第二審判決考







(私論.私見)


百人斬り訴訟判決文

二審東京高裁

判決全文 高裁判決は短いので1つのファイルに納めました。ただし「第2 事案の概要」から先はそのままでは分かりにくいので、下記の参考版をご覧ください。

参考版 高裁判決文2 事実及び理由 請求と事案の概要

参考版 高裁判決文3 争点に対する裁判所の判断(1)

参考版 高裁判決文4 争点に対する裁判所の判断(2)

 

一審東京地裁

判決文1 主文まで

判決文2 事実及び理由 原告被告双方の主張と、どこが争点でどこは争点でないかを整理しています。

判決文3 争点に対する裁判所の判断(1) ※この部分は事実経過の流れと各種資料の紹介と解説です。(要するに、事実認定)

判決文4 争点に対する裁判所の判断(2) ※上記認定に対する裁判所の判断、もっとも狭い意味での判断はこの部分です。

別紙文献目録

判決の原本は119ページあります。加えて、別紙としてさらに百人斬りをめぐる各種文献資料のコピーが添付されています。こちらは割愛させていただきました。主要部分はすでにこれまでの論争でネット上に取り上げられています。

※人名の一部をアルファベットに変更しました。(名字のイニシャルではありません)
すでに既存の書籍、ホームページ等で名の知られている方は実名で、今回の裁判で証言されただけの方はアルファベットで表記しています。

HOME


http://homepage2.nifty.com/60hp/100sosyou.htm

(5/27入力)

宛先: "辻  奐児" <UGN24904@nifty.com>
件名 : 高裁判決速報に追加
日時 : 2006年5月27日 16:17


別紙の如く、取りあえず追加文をお届けします。判決全文を読みま
したが地裁判決を補正している部分が多いので理解に時間がかかり
ます。

高裁の判決文中当裁判所の判断から、取りあえず下記の通り、重要部分と思われる部分を独断で要約したの

で報告する。他の地裁判決補正部分も検討を要する。以下順不同

              1.死者の名誉毀損: 故人がこの世にあるとしたならばその名誉を侵害するような行為がなされたとし

             <![endif]>ても、それをもって不法行為上、故人の人格権を侵害する違法行為を構成するとは言えない。本多の

             <![endif]>各書籍の記載によって両少尉の名誉が毀損されたとは言えない。(法律を引用しているが略)

             <![endif]>2.遺族の名誉毀損表現とプライバシーの侵害:各書籍の記載によって、周囲から両少尉の子や妹だと

             <![endif]>認識されたり、社会的地位を低下させられたことは有り得ない。

      子や妹であることを知る者が個人的に関心を向けることがあったにしても、遺族の名誉を毀損し、プライバ

    シーを侵害したと言うためには、故人の社会的評価を低下させることになる摘示事項や論評,またはその基

      礎事実の重要部分が全くの虚偽であることを要する。(地裁の「一見して明らかに虚偽」の表現を強めている)

             <![endif]>3.百人斬り競争: 南京攻略当時の戦闘の実態や両少尉の軍隊に於ける任務、一本の日本刀の剛性、ない

             <![endif]>し近代戦争における戦闘武器の有効性等に照らしても、日日新聞の記事の内容は信じることは出来ない。

             <![endif]>百人斬りの戦闘戦果は甚だ疑わしいと考えるのが合理的である。(此処までは納得、だがこれからがおか

             <![endif]>しい)しかし、競争の内容が日々の記事と異なるものであったとしても、当時としては「百人斬り競争」

      <![endif]>  として報道されることに違和感を持たない競争をした事実自体を否定することは出来ない。新聞記者の

      <![endif]>  創作記事で、全くの虚偽であると認めることは出来ない。

      <![endif]>4.東京裁判: 浅海記者がパーキンソン検事に「記事の内容は真実」と証言したのは「両少尉からの取材

      <![endif]>  事実を粉飾していない」の意味と理解する。

      <![endif]>5.紫金山の戦闘: 紫金山で敗残兵狩真最中の向井少尉の記事をとらえて、日々報道は創作と言うことは

      <![endif]>  出来ない(当時向井少尉は負傷の治療中で紫金山戦に参加していない、野田少尉と会うはずがない、との

      <![endif]>  当方主張の否定)

      <![endif]>6.日々報道の時効: 成立とする

      <![endif]>7.遺族の立証責任: 本多が検証なしに殺人ゲームの記事を書いた、志々目彰、望月五三郎、鵜野晋太郎

      <![endif]> 等の文章は根拠がない、少なくとも両少尉と無関係と証明すれば書籍の記事が「一見して明白に虚偽であ

      <![endif]> る」と認定されてしかるべきである。

  (遺族に不可能なことを要求)

 

以上、不充分を承知で速報の追加としますが詳細は追って偕行誌に投稿します。   


 (5/24入力)

宛先: "辻  奐児" <UGN24904@nifty.com>
件名 : 高裁判決 速報
日時 : 2006年5月24日 16:53


敗訴です。判決文を入手してから詳細をご報告しますが最高裁での
逆転を期待します。
傍聴希望者は70人、傍聴出来たのは約50人、判決言渡しに要し
た時間は僅か一分弱でした。
ご遺族の心中察するに余りありです。



(3/8入力)

件名 : 百人斬り判決日 
日時 : 2006年3月8日 10:05


高裁の判決は5月24日(水)1時10分に決まりました。





(3/5入力)

件名 : 百人斬り
日時 : 2006年3月5日 8:22

裁判官忌避問題は3月1日付けで申立却下の結論が出た。國安




(3/4入力)

件名 : 百人斬り高裁追加報告
日時 : 2006年3月4日 10:54


別添の掲載方お願いします。何れ偕行誌用にもまとめますので宜し
く、國安

裁判長が拒否した控訴理由書の最後の部分 平成183月3日

法廷開始後間もなく、石川善則裁判長は突然原告控訴理由書の最終頁「三 おわりに」を認めないと発言した。

稲田弁護氏の「具体的にどの部分か」の質問に対して裁判長は答えず、控訴理由説明時間を5分と制限した。そ

れでも稲田弁護士は敢えて裁判長が認めなかった頁の主要点を朗読した。この度稲田弁護士が提出した準備書面

を入手したので「裁判長が気に食わなかったと思われる部分」を次の通り私が勝手に推定して抽出してみた。

“判決では立証責任を遺族側に負わせて、遺族等の人権侵害を放置する(見殺しにする)事にした。良識ある日

本人なら「日本刀で100人以上の中国人を斬殺」などということが、如何に荒唐無稽な作り話であるかを一瞬に

して見抜くことが出来る筈だが、原審の裁判官等はその荒唐無稽さが理解できないくらい目が曇っているのか、そ

れとも名も無い3人の高齢の女性の人権を擁護する判決を書いた場合の社会的影響の大きさを政治的に判断した

結果なのか、結果として極めて理不尽な結論を出した。この判決によって虚偽の作り話が大手を振って南京大虐

殺の象徴として歴史に残り、遺族等は生涯人権を侵害される。”

“立証責任が遺族側にあると判示しておきながら、立証方法すら奪う暴挙である。証人を抜きにしてどうして立

証せよというのであろうか”(註:証人申請は全部拒否された)

“靖国訴訟では原告の意見陳述、当事者尋問、控訴審で更に意見陳述、憲法学者の証人尋問、沖縄戦現地での原

告の意見陳述を許すなど、屋上屋を重ねる審理を行っている。

(司法の政治化と非難されるべきであるが)、これと対比しても本件が異常な訴訟指揮であることがわかる。良

識ある判決を望む”(註、ほかにもあるが出来るだけ短くした)

 

向井千恵子氏が朗読を拒否された陳述の一部分

同氏が報告会で読まれたものを独断で短くした。

“戦友会でも父は上官として評判が良く、歩兵砲小隊長として最前線で斬り合いなど出来るわけが無く、任務を

離れれば軍法会議です。報道は時代劇さながらのチャンバラ記事なのです。誰かが、見たとか・あったとか書い

てしまえば嘘でなくなるのでしょうか。

「有りもしないことの証明をせよ」と言われても嘘をついている人の反証まではしようがありません。一審では

遺族に対して非常に厳しく嘘であることの証明をしろと言われ143件もの証拠を提出しましたが全く取り上げて

もらえませんでした。

裁判官の皆様も本多書著の歪曲表現の変遷、60有余年前の検証、軍隊や軍国主義時代の生活など理解困難と思い

ます。また、昨今の諸事情から中国絡みの裁判は誰も拘わりたくもなく、容易ではないことも承知しています。勇

気ある公正な判決を信じます。父たちの汚名を晴らし、遺族も長年の精神的苦痛から解放されることを望んでいます。“

 









(2/28入力)

件名 : 裁判報告の追加  60期用
日時 : 2006年2月27日 14:51

高池主任弁護士は裁判官忌避申立書を提出したが対象裁判官は石川
善則、井上繁規、河野泰義の三人、
石川裁判長は次回の日程を決めずに閉廷したので忌避問題解決後に
結審する積りではないか。4月初旬?
なお、小生は傍聴籤外れ、よって報告会を参考にし、手持ち資料に
より本報告を作成した。
公判一週間前と21日に裁判長から高池弁護士に電話有り「2時半か
ら次の公判があるので両方陳述は5分、控訴理由書の一部に不適切
な部分があるのでその部分は認めない」とのこと、開廷後同様の発
言があったが稲田弁護士は当該部分も(意見のまとめ)朗読した。
報告は良く聞こえなかったので全文入手後に再報告するが「マスコ
ミが報道の名のもとに国民の人権を踏みにじる」ことを批判したも
ので「何処が不適切なのか全く理解出来ない」と稲田弁護士は報告
した。なお、当方が申請した証人申請は全部却下、先方は早期結審
を訴えた。弁論書で反論した主内容は次の通り:
ただ一人の生き証人・佐藤カメラマンの証言を全く曲解、浅海記者
の報道は自分で見ていない・人から聞いた話でもない全くの創作記
事、度々虚偽を書く癖のある記者の証拠を提出する、両少尉の冗談
話を真実と断定することは出来ない、鹿児島新聞などの戦意高揚記
事は事実を報道したとは言えない、両少尉は紫金山山頂の戦闘に参
加し斬った人数を確認しあったとするのは全くの創作で野田少尉は
別地区で戦闘中・向井少尉は負傷入院中、富山大隊長が南京法廷に
提出した向井負傷証明書は事後提出なので真実と認めないのは偏
見、部下の田中金平が日記に小隊長負傷と書いてないから負傷して
いないは納得出来ない、野田副官が望月五三郎兵に農民一人を捕ま
えさせて目の前で斬殺したのは作り話、同人は上官誹謗の常習犯、
本多は捕虜斬り・据えもの斬りと言うが中国人から聞いた話ばか
り、志々目証言の否定者あり、小学校同期の辛島は野田を擁護して
いるのに曲解,辛島を大阪幼年とするのは間違いで海兵75期,
毎日の除斥成立の主張は該当しない、などとするものです。國安


(2/23入力)

件名 : 高裁の結果速報
日時 : 2006年2月22日 17:49


取りあえず速報だけ: 2月22日2時から高裁で初公判が行われた
が、裁判長は冒頭から当方の陳述、説明を聞く耳を持たず、已む無
く高池主任弁護士は不当な法廷指揮として裁判長忌避を行った。4
月初旬に判決が出るかもしれない。
忌避の有効性については今後審議するらしい。以上、速報だけお届
けする。
なお、弁護士会館の報告会で弁護士5名、遺族2名から余りにも不当
な裁判だと説明があった。
今日は傍聴席52に対して92名の希望者が集まったが、60期は西宮か
ら来た林弥寿夫、河野覚兵衛、前田正一、小生、4人とも抽選外
れ、支援する会の事務局長が林君に当選札を世話した。詳細は2−3
日中に報告する。國安


(11/22入力)


件名 : 百人斬り高裁日程
日時 : 2005年11月22日 10:03


先方の都合で来年2月22日(水)午後2時、818号室と決まり
ましたが30人しか傍聴出来ないそうです。
お知らせまで、


(8/26入力=その2)
件名 : 判決の要旨
日時 : 2005年8月24日 16:42


判決の要旨と全文190頁を入手したので裁判長が当日読み上げた
要旨部分をお届けします。これから判決文を読みますが纏め次第、
改めて内容をお届けする予定です。
なお、今回の判決は「今の政治、外交の流れ」を配慮して作成され
たもので不当判決との多数意見が寄せられています。

平成15年()9281号 謝罪広告等請求事件の判決要旨

平成17年8月23日 午前11時判決言渡103号法廷、東京地裁民事第6部合議B係、裁判長 土肥章大、裁判官田中寿生、古市文孝

(注記)HPでは簡単に「百人斬り訴訟」と呼んでいる。既に周知の事実は除外し一部字句を解りやすく直した部分もある。

 

第1 裁判所の判断(主文) 原告等の請求を何れも棄却する

第2 事案の概要 略

第3 当裁判所の判断(理由)

1.本多、柏、朝日に対する請求について

(1)   一部の書籍には両少尉を匿名で表記しているものの、MNが日々記事に「百人斬り」を行ったと報じられていること、及び南京裁判で死刑に処せられたことを具体的に適示しており、日々記事に掲載されて南京裁判で処刑されたMNは両少尉以外にいないので、この程度の記載であっても両少尉を充分特定し得るものと認められる。

(2)   各書籍には、両少尉が、上官から、100人の中国人を先に殺した方に賞を出すという殺人ゲームをけしかけられ「百人斬り」「百五十人斬り」という殺人競争として実行に移し、捕虜兵を中心として多数の中国人をいわゆる「据えもの斬り」にするなどして殺害し、その結果南京裁判において死刑に処せられたといった事実の適示がなされていると認められる。両少尉が「百人斬り」「据えもの斬り」をするなどして殺害した事実は、いかに戦争中に行われた行為であるとしても、戦闘行為を超えた残虐な行為を行ったとの印象を与えるものであり、両少尉の社会的評価を低下させる重大な行為であると言える。

(3)   そこで、適示事実の重要部分について「一見して明白に虚偽であるか否かについて検討」するに@日々記事は両少尉が浅海記者ら新聞記者に「百人斬り競争」の話をしたことが契機となって連載されたものであり、報道後野田少尉が「百人斬り」競争を認める発言を行っていたことが窺われるから、連載記事の行軍経路や殺人競争の具体的内容については虚偽や誇張が含まれている可能性が全く無いとは言えないものの、両少尉が「百人斬り」を行ったこと自体が、何等事実に基づかない新聞記者の創作と認めることは困難であること、A本多が両少尉が捕虜を斬殺したとの論拠にする志々目彰らの著述内容についても、これを一概に虚偽であると言うことは出来ないことB「百人斬り競争」の話の真否については、現在に到るまで肯定・否定の見解が交錯し、様々な著述がなされており、その歴史的な事実としての評価はまだ定まっていないと考えられるので一見して明白に虚偽であるとまでは認めるに足りない。

(4)  従って請求は認められない

2.毎日に対する請求について

(1)   現時点において日々記事が虚偽であることが明らかになったと認めることが出来ないので毎日に対する請求は認められない

(2)   原告の主張する不作為の継続不法行為は、毎日が違法状態を是正しないことを不法行為としているが、本件日々記事の終了した日をもって民法724条後段の除斥期間の起算点とすべきで、本記事は昭和12年12月13日に終了しているから、同日から20年をはるかに超えた提訴の時点では除斥期間を経過したものと認められる。          以上


(8/26入力=その1)

件名 : 百人斬り訴訟の不当判決
日時 : 2005年8月23日 19:38


判決は「百人斬り、捕虜・据えもの斬りは”一見して明白な虚偽と
は認め難い”ので原告の訴えを棄却」とするものでした。正直言っ
て驚きました。
判決文は200ページに及ぶので主任弁護士もまだ全部を読んでな
いとのことですがご遺族は即刻控訴を決めました。なお、傍聴希望
者は90席に対して170人強でしたが幸い郷田と國安は傍聴出来
ました。60期支援者の傍聴多数で心から感謝しています。
12−13時、参議院議員会館で報告集会が開かれましたが200
人近く参加し、弁護団、遺族から「判決は不当、裁判長は全然事実
を理解していない、全く勇気がない判決」との報告がありました。
つまり、143通に及ぶ当方の証言・書証「百人斬りは無かったと
する主張は証拠不十分」とするもので、「あった」とする証拠とし
ては志々目彰証言と野田少尉自身が一部認めたとする報道が採用さ
れています。
一方、こちらの生き証人、大阪毎日の元カメラマン佐藤振寿氏の
「あれは全くの法螺話」との証言については何も触れず無視された
ようでした。また、「志々目と共に野田少尉の講演を聞いたが百人
斬りには触れていなかった」とする鹿児島男子師範付属小学校元同
級生の証言を完全に無視していること、更にはこちらから本多、
志々目氏の証人尋問を請求したのに対して土肥裁判長が「これ以上
証人を呼ぶ必要は無い」と言いきったことに対する不審、不公平の
疑問が残りました。
裁判長はこちらに対しては「百人斬りは無かったとする立証不十
分」とし、一方戦意高揚目的の当時の報道や、本多の中国の旅など
における百人斬り、捕虜据えもの斬りをやったとする傍証のない無
責任な記述を100%評価している、これに単純な疑問と不公正感
が残るのは当然であります。
なお、判決全文の解釈が終わり次第、再度詳細をご報告出来ると思
いますが、高裁の第一回裁判は11−12月頃かも、との弁護団意
見が示されましたので念のため。
稲田弁護氏が選挙を控えているのでご報告は遅れるかもしれません
が引き続き裁判、稲田氏の立候補のご支援をお願い致します。國安
輝久
    



(8/19入力)

件名 : 百人斬り訴訟判決の傍聴
日時 : 2005年8月19日 13:36


8月23日(火)、11時、103号法廷で判決が出ます。傍聴希
望者は10時半頃までに東京地裁の入口に並べば傍聴抽選券を貰え
ますが傍聴希望多数と思います。
パソコン利用に依る抽選は整理券番号ですから早くから並んでも当
選するとは限りません。「特別な入場枠は無いのか」とのご質問が
ありますが支援する会に特別な枠はありません。マスコミは特枠で
すが一般は約90人傍聴出来ます。判決後、11時半地裁で記者会
見、12−13時参議院議員会館第3会議室で報告集会が行われま
す。
良い判決が出ることを期待しています。

稲田弁護士の立候補:
本日の報道で「主任弁護士 稲田朋美氏」は福井一区から衆議院議
員選挙に立候補、比例代表については北信越ブロックの一位に登録
される見通しと報じられています。益々ご多忙になると思いますが
政界での更なるご活躍に期待します。國安輝久


(5/25入力)

件名 : 百人斬り結審
日時 : 2005年5月24日 19:14


稲田主任弁護士の報告をお届けします。國安

「百人斬り訴訟の結審」について稲田朋美主任弁護士から報告を頂いたのでお届けします

「平成17年5月18日、午前10時、東京地裁103号法廷で約2年間にわたり争われてきた「百人斬り」

報道名誉毀損訴訟の最終弁論期日が開かれた。傍聴席をめぐって早朝から裁判所前で列が出来、抽選となった。

弁論が開かれたのは昨年9月以来約8ヶ月ぶりのことであり、その間3回、弁論準備手続きが行われたが非公開

であり傍聴は出来なかった。最終期日なので多くの支援者が傍聴してくれたことに感謝する。

 最終弁論期日については3月の準備手続きにおいて、原告40分、被告40分と時間を決めて意見陳述を行う

ことになっていた。

(國安註、被告は時間をオーバーしたので稲田弁護士は裁判長に抗議した)

 最初に原告側から野田マサ、田所千恵子、クーパー恵美子から各10分の意見陳述がなされ、それぞれ百人斬り

という虚報により愛する父や兄を失った悲しみがいかに大きいものであるか、「中国の旅」の出版以来、父や兄が

虐殺者とされたことにより、いかに名誉と人権が失われたかを訴えた。其の後、稲田と高池弁護団長がそれぞれ

締めくくりの弁論を行った。

 被告側は本多代理人の渡邊春己弁護士、柏書房の岡田弁護士、朝日新聞社の秋山弁護士、毎日新聞社の豊泉弁護士

がそれぞれ最終弁論を行った。

(國安註:下を向いて書いたものを読んでいた弁護士もおり、良く聞き取れないものがあった。)

 原告、被告の代理人から最終弁論にあたり、事前に夫々の最終準備書面を提出していたが、我々の最終準備書面は

68頁に及ぶもので、主張すべきことはすべて主張し、立証すべきことはすべて立証したと思う(143通の書証を

提出した)。

 判決は8月23日、午前11時、東京地裁103号法廷、裁判長は弁論準備手続きにおいて「本件の最大の争点は

百人斬りが虚偽か否かである」と述べており、戦後60周年の記念すべき年の8月にこの点について決着がつくこと

になる。意義ある判決を期待している。  以上

(國安註: 終了後弁護士会館で説明会が行われたが日本テレビだけが取材し、21日朝8時本件を含む諸問題を

放映した。事前の取材にあたり、稲田弁護士は「我々は南京虐殺問題を議論しているのではない、百人斬り報道が

真実か否かだけを追究しており、遺族の人権と名誉毀損を問題にしている」と主張したがこの内容は全くカットされ、

南京事件と関係があるようにあらかじめ決められていたようだ。内容は焦点が不明確で五目飯になっていたと思う。)


 
(5/18入力)

件名 : 百人斬り最終弁論の速報
日時 : 2005年5月18日 16:09


本日の傍聴希望者は130人余、傍聴出来たのは91人、抽選に外
れた60期支援者は気の毒でしたが小生外4名は傍聴。
10時ー11時半、最終弁論が行われ、原告・被告共に意見を述べ
ました。
当方は野田マサ(妹)、クーパー恵美子(米国居住の向井氏長
女),向井千恵子氏(次女)、稲田・高池両弁護士で
「百人斬りは虚偽である、虚偽の報道により遺族の人権は侵害さ
れ、名誉毀損にあたる」と今までの主張を要約して陳述しました。
これに対して朝日、毎日、柏書房、本多勝一の代理人から夫々「真
実である、人権侵害してない、名誉毀損に当らない」と反論が
ありました。
最後に裁判長より「今回で弁論を終わる、判決は8月23日
(火)、11時から行う」との発表がありました。
本日の記録を整理した上で近日中に詳細を報告致します。長期間ご
支援ありがとうございました。


(3/10入力)


宛先: "辻 かんじ" <fwnc4904@mb.infoweb.ne.jp>
件名 : 次回裁判日程
日時 : 2005年3月10日 8:21


早速の掲載感謝。次回は5月18日(水)、5月8日のミスを直し
た積りが直っていなかった。すみません。(訂正しました。辻)
なお、実戦経験に関するご意見募集は支那事変と南京戦に限定しな
いので宜しくお願いします。



(3/9入力)

平成17年3月7日(月)10時、 第10回、非公開の弁論準備手続きがありましたので下記の通り報告します。

稲田主任弁護士の報告をベースに致しました。

 

最終非公開の裁判官、弁護団(向井氏出席)打合わせが開催された結果、裁判所が真正面から「百人斬りは虚偽か否

かが最大の争点である」と考え、この点について判断する見通しなこと、現在までに双方から提出された書証で充分

判断可能と考えていることが明らかになりました。本多の証人尋問は必要ないとのことであります。

次回は結審の予定で5月18日(水)10時、東京地裁、103号法廷と決まりましたので多数支援者の傍聴をお願い

致します。傍聴希望多数で抽選になると思うので早めに9時半頃から並ぶと抽選券が貰えます(先着順ではないので

念のため)。

なお、当日向井少尉の長女(米国在住)と次女(千葉県)、野田少尉の妹殿(鹿児島県)、弁護士の意見陳述が約40分、

被告側の本多勝一,朝日、柏書房夫々10分、毎日1−2分の意見陳述が予定されていますので意見陳述だけで

1.5時間となるでしょう。

弁論終了後、弁護士会館で弁護士報告会があります。

最後に「百人斬りはあり得るか」について、実戦経験を含めてのご体験やご意見をお持ちの方は可及的速やかに國安に

ファックス連絡(04−7182−7705)頂ければ大変有難いと思います。 以上



(2/11入力)

       野田・向井両少尉の慰霊祭に参列して

               房総 河野覚兵衛(予科28-7航空5-3)

 去る1月28日野田・向井両少尉(南京攻略戦当時)の慰霊祭が靖國神
社において挙行された。この日は東京日々新聞の創作記事を唯一の証拠
に昭和23年、御両人が南京雨花台において銃殺された日である。参列者
は2百名ぐらいであったろうか。偕行社会員もお見えであったと思うが、
60期生は郷田豊<31>、前田昭一<22>と、私、それに遠路福岡から上京した
清水勇<11>、4名であった。常連の「百人斬り訴訟を支援する会」の國安
輝久<9>は体調不良でやむなく欠席した。
 慰霊祭のあと、靖國会館「偕行の間」において勝訴に向けての集いが開
催された。部屋は満席であった。
 稲田朋美主任弁護士から詳細な経過報告があった。法廷での無駄のない
弁論には感心しているが、当日も明快な説明であった。一言で言えば「風
はこちらに吹いている。最後まで頑張りましょう」ということであった。
 最近、彼女の名前を新聞、雑誌に見かけることが多いが、堂々と正論を
述べている。小堀東大名誉教授が彼女にニックネームをつけたそうだ。そ
の名は「日本のジャンヌダルク」。この訴訟にはわが国の名誉がかかって
いることでもあり、救国の女性にふさわしい輝かしいニックネームと言え
よう。
 最後に向井少尉の次女田所千恵子様、野田少尉の妹野田マサ様からお礼
の御挨拶があった。田所様は向井少尉の遺稿の一部を読み上げられ、野田
様は日中友好のために命を捧げたのに、それが裏目に出てしまったようで
悲しいと、お二人とも涙ながらに述べられだが、私も涙を抑えることがで
きなかった。
 この訴訟について小堀東大名誉教授は産経新聞(H15・7・15)の
「正論」で次のように述べている。「旧陸軍の人々には全てこの訴訟を支
援し、以て日本陸軍全体にかかってくる恥を雪ぐために尽力する義理があ
ると思う。旧軍の方々の一考を促したい」と。


For