるような気分になった。記者は那覇で二泊三日滞在して取材している。そしてカプセルホテルと那覇警察署と現地記者にあたって情報を取っている。この那覇取材が秀逸で、「そうか、やっぱりそうか、よく調べた」と頷くことしきりだった。記事の中には興味深い新事実が数多くあった。

 その一つが、ホテルのフロントで現物確認した宿泊カードの記入住所で、そこにはあっと驚く住所が本人の手で記入されていた。詳しくは記事を読んでいただきたいが、これはミステリーである。それから、航空便の半券が財布の中に残っていた事実が紹介され、それによると搭乗機は18日のANA121便(午前10時50分那覇着)だった。さらに遺留品の中にタクシーの領収書があり、18日の朝に汐留から高速で羽田に向かった事実が明らかにされている。18日当日の野口英昭の行動がかなり詳しく明らかになった。午前11時半にホテルにチェックインした後、そこから50メートルほど離れた薬局に行き、そこで睡眠導入剤の「ドリエル」を買って部屋に帰って飲んでいる。また、疑惑を深める謎として、ベッドの脇に血塗れのサッカーシャツが落ちていた事実が指摘されていて、そのシャツは野口英昭の持ち物ではないと断言する夫人の証言も添えられていた。普通に考えれば、シャツは野口英昭を殺害した犯人がその場で脱ぎ捨てたものである。

 記者は現場と関係者をよく取材しているが、記事を読んで分かってホッとしたことは、野口英昭の夫人がやはり今回の件を自殺とは思えないという心情を持ち、警察による自殺の断定を疑っていて、週刊文春の取材に対しても協力的に接している気配があったことだ。真相を明らかにしたいという姿勢で、気をしっかり持っている。動転したりとか、怯えたりとか、取材に拒絶的という感じがなかった。こういう場合に、事件の被害者の家族と情報を追う雑誌記者の関係というのは必ずしもうまくいかない場合が多いのではないかと思うが、今回の場合は幸いにもそうではないように見受けられた。事情を聴く方も聴き方が難しいし、取材を受ける側はさらに答え方が難しい。「そっとしておいて下さい」で収まるのが一般的で、今回、ここまでの記事になったのは、夫人と記者との二人の人間関係の幸運を感じさせる。夫人は真実を明らかにしようという意思を持っている。県警の「自殺」説明に納得していない。司法解剖して欲しかったというのが本心だろう。

 記事の圧巻は、最後に書かれているカプセルホテル経営者とのやりとりの件で、経営者が警察の判断を覆すような証言はできないから勘弁してくれと言って記者の前で土下座をする。この場面には驚かされたし、記者も読者もさらに疑惑を深めただろう。沖縄県警は、現場を検視して他殺を疑いながら、それを強引に自殺と断定して固めている。そして事件関係者に対して口封じを行っている疑惑がある。沖縄県警が事件を自殺と断定して公表したのが、18日中ではなく19日の朝だという事実も明らかになった。18日の夜中の間、自殺にするかどうかで迷っていたのだ。恐らくこの間、本庁から本部長に指示があり、県警幹部が現場刑事を説得し、組織の論理に折れた刑事が関係先の口封じ(「自殺」の念押し)に動き、カプセルホテル側が地域権力の論理に素直に従ったということなのだろう。週刊文春にはぜひ取材を続けて記事の続編をお願いしたい。記者には現地に再び飛んで、関係者に粘り強く再取材を申し込んで欲しい。ブログが応援する。久しぶりに面白い記事を読んだ。あまりに印象的な最後の部分を抜粋しよう。

 事件当日、119番通報をしたホテル経営者にも再三、事実確認を求めたが、「警察の判断を覆すようなことはできないんです」と言う。それはどういうことかと問いただすと、突然、玄関先で土下座して、「どうかお引き取りください」と懇願された。こちらも正座してなおも取材のお願いをすると、「小さな地域です。私たちが生きていけなくなります。どうかお引取り下さい」。土下座をして頭を床にこすりつけたまま約二十分。その悲壮な姿に押し切られて、記者はその場を去った。ホリエモン逮捕は入り口に過ぎない。解明すべき「闇」はあまりに深いのだ。




(私論.私見)