ウェブ掲示板の共同自主管理考

 (れんだいこのショートメッセージ)
 インターネット掲示板の自主管理の動きが出始めてきた。れんだいこはこの流れを歓迎する。著作権攻めにされたり、当局司法に告訴するなどと恫喝されたり、無断リンクによる恥さらしの刑に処せられるより、ずっと生産的であろう。考えても見よう。インターネット上にHTMLのソースが公開されているが、ここには技術的なノウハウが詰め込まれている。私に手ほどきをしてくれた者は、ここから学び次第に技術を習得していったとのことである。それで良いのではないのか。インターネットが軍需用から民間へその利用が広げられたとき、全人民的共有財産としてその活用にこそ意義が認められていたのでは無いのか。

 そこへのこのこと権利猛者がやってきて、縄張りロープを張り始めている。内容を見るのにたいしたものでもないのに俺の著作権だなどと網を張り、書き手でもないのに著作権を公然主張する。あるいはまた新聞記事のように、凡そ公共性が高い故に右代表として認知され特権的に情報をしているのに、断り無く引用できるのは死亡記事ぐらいのもので、後は全部事前了承要すなどと云う社で一杯だ。それにならってか政党まで同じように権利を主張する。

 いったい、コミュニケーションを相互に豊かにするために何が護られなくてはならないのか、何が余計な規制なのかのけじめが無いではないか。あるのは欲どおしい権益思想ばかりである。我々は権利以前に対処せねばならないことがあるのでは無かろうか。自主的自律的に為し得ることがあるのでは無かろうか。なんでもかんでも権利化は悪しきそれでは無いのか。

 恐らく、この連中は、例えば列車の中での子供の泣き声が喧しいからという理由で隔離せよと平気で言い始めるに違いない。自分が成長するまでにはそうした道を経てきているというのに。きれいさっぱり忘れているのだろう。いっそのこと子供を産まなくすれば良い世の中になるとでも思っているのだろう。なるほど高齢化社会の妄執老人の戯言ではあろうが。始末の悪いことにこれに共鳴する若いもんが増え始めているのはさみしいことだ。

 2002.9.28日 れんだいこ拝


【文章マナー考】
 れんだいこ掲示板の「投稿者の皆様へ」は次のように基準を設けている。今のところこの要領で問題が発生していない。
投稿者の方へ
投稿者のマナーについて

 このHPは、ご利用者の皆様方による自由閲覧、掲示板に付きましてはフリートーキングに特徴があります。トーキングにあたっては次のことにご留意下さい。

ニシオノユウコ作

@ 簡略平易な文章  投稿者は、できるだけ判りやすく、簡略平易な文章を書くよう心がけてください。 意味のない難解な表現で一人悦に入る作風は遠慮しましょう。
A 向上意欲のある文章  投稿者は、上手に表現できなくても良いでしょう。編集部の我々も素人ですし。但し、相互のコミニケーションを取り持つサイトですから、練習と心得て上達を目指すことは良いことです。
B 論点の明確化  投稿者は、論点を明確にした文章を書くよう心がけて下さい。ここはノンタブー討議場を目指していますので、丁寧ではあるが結局何を云っているのか判らないという文章は避けましょう。
C 文意の正確な把握  投稿者は、議論に入るに当たっては、前投稿者の文章の全体の意味をできるだけ正確に把握した上でRE投稿して下さい。相手の方の文意を故意に曲解させた上で批判する常套芸がありますが、ここでは厳に戒めましょう。
D 誹謗中傷の排斥  云いまわしとしての美辞麗句、揶揄、皮肉は文章技術の一つとして構いませんが、相手を単に誹謗する目的で使用することは慎みましょう。
E 議論外解決の阻却  当サイトでの議論を怨念化させたり、暴力的追求を為す恐れ又は傾向のある方は利用をご遠慮下さい。お互いのコミニケーション能力を高めるという観点から利用しましょう。いかなる事情があろうとも言論の場であるという原点を大事に致しましょう。
F 私事漏洩の嗜み  当サイトでは、論点の内容と無関係なプライバシーに関わる内容の漏洩を忌避します。その他公序良俗に反する内容も同様です。単なる不平不満は論を盛り上げる観点からの場合のみ認められるかと思います。これは結局個々のその人の判断になるかと思われます。


【削除基準考】
 こたび「JCPウオッチ」が掲示板の自主管理に向けての合意則を問うている。この間の経験から学んだ実践的な教訓化が随所に見られており、傾聴に値するように思われる。れんだいことあたみぃ氏が共同管理する「左往来人生学院」、「居酒屋」板にはまだ発生していない諸点もあり参考としたいように思う。

 この流れこそ我々が続いていく道であろう。以下がその一文である(段落替え等の編集はれんだいこが任意にしております)。


JCPW運営ルール 9.25初稿  管理人(0
 かって「JCPW」という巨大掲示板があり、そこでは次のような「マナーとルール」がうたわれていた。これを転載しておく。
 管理人です。

 活発なご意見、ありがとうございます。ご意見を参考にさせていただきながら、これまで明文化されていなかった点を中心に、「運営ルール」をまとめました。ご一読の上、ご意見・アドバイスなど頂ければ幸いです。#長いですので、時間がない方は途中の(3)からお読みください。
(1)インターネットの社会的認知度の高まり/言論の自由と個人の権利の両立に向けて
 インターネット・ユーザーが爆発的に増大し、社会的に認知されたメディアへと変容するなかで、インターネット上での「言論の自由と個人の権利」をどう両立させるかが改めて問われています。「(通称)プロバイダ責任法」が施行され、それに対応する(社)テレコムサービス協会による「プロバイダ責任法に関するガイドラインの公表http://www.telesa.or.jp/01provider/index_provider_020524.htm」があり、現在係争中の「谷澤動物病院」事件のような、投稿者だけでなく掲示板設置者の管理責任も認定した判例も現れました。

 全ての投稿がテーマに基づき、吟味され、相手の考えを尊重し虚心に斟酌した上でなされるのが理想ではありますが、議論の中でどうしてもヒートアップは避けられないものですし、またこうした真摯で練り上げられた議論のほかに発言へのちょっとした感想や近況報告・雑感などがあるからこそ、掲示板もにぎやかに楽しく生き生きとしたものとなるのではないでしょうか。
(2)JCPWの現状と課題
 さて、JCPWは「日本共産党および社会問題全般」をテーマに、「議論するに値する投稿(テーマ・内容・スタンス・表現…)を相互に深めあうこと」が目的が目的です。この掲示板を設置して4年強になりますが、ここでも時折「名誉毀損」「誹謗・中傷」にも取れる投稿があり、それへの対処をどうするかが都度論争になります。時には管理者へ「削除依頼」も寄せられます。

 この場合への対処ですが、一般論では以下の3パターンです。
(1)依頼人から「削除しろ」と言われたものは必ず削除する
(2)管理人(単数、もしくは「運営委員」のような複数)が中立的な立場で判断し対処
(3)一切削除しない

 すべての投稿はその投稿者のもので(も)あります。(1)を採った場合はどうでしょう。確かに申立人の思いと「権利」は守られますが、投稿者の発言権が保証されず、また、闊達な論議ができなくなる可能性があります。(3)の場合はどうでしょうか。(1)とは逆に、発言権は保証されども申立人不在になってしまいます。

 では、(2)の場合、その基準をいかに定めるべきでしょうか。その前に、「問題投稿」には2種類あると考えます。

 ひとつは、明らかな違反投稿です。秘すべき個人情報(プライバシー)の暴露、人種・民族・出自等による差別発言、現在当掲示板に参画していない人物に対する誹謗・中傷などについての対処をどうするかは、明確にジャッジすることができます。

 もうひとつは、論争の中でのヒートアップです。これに対しては、単純なことばづかいの問題だけではなく、文脈の中における質、程度を捉え判断しなければならないと考えますが、「何が誹謗中傷・名誉毀損に当たるのか」は、投稿者/閲覧者、言った方/言われた方それぞれにより解釈に相違もあるのは当然です(「誹謗中傷はやめましょう」には総論賛成、しかし、各論になると「範囲内」「程度を越えている」と分かれます)。そこで、「管理者が価値判断を下せ(そして警告・削除を行うべきだ)」と求められることになります。

 そこで下したジャッジが納得できれば良し、そうでなければ、延々と「何故削除しないor何故削除した」と続くことになります。
<ここからが具体的な方針提起になります>
(3)JCPWは「自治」を原則とする
 そこで、これまでの掲示板の歴史から、下記のルールを明文化したいと思います。
JCPWは「自治」を原則とする掲示板であり、参加者は討論参加の条件として「掲示板上のトラブルは原則として自己責任による当事者で解決する」ことを了承の上で参画するものとする。

 前記後者の「論争のなかでのヒートアップ」は、参加者それぞれの責任のもとで、掲示板上でのやりとりで昇華していくよう、対処をお願いします。繰り返しになりますが、JCPWは「議論するに値するテーマの投稿(内容・スタンス・表現…)を相互に深めあうこと」が主目的です。仮にあなたの投稿に対する発言が「論議以前の悪罵」でしかないと取れたら、それをきちんとした論議にできるよう、相手を導き育ててください。もしくは、(たいへん残念ではありますが)「取り合わない」というのも、それ(成長)を促すまた一つの手段です。

 「私の正しい意見」を表明するには、掲示板ではない別の媒体が適しています。多種多様な人格と異なる意見をやりとりするのが掲示板の目的です。「自治」の原則のもと、「相手の意見は否定しても相手の人間性と人格とを尊重する」というスタンスで、参加者相互(管理人も含む)が論議を通じて成長することを目指してください。前向きで、参加しやすい場づくりに、共に関わってほしいということです。

※なお、「発言は自己責任で」の物理的裏付けとして、当掲示板では投稿者のIPアドレスを記録することで誹謗中傷の「書き逃げ」「言い逃げ」的なものを未然に防止しようとしています。
(4)削除依頼について
 なお、「JCPWは「自治」を原則とする掲示板であり、参加者は討論参加の条件として「掲示板上のトラブルは原則として自己責任による当事者で解決する」ことを了承の上で参画するものとする」という前提のもとでも、どうしても看過できないような面が出てきた場合について、削除・警告依頼の具体的な手続きを下記の通り定めておきます。
A.掲示板上ではなく、削除依頼ボード(仮称)への投稿(申し立て)を行う
原則本人。もしくは本人了解のもとに代理人。
性質上、非公開が望ましい場合は管理人への直メールwebmaster@jcpw.site.ne.jpで行う。
掲示板がこのやりとりを巡って不毛に荒れることを防止するために別板とします。
B.管理人を責任者とする運営委員会(仮称)で、申し立ての是非について論議する。運営委員会(仮称)では、下記の基準で論議・検討する。
(1) 社団法人テレコムサービス協会の「プロバイダ責任法名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」(平成14年5月24日)をデフォルト(default:暗黙の了解)とする。
(2) 上記ガイドラインの「対抗言論の成立」概念および、当掲示板参画の前提とした「掲示板上のトラブルは原則として自己責任による当事者で解決する」ことを念頭に、申し立てについて是非を検討する。
(3) 具体的には、投稿・発言者側の権利にも留意しつつ、
i. 当事者による直接の反論や論議全般の流れで解消できないものなのか。<対抗言論の成立(の可能性を含む)可否を重視する>
ii. 一方性・反復性はどうか〜申立者が事態を沈静化させるために真摯な姿勢で再三の反論や「無視」を行っているのにもかかわらず、一方的な攻撃が反復されていないか〜
iii. .第三者から見て真実と受け取られるおそれがあるのか否か
等の観点から行う。故に、ヒートアップを煽るような口調で相手に接しながら、言葉尻を捉えるような「申立」には取り合わない。
C.削除依頼ボード(仮称)への回答と対処。申立人は、運営委員会(仮称)の回答・対処に無条件に従うものとする。
<補記>運営委員会について
 具体的には決まっていませんが、・責任者は管理人(当方) ・Webにより委員を広く公募 ・応募者のなかから管理人が選出(委員会発足後は委員会既存メンバーの一致により) ・運営、論議はMLで ・当方以外のメンバーは原則非公開。希望者はオープンにしても良いという考えです。

 なお、ここで「運営委員会に無条件に従う」という強い措置を打ち出しているのは、あくまでも参加者同士のトラブルに対して、「参加者は討論参加の条件として「掲示板上のトラブルは原則として自己責任による当事者で解決する」ことを了承の上で参画している」から」を前提にしています。

 運営ルール補足2「掲示板管理人の方針に従えない方は、申し訳ありませんが書き込みをご遠慮下さい」とありますが、どうしても運営委員会の方針に従えない場合も出てくると思います。意見を保留しつつ継続参加して頂ければありがたいですが、参加を取りやめる場合も出てくるかと思います。その場合は、「参加者同士のトラブル」という前提が崩れますので、また別の基準で、削除依頼を検討し直すことになります。

Cf. 「2ちゃんねるの谷沢動物病院事件」同様の事件がJCPWで発生したら?
…JCPWでは単純削除にあたる。但し、「匿名名無しさん」ではなく、投稿者のAさんが具体的事例を元に同様の発言をしたとすると、「対抗言論の成立の有無」を判断の上、削除となる。
(補記)ハンドルネーム(あだ名)の使用について
 コンセンサスが得られましたので、運営規定「補足8」として、下記のように付記いたします。
「ハンドルネームは実名と同様に尊重する」
原則として呼び捨てを避け、「さん」「氏」「先生」などの敬称をつけること。ハンドルネームを実名同様尊重するという立場から、「・・・なるもの」「・・・なる偽名氏」という呼称は避けること。

 最後に、この「めだか」さんの発言を、もういちどお読み頂き、今後ともおつきあいを頂ければ幸いです。

 めだか(02/9/5 19:08)
 またROM生活に戻ろうと考えているのですが、最後に一言。感情のみが先行した表現や、あまりに現在の党員の心象と合致しない表現・論点によるネット上の党批判をプリントしネット上の論議の無意味さを会議で主張するとある比較的上級機関の幹部がいたことを私は知っています。もし共産党を心底批判したい方なら、そのような用途にご自分の発言が利用されることは本意ではないでしょう。是非ともこのともこのサイト設置の趣旨に則り、建設的な論議をされんこと。
 有意義な論議にしていけたらと思います。以上です。お読み頂きありがとうございました。掲示板投稿規定&運営ルール・99.06.01 初版/02.09.30 第3版)


【ハンドルネームの騙りをどうするか考】
 これはれんだいこが体験したことだが、投稿した事のないレス文が「れんだいこ」名で為されている。内容は他愛ないものであるのでどうってことは無いのだが、もしこれが政治的な見解のところでやられたら閉口することになる。「名無し」とかの共有するハンドルネーム名もあり、それはそれで使いようがあるようである。但し、いわば思い入れのあるハンドルネーム名の場合、相互に尊重した方が良いのではなかろうか。これをいわば人格権というのかと思うが、著作権に拠らずとも掲示板の共同的自主管理で解決すべきと思われる。

 2002.10.19日 れんだいこ拝




(私論.私見)