(回答先: 天皇に成る爲の極めて重要な行法。祝(はふり)の神事 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2006 年 11 月 05 日 07:20:37) |
徳間書店刊 高橋良典氏著「太古・日本の王は世界を治めた」
一九九四年(平成六年)八月三十一日初刷 |
はじめに |
ロスチャイルド財閥が日本の神代文宇に暴常な關心を示してゐる!?
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一九九〇年十一月初め、 私は虎ノ門の瀟洒(しようしや)な喫茶店で一人の女性と會つた。彼女の名を今此處で明かすことはできない。ただ、限りなく私の探究心をかきたてる謎の人物である、とだけいつておかう。何故なら、私は彼女の口からある不思議な事實を告げられ、それまで二十年間私の調べてきた事が、私白身も知らない重大な意味をもつてゐる事に氣づいたからだ。
彼女は今から五十年以上前に、滿州(現支那・東北三省)各地を旅行して數奇な體驗をした。そして、戰後は東京のホテルオークラや上海、ニューヨーク、巴里の高級ホテルを轉々として一人で暮らし乍ら、各國政府の要人やグローバル・カンパニーのトップたちと幅廣い交友關係をもつて今日に至つてゐる。小柄できやしやな身體つきだが老いを見せない美貌、大きな瞳のうちに激しい氣性を祕めてゐる事を感じさせ、きりつとした口もとに竝々ならぬ意志の強さがうかがへるその女性は、かう語り出した。
「私は死ぬ前にこれまでに經驗したいろんな出來事を誰かにお話しして、一册の本にまとめたいと思つてゐます。あなたは私がこれからお話しする事に興味があるかしら・・・・・・」。 |
彼女と私が虎ノ門で會ふことに成つたのは、 一人の共通の友人を介してである。彼女は私が伊勢神宮に傳はる"神代文字" ― 詳細は本文に後述するが、漢字傳來以前の日本にあつた古代文字の總稱 ― に詳しい事を友人から聞いて接觸してきたやうである。彼女は、かう續けた。
「あなたは以前英吉利のエドモンドに會つた事があります? 實は彼は私の遠い親戚なんですのよ。その彼がつい最近、私にアヒルクサ文字(後述する神代文字の一種)の資料を送つてほしいと云ふのです。彼の顧問をしてゐるブライアンは、ノーベル賞級のりつぱな物理學者ですけれどもこのアヒルクサ文字に非常に興味をもつてゐて、エドモンドにもつと詳しい情報を手に入れたはうが好いと進言したさうです」。 |
「ほおつ。それで具體的に何が必要なのですか」。私には英吉利・ロスチャイルド家の當主エドモンドが、なせ日本の神代文字に興味を示すのか解せなかつた。然し、ロスチャイルド家の人間が神代文字の資料を集めてゐる事は、別のルートの情報からも明らかだつた。聞くところによれば、私が彼女と會ふ何年か前、東京・原宿にあるコンピュータ・ソフトのメーカーがアヒルクサ文字のソフトを凡そ二千本つくつたと云ふ。私白身はそのソフトの實物を見た事はない。が、それらは歐米に輸出されて、一つ殘らず賣れてしまつたと云ふのだ。日本ではぼとんど誰も買ふはずのないそのやうなソフトをメーカーが製作した事自體とても信じられない事だが、それをまた歐米の研究者がただちに贖入したと云ふのも奇妙な話である。私は思つた ― おそらくそのソフトは今、亞米利加を中心に卷き起こつてゐる猛烈な古代文字解讀ブームの最中に、このブームを演出してゐる國際ユダヤ(注1)のプロデューサーが日本の古代文字 ― 神代文字に注目して發注したものに違ひない、と。それにしても、彼らは一體なにゆゑに、この時期に日本の古代文字に熱い視線を投げかけ始めたのか。ともかく、更に彼女から次のやうなロスチャイルド家の意嚮を聞かされ、私は内心とまどひを覺えた。 |
四國・劍山には"世界の王のしるし"が眠つてゐる!? |
「ブライアンの云ふところによれば、日本のアヒルクサ文字は宇宙エネルギーのさまざまな波動状態を視覺化したものらしいの。そのアヒルクサ文字が大地に刻まれたところには、宇宙エネルギーにかかはる何かの祕密が隱されてゐるらしいのよ。あなたはもう四國の劍山の話はご存じ?」。 「ええ、戰前に言靈學(注2)の大家として知られた高根正教と云ふ人が、『"ソロモンの祕寶"は此處にある』と云つて陸軍の大物を動かして發掘調査させたあの場所のことですね」、「そのとほりよ。今、ロスチャイルド家は四國の劍山に大變興味をもつてゐて、毎年五月に關係者を劍山の祭事に出嚮させてゐるのよ。ソニーの盛田さんのところでもこの時期、劍山に社員を派遣してゐるらしいわ」。
私は彼女の口から劍山へ嚮かふ國内・海外の重要人物の名を次々に聞かされるに及んで、ことの眞相はきはめて重大である事に氣つかざるをえなかつた。彼女は日本の神代文字のことを殆ど知らなかつた。そのため、神代文字の智識を身につける事がどれほど豫想もしない結論を私たちに齎すか見當もつかず、無邪氣にロスチャイルド家の意嚮と其の周邊事情を私に話してくれたのだ。
けれども、私は彼らが此のやうに熱心に日本の神代文字を學ばうとしてゐる背景には、彼らがこれまで探し求めても得られなかつた何かを手にする鍵が其處に祕められてゐる事を既に察知した形跡かあると思つた。その何かとは、云ふまでもなく"ソロモンの寶"のことである。ユダヤの傳説によれば、その昔ソロモン王はユダヤの神ヤハウェから、世界の王のしるしと成る品々を授かつたと云はれる。それは"賢者の石"とか"イスラエルの石""テラピム"と呼ばれ、『聖書』の「出エジプ卜記」(注3)の時代にヘブライ人がもつてゐた"三種の神器"に匹敵するものだとも云はれる。その"ソロモンの寶"は三干年前にエルサレムの神殿からどこかへ持ち去られ、行方不明と成つてゐる。そしてユダヤの傳説は、「このときから神の榮光がイスラエルより去つた」と傳へてゐる。が、"ソロモンの寶"を再び手に入れた曉には、イスラエルの王が世界の王としてこの地球上に君臨する事が豫言されてゐると云ふのだ。 |
"隱蔽された地球史"が今、明らかにされる! |
私は"ソロモンの寶"を再發見する鍵が日本の古代文字=神代文字にある事を知つて、神代文字の情報をすべて彼女に話していいものかためらつた。これまで日本の皇室や伊勢神宮と云つた由緒ある神社が、日本固有の文字を否定する學者たちに同調するかたちで隱してきた神代文字の祕密を、やすやすと外國人に知らせても好いものだらうか…・。私は彼女の無邪氣な申し出の背後にある大きな意圖を感じ取ると、資料をそろへるには時間がかかる事を告け、再會の約束をして別れた。然しその後、彼女から何囘もすてきな"誘惑"を受け乍ら、すべてをなりゆきにまかせるだけの時間のゆとりがなかつた。私は印度やネパール、パキスタンへの相次ぐ調査で多忙だつたのだ。その結果、私は"ソロモンの寶"、いや實際には後述する"太古日本のカラ族の祕寶"がどこにあるかを探し當てた。
此處でお斷はりしておかうと思ふが、本書は決して夢物語の寶探しを記したものではない。本書を手にとられ、此處まで讀まれた方のおそらく大多數が、ロスチャイルドの登場はともかく、「宇宙エネルギーのさまざまの波動状態を視覺化した文字」「ソロモンの寶」「世界の王のしるし」などと云ふ言葉に眉をひそめられた事だらう。然しそれらは單に、ある驚異の事實が傳承され變形されて表はれた言葉なのである。私の"旅"はその變形を正し、"眞實"を再構築するためのものであつた。そして發見しえた"太古カラ族の祕寶"は慥かにすばらしいものだが、それより驚くべきものは"隱蔽された地球史"の存在である。私たちは今、"太古日本の失はれた眞實の歴史"を知らなければならない。時がきたら明らかにし度い、早く彼女に會つて話したいものだと云ふ思ひに驅られ乍らも果たせなかつた事 ― それが本書には書かれてゐる。どうか最後までじつくり讀んでいただきたい。
一九九四年七月吉日 高橋良典
(注1)
租國をもたずシオニズムにコミットメントする一群の總稱。亞米利加を中心に數百萬人がゐるとみられ、巷の猶太陰謀説にとりあげられる事が多いが、まとまつた組織體としての活動があるとはみられてゐない。
(注2)
祕教で云ふアートマ、神道に於る奇魂(くしみたま)が"言靈"であり、言葉は靈の意志を運ぶ媒體エネルギーであるとする考へ方。
(注3)
十戒で有名なモーゼの物語を扱つたものが「出エジプト記」であり、聖書研究者による年代では、紀元前十三世紀の事とされる。 |