別章【三三入り】

 更新日/2020(平成31、5.1栄和改元/栄和2).1.22日

【星&三3入り】
(1−5)
 星に対する三3入りの手である。単騎で三3入りの例は考えにくい。実際には相手が星−ヒラキの形の時に入り込むケースが多い。よって、そのそれぞれの項の応酬とセットで習熟しておく必要がある。応じ手として、A(押え下がり)、B()、C()がある。
A(押え下がり)
(1−5−1)
序盤早々の三々戦術ー基本編(1)
序盤早々の三々戦術ー基本編(2)
序盤早々の三々戦術ー基本編(3)
序盤早々の三々戦術ー基本編(4)
序盤早々の三々戦術ー基本編(5)

 前図のA(押え下がり)選択
(1−5−1)
 星&三3入りに対し隅閉じ込め押えの手である。応じ手として、A(ハイ)、B()、C()がある。
A(ハイ)
(1−5−11)

 前図のA(ハイ)選択
(1−5−11)
 ハイ。応じ手として、A(ハネ)、B()、C()がある。
A(ハネ)
(1−5−111)

 前図のA(ハネ)選択
(1−5−111)
 ハネ。応じ手として、A(下ハネ)、B(キリ)、C()がある。
A(下ハネ) B(キリ)
(1−5−1111) (1−5−1112)

 前図のA(下ハネ)選択
(1−5−1111)
 下ハネ。応じ手として、A(ハネ)、B(二段バネ)、C()がある。
A(ノビ) B(二段バネ)
(1−5−11111) (1−5−11112)

 前図のA(ノビ)選択
(1−5−11111)
 ノビ。

 指了図
(1−5−11111)
 指了図

 黒は隅の陣地を白に取られたが、上辺から中央に発展しそうな厚みを作っている。隅を白に取られたことは気にせずにこの厚みを活かすことで帳尻が合っている。


前図のB(二段バネ)選択
(1−5−11112)
 二段バネ。応じ手として、A()、B(逆ハネ)、C()がある。
A(当たり) B(逆ハネ)
(1−5−111121) (1−5−111122)

前図のA(当たり)選択
(1−5−111121)
 二段バネ。

指了図
(1−5−111121)
 指了図。黒が二段バネをした場合、白は二段バネの方の石を取り、黒が隅の地を確保する分かれとなる。

黒が右辺を広げるために11と打ちました。この手は無理で白によい手があります。 正解の場所を図でクリックすると解答図にかわります。

下がる手がよい手です。黒が隅を確保すれば最後は5と両アタリになります。


前図のB(逆ハネ)選択
(1−5−111122)
 逆バネ。

(次の着手) 押え&キリ選択
(1−5−1111221)
 押え&キリ。

(次の着手) ツギ
(1−5−1111221)
 ツギ。

指了図
(1−5−1111221)
 指了図。前図の黒5に対する白7を右辺のハネに変える手。白が右辺を重視した時の打ち方である。 

前図のB(キリ)選択
(1−5−1112)
 キリ。白の無理な手である。どう咎めるかが問われている。
 応じ手として、A(下ハネ)、B(悪手の下がり)、C()がある。
A(下ハネ) B(悪手の下がり)
(1−5−11121) (1−5−11122)

前図のA(下ハネ)選択
(1−5−11121)
 下ハネ。ハネが正しい手である。

指了図
(1−5−111211)
 指了図。白は下ハイを余儀なくされ黒の外勢が鉄壁になる。

前図のB(悪手の下がり)選択
(1−5−11122)
 下がり。下がりは悪手である。

指了図
(1−5−111221)
 Bの白は、当てからの連打で逃げた黒石を取ることができる。

【三々入り対処法】
 三々入りは第一級の寄せであり、時に攻めの手でもある。どの時点で打ち込むのか、あるいは守るのか、勝敗の行方をも左右する。ここでは三々入りに対しての対処法を確認する。押さえる方向は二つしかない。どちらから押え、どういう形にするのかが問われている。
 【テーマ図】(宮崎龍太郎六段の「三々対策入門」(1)大事な方から押さえる(寄稿連載)
 【正解図】
 結論は「大事にしたい方から押さえる」である。よって図の黒1と押さえる。黒9まで上辺はいい地模様になる。黒9をイと継ぐのは腹中の白の動きだしを見られて味悪。
 【失敗図1】
 黒1の方から押さえるのは小さい。左下星に白石が控えているので左辺は発展性に乏しい。上辺はすそ空きでかなり侵食される。
 【失敗図2】
 黒3をカケずに上辺に打つのは、白の1子を制するように打つのは、方向は良いが悪手である。白は4、6と大いばりではね上げてくる。白がのびのびしているのに対し黒は凝り形である。白がイの1子を上手に捨てたと格好になっている。

 【テーマ図】(宮崎龍太郎六段の「三々対策入門」(2)幅広い方から押さえる(寄稿連載)
 【正解図】 
 発展性があるのは左辺なので図のように黒1と押さえる。黒3、5と2段バネでぴったり止める。白6の切りから黒15まで黒満足である。上辺の白への攻め味も出てきている。途中、白は8とはね、10とかけ継ぐのが肝要である。白12のところに継ぐと、白地の大きさは変わらないが、後に黒11の地点への下がりが黒からの利きとして残る。下がりに手を抜けば、隅は生死をかけたコウになる。
 【失敗図1】 
 黒1は押さえの方向が違う。黒の外勢は働かず隅の地を食われている。正解図では白地は6目だが、この図では9目ある。すそ空きなのでさらに黒地は侵食される。黒さっぱりの図である。
 【失敗図2】 
 黒1から3、5の二段バネは厳しいが、黒は隅の白2子をもぎ取ったものの白も黒1子を取ってくつろいでいる。隅の黒地は20目程度、一方の白はこのままで生きている。黒からイに臨まれても、はっていけば大丈夫。つまり白は待望の先手を得ている。

【テーマ図】(宮崎龍太郎六段の「三々対策入門」(3)石の強弱考え、補強も必要(寄稿連載)) 
 【正解図】
 黒1の方から押さえて左辺の模様を大事にする。黒5は遠慮しているが、広げれば打ち込まれるスキを残すので、こんな見当の手である。黒も白もそれぞれ地を持ち双方満足な進行である。白4も大切であね。イにのびると、ロとさらに押しを利かされ黒を厚くさせる。
 【失敗図1】
 黒1の押さえは上辺の白を攻めようと言う狙い。相手の石の連絡を絶つという考えは間違っていないが、この場合は地に甘すぎる。白6までケイマにすべられると隅の白地が立派すぎる。さらに白からイあたりに臨まれると、今度は黒4子が攻められることになる。肝心の上辺の白石への攻めも黒石からの距離がありすぎて迫力がない。さっぱりである。
 【失敗図2】 
 黒5とケイマし気持ちよく模様を広げたが白6の肩つきが絶好となっている。白10まで白は軽快な足取りである。こうなると黒が模様を広げた意味がない。さらに黒が手抜きをすれば、白からイと押さえられ、黒4子が攻撃目標になり攻守逆転する。黒はロとケイマに受けておくくらいである。正解図の黒5の意味が分かる。ポイントは左上の黒3子を強いと見るのか、弱いと見るのかである。失敗図2の黒5のケイマは強いと見たための打ち過ぎ。黒3子は白にくっついた弱い石と知れば、正解図黒5の補強が必要と云うことが分かる。

【テーマ図】(宮崎龍太郎六段の「三々対策入門」(4)ほどほどで満足も大切(寄稿連載)
【正解図】
 黒1と逆モーションでさえぎり黒7まで。黒は模様を広げ白は隅の地を取り双方満足である。黒5の当ては絶対。手抜きをすると、すぐにはねられて困る。白から黒5の1子をかみ取る手は11目強。この段階ではまだ小さい。
 【失敗図1】
 大事にしたい方を押さえての失敗です。正解図と比べれば白地がずいぶん増えています。
 【失敗図2】 
 黒1の押さえから、3とさえぎりました。白8まで右辺の黒地はがらがらです。上辺の白地も傷みますが、黒の被害の方が大きい。






(私論.私見)