42862 | 御前会議考 |
天皇の臨席する最高戦争指導会議。その構成員は、首相、外相、陸相、海相に、統帥部を代表する参謀総長、軍令部総長を加えた6名を常任メンバーとしていた。
浩二さんが先生であれば、この位の論文はお読みになっていた方が良いかと思います。丸山眞男氏の「戦争責任論の盲点」(「思想」昭和三十一年三月号、岩波書店)です。ちなみにこの論文は、「共産党――ヨリ正確には非転向コンミュニストの戦争責任の問題」についても語っており、突然思い出したように共産党が反丸山キャンペーンを行った標的となった論文です。-----------------------------------------------------------------------------------
天皇の責任については戦争直後にはかなり内外で論議の的となり、極東軍事裁判のウェッブ裁判長も、天皇が訴追の対象から除かれたのは、法律的根拠からでなく、もっぱら「政治的」な考慮に基づくことを言明したほどである。しかし少くも国内からの責任追求の声は左翼方面から激しく提起された以外は甚だ微弱で、わずかに一、二の学者が天皇の道義的責任を論じて退位を主張したのが世人の目を惹いた程度である。実のところ日本政治秩序の最頂点に位する人物の責任問題を自由主義者やカント流の人格主義者をもって自ら許す人々までが極力論議を回避しようとし、或は最初から感情的に弁護する態度に出たことほど、日本の知性の致命的な脆さを暴露したものはなかった。 |