
(最新見直し2006.5.22日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
漢字の部首の語義を知りたくなったので検証しておく。「漢字の部首」その他を参照する。漢字は概して部首よりなる義符と発音からなる声符から成り立っている。これにより、義符配列と声符配列に違いがもたらされることになる。他に筆順があり、これも習熟せねばならない。これらをマスターすると、非常に便利な文字であることが理解できるようになる。
2006.12.26日 れんだいこ拝 |
【漢字の部首の7構成】 |
漢字の部首は、1・偏、2・旁(つくり)、3・冠(かんむり)、4・脚(あし)、5・垂(たれ)、6・繞(にょう)、7・構(かまえ)から成る。次のように説明できる。
部首 |
読み |
定義 |
例 |
偏 |
へん |
左側に位置する象形字 |
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旁 |
つくり |
右側に位置する象形字 |
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冠 |
かんむり |
上側に位置する象形字 |
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脚 |
あし |
下側に位置する象形字 |
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垂 |
たれ |
上から左下にたれさがっている象形字 |
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繞 |
にょう |
左から下に、偏と脚を合わせたような象形字 |
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構 |
かまえ |
まわりをかこんでいる象形字 |
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- あみがしら(よつがしら/よこめ):「置」「罪」「署」など。網の意味を表し、派生して刑罰を司る意味を表す。
- あなかんむり:「空」「窓」「究」など。穴や空間に関わる意味を表す。「うかんむり」を含んでいるが、全く別の部首である。常用漢字は 8。
- 常用漢字: 究 空 突 窃 窓 窒 窮 窯
- 主な表外字: 穿 窄 窘 窟 窪 窺 竄 竈 など
- おいかんむり:「考」「老」など。老人に関する意味を表す。教育漢字のみ。
- なべぶた・けいさんかんむり:「京」「交」「亡」など。分類のために考えられた冠で、特に意味は持たない。
- はつがしら:「発」「登」など。字数は非常に少ない。
- かみがしら:「髪」「髭」など。髪、髭に関する意味を表す。
- とらがしら:「虐」「虚」「虎」など。虎に関する意味を表す。教育漢字はゼロ。
主な脚
- こころ:「恋」「想」「悲」など。心に関する意味を表す。常用漢字数は 34 で、代表的な脚。
- 常用漢字: 応 忌 志 忍 忘 忠 念 急 思 怠 怒 恩 恐 恵 息 恋 悪 患 悠 悲 惑 意 感 愚 慈 愁 想 態 慰 慮 憩 憲 懇 懲 懸
- 主な表外字: 忽 怨 悉 惹 惣 慫 慂 困 憊 憑 懣 など
- れんが (連火)/れっか (列火):「熱」「焦」「照」など。火に関する意味を表し、特に調理に関する意味が多い。
- 常用漢字: 点 烈 煮 焦 然 無 照 熟 熱
- 主な表外字: 焉 烹 煎 熊 燕 など
- したごころ:「恭」「慕」「忝」など。精神や思考に関わる意味を表す。「心」の部に属する。
- さら:「盤」「盆」など。底の平べったい器に関する意味を表す。字数は決して多くないが、代表的な脚の一つ。
- ひとあし(にんにょう):「兄」「元」「免」など。人間に関わる意味を表す。ただし、人の部には含まれない。
- いわく (ひらび):「書」「替」など。親字は「曰」。「日」の部とは異なり、また「日」の部の字との区別が紛らわしい。
- かい (こがい):「貨」「買」「賃」など。かいへんと同じで、お金に関する意味を表す。常用漢字数で 20
と、脚の中ではかなり多い方だが、知名度は今ひとつ高くない (脚としてあまり認知されていない)。
- 常用漢字: 貞 負 貢 貨 貫 責 貧 賀 貴 貸 買 費 貿 資 賃 賛 質 賞 賓 賢
- 主な表外字: 貪 貰 賽 贄 贅 贋 など
- こまぬき (にじゅうあし):「弊」「弁」など。
- まいあし:「舞」など。
- したみず:「泰」など。
主な構
- もんがまえ:「開」「間」「関」など。門に関する意味を表す。構の中では最も字数が多い。常用漢字は 9。なお「問」「聞」は含まれない。
- 常用漢字: 閉 開 間 閑 閣 関 閥 閲 闘
- 主な表外字: 閂 閃 閊 閏 閤 閾 闇 闊 闖 など
- くにがまえ:「国」「囲」「園」など。まわりを囲む意味を表す。常用漢字は12で構の中では最も多い。
- 常用漢字: 四 囚 因 回 団 囲 困 図 固 国 圏 園
- はこがまえ(ホウ)・かくしがまえ(ケイ):「区」「匿」「匹」など。隠す意味を表す。元々、「はこがまえ」(匚)と「かくしがまえ」(匸)は異なる字体、異なる部首であったが、今日では区別不可能なため、一緒に数えられることが多くなった。
- 常用漢字: 匠 区 匹 医 匿 (うち、匠のみ『はこがまえ』)
- ぎょうがまえ・ゆきがまえ:「街」「衛」「術」など。道に関わる意味を表す。「ぎょうにんべん」には含まれず、独自の部首である。
- 常用漢字: 術 街 衝 衛 衡
- 表外字: 衒 など
- けいがまえ(どうがまえ):「円」など。なお、「どうがまえ」という呼び名は「同」という字からだが、「同」は口の部に含まれる。また、辞典によっては「内」を含める場合もある。
- ほこがまえ(かのほこ):「戎」「戒」など。戦に関する文字が見られる。
- きがまえ:「気」など。比較的メジャーな構だが、日常で用いられる漢字は「気」ぐらいである。また、中国では気体元素のために作られた漢字が多数見られる。
- とうがまえ・たたかいがまえ:「鬨」など。戦に関する字が集まる。常用漢字はゼロ。なお、たたかいがまえという読みは「闘」の旧字体、「鬪」に因む。
垂れ・垂(たれ)とは、漢字の部首の区分けの一つ。
漢字の上部から左下へ垂れ下がるように存在するのが特徴。
一般的に「厂(がんだれ)」「广(まだれ)」「尸(しかばね)」「?(やまいだれ)」の 4
種の部首が垂れと呼ばれる。また、「戸(とだれ)」は冠に属させる辞書も存在し、位置付けが曖昧。似た位置に存在する「虍(とらがしら・とらかんむり)」は、垂れではなく冠(かんむり)に属する。
垂れに属する漢字は、常用漢字
1945 字のうち 47 字(がんだれ 4 字・まだれ 17 字・しかばね 14 字・やまいだれ 12 字)。人名用漢字285
字のうち 1 字(まだれの「庄」のみ)。
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主な垂れ
- がんだれ:「厄」「原」など。厂はがけを描いたもの。崖に関する漢字に使われる。なお、部首名のがんだれは雁垂と書くが、「雁」はふるとり(旁)の部に含まれる。
- やまいだれ: 「病」「疾」「痛」など。病気に関する漢字に使われる。常用漢字数は 12 で、垂を持つ漢字では最も字数が多い。
- 常用漢字: 疫 疾 症 疲 病 痛 痘 痢 痴 療 癖 癒
- 主な表外字: 疚 疵 疽 疹 疸 疼 痍 痕 痔 痒 痙 痣 痰 痺 瘍 痩 癇 癌 癪 など
- しかばね:
「履」「尾」「屋」など。尸は人間の後部を描いたもので、人間の体を表すことが多い。だが例外も多く、字の成り立ちによっては尸は垂れ下がる布を示したり、建物の屋根を示したりしているため、便宜上分類のための部首ともいえる。常用漢字数は
14。
- 常用漢字: 尺 尼 尽 局 尿 尾 居 屈 届 屋 展 属 層 履
- まだれ: 「広」「府」「庁」など。家に関する漢字に使われる。常用漢字数は
17。漢字では麻垂と書くが、麻はまだれには含めず、単独の部首を持っている。
- 常用漢字: 広 庁 序 床 底 店 府 度 庫 座 庭 康 庶 庸 廃 廊 廉
- とだれ:「戻」「扇」など。戸に関する漢字に使われる。また、冠に属する場合も見られ、はっきりと垂と言えない。
主な繞(にょう)
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しんにょう・しんにゅう
「道」「進」「迷」など。道や歩く事に関する意味を表す。常用漢字で49字あり、偏を除くと最も数の多い部首となる。「之」(し)の字に似ていることから「之繞」(しにょう)の名がつき、なまって「しんにょう」、さらになまって「しんにゅう」ともいう。筆順では後に書く。親字は?(チャク)。
もともとは、?(チャク)をそうにょう(走繞)やきにょう(鬼繞)などのような書き方をしていたのだが、後にくずして書くようになり、今で言う二点之繞の形になる。ただし手書きの時は一点之繞で書き、活字では二点之繞で表すことが慣例となっていた。これは、(はしごだか)と高(くちだか)の関係と同じである。常用漢字表が公表されてから現在では、活字においても一点之繞で表されるようになっている。
注意すべき点として、「巡」は之繞に含めず、「まがりがわ」の部に含める。また、物事を甚だしくすることを(輪をかけると同じ用法で)之繞(しんにゅう)を掛けるという。
- 常用漢字: 込 辺 迅 近 迎 返 述 迭 迫 逆 送 退 追 逃 迷 逝 造 速 逐 通 逓 途 透 連 逸 週 進 逮 運 過 遇 遂 達 遅 道
遍 遊 違 遠 遣 遮 遭 適 遺 遵 選 遷 還 避
- 主な表外字: 辻 迂 迄 辿 迦 逅 這 逍 逞 逗 逢 迸 遁 逼 遥 遡 遜 邁 邂 遽 邏 など
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かんにょう・うけばこ
「凶」「出」「凹」など。繞の形をしていないが、便宜上繞扱いされる。脚に見做される場合もある。
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えんにょう・いんにょう
「建」「延」「廷」など。伸びる事や進む事に関わる意味を表す。「えん」は「延」から。「廴」の字音から「いんにょう」とも。筆順では後に書く。
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そうにょう
「起」「越」「趣」など。走る事に関する意味を表す。筆順では先に書く。
- 常用漢字: 赴 起 越 超 趣
- 主な表外字: 趙 趨 など
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きにょう
「魅」「魁」など。鬼、物の怪に関する意味を表す。筆順では先に書く。
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ばくにょう
「麺」「麩」など。麦、麦加工品に関する意味を表す。常用漢字はなし。
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その他の繞
- ふうにょう:「颱」など。風に関する意味を表す。常用漢字はなし。
- すいにょう:「処」など。
- そうにょう:「爬」など。爪に関する意味を表す。
- け :「毬」など。
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関連項目



(私論.私見)