中盤の打ち回し攻め編/中央感覚

 更新日/2024(平成31.5.1栄和改元/栄和6).2.17日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
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 2014.12.27日 囲碁吉拝


【中盤の打ち回し攻め編/中央感覚】
 「林漢傑の本因坊秀策に学ぶ/(3)中央感覚の素晴らしさ
 (読売新聞 2013/01/22掲載)。  
 井上幻庵(十一世井上因碩)、先番・本因坊秀策(安政2年=1855年)
問題図
 「耳赤の一手」といえば秀策を代表する妙着です。皆さんもご存じでしょう。中盤、やや苦しい局面のとき、井上因碩の様子見の一手に応じず、中原にポンと打ったのが絶好点で、瞬間、因碩の耳が赤くなり、形勢が逆転した、という逸話です。秀策は中央感覚にも秀でたものを持っていたのです。

 局面図は、その後、退隠した幻庵との特別対局です。黒5以下9までは当時よく見られた定型です。黒37のカカリに白38とつけられたとき、秀策は黒39と左辺に先行しました。これは現代でもよく打たれる足早な手法です。黒39で43にはねると、白44、黒45のとき、白39と開かれ、白の注文通りになります。こんな柔軟な手を150年も前に打っているのですから驚きです。白80の頭ツケが変幻自在の幻庵流ですが、秀策の対応が見事でした。

実践図
 ツケに手を抜いて黒1と中央へ先着した。冷静な好判断です。白2の伸びに黒3、5と利かし、7と中央を大きく囲う。この中原感覚が素晴らしく、一挙に優勢となりました。
参考図1
 ツケに対し黒1と受けるのは平凡で、白2の押しから一本道で白12まで。次にAの動き出しなどを狙われます。
参考図2
 黒1にはねるのも大同小異で、白2のハネから8の動き出しを敢行され、白の策にはまります。




(私論.私見)