日本語の擬音語、擬態語考 |
(最新見直し2015.03.30日)
【「擬音語、擬態語」考】 |
日本語の特長として擬音語(擬声語、Onomatopeia)、擬態語(Mimesis)の容易さ、これによる豊富さがある。擬音語(擬声語、Onomatopeia)とは、「バタンとドアが閉まる」の「バタン」、「犬がワンワン鳴く」の「ワンワン」のような、日本人が聞こえる音や声をそのまま言語表現したものである。通常カタカナで表記される。擬態語(Mimesis)は、「ぐっすり眠る」の「ぐっすり」、「きらきら星」の「きらきら」のように、人や物の様子を表す言葉で、本当は音や声を出さないけど、その状態を音によって象徴的に表している言葉である。平仮名でもカタカナでも表記される。擬音語(擬声語)と擬態語の多いことが日本語の特徴であり、これらを上手に使うことにより日本語がとても豊かに表現ができるようになる。
金田一・氏は、「擬音語・擬態語」を、その意味から細かく5つに分類して以下のような名前をつけました。まず音を表すもののうち、人間や動物の声を表す「擬声語」と、自然界の音や物音を表す「擬音語」に分けました。次に、音ではなく何かの動きや様子を表すもののうち、無生物の状態を表すものを「擬態語」、生物の状態を表すものを「擬容語」とし、そして最後に人の心理状態や痛みなどの感覚を表すものを「擬情語」としました。以下がそれぞれの語例です。 「擬声語」:わんわん,こけこっこー,おぎゃー,げらげら,ぺちゃくちゃ等 ある一つの語が、この5つの意味的な分類のうち2つ以上の意味分類にあてはまる場合があります。例えば「どんどん」は,「太鼓をどんどん叩く」というときには太鼓という物の音を表す擬音語である、「日本語がどんどん上手になる」という文では、物事の様子を表す擬態語として使われている。また、「ごろごろ」という語は、この5つの意味的分類のすべてにあてはまる意味を持っています。例えば,「猫がごろごろのどをならす」は擬声語、「雷がごろごろ鳴る」は擬音語、「丸太がごろごろ転がる」と言えば擬音語&擬態語であるが、「日曜日に家でごろごろしている」の場合は擬容語になる。「目にゴミが入ってごろごろする」という用法は擬情語である。このように、一つの語がたくさんの意味と用法を持つことがあるというのも日本語の擬音語・擬態語の特徴だと言える。参考文献:金田一(1978)「擬音語・擬態語概説」浅野編『擬音語・擬態語辞典』所収角川書店 |
文科省文法では、「擬音語はカタカナ、擬態語はひらがな」で書くべしとされているようである。これに従えば、「星が*きらきら/キラキラ*している。犬が*わんわん/ワンワン*ほえた。うさぎが*ぴょん/ピョン*とはねた。さて正しい方はどっち」と云う設題で、星は「きらきら」、犬は「ワンワン」、うさぎは「ぴょん」が正しいということになる。 しかし、れんだいこ文法ではそういう縛りはないので設題そのものがナンセンスと云うことになる。「擬音語と擬態語のカタカナ、ひらがなの使い分け」は前後の文意と文調による。ある時にはカタカナが、ある時には平仮名が適切ということになり、設題のような問いは国語教育上、百害あって一利ない邪道と云うことになる。「擬音語と擬態語による日本語の豊かさ」を味わうべきで、無理矢理に難しくされることで日本語嫌いにさせられるのはケシカランと云うべきだろう。 |
ぱくぱく♦むしゃむしゃ♦こてんこてん♦けちょんけちょん♦かさかさ♦からから♦ゆらゆら♦ゆさゆさ♦しわくちゃ♦くしゃくしゃ♦きっぱり♦はっきり♦たんまり♦たっぷり♦どっさり♦げたげた♦けらけら♦ふらり♦ひょっこり♦ぶすり♦ぐさり♦いじいじ♦うじうじ♦ずっしり♦どっしり♦どっかり♦さっぱり♦あっさり♦すっきり♦ばたばた♦どたばた♦へとへと♦くたくた♦びしょびしょ♦ぐしゃぐしゃ。 |
あっさり♦いらいら♦うっかり♦うろうろ♦うんざり♦がたがた♦がっかり ♦がやがや♦からから♦がらがら♦がんがん♦ぎっしり♦きちんと♦きっちり♦きっぱり♦きらきら♦ぎりぎり♦くすくす♦ぐずぐず♦ぐっすり♦ぐっと♦くるくる♦ぐるぐる ♦げっそり♦げらげら♦ごちゃごちゃ♦こっそり♦ころころ♦ごろごろ♦ざあざあ♦さっさと♦さっと♦ざっと♦ざらざら♦さらさら♦しっかり♦ じっくり♦じっと♦じろじろ♦すっかり♦すっきり♦すっと♦すらすら♦ずらり♦ずるずる♦そっくり♦そっと ♦そろそろ♦ぞろぞろ ♦たっぷり♦だぶだぶ♦ちゃんと♦つるつる♦どきどき♦どっと♦どんどん♦にこにこ♦にやにや♦ぬるぬる♦ねばねば♦のろのろ♦のんびり♦はっきり♦ばったり♦はっと♦ぱっと♦ばたばた ♦はらはら♦ばらばら♦びっくり♦ぴかぴか ♦ぴったり♦ふっくら ♦ふと♦ふらふら♦ぶらぶら♦ぶるぶる♦ぺこぺこ♦ぺらぺら♦ぼうっと♦ほっと♦ぼろぼろ♦ぼんやり♦むかむか♦めちゃくちゃ♦もりもり♦ゆっくり♦よろよろ♦わくわく |
いろいろな音・声。がたがた♦がやがや♦からから♦がらがら♦がんがん♦ぎりぎり♦ぐずぐず♦げらげら♦ころころ♦ごろごろ♦ざあざあ♦さらさら♦ざらざら♦だぶだぶ♦つるつる♦どきどき♦どんどん♦ばらばら。 物の動きや様子。がたがた♦からから♦がらがら♦がんがん♦きちんと♦ぎっしり♦きっちり♦ぎりぎり♦きらきら♦ぐっと♦くるくる♦ぐるぐる♦ごちゃごちゃ♦ころころ♦ごろごろ♦ざあざあ♦さっと♦ざっと♦さらさら♦ざらざら♦しっかり♦すっきり♦ずらり♦ずるずる♦そっくり♦たっぷり♦ちゃんと♦つるつる♦どんどん♦ぬるぬる♦ねばねば♦のろのろ♦ばたばた♦はっきり♦はらはら♦ばらばら♦ぴかぴか♦ぴったり♦ふっくら♦ぶらぶら♦ぺこぺこ♦ぺらぺら♦ぼうっと♦ぼろぼろ♦めちゃくちゃ♦ゆっくり 。 人や動物の動きや様子 。あっさり♦うっかり♦うろうろ♦がたがた♦がやがや♦からから♦がらがら♦がんがん♦きちんと♦きっぱり♦きらきら♦ぎりぎり♦くすくす♦ぐずぐず♦ぐっすり♦ぐっと♦げっそり♦げらげら♦ごちゃごちゃ♦こっそり♦ころころ♦ごろごろ♦さっと♦ざっと♦さっさと♦さらさら♦しっかり♦じっくり♦じっと♦じろじろ♦すっきり♦すっと♦すらすら♦ずるずる♦そっくり♦そっと♦そろそろ♦ぞろぞろ♦たっぷり♦だぶだぶ♦ちゃんと♦つるつる♦どっと♦どんどん♦にこにこ♦にやにや♦ぬるぬる♦のろのろ♦のんびり♦はっきり♦ばったり♦ぎっしり♦ぱっと♦ばたばた♦はらはら♦ばらばら♦ぴったり♦ふっくら♦ふらふら♦ぶらぶら♦ぶるぶる♦ぺこぺこ♦ぺらぺら♦ぼんやり♦ぼろぼろ♦もりもり♦ゆっくり♦よろよろ。 人の感覚や気持ち 。あっさりいらいらうっかりうんざりがっかりさっぱりさらさらざらざらしっかりじっくりじっとすっかりすっきりすっとつるつるどっとどきどきねばねばのんびりはっきりぱっとはらはらびっくりふとぼうっとほっとぼんやりむかむかわくわくフラフラ(揺れている様子)、ブラブラ(空中で何かが揺れている様子)、ブランブラン(勢いよく空中で何かが揺れている様子)、しとしと(雨が弱く降る様子)。 |
(私論.私見)