発揚論概論

 更新日/2022(平成31、5.1栄和改元/栄和4).2.11日

 (れんだいこのショートメッセージ) 
 ここで「発揚論概論」をしておく。

 2014.11.2日 囲碁吉拝


【発揚論概論】
 1713(正徳3)年、井上因碩3世著「囲碁発陽論」が出版される。本書は詰碁の本で不断桜(桜を絶やさないほどの名品の意味)とも呼ばれる。玄々碁経、官子譜のものも入っているが、殆どが因碩や当時の棋士たちのオリジナルな名品である。難解のものが多い。死活の問題(詰碁)、攻め合いの問題、シチョウ問題、盤中詰碁などで構成され、原本では183題とされるが異本を含めると202題ともされる。生図の部全30題、勝図の部 全32題、点図の部 全14題、劫図の部全27題、責合図の部全17題、盤図の部全11題、夾図の部全8題、追落図の部全16題 、飛門図の部全14題、門沖図の部全14題からなる。 

 井上因碩は本書完成後も、井上家門外不出の書とし、門下の者でも容易に見ることはできなかった。因碩死後もその内容は秘されていたが、井上家の火災にあって原本は焼失した。しかし本因坊烈元門下の伊藤子元が入手していたものが人づてに伝わり、1906年に安藤如意が伊藤松和の門人からその存在を聞き、山崎外三郎の未亡人より筆写の許しを得た。これを入手した本因坊秀哉が、15世井上因碩所蔵のものと合わせ、時事新報に掲載し、1904年に秀哉、因碩による解説とともに「囲碁珍朧発陽論」として出版した。写本で現在まで古書として残っているものもある。現在も解説本が出版されており、もっとも難解な詰碁集としてプロ棋士を目指す者にとってのバイブル的な存在となっている。
 「石立ての位は囲碁の陰なり。見分ける手段は陽なり。陰陽協和なき時は全備なりがたし。ここによって手段の筋囲碁に顕るる所の形を考え作すにその数無量にして尽されず。されども一通の手筋を論じて、一千五百余件の中、十が一を摘く一百八十余件を撰述せり。如斯をよく修練せば、手陽発すべし。勿論、石立位陰の修行猶専要なるべし。手段は限りなけれども、これらのよく形を図して有る時は畢竟見へずと云う事なし。手段抜群の人は、形顕れずといへども胸中に形を催して悪を去り好を用ゆ。この如き輩は希にして尤も大功、庸人に踰ゆ。これを真に見ゆる名人と謂ふべし。且つこれらの形に厚薄あり、近き手筋なれども庸手の不附心所を導かむために記せり。又云う、往昔伝わりし囲碁の書に改善をして手筋を人にしらしむる類多し。考うるに作者の書きたるにはあらず。もし筋の改書をあやまらば、誠に本意なかるべし。故にこの書に評を加へん人、必ずその名を記して後世に伝べし。正徳三癸巳年八月十四日 官賜碁所 三世井上因碩」。

【発揚論目次】 
 「発陽論 1.生図の部 - 日本囲碁ソフト」(発陽論(教育社)から抜粋)参照。これは凄い。
1. 生図の部 →GO
2. 勝図の部 →GO
3. 点図の部 →GO
4. 劫図の部 →GO
5. 責合図の部 →GO
6. 盤図・夾図の部 →GO
7. 追落図・飛門図・門冲の部 →GO





(私論.私見)