「革命、易姓、回天」考

 白川静「常用字解」(平凡社、2800円)



【革命】

 易経は中国の約2千年前に確立されたもので、八卦の原典となる。本来は占いの書であるが、哲学書としての面もある。この易経の「革」の卦のところの1節に「湯武革命、順乎天而応乎人。革之時、大牟哉」とあり、次の意となる。殷の湯王・周の武王はどちらも前の王朝を打倒して新しい王朝を樹てた人物であるが、革命すなわち天の命を革(あらた)めることによって、天道に従い人心に応ずることができたのである。かく考えれば革の時は偉大なことではある。

 王統、あるいは政権の交代を「革命」と呼ぶことはここから始まった。この思想は、儒教の中心思想の一つとして我が国にももたらされた。

 明治維新以後、欧米思想が輸入されたが、この時Revolutionという英語訳として革命が充てられた。






(私論.私見)