隅の詰め碁例題/石の下の筋

 更新日/2024(平成31、5.1栄和改元/栄和6).2.4日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで、「隅の詰め碁例題/石の下」の筋を確認する。

 2014.10.27日 囲碁吉拝


【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
 自分の石を取らせたあとに手が生じる石の捨て方を「石の下」と呼ふ。「石の下の筋」は、捨て石跡を手段するという高度なテクニックである。実戦では気づかないことが多い。石の下にはダンゴ型や集四型、稲妻型がある。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図
 黒先生き。

1(正解初手)
 1(正解初手)/。
その後図
 黒がBと白2子を抜くと、白△、黒×、白Aと打たれて欠け目で黒死。ところが、黒Aと打つと、白はBで黒4子を取る。そのあと黒が□に打つと隅の白3子が取れて活きとなる。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図

 黒先生き。

1(正解初手)

 1(正解初手)/当り。
その後図1
 2/黒4子取り。
その後図2
 3/2子当りとなり「石の下の手筋」で生きている。

【隅の詰め碁例題/集四型の石の下の筋】
 「ウィキペディア石の下」参照。
課題元図
 黒先如何。

1(正解初手)
 1(正解初手)/白2子取り。この黒1は後で取らせる捨て石として活用する。
その後図1
 2/放り込み。黒aと取れば白bで欠け眼にしようとする狙いである。四角形の黒4子がアタリになっているが、どうするか。
その後図2
 3/ツギ。構わずに黒3と打つ。4/黒4子取り。取らせた四角形の黒4子の形を集四またはダンゴと呼ぶ。
その後図3
 5/キリ当り。白2子を取って一眼、隅の一眼で二眼の生きとなる。以上の黒1、黒3、黒5の一連の手段を石の下の手筋と呼ぶ。特に黒5は「取られた跡の切り」なので跡切りと呼ぶ。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】(石の下の筋
課題元図
 黒先生き。

1(正解初手)
 1(正解初手)下がり。この手が石の下の始まりの好手。
その後図1
 2/ノゾキ置き。
その後図2
 3/眼づくり押え。4/突込み。5/白2子抜き。
その後図3
 6/打ちかき。7/ツギ(決定打)。この手が「石の下の手筋」を用意している。8/黒4子取り。
決定打
 9/取り跡切り。この手で2目を取り返す。これを「石の下の手筋」と云う。

【隅の詰め碁例題/稲妻型の石の下の筋】
 「ウィキペディア石の下」参照。
課題元図
 黒先如何。

1(正解初手)
 1(正解初手)/ノビ。
その後図
 白2、黒3、白4、黒5、白6、黒7、白8。黒1から黒3で捨て石を4子に増やす。この4子の形を稲妻形と呼ぶ。白4から白8で稲妻形の黒4子を取らるが、
決定打
 黒9。白6子を取って生きることになる。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図
 黒先生き。

1(正解初手)
 1(正解初手)/ノビ。これが「石の下の手筋」を見通した手である。
その後図1
 2/。3/。4/。
その後図2
 5/。6/。7/。8/まで黒4子が取られる。
決定打
 9/取り跡切り。この手が石の下の手筋になっている。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図
 黒先白死

1(正解初手)
 1(正解初手)/。
その後図1
 2/。3/。4/。1から3のとき4がオイオトシ狙いです。
その後図2
 5/。6/。7/。黒はかまわず5と大きくして6目を取らせに向かう。
その後図3
 8/ウチカキ。9/トリ。10/。11/。
その後図4
 12/。13/取り跡キリ。12が取られ隅の眼がなくなっている。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
課題元図
 黒先白死

1(正解初手)
 1(正解初手)/この1の所を白につがれるとセキだから黒1と切るよりない。
その後図1
 2/。3/。4/。黒4子を捨石にする。
その後図2
 5/眼欠き。ここが急所である。5で5の左は白5の所で逆転の石の下という面白い形になっている。

【隅の詰め碁例題/石の下の筋】
  「NHK杯で石の下出現!」( 2010/08/01 )参照。
課題元図 画像
 白先如何。
 2010.8.1日(日)の第58回NHK杯1回戦の「村川大介5段VS今村俊也9段(黒)」の対局。解説は横田茂昭9段。白が1、3とハネツギを打った。黒はAとカケツぐか、Bといっぱいに受けるか。今村九段は28秒まで考えてBと頑張った。村川六段しばし考えて、他の先手ヨセに回るも、目は常に左辺を見ている。

1(正解初手)
画像
 1(正解初手)/キリ。これが石の下ドラマの始まりとなる。
その後図1
画像
 2/ノビ。3/置き(決定打)。白は1にキリを入れた後に3と置いた。
その後図2
画像
 4/。5/。6/。7/。8/。今村は悩んだ挙句に黒4とトぶ。しかし次の瞬間今村はしまった!というゼスチャーでボヤキはじめる。村川も時間をかけて白5。解説の横田九段は黒6と逃げる手があり問題なしと解説。だが、村川の白7を見て横田「あっ!」と驚く。これでボヤイていたんですね。気がつかなかった、と。黒8で事態が事件化する。
その後図3
画像
 9/A。これであざやかな「石の下」完成。これで一気に白が逆転して3目半勝ちになった。「石の下」が登場するレアなパターンに遭遇した。




(私論.私見)