古今和歌集

 更新日/2022(平成31.5.1栄和改元/栄和4)年.3.20日



【勅撰和歌集「古今和歌集」】
 第60代の醍醐(だいご)天皇の御代に、勅命(天皇の命令)で紀貫之(きのつらゆき)らが和歌集の編さんを命ぜられました。これが「古今和歌集」です。小野小町(おののこまち)や在原業平(ありわらのなりひら)らの六歌仙(ろっかせん)と言われる歌人の名作が収録されました。ちなみに、勅命によって作られる和歌集のことを「勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)」と言い、「古今和歌集」もその1つです。
 「古今和歌集」の序文。仮名序(かなじょ)という仮名文字で書かれている。
 やまとうたは、人のこゝろをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける。よの中にあるひとことわざしげきものなれば、心におもふ事を、みるものきくものにつけていひいだせるなり。はなになくうぐひす、みづにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるものいづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずしてあめつちをうごかし、めに見えぬおにかみをもあはれとおもはせ、をとこをむなのなかをもやはらげ、たけきものゝふのこゝろをもなぐさむるはうたなり。
 大和歌は、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。世の中にあるひとことわざしげきものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて云ひいだせるなり。はなに鳴くうぐひす、水に住むかはづの声を聞けば、生きとし生けるものいづれか歌を詠まざりける。力をも入れずして天地(あめつち)を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれとおもはせ、男(をとこ)女(をむな)の仲をも和らげ、猛きものゝふの心をも慰むるは歌なり。







(私論.私見)