正しい寄せ方常識、先手寄せ、逆寄せ

 更新日/2019(平成31).4.13日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで、「正しい寄せ方常識、先手寄せ、逆寄せ」を確認しておく。

 2005.6.4日 2013.5.22日再編集 囲碁吉拝


【正しい寄せ方常識/響く寄せ、響かない寄せ】
 (「パソコンで囲碁上達」の 「大ヨセの石の強弱」参照)
1図
2図
 1図は地だけの手で、2図の方が白の目をなくす狙いがあるので大きい。

【正しい寄せ方常識/響く寄せ、響かない寄せ】
 読売新聞 2008/06/23掲載「(4)寄せは「先手」から打とう(寄稿連載)」。
課題元図

1(正解初手)
 1(正解初手)/ハネ。相手が必ず受けてくれる「先手」から打つのがコツ。
その後図1
 2/、3/、4/。下辺は白から打っても先手。これを「両先手」と云う。早い者勝ちの場所なので、寄せになったら真っ先に打ちたいところである。
その後図2
 5/サルスベリ。踏み込んだ手。6/コスミツケ、7/。8/押え。9/。10/。11/。12/。サルスベリの際の応酬定石である。
 このように先手をとって黒13/。結果、黒の勝ち。寄せを正しく打つかどうかで、勝敗が入れ替わってしまう事例である。
 向井芳織(三村芳織)、向井梢恵(長島梢恵)、向井千瑛(ちあき)は囲碁3姉妹。 http://www.nihonkiin.or.jp/nyumon_sanshimai/

【正しい寄せ方】
 「向井芳織のポイント2、「大事な石」探し 助けよう(寄稿連載)
 (読売新聞 2008/06/09掲載)参照。
課題元図

正解図

【正しい寄せ方】
 「向井芳織のポイント2、「大事な石」探し 助けよう(寄稿連載)
 (読売新聞 2008/06/09掲載)参照。
課題元図
 白1と打たれて、▲の5子と■の1子が両当たりです。「大事な石」はどちらでしょうか。

正解図
 イは不正解。白ロ、黒ハ、白ニと打たれて黒3子も取られ上辺の黒地が大きく荒らされてしまう。黒ロと■の1子を助けるのが正解。▲を取られても、上辺の黒地を確保する得の方が勝っている。

【正しい寄せ方常識】
 (「パソコンで囲碁上達」の 「逆寄せについて」参照)
課題元図 1図

正解図  A/逆ヨセ5目、B/両後手8目、C/両後手2目。

 A,B,Cの3箇所あり、逆ヨセは両後手2倍の価値があるとするとA/逆ヨセ5目に打つのが正しいように思えるがこの場合は違い、B/両後手8目が正しい。

2図
3図
 2図のようにできあがった図と3図できあがった図を比べると2図の方が1目黒は得しているので、必ずしも逆ヨセは両後手の2倍の価値があるとはいえない場合もある。

【寄せの常識/正しい寄せ方】
 (「パソコンで囲碁上達」の 「大ヨセ2、どこに目を向けるか」参照)
課題元図
 寄せ方如何。

正解図
 寄せ方例。
解答
F 正解 手を抜くと白が危ないのでほぼ先手。
G 正解 白の目を取りながら地も大きい。
C 次善 目の付け所は正しい。
H 次善 地としては大きいが正解より劣る。
A 次善 2線の手も地としては大きいが正解より劣る。
B 不正解 2線の手で、まだ小さい。
D 不正解 中央を囲う手なので小さい。
E 不正解 ここを盛り上げるのも小さい。

【正しい寄せ方常識】
 読売新聞 2014/04/22、桂篤5段の「(3)大寄せ 判断と計算がカギ(寄稿連載)」。

 以下は、単に生きただけでは勝てないとの判断が問われる問題図。大寄せは判断と計算が問われる。不利な形勢であれば発想を飛躍させねばならない。
【テーマ図】
 大寄せの考え方。白番。左上白の安否が気になりますが、どう対処したものでしょうか。

【1図】
 白1ハネによる生きは、黒2とカドに迫られると、白3と手を入れざるを得ないのがつらい。黒4も利かされて左上の白地は3目しかなく、黒6、8と右上を固められては、地合いで白が勝てないことは明白。生きたとはいえ、これでは失敗。
【2図】
 白1。▲の間の薄みをうかがおうとの意図がある。しかしこの碁では黒2、4が右下の白に対して利いているので、白は5と生きなければなりません。そこで黒6とこすまれると、AとBが見合いで左上の一団がピンチに陥る。
【3図】
 白1と二線のカドまで足を伸ばす。黒は2、4と応じるくらいなので、そこで白5と黒のワタリを止める。白1から黒4までの交換が働き、1図のように黒からいじめられることがない。形勢も微細な半目勝負に持ち込むことができまる。

【正しい寄せ方常識】
 読売新聞 2014/05/13掲載、桂篤5段の「(4)先手の寄せ 探す努力を(寄稿連載)」。

 寄せでは、「先手で決められる所は決める」ことが大事。相手の着手に付き合いし過ぎで、先手で打てたはずのところを逃しているケースが実に多い。先手を探す努力をすることが大切である。これを実践するだけで、確実に勝率がアップする。
【テーマ図】
 黒が▲と押さえた場面。白の立場で最善の寄せを問う。コミは6目半。 Aの点は抜き跡。寄せ方で勝敗が変わる。 

【1図】
 白1とつぐのは手拍子。黒2の逆寄せを打たれると、残すは後手1目が二か所だけ。白3、黒4となって、白の半目負けになる。
【2図】
 白1の当て込みが逃せぬ一着。白Aの切りがあるので黒Aが省けない。
【3図】
 黒は1とつぐよりない。そこで白は2のツギに手を戻す。残すは黒3と白4のみ。1図よりも右上の黒地が1目減っているので白の半目勝ちになる。 








(私論.私見)