隅の詰め碁例題/ハネ&置き

 更新日/2023(平成31.5.1栄和改元/栄和5).3.16日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 相手の石を殺す場合、次の二つが基本となる。①外からハネる手、②中へ置く手。ここで、「死はハネにあり」と云われる「隅の詰め碁例題/ハネ&置き」の筋を確認する。ハネは相手の石のフトコロをせばめ、活きる範囲を小さくする意味で、きわめて有効な筋である。

 2005.6.4日 2013.5.22日再編集 囲碁吉拝


【隅の詰め碁例題/3つ並び箱&ハネツギありの場合/ハネ&置きの筋】
課題図
 外側(白)先&内側(黒)死。「4並び箱&ハネツギの場合は生き。3並び箱&ハネツギの場合には、ハネツギしている方へのハネ一発手筋で殺される」。こう覚えれば良い。

№1、ハネツギしている方へのハネ
№1
 №1/ハネツギしている方へのハネ(正解初手)。「ハネツギしている方へのハネ一発で即死」している。ハネが最も効果的な形で眼形範囲を狭めていることになる。以下、「ハネ-置き」のコンビプレー手筋で殺すことになる。
その後図
参考図

【隅の詰め碁例題/3つ並び箱&ハネ&カケツギありの場合/ハネ&置きの筋】
課題図
 外側(白)先&内側(黒)死。この形は外側先だと無条件で死ぬ。「3つ並び&ハネ&カケツギ」の場合、「ハネ-置き―下がり」の手筋で殺せる。こう覚えれば良い。

【№1、ハネ&カケツギのない方へのハネ】
№1
 №1/ハネ&カケツギのない方へのハネ(正解初手)。

【その後図】
№2
 №2/押え。
№3
 №3/二の1置き(急所手筋)。この置きの手が筋である。
№4
 №4/ツギ。
№5
 №5/サガリ(妙手)。黒6。
№6
 №6/三の1ツケ。
№7
 №7/打ち欠きホウリコミ(決定打)。これまた手筋。これで手にしている。
№4変化1
 №4変化1/三の1ツケツッパリ。
その後図
 №5/サガリ(妙手)。№6/眼持ち。№7/割り込み当り。これまた手筋。これで内側(黒)が無条件死している。
№4変化2
 №4変化2/1の1子抜き。№5/一間トビ受け。死活とは無関係で内側(黒)が無条件死している。以下、№6/ツギ。№7/下がり。№8/三の1突き当たりツケ。№9/放り込み。

【№1変化図】
№1変化
 №1変化/二の1置き。この手もあり、この手でも内側(黒)が死んでいる。

【その後図】
№2
 №2/下がり。
№3
 №3/二の2タチ。
№4
 №4/ダメツメ。
№5
 №5/下がり。この手で内側(黒)は助からない。

【死はハネにあり】
【1図:ハネて死】棋譜(242頁の1図)
棋譜再生
・黒1とハネて、白は簡単に死に。
(黒1はイ(19, 八)でも同じ)

【2図:失敗~置き】棋譜(242頁の2図)
棋譜再生
・中に黒1と置くと、白2と受けられ、活かしてやるお手つだいになる。

〇まず、「ハネ」てフトコロをせばめ、次に急所に「置いて」眼形を奪う。この例はよくある。

【3図:ハネて置く】棋譜(243頁の3図)
棋譜再生
・これも黒1とハネる。
・白2と受けさせてから、3と置く。
※ハネて受けさせると、眼形の急所がはっきりすることが多い。

【4図:失敗~ハネずに置く】棋譜(243頁の4図)
棋譜再生
・ハネずに黒1の置きを先にすると、白2と受けられて取れない。
※今からハネてみても手遅れだし、1の左に打欠いても、取られて半眼(後手一眼)が二つでき、失敗。

【5図:冷静にハネたい形】棋譜(243頁の5図)
棋譜再生
・中にツケたり切ったりしたい形であるが、そこをぐっとこらえて、冷静に黒1とハネてやる。
・白がイ(18, 六)と受ければ、そこで初めて黒ロ(17, 五)と切り、白ツギのときまた黒ハ(19, 三)とハネてやる。
※ハネて眼を取る手段を「ハネ殺し」という。
(坂田栄男『囲碁名言集』有紀書房、1988年[1992年版]、242頁~243頁)

隅の詰め碁例題/ハネ&置きの筋】(「囲碁 隅の死活10 」)
問題図 画像
 黒先白死 。死活妙機から。手順が大切。
正解初手 画像
 黒1ハネ。
その後図 画像
 白2、黒3置き。黒が先に3に置くと、白は継がずにB6のハネからコウにする手がある。
画像
 白4ツギ、黒5ツギ、白6ハサミ、黒7下がり、白8下がり、黒9ハネまで。この後、黒の連絡と3子中手が見合いで白死。

隅の詰め碁例題/2子ハイ系に対するハネ&置きの筋
課題図
 外側(黒)先如何。

隅の詰め碁例題/2子ハイ系に対するハネ間違いの図
外側№1
 外側№1/逆バネ(間違い初手)。三の1からのハネから行くと殺すことができない。
内側№2
 内側№2/押さ。
外側№3
 外側№3/一の2置き。眼を奪う筋ではある。
内側№4
 内側№4/二の3。反発の筋である。以下、無理に取りに行っても内側12まで脱出される。




(私論.私見)