チェルノブイリ原発事故考

 (最新見直し2006.5.5日)

Re:れんだいこのカンテラ時評その169 れんだいこ 2006/05/05
 【日本は一刻も早く原子力行政から撤退せよ。これはネオ・シオニストの罠である】

 グーグル検索で出てくる「フリー百科事典ウィキペディアのチェルノブイリ原子力発電所」、「チェルノブイリ原発事故」その他を参照する。

 1986.4.26日、当時ソ連ウクライナ近郊のチェルノブイリ原子力発電所の4号炉(黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉、RBMK-1000型)が爆発し、原子力発電史上最悪の事故が発生した。

 事故から4ヶ月後の1986.8月、ソ連政府は、IAEA(国際原子力機関)に事故報告を提出したが、おざなりな被害報告とその後の対応が記されているのみで、事故原因については「運転員による数々の規則違反の類まれなる組み合わせ」という何の教訓にもならない説明でお茶を濁している。被害実態は今も明らかにされていない。チェルノブイリ事故に関する情報は機密扱いとされ今日に至っている。

 チェルノブイリ原子力発電所は、1971年に着工され、1978.5月に1号炉が営業運転を開始した。1986.4.26日1時23分(モスクワ時間)の4号炉が爆発。その後も1号炉〜3号炉の運転は続けられたが、2000年に稼動が停止されている。1886年年、当時建設中だった5号炉と6号炉は中止された。

 爆発の状況は次のように伝えられている。当時、爆発した4号炉は休止中であった。原子炉が止まった際に備えた動作試験を行っていたところ、何らかの事態発生で原子炉は制御不能に陥った。その挙句、炉心が融解、爆発したとされる。

 爆発により、原子炉内の放射性物質が大気中に大量に(推定10t前後)放出された。当初、ソビエト連邦はこの事故を公表しなかったが、翌4.27日、スウェーデンでこの事故が原因の放射性物質が検出され、4.28日、ソビエトも事故の公表に踏み切った。日本でも、5.3日に雨水中から放射性物質が確認された。爆発後も火災は続き、消火活動が続いた。アメリカの軍事衛星からも、核の火に赤く燃える原子炉中心部の様子が観察されたという。ソビエト政府によれば、5.6日までで大規模な放射能漏れは終わったとされる。

 死者はソビエト政府の発表では運転員・消防士合わせて31名だが、事故の回収にあたった予備兵、軍人、トンネルの掘削を行った炭鉱労働者に多数の死者が確認され旧ソ連時代の内部資料で確認されている被害者だけで約1万3000人、その殆どが既に放射線障害で死亡しており、さらに周辺住民の多くが死亡したと考えられている。

 最終的には4万人に達するとロシア科学アカデミーは発表したが、当時西側諸国の思惑もあり否定されて今に至り、最終的な被害者は公表されていない。また、事故によりチェルノブイリ周辺は高濃度の放射能汚染により居住が不可能になり、約16万人が移住を余儀なくされた。爆発事故による放射能汚染は、ウクライナだけでなく、隣のベラルーシ、ロシアにも及んだ。

 以上は前置きである。事故原因とその教訓を引き出すのが本サイトの役目である。本当の事故原因は何だったのか。事故から20年後、直前に「直下型地震」が発生して爆発したとの指摘が為されつつある。 ロシア地球物理学研究所のストラホフ前所長によると、事故の約20秒前に小さな直下型の地震があり、 原子炉は耐震構造ではなかったために、原子炉で爆発が起きた、と云う。

 れんだいこが思うのに、地震誘発事故であろうがテロ事故であろうが、人類は果して原発を超御する能力を有しているのか、という根源的な問いをしなければならないのではなかろうか。特に、我が日本は地震が多い。今後の政治情勢に於いてはテロの可能性も有る。

 こうした事を考慮する時、日本の原発推進政策は根本より見直されなければならないのではなかろうか。自民党タカ派勢力による一貫した原発推進は、日本の国家及び民族の融解をもたらす自殺政策ではなかろうか。こういうところに注意を喚起したい。チェルノブイリ原発事故考は、このことを検討するために意義があると考える。この国の政府とマスコミは、北朝鮮のテポドンで大騒ぎする割には、原発問題には触れない。これは不正ではなかろうか。

 ちなみに、チェルノブイリ原発一帯は現在でも立ち入り禁止となっており、原子炉は石棺で封鎖されている、と云う。しかし、その手法は恒久的な閉じ込め策ではない。石棺自体が老朽化するからである。もし石棺が崩壊した場合、放射性ダストの雲が放出されるおそれがある、と云う。恒久的な閉じ込め策について多くの計画が議論されたが、これまでのところいずれも進んでいない、とも云う。

 事故時点で炉の中にあった燃料のおよそ95%が、今もシェルターの中に留まっている。その全放射能はおよそ18000万キュリーにのぼる。この放射性物質は、炉心の破片、塵、および溶岩のような「燃料含有物質(FCM)」から成る。FCMは破損した原子炉建屋を通って流れ、セラミック状に固まっている。推定によると、少なくとも4トンの放射性の塵がシェルター内に存在する。雨水や結露水などに年間4000立方m近い水がシェルター内に流れ込んでおり、原子炉建屋内や周辺の地下水へ放射性物質を拡散している。シェルター内の高い湿度により石棺のコンクリートや鋼材が腐食しつづけている、と云う。

 れんだいこが何を云おうとしているのか。人類は未だ原発事故後の対応能力を有していないのではないか、と指摘したいことにある。化石燃料に変る効率的な燃料として原子力利用が進んでいるが、最終廃棄物の処理方法、事故後の対応に能力が追いついていない現在、比較総合すれば原子燃料は最も割高な燃料ということになりはすまいか。それをなぜ推進しようとするのか解せない。そういうことを指摘したい。

 偶然ならまだしも、ある悪意を持ってこの政策が推進されていたならどうなるのか。ここを沈思黙考はたまた喧々諤々せねばならないのではなかろうか。地震国日本は最も早く原子力行政から撤退せねばならぬのに、世界中で一番執心しているとしたら痴愚というより滑稽というより余りにも怖いというより、これは民族が罠にはめられているのではないのか。

 日本での原子力行政は、正力ー中曽根ラインが取り組み、小ネズミがこれに熱心なのは何やら臭う話ではないか。よりによって、こういうラインが靖国神社を詣でることを得手とする。愛国者ぶりをカムフラージュしたいのであろうが、愛国者は自然と愛国愛民族するもので、わざわざ売り出しするのは臭いと云うべきではなかろうか。

 れんだいこは、靖国神社は最後にはレイプされ解体ピリオッドに誘導されるのではないかと予見する。ご丁寧なことに、ウヨサヨ合体でこれを後押しするような気がする。

 ほんとはこれが云いたかった。原発行政も典型的に然りであるが、昨今の政治で片手のポケットでは財政再建、もう一方の手では米英ユ同盟に対するお供えお供えというやり方然り。万事デタラメが罷り通り過ぎていよう。何とかせんとと思うのだけれど。

 2006.5.5日 れんだいこ拝




(私論.私見)