中盤の打ち回し攻め編/大石召し取り

 更新日/2024(平成31.5.1栄和改元/栄和6).2.17日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
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 2014.12.27日 囲碁吉拝


【中盤の打ち回し攻め編/大石召し取り】
 「追悼藤沢秀行名誉棋聖この4局/(1)大長考で大石を召し捕る
 (読売新聞 2009/05/12掲載)。
 ◇第2期棋聖戦七番勝負第5局、白・本因坊 加藤正夫、黒・棋聖 藤沢秀行
問題図
 △のツケに対し黒先如何。

実践図初手
 黒1飛び。2時間57分という記録的な大長考の手となった。藤沢は白の大石を殺せると読み切った。
実践図その後1
 黒5と並んでいよいよ本気だ。
実践図その後2
 黒34となって、「殺し屋」と異名を取る加藤の大石を召し捕ってしまった。ここで加藤は投了した。右上の白と黒は白の後手ゼキだが、右辺の黒が生きると同時に、下方の白の大石が死ぬ。

 後日、白の大石にしのぎがあったかどうか研究されているが、部分的なしのぎの有無は問題ではない。加藤は全部生きようとし、藤沢はまとめて取りにいった。二人とも、そうでなければ自分に勝ちはない、と判断していた。だから、気合と気合、読みと読みとの激突になったのである。高尾九段「先生は相手にダメージを与えられるような勝ち方をしたかったのでしょう」。すさまじいまでの、藤沢の勝利への執念と恐ろしいまでの集中力であった。(赤松正弘)






(私論.私見)