4615−3 | 知識人の論調 |
プラムディヤ・アナンタ・トゥール氏
1925年ジャワ州ブロラ生まれのインドネシアの左翼系作家。投獄と流刑の中で受刑者に語り聞かせた物語集「人間の大地」など4部作が世界的に知られ、ノーベル賞作家候補に挙げられたこともある。
「この世は天国じゃない。Aがあれば、アンチAが存在する」。燃え盛る紛争は人の世の必然だと言い切る。米中枢同時テロを評して、「超大国が小さな国によって転覆される可能性を実感し、私は衝撃を受けた。現在、テロリズムはどのような権力も破壊できるということだ。あの攻撃は米国を揺るがせてみせた」。目的は何だと思うと聞かれて、「米国人をあざ笑うことだ。米国はあまりにも傲慢だ。誰もが米国の言うことを聞かねばならない。もし米国が戦争を始めれば、日本はこれに従わなければならない。米国は世界を支配している」。米国によるアフガニスタン攻撃の意味するものはと聞かれて、「気に入らない国を攻撃するのは、米国がいつもやることだ。嫌がらせだ」。戦争と言えるかと聞かれて、「戦争なら、宣戦を布告すべきだ。私は真珠湾攻撃の際、ラジオでオランダ総督が日本に対して宣戦するのを聞いた。当時は宣戦布告があった」。
真珠湾攻撃の意味するものはと聞かれて、「異なる。真珠湾攻撃は、日本がドイツ、イタリアの強力の下、当時の植民地主義と戦い、これに取って代わる新たな植民地支配者になるためのものであった」。