「政党」考

 白川静「常用字解」(平凡社、2800円)




【「政党=Party」考】
 英語で言う政党=Partyの語源は部分=Partである。政党とはもともと部分ということになる。一党で国民全体を御することは出来ない。政党政治は、この「部分原則」の上に成立している。これをしいて一つに纏めようとすれば一党独裁の強権政治となる。独裁政治はうまく機能すれば議会政治よりも能率的という一面がある。しかし、独裁政治がうまくいかなかった場合は悲劇となる。この点で、この部分と部分が対立しつつ調整していく政党政治に良さがある。パーティーとパーティーの対立と交替によって政治が前進する。

 問題は、パーティー内のパーティーつまり派閥である。派閥は「党中の小党」と云える。これも又パーティーの一種と考えれば、政党が存在する限り派閥もまた存在すると考えられる。政党はこの派閥によって前進し発展するとも考えられる。但し、派閥闘争が行き過ぎると、党そのものが分裂し崩壊する。派閥を発生させるものは、利害関係と政権欲だと言われているが、当然政策派閥ともなる。政治的諸情勢に対する判断の対立から個々の政策をめぐる対立という要素もある。





(私論.私見)