第1章 労働運動の戦闘的な発展がカクマルを追いつめている
いよいよ反革命カクマルを完全打倒する時がきた。75年3月14日。この日、反革命カクマルは、わが革命党の創成者であり、また一貫して日本革命を指導しぬいてきた党首である本多延嘉書記長を暗殺した。われわれは、この虐殺を未来永劫(えいごう)けっして許さない。
本多書記長の死を、革共同の一人ひとりは「革命の死」ともいうべき重さで受けとめた。われわれはすさまじい形相で3・14復讐戦に決起した。それは、自ら一度死んだ立場に立って、新たな日本革命へ自己と革共同が再出発する決意をもって立ち上がったものだ。3・14反革命に復讐することは、日本革命を貫くわが党の絶対的責務である。
われわれは、01年の革共同第6回大会で二重対峙・対カクマル戦争の基本的勝利を確認し、カクマル中央派とJR総連カクマルを階級闘争場裏から全面的に追放する闘いの地平に立ったことを確認した。われわれは、勝利の指標を、
★カクマルの綱領的な破産の決定的な深化−黒田・カクマルの〈反帝・反スタ>の腐敗と自壊、
★カクマル謀略論路線の大破産−神戸謀略論運動の破産、
★カクマルを中央派とJR総連カクマルとに大分裂させた、
こととしてはっきりさせた。その上で、
★黒田哲学の全面的な批判を行い、黒田哲学なるものがすでに完全に死んだこと、今やファシスト反動哲学として腐臭を放っていると断じたのだ。カクマルが依拠する一切の思想的・理論的・哲学的根拠を完全に粉砕したのである。
カクマルとは何者か。反帝・反スターリン主義世界革命の時代に〈反帝・反スタ>の仮面をかぶり、闘う革命党破壊のために存在している現代のファシスト・反革命である。階級闘争の革命的・内乱的・武装的発展に敵対し、階級的激動期に権力にそそのかされ、またこれと有無通じて革命党と革命運動に予防反革命として襲いかかる民間反革命である。カクマルは、不遜(ふそん)にも自らを「唯一の革命党」と名乗るがゆえに、他の革命党組織の存在と闘いを目的意識的に解体することで自己の存在を守ろうと武装した反革命集団だ。まさに権力と闘う党派の解体を自己目的的に追求している民間反革命ファシスト組織である。
第6回大会で確認した勝利は、革命的内戦での20年間の勝利の積み重ねによるカクマル組織の軍事的解体の地平があって初めて可能となったものであり、同時に91年5月テーゼ以来の「労働者の中へ」の実践と革命的大衆運動の実現によってつくり出したものである。とりわけ、19全総−20全総決定による党としての国鉄決戦への取り組みによる1047名闘争を支えぬく闘い、JR総連カクマルの資本と結託した国労解体策動を打ち破る闘いへの決起、そしてJR総連=カクマル、カクマル=JR総連の反労働者性、反革命性を暴露した闘いは決定的に重要であった。この闘いは、国鉄の分割・民営化での大裏切りとニアリーイコール論に立つカクマルを追いつめた。反革命性の暴露・批判はカクマル内でJR総連派カクマルとの組織的亀裂を拡大させ、ついに組織の大分裂へと追い込んだのである。
そして、何よりもその基礎には、動労千葉の79年分離・独立以来の階級的原則を貫いた戦闘的な労働運動が営々と闘いぬかれてきたことがあるのだ。
カクマル中央派は、JR総連指導部を「階級敵」と規定しながら、共倒れの危機の中で「腐った妥協」に走った。今やJR総連に関して一言も発せられないという組織的腐敗を進行させている。
「黒田組織現実論の精華」ともてはやされたJR総連は、分割・民営化の大罪ゆえに労働者階級の怒りと怨嗟(えんさ)の前で立ち往生し、資本との癒着の仕方をめぐってさらに松崎派と嶋田派とに自己分解し、解体・打倒される道に入っている。
階級的=国際的闘い
昨年11・9労働者集会において、韓国の民主労総、アメリカILWU(国際港湾倉庫労働組合)との合流の中で明らかになったことは、階級的な闘いは国際性をもっており、国際的な闘いは階級性を貫いた闘いであるということであった。国鉄の分割・民営化攻撃と真正面から闘った動労千葉を軸として11・9集会の大合流ができたことはそのことのあかしである。
世界の労働者もまた、国際帝国主義・巨大独占資本による民営化攻撃のもとで、極限的な労働強化、合理化、首切り、権利破壊攻撃と渡り合って闘うことで、労働者の団結と権利を守り、仲間を守りぬいてきた。それはまた関西生コン、港合同の動労千葉と共闘する組合の闘いに共通するものである。
JR総連カクマルは、こうした階級的な労働運動の裏切り者である。国鉄の分割・民営化に協力し、戦争国家化の先頭に立った労働組合である。労働者の最大の裏切り者・JR総連カクマルに対して、日本の労働者階級だけでなく、国際的な労働者階級からの激烈な怒りがわき起こっている。JR総連は、分割・民営化以降も、資本との結託体制のもとで、シニア制度や外注化攻撃を応諾するなど組合員の権利を資本に売り渡し、職場闘争を投げ捨て、異議を唱える組合員をファシスト暴力で退職に追い込むなどの反労働者性を強めてきた。JR総連は、日本の労働運動の中でファシスト組合として完全に孤立している。この反労働者的事実を隠蔽(いんぺい)しようとするものが「反グローバリズム労働運動」なるものである。だがこの策謀も、事実を知りつつある国際的な労働運動の出現によって、化けの皮がはがれ落ちてきた。
「民営化に賛成した組合=JR総連」という事実が国際的な労働者の怒りを買っている。階級的な裏切りは、全世界の労働者が許さないということだ。
革共同は、11・9労働者集会の成功をがっちりと総括し、階級的労働運動を貫いて闘ってきた動労千葉の闘いに学び、動労千葉の闘いを全階級的に広げていこうという立場に立って、党総体が「労働者の中へ」を全面的に展開する新指導路線に挑戦している。それは第6回大会決定を貫徹する闘いであり、「党の革命」をも伴った闘いとして、党勢の2倍化を戦取する絶対的な課題への挑戦としてある。その先頭に、昨年12月に結成されたマルクス主義青年労働者同盟の若々しい闘いがある。訪れた階級的激動を革命のチャンスとするための労働者党建設に今こそ全力を挙げよう!
すでに、労働者の組織的決起が始まっている。国労の5・27臨大闘争弾圧の被告が職場に戻り、仲間から熱烈に歓迎されている。国労本部が反対派組合員を権力に売り渡すという前代未聞の攻撃は、警察労働運動そのものであり、絶対に許されるものではない。被告たちの闘いを核として闘う国労組合員による大反撃は必ず爆発する。
連合の柱としての100万人組合員を擁する自治労では、昨年夏の定期大会で『21世紀宣言』なる組合綱領の改悪攻撃に対して、3分の1以上の代議員が反対票を投じ、いったんはこれを否決するという事態を生み出した。自治労本部の「転向」策動に対する組合員による拒否と抗議である。その闘う力は、今もしっかり継続し、有事立法−戦争攻撃と対決する決定的な反撃の拠点となっている。
教育労働者は、12月23日に集会をもち、分裂時に激しく対立した日教組系と全教系の組合員が一堂に会して、会場に入り切れない5000人の結集をもって、教育基本法改悪反対の闘いをともに闘った。東京都を先頭にした「日の丸・君が代」攻撃との闘い、不適格教員処分攻撃などへの反撃も続けられている。侵略戦争の開始−改憲を射程に入れた日帝・小泉反革命に対して、教育労働者が危機感に燃えて決起し始めたのである。
全逓では、郵政民営化の合理化攻撃と闘い、殺人的深夜勤導入に反対して労働者の闘いが爆発している。
動労千葉と共闘している関西生コン支部は、2月20日、イラク反戦を掲げて2時間のストライキに決起した。港合同は組合破壊攻撃を真っ向からはね返して闘っている。
そして何よりも動労千葉は、昨年12月15日の習志野電車区廃止攻撃に対する検修職場組合員50人の全日ストライキ決起に続き、運転保安を無視した「3・13ダイヤ改定」阻止の04春闘へ、2月10日からの不当配転粉砕・非協力闘争の指名ストライキに突入した。04年の反戦・春闘が実力闘争として始まったのだ。こうした労働組合運動の決起の基底に、対カクマル戦の勝利でファシストの反革命制動を打ち破った力が大きく働いている。そして、この労働組合運動の爆発は、カクマルを組織的に解体・打倒していく大きな力になることは、明らかだ。
労働運動の深部から、侵略戦争と闘う決起が始まっている。全戦線で闘う労働者が革共同を待っているのだ。われわれには、新指導路線のもと、労働者の中へ徹底的に入り、あらゆる職場に日本革命を担う闘う労働者党の細胞を建設していくことが求められている。そのために「党の革命」を遂行し、革命的情勢に対応する革共同を建設しよう! その闘いによって、反革命カクマルを職場・学園・街頭から一掃することができるのだ。新指導路線のもと、カクマル完全打倒の闘いに、今こそ突入しよう!
第2章 類例のないファシスト組合=JR総連が大分解を開始
(一)国鉄分割・民営化への 協力こそJR総連の原点
世界的な民営化攻撃
国鉄の分割・民営化は、当時の中曽根首相が唱えた「戦後政治の総決算」の柱をなした、戦後労働運動の解体をめざした攻撃であった。中曽根自身がその後語っているように、攻撃の中心は戦後の労働運動の柱をなしてきた国鉄労働運動の解体−総評解体にあった。中曽根は、労働者階級との戦後的力関係を変え、階級的労働運動の粉砕を目指したのである。
中曽根の民営化攻撃は、当時世界的に行われた帝国主義支配者の民営化攻撃のひとつでもあった。レーガン(米)・サッチャー(英)・中曽根(日)による「小さな政府、民営化」攻撃として、労働効率化重視、労働者の無権利化、労働者の首切り−合理化の全面攻撃として、労働組合の団結と闘いそのものを粉砕する攻撃として加えられたのだ。レーガンの航空管制官スト弾圧、サッチャーのイギリス国鉄つぶしなど帝国主義支配階級によるプロレタリア階級との力関係の反動的転覆、労働運動そのものの解体を狙ったものであった。
中曽根の先兵として
この中曽根の戦争国家化攻撃の先兵となって働いたのがカクマルだった。
国鉄の分割・民営化攻撃は、日帝・国家権力の国策として、戦後労働運動の最大の柱であった国労を解体することを狙いとした階級攻撃であった。だから真っ向から階級的に反撃し、闘う以外になかったのだ。にもかかわらずカクマル副議長であった松崎明を頭目とする動労カクマルは、この階級攻撃の先端で階級内部の裏切り者として、敵階級の突撃隊となり、闘う陣形を内側から攻撃し、破壊していった。カクマルのこの裏切りがなければ、国鉄の分割・民営化は一歩も進めることはできなかったのだ。
動労カクマルは、「自分たちだけが助かるために労働者を裏切る」「組織として仲間を裏切れば革命的である」「生き残るためだったら、闘う国労つぶしの先頭を担う」という組織論で武装し、積極的な裏切り組合として登場した。彼らは「民営的手法の導入は歴史の必然」と言い切り、組合指導部が“ストライキをやるな! 既得権を放棄せよ! 骨身を削って働け!”と権力・当局と一緒になって組合員を恫喝して回った。
国鉄当局との間で雇用安定協約を締結し、また「働こう運動」を推進した。そして国鉄当局が出した「余剰人員調整策」なる「首切り三本柱(退職勧奨、一時帰休、出向)」攻撃を、組合指導部として組合員に強制した。国労が「三ない運動(辞めない、休まない、出向しない)」で闘ったことに対し、「国労は余剰人員調整策を妨害している」「会社倒産運動の国労」などと国労つぶし攻撃を先頭で行った。カクマルは普通の意味での労働運動の単なる裏切り分子の枠をこえている。積極的に日帝・当局の立場で労働者に襲いかかるファシスト集団なのである。
当時松崎は、自民党の機関紙『自由新報』や勝共連合の『世界日報』などに登場し、「組合委員長室に日の丸を掲げよ」とか、「われわれは変節した。もうマルクス主義には戻らない」「私自身の価値観が変わった」などと、いわゆる「松崎のコペ転(コペルニクス的転換)」を宣伝しまくった。そして、日米安保体制や自衛隊容認を強調し、また天皇制擁護を行動で示した。中曽根の戦争国家化の先頭を松崎・カクマルが突撃したのである。
カクマルこそ、20万人国鉄労働者の首を権力・当局に差し出し、200人の国鉄労働者を自殺に追い込んだ労働者人民の大裏切り者である。JR総連という組合は、労働者人民によって流されたおびただしい血が染み付いた組合なのだ。日帝・資本の労働者攻撃の突撃隊であり、階級的労働運動解体をめざすファシスト組合なのである。階級的力で打倒あるのみなのだ。
重要なことは、この裏切りをカクマル議長・黒田と松崎の決定と指導のもとで、全カクマルが組織の総力を挙げて推進したということである。けっしてJR総連派カクマルだけが行ったことではない。今、JR総連と分裂した黒田と中央派カクマルは、あたかもこの大罪はJR総連カクマルの問題であるかのごとく沈黙している。だがカクマル=黒田こそ、この分割・民営化攻撃の最先頭を松崎とともに担った事実はけっして消し去ることができないのだ。
中央派との大分裂
組織総体をかけて裏切りを進めたカクマルは、産別組織全体が組合主義者のような組織となってしまった。この変革をかけて黒田に登用されたのが賃プロ主義者(注1)であった(91〜93年)。だが松崎批判をするまでに至った彼らを黒田は粛清する(93年)。松崎は、JR総連攻撃をした賃プロ主義者に対する黒田による総括(94年)を受け入れず、ここに重大な組織的亀裂が進行した。これ以降松崎はJR総連を独自王国化する一方、ワークシェアリング、軍需産業推進、自衛隊容認などを積極的に発言する(95年)。ファシスト反革命でありながら革命の仮面を必要とする政治組織カクマル(黒田)とさらに決定的に対立し、97年神戸謀略デマ運動を拒否して、ついに2000年に分裂に至るのである。われわれの松崎批判がこれを強制したのである。黒田組織論は最後的に破産した。
(二)歴史的大裏切り隠して「闘う勢力」を装う松崎
松崎派と嶋田派分裂
2000年に中央派と分裂したJR総連カクマルは、松崎の側近が拉致されるなどの事態に直面し、いったんはカクマル中央派を権力に告訴するなどの行為に出たが、その後共倒れの危機を回避するため、「腐った妥協」を進めた。だがこれで共倒れの危機から逃れられたわけではない。彼らの最大の危機の根拠は国鉄の分割・民営化の大罪を犯したことであり、会社側組合であることである。つまり労働者階級全体から、「裏切り者=階級敵」と刻印されていることである。彼らの打倒こそが、労働者階級人民から待ち望まれているのだ。
JR体制の危機露呈
JR体制になって起きていることは、資本の利益追求第一主義による安全無視、労働者の極限的酷使である。鉄道労働者への合理化による要員削減と運転保安の危機が現実化している。外注化、コスト至上主義の強制で、触車死亡事故(99年品川・5人死亡)、列車脱線(01年鶴見)や車両事故、レール折損、保安装置故障、信号機故障など日常的に事故が多発している。また極限的労働強化による現職死亡が多発している。だがJR東労組という御用組合を隠れみのにした事故隠しが大手を振ってまかり通っているのだ。また権利剥奪(はくだつ)攻撃が驚くべき激しさで襲っている。
組合が資本の立場に立って、乗員と乗客の安全を捨て去り、危険ぎりぎりの状態に目をつぶっていること、組合内部に向かっては白色暴力を行使し、外へ向かってはマスコミを使ったデマ宣伝をもって実態を覆い隠しているからである。昨年9月の中央線での大規模輸送混乱、京浜東北線でのシャベル置き忘れ(衝突)事故などは、利益至上主義の企業体質に基づく、安全無視、外注化、下請けへの丸投げが原因である。
カクマル=JR総連は、「責任追及から原因究明へ」などと言って現場労働者に責任を押しつけて資本を救済し、この現実と一度として闘ったことはない。逆に動労千葉や国労の安全確立、運転保安の闘いを「企業倒産運動だ」として敵対し続けてきたのだ。
だが、本質的に動労千葉の階級的労働運動、不屈に闘う国労闘争団と国鉄労働者の存在によって、JR総連は日々追いつめられている。今やJR総連の裏切り的反革命性は労働者階級の中に知れ渡っている。
一方で侵略戦争への突入情勢の中で日帝権力、JR資本、JR総連−東労組のこれまでどおりにいかない新たな矛盾とあつれきが激しく始まっている。
こうした中で、ファシスト組合の独自性にしがみつく松崎派に対し、「ニアリーイコール」論を忠実に貫いて資本との癒着・協調を公然化させた嶋田派が分裂した。
確認すべきことは、この両者とも組合員の味方面した裏切り者であり、集団暴力を背景に組合支配を行うファシスト労働運動だということである。JR総連の組合的「実力者」を擁した嶋田派と、松崎の個人的権威と本部権限に依拠する松崎派。彼らが、分割・民営化の功労として17年をこえてJR資本と結託体制を維持して来たこと自身が、腐敗と利権にどっぷりつかった体質を作り上げてきた。嶋田の委員長人事への松崎の背信を原因とした分裂は、巨大労組の実権と利権をめぐってのものである。この両者は、第2の分割・民営化ともいうべきJR東会社1万人合理化攻撃に対し、ファシスト労組幹部としてJR組合員の職場からの決起を抑え、「ボス交」によって合理化に協力し、組合員の利益を売り渡す役割を果たしてきたのだ。
組合員の生活と存在からまったくかけ離れた組合執行部のこうした権力闘争への疑問や不平・不満、そして怒りが、組合員の離脱や種々の下からの反抗を生み出している。JR総連カクマル支配が音をたてて瓦解(がかい)し始めた。JR総連−東労組の解体的危機が根底的に進行しているのだ。
反撃に出た嶋田派
松崎は、一昨年10月に辞任した8人の嶋田派本部役員を、「組合の敵」「権力を引き入れて浦和の7人を逮捕させた」などと非難した。松崎派による嶋田派攻撃は、新潟地本、長野地本を中央委員会で反本部と決定し、横浜地本内の嶋田派支部、分会役員への締め付けと制裁、千葉地本の嶋田派旧役員への組合員権剥奪などの処分の連発として進められてきた。
これに対し、嶋田派は嶋田著の『虚構からの訣別』という本を出版し、本部情報しか入らない各地本、支部、分会へ送付した。昨年10月には東労組中央委員会に押しかけ、入り口で処分に抗議するビラまきを行い、双方の組合員で激しいやりあいとなった。そして、横浜地本鶴見支部代議員は、松崎派の地本役員に対する制裁委員会の設置を逆に申請するなど、松崎派との抗争態勢に入った。今年に入って「嶋田たちのホームページ」を立ち上げ、ここで松崎派による処分の不当性を大衆論議にかけて反撃し始めた。
松崎派は、「浦和の7人逮捕の弾圧と闘う」として、5000人集会を開くなどして結束力を維持しようとしている。だがそもそも浦和事件の発端は、組合員を陰湿な集団暴力でやめさせたものであり、けっして「労働組合の正当な活動」などと呼べるものではないのだ。JR東労組では、組合員への白色暴力による迫害とたたき出しが日常茶飯事に行われている。それは浦和電車区だけでなく、高崎地本における平成採組合員の東労組脱退と国労への移行の時に行われた激しいゴリQ(=白色暴力による集団的テロ)に示されている。権力・資本の容認のもとでJR総連・ファシスト組合支配が行われてきたのである。
浦和事件が示していることは、第2の分割・民営化攻撃の中で、国労組合員のみならずJR東労組組合員自身が合理化対象となっており、組合執行部が資本の側に立ち組合員に敵対している状況の中で、JR総連カクマルの組合過疎支配が音をたてて崩れつつあるということであり、それへのJR総連カクマルの暴力的対応が至る所で問題となっているということである。
松崎派と嶋田派への分裂は、今後の日帝権力、資本の動向に大きく左右され、紆余(うよ)曲折を経ながら一層の組織分解的事態へと突き進んでいくことは明らかだ。まだその序曲に過ぎない。
「会社と組合守れ」
JRからたたき出される恐怖にかられる松崎は最近、一転して嶋田派との関係修復を図ろうとしている。
2月10日に開かれた東労組第27回定期中央委員会で、これまでの決定を変更して「@嶋田を始め辞任した8人は、組織破壊者ではない。A新潟、長野地本を『反本部』とした決定を取り消す。B辞任した前副委員長・嶋田と関根の制裁申請を取り下げ、そのほかの制裁処分も次期大会まで保留する。C処分を決定した千葉地本の小林前委員長、篠塚前書記長に関して、再審査委員会を設置する」として、松崎派は嶋田派との対立の「解決」に動き始めた。その理由は「組合と会社のために総団結しよう」というものである。明らかに資本の強力な介入があったことは明らかだ。権力、資本、JR総連をめぐる矛盾とあつれきの中で、追いつめられた松崎が一方的に嶋田派に屈服してでも会社と自己を守るという選択を迫られたことを示している。
すでに松崎が自分の息子の篤を社長に据えた「さつき企画」では、息子・篤が社長を辞任し不明朗な資金疑惑の追及逃れに入っている。松崎は、ささやかれる「横領・脱税」の疑惑を消せない中で、嶋田派への屈服と譲歩をも辞さず、なんとしても組合利権にしがみついて延命することに全力を挙げているのだ。
だが松崎派、嶋田派の組合幹部間でのこうした取引自身、JR総連−東労組が労働者の手で打倒されるべき存在であることをますますはっきり示している。JR総連の大流動、大分解情勢が不可避となっている。JR総連の解体・打倒に向かって突撃しよう! 今こそJR労働運動に階級的労働運動を再生させよう!
(三)階級的戦闘性堅持した動労千葉の闘いの勝利性
原則を貫いた闘い
国鉄の分割・民営化という大攻撃が加えられ始めた80年代前半、動労千葉の中野洋委員長は3年間迷ったと言う。そして「迷ったら、原則にたち帰ろう」との立場で闘ったという。その時の気持ちを「組合員を信頼して闘うことが組合指導部の責任だ」「魚は頭から腐る」と言い切っている(『俺たちは鉄路に生きる2』)。つまり組合員は階級的原則で闘うことを当然と思っているのに、指導者が闘いの結果や弾圧を考え、闘う責任を取ろうとしないことから、すべての闘争回避が起こるのだと言っている。そして実際に闘って、組合の団結を守ってきた。それまでの「闘ったら分裂する」という闘争回避のデマを打ち破ったのだ。
超ど級の分割・民営化攻撃に対して、1100人の組合員(当時)の動労千葉が、階級的原則を貫いて闘った対極に、動労カクマルの日帝への組織を挙げた協力、国鉄労働者への襲撃があったのだ。
革共同は、日帝・中曽根の戦後政治の総決算攻撃と真っ向から闘った。
当時革共同は、カクマルとの内戦のフェーズT(PT)段階の闘いとして三里塚決戦、国鉄・天皇決戦の大衆闘争を必死でかちとる闘いを組織しつつ、革命軍による自民党本部火炎放射戦闘、成田・羽田ロケット弾戦闘、迎賓館・横田=サミット戦闘、皇居砲撃戦闘など革命的ゲリラ戦争を爆発させ、また三里塚十字路戦闘の大衆的武装闘争を戦取した。
国家権力が総力を挙げた分割・民営化攻撃に対して、革共同はこの粉砕に全力で決起した。動労千葉の2波のストを支援・防衛してともに闘った。また2度の首切りを突き抜けて不屈に闘う国労闘争団を守り連帯する労働者人民の隊列として、国労解体の狙いを粉砕した。分割・民営化の重要な局面の85年11月には、動労千葉のストライキと連帯した大衆的武装闘争が、権力の銃撃を突き抜けて浅草橋戦闘として貫徹された。まさに国鉄分割・民営化をめぐる闘いは、日本の労働運動、革命運動の成否をかけた闘いだった。われわれは、流血を辞さず命をかけて全力で闘ったのである。動労千葉が生き残り、国労が存続した。それは日帝・中曽根の狙いを根底において粉砕したことを意味している。その後の日本の階級闘争は、国労闘争団の闘い、動労千葉の階級的闘いが存在することで、連合支配の崩壊、JR総連カクマル支配の瓦解(がかい)へと進んでいる。
こうした闘いの核心にファシスト・カクマル、JR総連との激しい攻防があった。白色暴力で敵対した資本の手先・ファシスト反革命に対する怒りの赤色テロル戦闘が、戦後史の大反動を根底において完全に打ち砕いて爆発したことをはっきり確認しておきたい。
松崎・カクマルは分割・民営化後、一企業一組合を叫び、会社と結託した配転攻撃や拠点つぶしなどをもって動労千葉破壊、国労破壊攻撃をさまざまに加え続けた。「分割・民営化後、3年もたてば国労は崩壊する」などと言っていた政府、カクマルにとって、動労千葉の結束した闘い、不屈の1047名闘争を軸とする国鉄労働者の戦闘的存在はまったく信じられないできごとだったのだ。この持続した闘いが、ファシスト労働運動に裏切りの紋章をくっきり刻印し、圧倒し続けている。階級的闘いがJR資本とカクマルの結託体制を破綻させ、ファシスト・カクマルを中央派とJR総連に大分裂させ、さらにJR総連を松崎派と嶋田派へ分裂させたのだ。
「戦争反対」のペテン
日帝・権力、奥田指導下の支配階級にとって、JR資本のようなファシストの力を借りなければ組合支配ができない、労務政策が貫けない資本のあり方は、もはや許容できなくなっている。しかもファシストが権力構造の一角に半公認的に存在を確保しようとうごめくなど認められないのだ。帝国主義の危機とイラク侵略戦争への突入、北朝鮮侵略戦争切迫情勢−有事体制確立を進める日帝・支配階級にとって、ファシストによる独自利益を追求する自己運動を許しておく余裕などない。またJR資本にとっても利益追求が第一であり、そのためにファシストの既得権益を許容する余裕はなくなっている。
この間の権力によるJR総連−東労組への強権発動は、分割・民営化以降続いた癒着構造をいったんは清算し、再編・解体して完全な日帝の統制下におく必要から踏み切られたものである。今日の松崎派と嶋田派のJR東労組内部の分裂を含めたJR総連ファシスト、日帝権力、JR資本の間の矛盾・あつれきの激化は、癒着体制に依存して来たJR総連をさらに大流動させ瓦解させる力として働いている。動労千葉、国労闘争団の不屈の闘いが、本質的に彼らを解体する力となって揺さぶっている。
今、カクマル=JR総連は、「闘う組合」の新しい仮面をかぶって人民の闘いにすり寄ってきている。「戦争反対の組合」を押し出し、「憲法9条―世界へ未来へ」と称する「9条連」運動に全力を挙げている。しかし9条連は、「武力によらない平和を」として、帝国主義のイラク侵略戦争反対を絶対に言わない。北朝鮮侵略戦争突入のための有事立法反対も絶対に言わない。9条連という形で闘争を破壊しようとしているのだ。JR総連は、組合運動の裏切りを隠すためのアリバイ的動きとして使っているのだ。戦争体制づくりを先頭で担った者が、体を張って戦争に反対することはあり得ない。すでにJR総連は99年の第15回大会で、軍事輸送に協力することを決めている組合である。「9条連」そのものがファシスト組合の新たな反人民的裏切り策動なのである。一切の展望を失ったファシストの新たな反労働者的策動を許すな! 闘う労働者の力でファシスト組合・JR総連を今こそ解体・打倒しよう! JR労働者の階級的労働運動への合流をかちとろう! その時が来た。
第3章 「暗黒の21世紀」論で革命に敵対するカクマル中央派
(一)帝国主義論を欠落したカクマルの理論的破産
カクマルにとっての〈反帝・反スタ〉綱領は91年のソ連崩壊とともに崩れ去った。「ソ連とその国家群」の強大さに依拠した世界観はものの見事に破産した。帝国主義論をもたない黒田は、その後は地肌を現し反米国粋主義の世界認識へ回帰していった。
マルクス主義を放擲(ほうてき)したカクマル黒田は、ソ連スターリン主義崩壊以降の世界を帝国主義国家間の対立の時代としてとらえ、現在の戦争の根源を帝国主義の問題として論じることがまったくできなくなっている。
「宗教・民族戦争」?
これを示す特徴の第一は、米英日帝によるイラク侵略戦争を「宗教=民族戦争」として規定し、帝国主義的利益をめぐる再分割戦争という階級的本質を隠していることである。
今年の反革命通信『解放』新年号トップ論文「暗黒の21世紀を突破せよ」のサブタイトルは「現代の宗教=民族戦争の悲劇を打ち砕け!」である。(本紙2137号で批判)。マルクス主義のかけらもないこの論文を引き継いだ論文が「現代の宗教=民族戦争に反対する闘いを創造せよ」(解放1月12日付号)である。これらの論文でカクマルは、イラク侵略戦争が「国際帝国主義のイラク−中東石油利権をめぐる争闘戦」として起きていること、この本質的な問題を徹底的に隠蔽しているのである。
カクマルは、イラク侵略戦争がキリスト教とイスラム教による「宗教=民族戦争」であると繰り返し述べているのだ。
「現代版『十字軍』とこのムスリム勢力との衝突は、宗教=民族戦争としての性格をもつ、といってよい」(同新年号)
「ブッシュの『一超』軍国主義帝国の『イエス』をツイタテとしたアラブ・イスラーム世界への侵略戦争という新たな形態の宗教=民族戦争」(同1月12日付号無署名論文)。ここにはマルクス主義はどこにもない。
しかもカクマルは、このような分析から現代世界の特徴は「神の復活」であるなどと主張している! そして、この復活した神と対決できるのは「マルクスのマルクス主義」などと言っている。これは、イスラムのジハードを鎮静化するのがマルクス主義だという意味である。その立場から「テロに反対」とわめきだしている(2・8労働者集会など)。これはイラク人民やパレスチナ人民の武装闘争への全面敵対であり、さらなる帝国主義の先兵化のイデオロギー的自認だ!
日帝・小泉打倒に敵対
第二に、この再分割戦をめぐる帝国主義国家間の対立を、好戦国家と非戦国家との対立であるかのように描き、自国帝国主義打倒の国際的な闘いに敵対していることである。それは“好戦主義者・ブッシュ率いるハーケンクロイツ同盟(米・英・日)と非戦組(独・仏・露)の対立”という主張である。
マルクス主義者にとって、第2次世界大戦が、植民地・資源・市場を「もたざる帝国主義(独・日・伊)」による「もてる帝国主義(英・米・仏)」との、領土・資源・市場をめぐる再分割戦争であったということは常識である。これをブルジョア歴史学者やスターリン主義者は、「民主主義陣営国家とファシスト陣営国家との戦争だった」とし、その階級的性格をあいまいにした。
カクマルの主張は、労働者階級人民による自国帝国主義打倒の国際主義的闘いに敵対し、武装解除させるものである。これでは、独・仏・露の労働者はこの戦争に反対するシラクやシュレーダーやプーチンを守れ!彼らととともに闘おう!ということになる。これほど反動的なイラク戦争論はない。
第三に、日帝・小泉のイラク派兵が、日帝としての国益をかけた戦争国家としての「必死の主体的な飛躍」であることを隠蔽していることである。カクマルはしきりに「ブッシュの犬、ポチ」などと小泉を対米従属に描き上げている。
だが自衛隊の派兵は、けっして米帝に従属しているから決定されたというようなものではない。日帝・小泉は、日帝の生き死にがかかった石油利権確保、イラク復興利権という国益をかけて必死の主体的飛躍として派兵に踏み切ったのである。そこに日帝の凶暴性と不退転性があるのだ。国論二分状況であっても強行しなければならない理由もそこにある。闘う側の徹底性もだからこそ必要なのだ。
「11・29謀略」のデマ
第四に、これを純化したものが、11月29日の日本人外交官2人の銃撃死を米軍の意図的謀略だとするデマ主張である。
「日本人外交官二名の虐殺事件−これは、イラク占領軍政の破産にあえぐブッシュ政権が、“実戦参加”を逡巡しつづけてきた小泉政権に、ハーケンクロイツ同盟の一員にふさわしい『貢献』を果たすという決断を迫るために、意図的に仕組んだ謀略にほかならない。ことここにいたって小泉政権は、ついに戦後初の戦地への日本国軍の出兵に踏みきったのである」(解放1月12日付号)
いわば“グズグズ小泉”論“派兵したくない小泉”論、“仕方なく派兵に踏み切った小泉”論を展開している。小泉はブッシュに脅された被害者だとでも言わんばかりだ。これほどの日帝・小泉美化論、対米従属論、反米愛国論はほかにない。日帝の侵略戦争の凶暴性を否定し免罪し、米帝に強制されてしたくないことをしている小泉に同情せよというのだ!
カクマルの主張の根拠は、一部のマスコミの「米軍誤射」報道にある。だがカクマルの「米帝による目的意識的な殺人謀略」論は、この「誤射」報道とはまったく異質なものである。この記事に飛びついてカクマルがねつ造した反動的な闘争破壊のデマである。
(二)権力へ投降して恭順を表明する朝倉、西條ら
中央派カクマルは、権力への組織的投降を開始した。労働者人民に数々の悪行を働き、警察無線情報で労働者の隊列に襲いかかり、あるいは自ら盗聴、盗撮、尾行、家宅侵入、窃盗、脅し、ナーバス(白色暴力による嫌がらせ)を行ってきたカクマル非公然軍事部隊が、この間次々と権力に投降している。
すでに逮捕されただけでも指名手配者6人が投降し、他にも、手配が出ていないのに確かめに自分から出ていった者がいる。明らかにカクマル組織が権力への投降を路線化したということである。
昨年6月、福岡での非公然アジトが摘発され、そこにいたカクマル指導中枢である朝倉文夫(池上洋司)、西條武夫(木下宏)が身体捜索を受けた。当然組織的重要文書が押収された。これにカクマルは震え上がっている。
中央派カクマルは、その言葉の尊大さとは裏腹に、権力と真っ向から闘う思想も路線もなく、また実際に組織をあげて権力と闘ったこともない。階級闘争の決戦期には必ず裏切り、脱落する党派である。しかも、それを「革命的である」と正当化するために「闘う党派を襲撃・解体する」ことを目的化する反革命である。本当に権力と闘っていないがゆえに、いざ権力の踏み込みにあうや恐怖と混乱の中で算を乱して逃走し、自ら非公然組織を堅持することもできないのだ。今回の投降路線は、権力には勝てない、権力とは闘わないという思想に基づいた組織的行動である。警察=カクマル連合(K=K連合)のもとで「非公然」であり得たに過ぎないことが暴露された。カクマルの数々の悪行は、権力の容認のもとで可能だったのだ。
カクマルは、すでに軍事責任者・塩田明男が02年に逮捕されている。組織そのものが何ゆえに次々敗北したのかの総括や原因究明もできないまま、ただただ権力の強さに恐れ屈服し、自己崩壊・投降の道に入ったのである。その指導責任は『内ゲバにみる警備公安警察の犯罪』なるデマ本で黒田が語っているように、軍事指導責任者・黒田その人にあるのである。
(三)黒田の政治的な衰滅がカクマル危機を生みだす
「神戸謀略論」の破産
カクマルの組織的混迷と衰滅は、黒田の理論的・組織的活動での衰滅がもたらしているものである。
黒田は、96年に権力の追及逃れから「躍出」と言ってカクマル議長を辞任しておきながら、97年の「神戸謀略論」デマ運動をねつ造し、それをカクマル全組織に強制した張本人である。言うまでもなく今なお最高指導者である。黒田は、「政治的判断を優先させた認識」を唱え、“訓練を積んできた自分の直観だけが正しい”という都合のいい立場を確保して専横支配を行ってきた。だがその直観のまやかしが白日のもとにさらされ、黒田の政治的衰滅が組織を崩壊させている。政治的直観でご託宣を垂れる黒田とそれに付き従うだけの官僚指導部による組織方針化。それに振り回された組織の瓦解として事態は進行しているのだ。
その最たる例が「CIAによる神戸謀略」論運動であった。97年神戸で起きた「小学生連続殺傷事件」を根拠もなく「CIAの謀略」としたものだ。記者会見後にこの破産が露呈するや、非公然組織を使って「CIA謀略」のねつ造に入った。「神戸謀略論」を提唱した黒田の権威をなんとしても守らなければならなかったからである。カクマルは当時“これをCIAの謀略と認識できるかどうかは「1956年のハンガリー革命に匹敵する」たたかい”と最大級に位置づけ、「反スタ」がかかった問題としてCIA謀略論を強制していった。「信じられない」という教労を始め産別メンバーには「現地調査」を強要し、「現地に行って謀略だと思った」という感想文を書かせ、内部思想闘争と称してこれを運動化した。一方、破産した謀略論のねつ造のために非公然組織をフル回転させた。逮捕された「A少年」の自宅への盗聴、尾行、家宅侵入、窃盗を行い、また家族を尾行して取り囲んで会話を集めては、自らの都合に合わせたシナリオ作りに利用した。そして検事調書の窃盗(コピー)とマスコミ操作へと走った。
こうした荒唐無稽(こうとうむけい)の謀略物語をねつ造するために組織を挙げて熱中する集団とはいったい何なのか。カクマルはまさに人民を蔑視し、情報操作で人を動かせると思っている反人民的な存在だ。社会的に孤立しているA少年の家族への軍事力行使を見よ! これが「革命」を口にする者のやることなのか。「労働者の自己解放」とは対極のこうした行動は、黒田の自己保身のためだけに行われたのだ。
「CIA神戸謀略」論は、実は離反しつつあったJR総連をカクマルに引き戻すために企てられた。松崎が「JR総連に戦後三大謀略のような謀略がかけられようとしている」と主張していることに取り入り唱和したものだ。かつての動労カクマルの水本謀略運動(注2)以来の謀略運動でJR総連のとり込みを狙ったものだった。だが、神戸謀略運動の破綻(はたん)があまりにも早く訪れたこと、その荒唐無稽さの中で、JR総連は神戸謀略論には乗って来ず、むしろ最後的分裂の動力となった。
責任をとらない黒田
K=K連合の枠を超えたなりふりかまわない行動、特にマスコミへの検事調書送付は、権力の許容をこえたファシストの自己運動としてあった。権力はいったんカクマル軍事力を解体して完全統制下におくことに踏み切ったのである。「神戸謀略論」の破産、その取り戻し策動とその破綻。破綻が次の破綻を生み出すという形で、黒田主導の「神戸謀略論」はカクマル組織を分裂させ自壊に導いた。非公然組織の摘発と自己崩壊、産別メンバーの離反、何よりもJR総連との大分裂の最後の引き金となった。
JR総連を引き止めようと開始した「神戸謀略論」は結局、黒田の権威を守るという自己保身へと突き進んで組織崩壊を生んだだけだったのだ。黒田はこのことに一切責任を取ろうとしていない。カクマルは黒田の権威の前で組織内的には「CIAの神戸謀略」を口にするが、大衆的にはまったく言及できない。せいぜい「マスコミ報道の人権問題を追及する」などと黒田の主張とはかけ離れたつぶやきでごまかしている。「CIAによる神戸謀略」論をカクマルはなぜ組織総括しないのだ。「ハンガリー革命に匹敵する」はどこへいったのか。大衆的に大騒ぎしたくせに総括も出さず口をつぐんで忘れられるのを待っているのか。
「優等生ではいけない」と言ってカクマル集会(昨年3・16)で説教している常盤、朝倉よ! 黒田になぜ謀略論の破産を言わないのだ。優等生は誰なのだ。黒田が存在している間は言えないということか。このカクマル組織員のどこにいったい「共産主義的主体性」があるというのか。黒田との「内部思想闘争」をなぜしないのだ。常盤や朝倉が今でもCIAの謀略だというのなら、大衆に向かって根拠を示しそれを言ってみせよ!
カクマル組織は今や労働者大衆とあまりに掛け離れた存在となった。
黒田の「直観」に基づいた主張は、組織内部の確認だけで済み、大衆的人民的信認(=検証)を受けないのだ。謀略論を唱え続けたり、これにすがりついた取り巻きの指導が可能となっている理由はここにある。カクマルはすでに政治組織としての死を宣告されているのだ。
(四)「非公然」組織は解体し深まる組織崩壊の惨状
非公然組織の解体、産別組織の瓦解、学生組織の腐敗はこうしたカクマル組織中枢の無責任指導が招いた結果である。JR総連は「階級敵」と断罪したのはどこのどいつだ。カクマル植田議長はなぜ基調報告もできないのか、言ってみろ。
JR総連との組織分裂は、黒田=カクマルの「組織現実論」が革命とはまったく関係のない単なるファシスト組織論でしかなかったことを名実ともに示した。社・共の「のりこえ」のペテンが通用しなくなった時、全面的に帝国主義政策に協力することがカクマル組織論だということである。この松崎・JR総連をひな型にした組織論しかカクマルにはない。カクマル産別は今なお、JR総連型組織づくりしかできない。「腐った妥協」は、JR総連にすがりつくほかないカクマル産別の絶望的事態を示している。しかしそれはすでに崩壊した理論だ。基本的組織路線の破産を総括できない指導中枢のもとでカクマル組織の展望のない腐敗と対立と瓦解が進行している。
分裂の総括もないまま「腐った妥協」に走ったカクマルは、黒田が無責任を決め込む中で、産別指導部の責任問題として激しい対立が『解放』編集局を巻き込んだ指導中枢で続いている。
教労、自治労、全逓産別での脱落・離反は今なおやむことがない。すでにカクマルを代表する産別組合は皆無となった。学生組織は、黒田の直観のまま引き回され、混乱と混迷の中で、SOB議長の腐敗が大衆的に露呈し、それを隠蔽したSOB指導部の共犯を含めて組織全体の問題となり、いったんは学生組織が解体的状況となった。
マルクス主義を捨て「暗黒の21世紀」に迷い込んだ反革命カクマルは、腐敗と瓦解の中で、一方で「自己救済」としての「黒田への帰依=カルト化」(それこそ「神の復活」だ!)を強めながら、新たなK=K連合の修復に未来を求めるほかないところに立っている。投降路線はその踏み出しであり自己表明だ。そのためには闘う勢力への反革命行動による「証明」が必要である。しかしカクマル白色暴力の弱体化の中では、その力もない。大衆闘争の激しい爆発の中で逆に最後的打倒に至りかねないのだ。カクマルの反革命正体の露呈と孤立は、大衆行動でのカクマル打倒の気運として盛り上がっている。
展望を失った反革命を、階級闘争の大激動の真っただ中で完全打倒する時が現実的に到来したのだ。それはJR総連・松崎打倒情勢と結びついてすでに成熟している。
結び
労働者階級の全世界での帝国主義に対する反撃が開始されている。3・20国際反戦大闘争はその大きな世界史的激闘への突破口をなすであろう。労働者の国際主義に満ちた闘いの大爆発をもって歴史を変えて行くのだ。労働者の階級的な闘いの原則的貫徹は、全世界で必ず通じるのだ。11・9で示されたように、まさに階級的=国際的、国際的=階級的ということである。
革共同の新指導路線の強力な展開をもって、反帝国主義・反スターリン主義世界革命−日本革命を担う労働者党の細胞を労働者階級の中に建設することが反革命カクマル完全打倒の道である。
理論的、イデオロギー的闘いをさらに強力に推し進め、反革命の一切の存立点をうち砕こう! マルクス主義を捨てたカクマルがすがりついてきた黒田哲学なるものはすでに腐臭を放っている。この反革命的汚物−インチキ黒田の観念論哲学の清掃に入らなければならない。
そして、最後的な軍事的打倒である。この闘いこそ、完全打倒の決定的闘いである。組織的、思想的、理論的根拠のすべてで展望を失ったカクマルは軍事的凶暴化でもって生き延びようとしている。これに対しては徹底的に闘おう! 人民の闘いに常に敵対してきたカクマルは、人民の決起に自らの危機を感じ、おびえ、恐怖している。彼らの軍事性は闘う労働者人民に向けられたものだ。カクマルの反革命軍事行動を、武装自衛を徹底的に貫徹して粉みじんに粉砕し、カクマル完全打倒のチャンスとしよう! 革命軍は戦略的攻撃体制を堅持し、常に報復できる陣形を怠ってはならない。
全党の同志諸君! カクマル完全打倒へまっしぐらに前進しよう! 完全打倒への条件は整った。第6回大会路線の貫徹をかけて新指導路線を実践し、労働者の中に党を作り、もってカクマル完全打倒へ攻めのぼろう! 黒田、松崎、土門の革命的処刑をかちとれ! 3・14復讐戦貫徹、カクマル完全打倒、JR総連のファシスト的労働者支配の全面転覆を戦取しよう! 3・20国際反戦大闘争に決起しよう!
(注1)賃プロ主義 「資本との対決」と称して展開した組合主義者打倒運動。その矛先はJR総連に向けられた。
(注2)水本謀略運動 1977年にカクマル学生・水本の水死体事件を謀略だとしたもの。動労カクマルが組織を挙げてこの謀略論運動に取り組んだ。
本多延嘉書記長
1934年2月6日、東京に生まれる。54年早稲田大学入学。『早稲田大学新聞』編集長。日共早大細胞を指導。56年ハンガリー革命の衝撃を受けスターリン主義の問題を根本的にとらえ返す。トロツキー教条主義との闘いをつうじて(革共同第1次、第2次分裂)、59年革共同全国委員会を創設。以降、革共同書記長。63年黒田一派の卑劣な分裂・逃亡と闘う。69年4月27日、4・28沖縄闘争を前に破防法40条で逮捕、2年間の獄中闘争。二重対峙・対カクマル戦争を最先頭で指導中の75年3月14日、反革命カクマルの卑劣な憎むべき襲撃を受け暗殺される。享年41歳。
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