寄せの常識/正しい寄せ方3

 更新日/2018(平成30).1.21日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで、寄せの手筋を確認しておく。

 2005.6.4日 2013.5.22日再編集 囲碁吉拝


【寄せのテクニック/大サルスベリに対する受け方その1、コスミツケが利く場合のサルスベリ】(「ヨセ方、受け方(サルスベリ)」参照)
問題図 1図
 大サルスベリ(1線の大ゲイマスベリ)に対する受け方その1、コスミツケが利く場合のサルスベリ。
正解初手1 2図
 黒1コスミツケ。コスミツケが利くが応酬結果が先手にはならない。
その後図 2図
正解初手2 3図
 黒1下がり。
3図
 但し、後手になっている。大方の局面で得しない。

【寄せのテクニック/大サルスベリに対する受け方その2、コスミツケが利かない場合のサルスベリ】
問題図 4図
 大サルスベリに対する受け方その2、コスミツケが利かない場合のサルスベリに対する受け方。
正解図1 5図
 黒1コスミ。コスミツケが利かず且つ応酬結果が先手にならない。
その後図 5図
正解図2 6図
 
その後図 6図

【寄せのテクニック/大サルスベリに対する受け方その3、コスミツケも捨石捌きも利かない場合のサルスベリ】
問題図 7図
 大サルスベリに対する受け方その2、コスミツケが利かない場合のサルスベリに対する受け方。
正解初手 8図
 黒1ツケ。この図の場合にはこの手が正解。コスミツケが利かず且つ応酬結果が先手にならない。
その後図 8図
 白2。黒3。その後いずれ黒C、白Dになると見て参考図の1から止めるのとは1目違う。
参考図 9図
 黒1頭ツケ。頭ツケが利くが応酬結果が先手にはならない。
その後図 9図
 白2。黒3。白4。黒5。白6。黒7。

【寄せのテクニック/小サルスベリに対する受け方その1、コスミツケが利く場合のサルスベリ】
問題図 10図
 黒先如何。
正解図 11図
 黒1小サルスベリ。
その後図 11図
 白2。
失敗図 12図
 黒1大サルスベリ。
その後図 12図
 白2。黒3。白4。白はこの手の後に手入れが要らない。ここが違う。黒5。白6。黒7。つまり、サルスベリだとカケツギになり後手になる。小ザルで先手をとって他に回る方が得である。

【寄せのテクニック/小サルスベリに対する受け方その1、コスミツケが利く場合のサルスベリ】
問題図 13図
 ABどちらのスベリが得か。
正解図
大スベリ筋
14図
 黒1大スベリ。この場合正しい。
14図
 白2、黒3、白4。この後、黒は手を抜いて先手をとり、他に回る。先手5・3/4目。下の小スベリ図に比べて黒Aに打つと+2.5、白Aに打たれると-1、黒白どちらがAに打つかは五分五分なので、折半した3/4目得云々。
正解図
小スベリ筋
15図
 黒1小スベリ。
その後図 15図
 先手5目の手。白Aが権利で黒Bとなる図と白がAに逆ヨセを打ちBのハネが先手になる図と5目違う云々。

 読売新聞 2014/04/22、桂篤5段の「(3)大寄せ 判断と計算がカギ(寄稿連載)

 以下は、単に生きただけでは勝てないとの判断が問われる問題図。大寄せは判断と計算が問われる。不利な形勢であれば発想を飛躍させねばならない。
【テーマ図】 【1図】
 大寄せの考え方。白番。左上白の安否が気になりますが、どう対処したものでしょうか。  白1ハネによる生きは、黒2とカドに迫られると、白3と手を入れざるを得ないのがつらい。黒4も利かされて左上の白地は3目しかなく、黒6、8と右上を固められては、地合いで白が勝てないことは明白。生きたとはいえ、これでは失敗。
【2図】 【3図】
 白1。▲の間の薄みをうかがおうとの意図がある。しかしこの碁では黒2、4が右下の白に対して利いているので、白は5と生きなければなりません。そこで黒6とこすまれると、AとBが見合いで左上の一団がピンチに陥る。  白1と二線のカドまで足を伸ばす。黒は2、4と応じるくらいなので、そこで白5と黒のワタリを止める。白1から黒4までの交換が働き、1図のように黒からいじめられることがない。形勢も微細な半目勝負に持ち込むことができまる。
 読売新聞 2014/05/13掲載、桂篤5段の「(4)先手の寄せ 探す努力を(寄稿連載)」。

 
寄せでは、「先手で決められる所は決める」ことが大事。相手の着手に付き合いし過ぎで、先手で打てたはずのところを逃しているケースが実に多い。先手を探す努力をすることが大切である。これを実践するだけで、確実に勝率がアップする。
【テーマ図】 【1図】
黒が▲と押さえた場面。白の立場で最善の寄せを問う。コミは6目半。 Aの点は抜き跡。寄せ方で勝敗が変わる。  白1とつぐのは手拍子。黒2の逆寄せを打たれると、残すは後手1目が二か所だけ。白3、黒4となって、白の半目負けになる。
【2図】 【3図】
白1の当て込みが逃せぬ一着。白Aの切りがあるので黒Aが省けない。  黒は1とつぐよりない。そこで白は2のツギに手を戻す。残すは黒3と白4のみ。1図よりも右上の黒地が1目減っているので白の半目勝ちになる。 

問題図 f:id:kazutan0813:20170114222007p:plain
 黒1、白2となった場面。ここで黒はどうヨセるのが正解でしょうか。なんと正解と失敗では二目の差が生じます!
俗筋

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 黒1から3まで先手で打って満足する人が多いのではないでしょうか。実はこれ失敗図なんです。後から白a黒bは白の権利です。
正解図

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 正解はこのタイミングで黒1のキリです。白2と抱える他ないのですが、黒5までなった時に黒a白bが先手で利く形です。黒地が一目増え、白地が一目減りました(*^^)v
参考図

f:id:kazutan0813:20170114222355p:plain

 かといって白2と打つと、黒3の手筋で渡ってしまい、白地がガラガラになります。

問題図

f:id:kazutan0813:20170114222438p:plain

 白1とハネてきた時にどう受けますか?
俗筋

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 手拍子で黒1・3と受けてしまいそうですね。もちろん失敗なのです。
正解図

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 ここで黒1とキルのが手筋!黒3と4の下に打ち、黒5と引きます。後で白は1の一路上に打ち、黒は5の一路右にオサエるのが相場で、半コウ取り返しが残っており、失敗図に比べると一目以上得しています。

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 ちなみに前図に続いて白1と打って来たら、黒4と逃げ出す手がこの場合は成立します。黒6まで必然で・・・、

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 黒4まで白を取ることができます。

問題図

ヨセの手筋-ツケコシで先手

 この問題は、二線のヨセで、非常に大きなところです。
俗筋 ヨセの手筋-ツケも筋だが後手
 黒1のツケでは失敗です。確かにぴったり白を止めていて、いい手ではありますが、白2のヒキに黒も3と守らなくてはいけないため後手になってしまいます。 先手で切り上げれるところは、しっかり先手で切り上げられないとそれだけ相手に得をされてしまうので失敗です。
正解図

ヨセの手筋-ツケコシでダメヅマリにする

 黒1のツケコシが手筋。白は、白2と遮るしかありません。そこで黒3とキリを入れてダメを詰めます。
その後図

ヨセの手筋-先手で白を止めて正解

 ここまでくるとあとは簡単です。白は、3目を取られるわけに行かないので、白4とカカえます。黒5のアテで白6と抜かせて正解です。 後の一線のハネは白の権利になります。 黒1と白2の交換がある段階だと級位者でも気づきやすいかもしれませんね。上達のためには出題図の時点で、パッと気づけるようになりましょう。




(私論.私見)