隅の詰め碁例題/石の下の筋

 更新日/2024(平成31.5.1栄和改元/栄和6).2.17日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで「石の下」の筋を確認する。(詰碁に強くなる法第13回)「石の下」(塚本惠一著[詰碁世界第14号(2002年7月発行)掲載])。

 2014.10.27日 囲碁吉拝


【石の下の型の種類】
 三村智保(囲碁棋士九段)/囲碁用語マスター 「石の下」

【石の下の筋】
【問題78】≪棋譜≫

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【問題78の正解:黒1のツギから石の下が成立】≪棋譜≫

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・黒1とツイで解決⇒当然、白は黒四目を取るが、ここであきらめてしまっては、この問題は解けない。
・白2と取ったあと、黒四目の取りあとに、黒3の切りがある。
※これがいわゆる石の下といわれる筋。取りあとに対する想像力が及ぶかどうかが、正否をわける。
 (山田至宝『初段合格の死活150題』日本棋院、2001年[2013年版]、173頁~174頁)
【問題80】≪棋譜≫

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【問題80の正解:黒1の切りから石の下が成立】≪棋譜≫

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・黒1と切るしかない形。
・白2とアテられたところが考えどころ。黒3と外から白全体にアタリをかける。
・白4の四目取りに、黒5(黒1のあと)と切る手があって白を仕留める。
※これが石の下の筋で、実戦で打てれば格別!
(山田至宝『初段合格の死活150題』日本棋院、2001年[2013年版]、177頁~178頁)

【石の下の筋(「左右同形中央、左右を見合う筋」】(左右を見合う筋
課題元図
 黒先生き。
 玄玄碁經から採ったもの。「石の下」の筋が見えますか。
 基本死活の問題⑮石の下を使う問題の解説。Bing video

正解初手  
 1/下がり(正解初手)。
 ここが左右を見合う筋となっている。
その後図1
 2/割り込み。3/キリ。
 右の集四の黒4子を取られるが石の下の形になっているので、取り返しの眼がある。
その後図2
 4/ハイ当り。5/ノビ。こちらも稲妻型で黒4子を取られてもやはり石の下となっている。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図
 外側(白)先如何→内側(黒)死。
 (出典/玄玄碁経)「石の下」の筋が見えますか。

正解初手
 1(正解初手)/出ノビ。
 この手が思い切った手。これより石の下の筋が始まる。
その後図1
 2/。3/。
 4/。5/。6/。7/。8/ウチカキ。9/トリ。
その後図2
 白6子を取らせた後、10/キリで石の下となる。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図
 外側(黒)先如何→内側(白)死。
 「石の下」の筋が見えますか。

正解初手
 1/下がり(正解初手)。
 この「下がりの手」により石の下の筋が始まる。
その後図1
 2/。3/。
その後図2
 4/。5/。6/。7/。8/ウチカキ。9/トリ。10/。までとなる。
決定打
 11/ツギ。外側(黒)は隅の6目を取らせて石の下に誘導している。
その後図3
 12/。13/取り跡キリ。
 内側(白)にもう一眼できず死。最初の石の形からこの最終系までの「石の下の筋」を浮かべられることが肝要である。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図
 外側(黒)先如何→内側(白)死。
 「石の下」の筋が見えますか。

正解初手
 1(正解初手)/切り込み。
 ここを白に継がれるとセキになるので1と切るしかない。この「切り込みの手」により石の下の筋が始まる。
その後図
 2/ダメ詰め当り。3/ツギ。4/黒4子抜き。
決定打
 5/眼欠き置き。
 この石の下の筋で白死となる。5はこの位置でなければならない。最初の石の形からこの最終系までの「石の下の筋」を浮かべられることが肝要である。
5の不正解変化
 5の不正解変化/5の左。
その後図
 6/5。逆転の石の下になる。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図
 内側(黒)先如何→生き。
 「石の下」の筋が見えますか。
 (出典/玄々碁経「八王走馬勢」(はちおううまをはしらすのせい))
 (「内田潤一、アマの知らない囲碁の常識(6)」より)

正解初手
 1/当り(正解初手)。
 左隅の2子を取られてはいけないので、まずはこう打つ。この「当りの手」により「石の下の筋」が始まる。
その後図1
 2/ノビ。3/ツギ。4/右白ハイ。5/押え。6/左白ハイと進行する。白4、白6は最強の手で眼作りを狭めていることになる。
その後図2
 7/白2目抜き。8/左白ハイ。9/押え。10/当りとなる。
決定打
 11/ツギ。
 左隅の2子を取られてはいけないので、まずはこう打つ。この「当りの手」により「石の下の筋」が始まる。
その後図
 12/黒4子抜き。13/白5子アタリ。
 石の下になつており内側(黒)生き。最初の石の形からこの最終系までの「石の下の筋」を浮かべられることが肝要である。
11の不正解変化
 11の不正解変化/白4子取り。
その後図
 12/三の1置きで死ぬ。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図

 内側(黒)先如何→生き。
 「石の下」の筋が見えますか。
 (出典/玄々碁経「在三抱一勢」(そんさんほういっせい)
 (内田潤一アマの知らない囲碁の常識(11)」参照)
 在三抱一勢(そんさんほういっせい)の在三は天地人を表し、抱一勢は道(一)を守るの意味です。

正解初手
 1/押え下がり(正解初手)。
 この「押え下がりの手」により石の下の筋が始まる。
その後図
 2/キリ。3/白1目抜き。4/押え下がり。
妙手
 5/出当り。
その後図4
 6/黒3子取り。7/白3子抜き。8/黒地3目にナカデ置きの目取り。
決定打
 9/白2子当り。
 黒はこれで生きとなる。最初の石の形からこの最終系までの「石の下の筋」を浮かべられることが肝要である。
 8で9打ちは9を8打ちで生き。
2の変化  
 2/ナカデ狙いのノビ。
妙手
 3/放りこみ。この手で黒生き。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋/マガリ】
課題元図
 「石の下」の筋が見えますか。
 上図の左上は赤星因徹の「玄覧」に示された実戦形の黒番で得を図る問題。右下の黒1から黒9で稲妻形にして捨てる。
正解初手
 黒1出。この「出の手」により「石の下の筋」が始まる。
その後図
 白2、黒3、白4、黒5、白6、黒7、白8、黒9。最初の石の形からこの最終系までの「石の下の筋」を浮かべられることが肝要である。
石の下その2
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【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図
 「石の下」の筋が見えますか。
 上図の左上は赤星因徹の「玄覧」に示された実戦形の黒番で得を図る問題。右下の黒1から黒9で稲妻形にして捨てる。
正解初手
 黒1出。この「出の手」により「石の下の筋」が始まる。
その後図
 白2、黒3、白4、黒5、白6、黒7、白8、黒9。最初の石の形からこの最終系までの「石の下の筋」を浮かべられることが肝要である。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋、跡切りで眼を奪う】
課題元図
 黒先如何。  「石の下」の筋が見えますか。
正解初手
 黒1放り込み。この「放り込みの手」により「石の下の筋」が始まる。
その後図
 白2・黒1子取り。白の5子はウッテガエシで取られている形だが、白1とわざわざ6子にして取らせるのが好手。黒3/白6子取り。黒は▲の点に抜くしかない。
決定打
 白4キリ当り。黒は、この部分には一眼もできず黒死となる。最初の石の形からこの最終系までの「石の下の筋」を浮かべられることが肝要である。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋、大中手】
課題元図
 白先如何。 「石の下」の筋が見えますか。
 上図は赤星因徹の「玄覧」の「垂棘屈産失国之形」の部分図で、白番で殺す手段を問う問題。ナカデ(中手)には3子から6子を取らせるものがあるが、7子以上を取らせても抜き跡を囲んでいる石に欠陥があると石の下の手筋で殺せる場合がある。これを大中手と呼ぶ。  
正解初手
 白1抜き。この「抜きの手」により「石の下の筋」が始まる。
その後図
 黒2、白3、黒4。白1から黒4で白16子を取られるが、
決定打
 白5取り跡切り。この手で黒に生きる手段がない。この後、黒aなら白b。最初の石の形からこの最終系までの「石の下の筋」を浮かべられることが肝要である。





(私論.私見)