中盤の打ち回し攻め編/ツケ

 (最新見直し2013.05.22日)

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで、「中盤の打ち回し攻め編/ツケ」を確認する。

 2005.6.4日 2013.5.22日再編集 囲碁吉拝


【中盤の打ち回し攻め編/ツケ】
問題図
 黒先如何。
初手
 黒1ツケ。三々に受ける手が普通。辺の黒石を活用する意味で黒1とツケる手もある。
応手
 白2ハネ。黒はどう打つか。
その後図
 分断狙いコスミの流れ。黒3、5と切断してから黒7とヒク。白8がコスめば黒9と災いの種を取り切って分かり良い。黒の外勢対白の隅の実利になるが、黒の外勢が優る。
変化図
 上図の変化図。上図の黒7に対して白1、3と利かしておいてから白5とコスムのは良くない。黒6と急所に打たれて以下黒16まで白シチョウで取られてしまう。白15は12にツグ。
変化図
 変化図。中のタネ石を救うためには白1とヒクよりないが、以下、白13と黒2子を取ってよいと考えるのは白の勝手ヨミである。
失敗図
 白9のキリには黒10以下、下からのの抵抗が成立しキッタ白が纏めて取られてしまう。隅の白7子はどうなるか。
 白ハマリ。白1のハネに黒2とツメれば白5の放り込みが好手で白生き。この放り込みは手筋。隅の白は生きるが取引のソロバンが合っていない。
 変化図。白1とサシ込んだとき、黒2と棒ツギする絶妙の応手があり隅の白が全滅する。

【中盤の打ち回し攻め編/ツケキリ】
 「苑田勇一のさばきは斜めに(4)白のツケ切りが好手筋」(読売新聞 2008/05/26掲載)。
問題図
先番は結城聡九段。いま△を▲と一間に高く挟まれた局面。白先如何。
失敗図
 白1とケイマに逃げ出すのは、この局面では下策です。黒2とこすまれ、白3から5と戻った時、黒6のコスミツケで眼形を奪われます。白7の押しに黒8と引かれ、あてがありません。白の形は重く、もう勝てない、としたものでしょう。
参考図
 白1、3のツケ切りがさばきの好手筋です。黒4の伸びはこの一手。白5の当てに黒6と下がれば、白7と押さえ、黒8の当てから14までは一本道。白15のケイマが絶好点で、この場合、黒は左方の8子がまだ生きていないのが気になります。白としてはそれが狙いで、十分さばいたといえるでしょう。白3では6の二段バネも一つの形ですが、黒3とつがれ、白12のカケツギに黒7と押さえられ、白5切りに、黒13と当てられるのがしゃくです。
実践図
 結城九段は黒6の当てと変わってきました。白9のツケがこの際の手筋。白13に黒15と出ると、白1と取り返され、コウが続きません。黒19まで、白Aの切り味もあり、まずまずのさばきかと思っていました。

【中盤の打ち回し攻め編/ツケ】
 「(4)見事に決まったツケ一本」(読売新聞 2008/09/29掲載)。
問題図  ◆準決勝 (白)九段・古 力(中国) (黒)九段・常 昊(中国)(選 倉橋正行九段)
 黒先如何。白1の切りに黒2と引いたところ。
初手
 白3ツケ。きれいな手筋が決まった。
応手
その後図
 黒2の後退は仕方がないが、白3のツキ当たりから、悠々、5とケイマされた。白は先手で安定し、完全に主導権を握った。この後、黒Aのツキアタリから白B、黒Cと切る狙いはあるが、白Dの当て、黒E、白Fと補強されて大したことはない。右下の白は、当て一本で生きだから、しゃれている。
変化図1
【変化図1】 黒は1の当てから3と渡って辛抱するしかなかった。白4と飛んで、これからの碁という。これを白Aの取りは急がない。黒B、白C、黒Dの下がりで応じられて、白の眼形に悪影響を及ぼすからだ。
変化図2
 【変化図2】 名場面の白のツケに、黒1とハネ出す手はない。白2、黒3の時、白4が好手で、絶対の黒5に白6と押さえられ、攻め合いは負けてしまう。




(私論.私見)