1 |
戦略 |
1/1 |
着意を継承せよ。せねば打った石が悪手化する。有無。戦略、作戦、シナリオ、意図の明確な着意を持って着手するのが良い。○、敵の対応が異なる場合、その対応策も用意できているか。○、我が方は、作戦の一貫性を極力保全せよ。 |
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1/2 |
敵の作戦の裏を行くのは、対局の気合上、必要なことである。○、敵に対しては作戦の一貫性を崩そうとせよ。 |
2 |
着手 |
2/1 |
敵にひびかぬ手は、ちょっと見ると形のようであっても、結局それは却って重い手となる。○、先手の維持、利きの留保。局地戦の切り上げのタイミングを考える。○、遊び手、不効率な手、敵が手抜きする手を避ける。 |
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2/2 |
現在打つ必要のない手は、できるだけ保留しておく方がよい。 |
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2/3 |
敵が低いところへ着眼してきたときは、自分が大所に着手して行く好機会である。 |
3 |
布石 |
3/1 |
石の配置が一方に偏することは即ち大勢に後れることである。敵の配石を一方的に偏らせれば即ち布石の作戦が成功したものである。 |
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3/2 |
自分の模様はできるだけ広く構えておく方が効果的である。 |
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3/3 |
敵の打ちたいところは、自分から打っていく急所にもあたる。 |
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3/4 |
敵にその考え通りの構図を得させるのは、布石の作戦上からいって面白くない。 |
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3/5 |
白黒の形勢が匹敵している場合、互いに一歩も譲れぬところから大きな変化が生じることがある。 |
4 |
弱点欠点 |
4/1 |
敵に地域を取られることを恐れるよりも、自分の形の崩れるのを恐れよ。敵の作戦の裏を掻くのも面白いが、形の正しさにより自分の石を整形して行くことが最も大切である。 |
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4/2 |
自分の石の眼形を整え何の不安もなくしておくことは、即ちそれだけその周囲の敵石を弱くさせていることである。 |
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4/3 |
敵陣への打込みを急ぐよりも、まず自分の方を強化してから敵陣の隙を狙う方が効果の多いものである。○、戦いの火の手は双方の弱点から始まる。○、形の崩れは蟻の一穴となって自軍の全体に波及していく。 |
5 |
先制攻撃 |
5/1 |
先ず攻める位置に立つ。これが勝勢を定める第一歩である。 |
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5/2 |
守るよりも先ず攻める。これが棋勢を定めて行くことであり、着手の効果をより多く発揮する所以である。 |
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5/3 |
敵の孤立せる石を先ず攻める。これが大きな効果を得ると同時に棋勢を定めて行くものである。 |
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5/4 |
敵の弱い石を攻める。これが自分の地域の守りや、自分の欠点の守りを同時に打つような効果がある。 |
6 |
攻めの継続 |
6/1 |
自分の攻める敵石は、軽く捌かせないようにしなければならぬ。 |
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6/2 |
敵に変化の余地を与えることは面白くない。 |
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6/3 |
自分の陣地へ敵が手をつけてきた場合は、なるべく敵に手段の調子を与えぬが善い。 |
7 |
戦闘回避 |
7/1 |
敵の堅いところで正面衝突することは避けねばならない。 |
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7/2 |
周囲の敵の石が強固なときは、自分の石も疵のない姿勢を作らねばならない。 |
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7/3 |
敵が好機に侵略してくる場合は、その応酬はむつかしいものであるが、まず自分の弱石の形を整えて辛抱すべきである。 |
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7/4 |
凌がなければならぬ石は一方だけ、の棋勢に導く方が凌ぎが容易になる意味がある。 |
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7/5 |
孤立している石も、その周囲の味方の石が安定してしまうと捌き易くなる。 |
8 |
積極防衛 |
8/1 |
他に大所があっても、敵から先手で利かされるところは、自分から先鞭して、敵の形の安定を妨げて行くのは機敏な作戦である。 |
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8/2 |
自分の石が攻められるに先んじ、その石に関連ある敵の石を攻めて、敵の受け方を見ることは有効である。 |
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8/3 |
一着の犠牲によって自分の態勢を整えることができれば、即ち大きな利益を得たわけである。 |
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8/4 |
利かした石は捨てよ。様子見、もたれ、捨石、凝り形。 |
9 |
白兵戦 |
9/1 |
強く戦っている場合に、一たび弛むと取り返しがつかない。 |
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9/2 |
急所への置き石。これは、後にいろいろと碁の形が変化しても、その価値はなくならない。 |
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9/3 |
駄目詰まりの形を狙え。敵の石が駄目詰まりの形になっているときこそ、最も狙い易いときである。自分の形は疵のないようにすると同時に相手の手の駄目詰まりを狙う。これが接戦の際の働きある打ち方である。○、駄目詰まりに泣かないように。 |
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9/4 |
接戦の際には手を読みきって打たねばならぬ。 |
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9/5 |
戦線離脱の手を打つことなかれ。 |
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9/6 |
死活を読み切り、不要の手は打たない。一手後れる。 |
10 |
侵分とコウ |
10/1 |
敵地に侵略して行く場合。敵の弱点を窺いつつ行けば、敵に及ぼすその脅威は大きい。 |
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10/2 |
攻めの伴う侵分は大きい。 |
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10/3 |
劫の場合、勝っても利益の少ない劫は避けねばならぬ。 |
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10/4 |
劫立てするには、打って損のない劫立てから行かねばならぬ。 |
11 |
形勢判断 |
11/1 |
すでに自分の方が形勢有利な局面に於いては、なるべく紛糾を避けて確かな手段を選ぶが善い。 |
12 |
投了 |
12/1 |
相手の単純ミスでしか逆転できない場合、投了すべきこと |